2010/06/30

285【世相戯評】世界タマケリ大会に占領された新聞がようやく普通の新聞に戻った

 これでようやく新聞も普通に戻るだろうと、ほっとしている。
 なにしろ今朝の新聞は、負けたのに1面も社会面も占領して、困ったものである。
 そう、世界タマケリ運動会の記事である。
 実は、昨夜は日本パラグアイマッチをTVライブで見た。はじめてである。
 これで決着つくかと期待したら、そのとおりになった。
 PC画面のはじっこに小さく写しながら、文章書きをしていたが、うるさくて音を消した。
 ブブセラもそうだが、それよりもおしゃべりがうるさい。あんなにしゃべらなくても見れば分かるよ。それともタマケリ試合ってのは、解説がないと世のファンは分からないのかしら、。
 いちばん面白かったのは、最後の1対1の対決であった。
 相手の作戦というか、心理状態というか、目つき動作というか、それを互いに読みあってすばやく予想して対応する。力や技じゃなくて心理作戦で相手をうまく裏切った方が勝ちってのが、面白い。
 それに引き換え、本試合のほうは2時間も右往左往しているだけで、なにが面白いのか。

(夜、追記)
 夕刊もデカデカと1面から最後まで占領しているので、ハテナ、もしかしたら日本チームは勝ったのかしら?、サッカーのルールはゴール数が少ないほうが勝ちなのか?、と、今朝は読まなかった記事を読んだら、やっぱり負けていた。もう、いいかげんにせ~よ、。

●参照
http://datey.blogspot.com/2010/06/277.html

284【言葉の酔時記】縦割りでそれぞれ勝手な言い方の役所用語

 区役所の年金保険課から手紙が来た。
 「課税所得」が現役並みなので医療費負担が3割になるが、夫婦とも70歳以上なので特別申請手続きすれば1割になるのでどうぞ、というのである。

 そこで所得税確定申告の控えを見ると、「課税される所得金額」は現役並みに届かないのである。おかしい。
 一方、区役所の民税課から来た税額決定通知書の「課税標準額」を見ると、これは現役並みの額である。
 とすると、「課税所得」(区役所年金保険課)と「課税される所得金額」(国税庁)と「課税標準額」(区役所市民税課)の関係はどうなっているのだろう?

 保険課に質問したら市民税課にきいて教えてくれた。
 分かったことは、まず同じ区役所の「課税所得」と「課税標準額」とは同じものであること。同じなら同じ名前にしろよ、わざわざややこしくするなって。
 次に「課税される所得金額」(国税庁)と「課税所得」(中区保険課)とは、違うとのこと。控除する金額を所得税の場合とは異なる計算をするのだという。
 ソックリな用語で実は違うってのは、誤解を招きやすい、ややこしい。
 縦割り勝手な名づけ役所用語をナントカしてくださいよ。

2010/06/29

283【各地に風景】そうか静岡は徳川家康の町であったと足と目で認識してきた

 静岡に行ってきた。このたびは地元の商店街の経営者の人たちや、静岡の都市プランナーたちと一緒であったので、わたしはなにも知らない静岡の歴史について学ぶことが多かった。
 そのなかで、特にわたしの無知が恥かしいが、この街は徳川家康で持っているのであった。

 徳川家康というと、静岡あたり出身であるらしいことは分かるが、やっぱり江戸でしょうよ、と思っていたのだ。
 ところが征夷大将軍をたったの2年で退いてからは大御所といわれて、静岡つまり駿府で10年間も実質的に政治の実権をもっていたののであった。天皇家ならば院政である。

 江戸初期の静岡は、日本の政治中心であったのだ、と、静岡の人たちは思っているようだ。
 浅間神社商店街できいた歴史的な話にも、徳川家康、金地院崇伝、林羅山などが地元の人として登場するのである。徳川様の町である。
 家康号、竹千代号という名のボンネットバスが、浅間神社商店街を走っている。

 徳川家といえば、徳川慶喜は敗軍となって静岡に蟄居したが、このとき江戸から観世流能役者たちが家元ともども静岡に移った。
 おなじように学者も移って来て、「静岡学問所}ができたそうである。
 ほかにもその時代の一流どころが移ってきたすれば、維新前後の静岡は一時的にせよ、日本でもかなり高い文化的状況であったのだろう。
 それは今の静岡に続いているのだろうか。

●参照→静岡:門前町の盛衰ー静岡の街並み(2010.06)

2010/06/28

282【世相戯評】博打騒ぎの相撲界に都市計画界の大御所の伊藤滋さんが登場とは???

 今日の新聞(朝日新聞2010年6月28日)朝刊第一面トップに、伊藤滋さんの写真が載っている。
 あれ、珍しくも都市計画で大ニュースなのかと見れば、なんだ、相撲取りどもの博打騒ぎである。
 なんとまあ、伊藤さんはご専門から大きく外れて、相撲協会の賭博事件調査の担当委員会の座長であるとか。教育者としてのご出馬であろうか。

 いつだったかいただいた年賀状に「去年いちばん驚いたことは、相撲協会の理事に推薦されたこと、、」なんて書いてあったのを、思い出した。
 でも、この伊藤さんの記事を見た世間の人たちで、この方が日本の都市計画の大御所であることを知っている人は、どれくらいいるものだろうか。

 ほかの委員の肩書きは、元検事とか元警察のなんとかとか、ご専門がもっともらしく分かるのだが、伊藤さんの肩書きは早稲田大学特命教授である。
 これでは何がご専門なのか分からないが、もしかしたら早稲田大学から特に任命されて、相撲協会のごたごたに首を突っ込まれているのかしら、と思うひともいるだろう。

 ちなみに、伊藤滋さんは、文学者伊藤整のご子息である。
 なんだかしらないが、伊藤先生、ご健闘を祈ります、、。
 へえ~、相撲取りが野球賭博やるのか、じゃあ野球屋は相撲賭博やっているとか、今はサッカー賭博が流行っているとか、あるのかしら?
 ところでご関係者は、ゴルフで賭けをやってないんでしょうね。

2010/06/26

281【世相戯評】こんなにもたくさんの政党があるのかよ~

 あきつ新党、改革党、共産党、公明党、幸福党、国民新党、自民党、社民党、女性党、スマイル党、世界経済共同体党、大地党、たちあがれ日本党、日本創新党、新党フリーウェイクラブ、新党本質、民主党、みんなの党

 新聞の参議院議員選挙立候補者の一覧を眺めていたら、なんだか面白い名の政党がある。そこでしげしげとあちらこちら参照しつつ、政党名らしいものを拾い上げたのがこれである。選挙の公平性から50音順にならべておく。

 ただし、新聞では略称だけしか書いていないものもあって、これが正しい政党名かどうか分からない。
 東京都の選挙区にとくに珍しいというか、普段は聞いたことのない政党名の立候補者がおおいのは、毎度のことである。

 新聞(朝日)の政党名の候補者欄への記述が、政党名の略称をかいてあるものと、諸派とひとくくりにしてその他大勢の分類にしているものがある。
 例えば、選挙区欄では、幸福党は「幸」とかいてあるのに、日本創新党、世界経済共同体党やスマイル党は「諸派」としてその他扱いである。そのくせ、比例区欄では日本創新党、女性党は諸派ではなくて政党名が書いてある。
 この差別はいったいどこから来るのだろうか。

 ところで、選挙の投票推進運動で、「みんな幸福のために女性スマイルたちあがれ」なんて標語は禁物になったんであるな、。
 むかしは「公明選挙」といっていたものだが、政党に乗っ取られた。

●参照
174選挙あれこれ 
http://datey.blogspot.com/2009/08/174.html
172またもや翼賛選挙
http://datey.blogspot.com/2009/08/172.html
042選挙に行かない
http://datey.blogspot.com/2008/09/election.html
175選挙TV報道
http://datey.blogspot.com/2009/08/175.html
163言葉の酔時記・政党の名前
http://datey.blogspot.com/2009/08/163.html

2010/06/24

280【能楽鑑賞】惜しまれる能楽師関根祥人の死

 関根祥人がなくなったと今朝の新聞にある。祥六の読み違いと思ったがそうではなかった。
 わたしがファンであったこの能楽師は、まだ50歳であの芸を見せてくれなくなってしまった。

 去年の5月、横浜能楽堂で祥六、祥人、祥丸の3代が出演する石橋をみた。
 今年は7月3日に観世能楽堂で再演する予定であったのが、その日が葬儀となってしまったのが、お気の毒である。
 死因は急性大動脈解離とあって、WEBで見ると高血圧性の病気らしい。

●参照→134三代の能楽 http://datey.blogspot.com/2009/05/134.html

2010/06/21

279【世相戯評・言葉の酔時記】二つの大企業の新聞広告を批評する

 今朝(2010年6月21日)の朝日新聞に、二つの全面広告がある。それがなんだかおかしいのである。
 ひとつはIBM世界で、日本で、スマートな都市が生まれつつあります
 コンピューターグラフィックらしい「スマートな都市」の絵が大きく載っているのだが、これのどこがスマートなのか? どうみても立体スラムにしか見えない。
 広告ってのは、どこか現実から少し乖離したあたりを示して、それに憧れ、あるいは羨ましく思わせるものと思うのだが、この絵はへたくそというか、現実そのものを絵にしただけである。
 形容詞のスマートsmartの意味を辞書(英辞郎)で見ると、
「利口な、賢明な、賢い、頭が切れる、頭の回転が速い、(機器が)高性能の、コンピュータを用いた、コンピュータ化された、ハイテクの、気が利く、(外見などが)格好いい、おしゃれな、洗練された、小粋な、ハイカラの、最新流行の、(人や店などが)上流社会の、粋な、高級な、(人の動作や物事の動きが)きびきびした、活発な、急激な、(人の言動が)生意気な、こしゃくな、抜け目のない、〈和製英語〉スマートな(やせている)」
 この広告がどの意味なのか分からないが、視覚的にはとてもスマートな広告ではない。
     ◆
 二つ目は、イオン命あふれる森を、未来のこどもたちへ
 まず、「子どもたちへ」は言葉としておかしい。「子供」は子の複数形だから、さらに複数を意味する「達」をつけてはヘン。
 写真は、中国の万里の長城あたりである。ここに苗木を植えて森にするプロジェクトをずいぶん前から続けている。それは高い評価をしたい。

 問題は、そのイオンが、日本では森をつぶしてきていることだ。郊外の田畑や森林をつぶして巨大なショッピングセンターをつくり続けてきている。
それは緑をつぶすばかりか、その近隣の歴史的な街の商業をつぶして、街を壊してもいる。そして市場が飽和あるいは縮小すればさっさと撤退していく。いわゆる焼畑商業である。跡は廃墟となったままであるから、「跡は野となれ山となれ」よりももっと始末が悪い。

 どうもこの中国植樹プロジェクトは、日本で緑壊しをしてきた罪滅ぼしでもしているように見えるのは、わたしの僻目である。
 僻目ついでに言えば、これでイオンは中国でのイメージを上げておいて、これからは中国各地の都市郊外で巨大ショッピングセンター開発を容易にする基礎づくりをしたので、焼畑商業を輸出するのであろうか。

2010/06/20

278【怪しいハイテク】merory of PC

 わたしのPCが時々つまづくような感じがするときが多いような気がする。稀にはストップして、いわゆるフリーズになってしまう時もある。
 そんなところに旧友から来たメイルに、彼もそんなPCにあいそうつかして買い換えてWIN7にしたという。なにやらかにやら入れ替えが超面倒だったけど、こんどは滞ることなく早く動くようになった。

 そうか、わたしもそうするかなあ、うちのPCはメモリーの奴がたしか512MBなんで、けつまづくんだろうなあ、買い換えるかなあ、でもいまのWINXPは動いているしなあ、買い換えて乗り換えのために馬鹿マニュアルにつきあわされるのはごめんだなあ、いや、あの超めんどくささに腹たてているとボケ防止になるなあ、でも高価なボケ防止だなあ、この間スキャナーが壊れて複合プリンター買ったし、続いて洗濯機が壊れてこれも買ったしなあ、ここはメモリー増設するほうが手っ取り早くて安価で、そうだっ、なによりまだ使えるPCをゴミにするモッタイナイことしなくて環境対応志向であるのがいまどき的でよろしい、と、まあこういう言い訳を考えついたのであった。

 メールでそのナヤミを旧友たちのメーリングリストに流したら、なかの一人が経験上でそれがよろしいといってくれた。
 さっそくWEBサイトでうちのPCに適するメモリーを探して型番を調べ、その型番のメモリーを売っているところを検索した。結局はAMAZONから代金引換で512MBを2枚買った。それ以上の増設は不可のPCである。
    ◆
 次の日にはそのメモリーはやって来た。さっそく取替え作業にに入る。
 電気製品の修理なんてのは、電線が切れたのをつなぐか、電球の切れたのを取り替えるくらいしかやったことがない。こんな精密機械をいじったことは皆無である。
 これもWEBサイト大明神にお伺いを立てて、メモリー取替え方法を教えていただいたのである。

 問題は、PCの箱を開けるのがどうしたらいいかわからない。WBサイト見てもよく分からない。
 とにかくビスをはずしまくって、こねくり回していたら、パカッとあいたのだった。良く見たら3つのビスをはずせばすむのを8つもはずしていた。開ける方法ぐらい箱に書いておけよ。

 来た奴と同じ格好のメモリーがあるので、どう刺さっているか見極めて抜き取り、新品を同じようにはめこんだ。
 箱の蓋を元に戻し、電源をつなぎ、あれこれつないでスイッチオン、おお~、画面が登場したぞ、インターネットにもつながるぞ、よかったよかった。
 小学生の頃、4球スーパーなるラジオを組み立てて、音が出たときの感激を思い出した。そうか、あの時はわたしも精密機械をいじったのだったか、。
    ◆
 でも、これで渋滞や凍結がなくなるのか、前より早くなったのか、しばらく使ってみないと分からないが、せっかくやったのだから、とりあえず早くなったような気がすると思い込むことにする。
 取り外したメモリーなるものを、捨てる前にしげしげと見ると、これがまあ、すばらしいアートなのである。
 まさかアートとしてデザインしているのではあるまいが、「機能的なものは美しい」という、近代建築のデザイン原理を思い出させる。
 メモリーのメモリーとして写真を撮った。

(追記100620)
 さっそくこの状況を書いて旧友たちのメーリングリストに流したら、推奨してくれた彼からこんなメールをもらった。
「処理速度はCPUで決まるので、通常作業ではスピードアップの実感はないはず。沢山のアプリケーションをパラで流しているときには、メインメモリーの容量を越え、HDDとのアプリ入替えが始まると、極端にスピードが低下する。最近はネットのブラウザの規模が大きくなり、数箇所をパラで流しているときによく経験した。今回の増設はこのケースを回避できるということ。したがって早くなったような気がするだけで、通常の作業では作業速度の変化はないはず」
 あ、そういうものなんですね。眼に見えて劇的に何かが変わると思い込んでいたのが恥かしい。早くなったと思い込んでもしょうがないような、思い込んでもいいような。
 とにかくありがとう。

2010/06/16

277【世相戯評】世界たまけり運動会

 新聞もテレビもインターネットも、アフリカで開催している「世界たまけり運動会」のことで一杯である。
 あんなに点が入らない、つまらないスポーツゲームはない。90分もの長丁場を、大勢のプレイヤーが、たまけりしつつ右往左往するばかり、それのどこが面白いのか。
 ごく稀に点が入ると、大げさに喜んで大の男たちが抱きつきあったりして、こちらが恥かしくなって見ていられない。

 そして日本から行ったチームが、アフリカのどことかチームに勝ったとて、大騒ぎである。優勝したのかと思ったぞ。まだ1回戦ジャン。
 新聞のスポーツ欄からはみ出して1面にも社会面にも大きく場所をとる。TVのニュース番組にもはじめのほうにでしゃばってきている。読むところがない、見るニュースがない、困ったものである。

 それも妙なことに、今日も日本が勝った記事やニュースを放送しているのだが、どうも一昨日のプレイのくり返し報道らしい。同じ事件で3日も稼ぐなんて、あくどいぞ。
 たまけりゲームで日本人のチームが勝つのは、かなり珍しい事件なのだろう。

 もうすぐ高校野球が甲子園で始まるらしい。そうしたら、こちとらはダブルパンチである。新聞代とTV聴視料金を負けろ。
 サッカーといえば、はるか昔の高校生のときのこと。運動会の後の校庭でファイアーストーム(あら、懐かしい言葉だ)をしたとき、勢い余って木製のサッカーゴールを倒して薪にして燃やしてしまった。大いに怒られた。

(追記 2010.6.20)
 今朝の新聞を見ると、日本からのチームは今度はオランダに負けた。負けたくせに第1面のトップ記事で反面以上占めているし、社会面もそうである。
 ところで、普通なら新聞は国名をイギリスとか英国とか書くのに、サッカー大会ではイングランドと書いているのは何故か。あそこも韓国と北朝鮮みたいにナントカランドと分裂国家なのか。


276【怪しいハイテク】新印刷・読取複合機

 8年くらいまえに買ったエプソンのスキャナーが壊れた。修理に出そうかと思ったが、いまどきは修理のほうが買うより高いこともある。
 プリンターとスキャナーの複合機を買おうか、スキャナー専用機を買おうかと迷った。プリンターはキャノンの安いのが手元にあって、まだ使える。
 問題はスキャナーなのであるが、プリンターも疲れ気味の感もあるので、このさい複合機を買うかと調べた。いまやプリントも、スキャンも、ものによってはファクスもできる複合機が主流らしい。
 でもハイテク機器にはおなじみの、どうせ要りもしない機能があれこれついているのだろう。
    ◆
 わたしは1万枚くらいのマウントしたカラーポジフィルムがあり、これをデジダルデータにする必要があるので、その機能がつくものを探した。
 ところが、それがないのである。ようやくひとつだけあったのが、キャノンのMP990というタイプである。そういう用途に使う人はいないのだろうか。
 でもネットで調べると、スライドフィルムからデジタルデータにするのを外注すると、1枚100円もするのだ。それじゃあ100万円もかかってしまう。
 実は1万円でYASHICAのフィルムスキャナー専用機を買ったのだが、性能が悪くてこれはどうしようもない代物であった。付属のソフトがエプソンのスキャンソフトと競合して動かない。しょうがないからペイントで取り込むのだが、光源の明るさの自動調整がないらしく、画面がハレーションを起して使い物にならない。これは買わないほうがいいですよ。
 壊れたエプソンのスキャナーにはもちろんフィルムスキャナーがついているのだが、これが読み取りがまったくもって遅いのである。新しい奴ならもっと早いだろうと期待もする。
    ◆
 プリンターも今のは安物だから、両面印刷が自動的にはできない。これからブックデザインと手作り本を趣味にしようというとき、それでは困るのだ。
 という理由をつけて自分を説得し、キャノンMP990を買うことにした。
 近くの電器屋の新聞折込広告に31600円とあり、そばに小さく値段は相談に応じますと書いてある。ネットで調べると最安値が26160円とある。
 店で店員にもうちょっと負けてよというと、500円安くしますという。
 え、ネットでみるともっと安いよ、そこまでとは言わないけど近い値段にしてよ。
 店員はネットで調べていたが、持って帰るなら26800円にするという。これならネットで注文して代金引換手数料を払うことを思えば大差ない。で、買った。
 店から家まで150m、30kgくらいありそうで重くて抱えて帰るのが大変だった。ちょうど雨が降ってきても両手がふさがっていて、傘もさせないのであった。
    ◆
 さて性能である。まだよく分からないが、いちばん期待するマウントスライドフィルムのスキャンは、壊れたエプソンよりもかなり早いので、これはよかった。
 セットアップするために嫌いなマニュアルを読んでいたが、そこでわかったことは、写真のプリントがいかに簡単に美しくできるか、ということばかり強調していることだ。
 そうか、世間の人は写真のためにプリンターを買うのか。おまけにつけてくれたのも写真用の紙ばかりであった。
 わたしはめったに写真のプリントをしない。ほとんど文書であるから、マニュアルの途中で、このプリンターは文書印刷できるのかと不安になったくらいである。文書“も”印刷できます、そんな書き方である。
 なんだかでかくて重くて、いろいろどうでもいいような機能がついているらしいが、使うことはないかもなあ。
 OCR機能もある。これはよくつかう。20年位前には200万円くらいで、とても手が出ないソフトだったが、いまやおまけソフトなのである。
 そういえばその頃に買ったスキャナーは40万円もしたなあ、でもなあ、あれはほとんど使い物にならなかったなあ、、。

2010/06/14

275【世相戯評】イトカワさんちにハヤブサ君がはじめてのおつかいに行ってきたらしい

 宇宙のお隣「イトカワ」さんちに行って、ジャガイモのかけらをもらってきてちょうだいって頼まれた「はやぶさ」くん。
 はじめてのおつかいに張り切って出かけて、無事にイトカワさんちに着いたのはいいけど、庭先でこけてしまった。
 泣き泣きようやく起き上がったのはいいけど、気が動転してかけらを拾うことを忘れてしまって帰途についちゃった。
 帰り道で道草を食ったり、迷子になったり、転んで怪我したりして、おうちの人を心配させつづけたけど、4年で帰る筈を7年もかけて、ようやくおうちの地球に帰り着いた。
    ◆
 宇宙飛行の現実に慣れてきて、もうロマンがなくなったと思っていたら、惑星探査機「はやぶさ」が話題になっている。
 わたしも昨夜は、帰還場面のネット中継サイトに入ったけど、混んでいて全然つながらなかった。
 わたしでさえもそうしたくらいの人気ぶりは、ひとえにその飛行のドジさ加減と、それを飛ばした宇宙屋サンたちの心配さ加減が、いかにも人間臭いからである。
 宇宙でいっぱいのトラブルを乗り越えた有名な事件は、アポロ13号帰還劇であった。あの時は酸素飢餓になるので、人間の命がかかっていた。
 こんどの「はやぶさ」は無人だったから、4年の予定が7年に延びても、人間が飢餓になることはなかった。もっともロケットは燃料切れで飢餓状態であったらしいが、なんとか食いつながせたのがロマンの出所である。
 地球誕生の45億年前の何かを抱えている「イトカワ」への旅は、まさにタイムトラベルである。はたして45億年前まで行ってきた証拠物件を持って帰ったのかしら。
 それにしても宇宙のジャガイモ、いやピーナツか、奇妙なもんである。
    ◆
 旅の疲れに燃えつきた「はやぶさ」くんは、来年から東北新幹線の列車に生まれ変ってこの世に登場することになった。こんどは無事におつかいをやってくれるだろう。

2010/06/11

274【世相戯評】牛豚の口蹄疫なる病気問題はまるで人間にも起きそうな恐怖のSF世界

 ある都市で突然に新種の流行病で、住民が次々に死に出す。特に過密なスラム街での流行がすごい。
 対応する治療方法も薬も開発されていないので、対策はただひとつ、発生地域を閉鎖して封じ込め、その中で消滅させる作戦しかない。

 あらゆる交通出入りを遮断する。その都市を封鎖する。食糧や医薬品を空輸して空中から投下する。
 住民はパニックになって逃げ出そうとするが、政府は軍隊を使って厳重に囲い込む。
 そのようななかで噂が流れる。ある種のエリートの人々だけには、密かに脱出して避難する作戦がされているらしいと。不公平だと、抗議の声がごうごうと起る。

 そうやって、発生都市ではむごい死体処理作戦が進んで1か月、ようやくに沈静化する様子が見えてきた。
 ところが、遥かはなれた都市でまた発生する。その犠牲と努力もむなしく、どうやら虫や鳥がその病原菌を運ぶらしく、飛び火のように発生した。また、同じ作戦である。
 そうこうしているうちに、避難させたエリートが発病し、、、。
 こんなSFF小説なんて、多分、もう書いたものがあるに違いない。
    ◆
 今、宮崎県で猛威を振るう牛や豚の病の口蹄疫事件は、現場から遠くにいるわたしには、申し訳ないがどこかSF小説の世界のようにも思える。
 あの大きな生き物を何万頭も短期間に殺す人間は、牛豚にとっては口蹄疫ウイルスよりもはるかに怖い存在であろう。

 鯨を殺すと怒る西欧系の人たちは、こんな大量に動物殺戮をする東洋人をどう思っているのだろうか。牛や豚ならオレたちも殺しているからって、抗議に来ないのかしら。
 どうして突然に大量殺戮することになるのだろうか。それは多分、肉牛・肉豚類の飼育の場は食糧原材料の生産工場という効率をもとめて、動物として生きるには超過密な環境なのだろう。
 1頭でも罹病するとぱっと蔓延するのだろう。広い牧場のあちこちに散在して草を食っていれば、こうはならないのだろうと推測する。生物多様性の反対の極にあるのだ。

 このことは前に養鶏場の鶏が鳥ウィルスにやられたときに、まさに過密飼育によって大量罹病大量処分が起きた。それに何も学ばなかったのか、それとも鶏と牛豚とは状況が異なるのかしら。
 口蹄疫が起きた地域を閉鎖する策が出されている。

 第2次大戦争が終わった直後のことだが、ベルリン封鎖という大事件があったことを思いだす。
 また、中世にペストが大流行したとき、人間の世界でもこんなことが起きたのかしら、と連想すると怖くなる。

2010/06/07

273【文化・歴史】木喰上人作の栃窪薬師堂にある仏像群は集落民の群像にちがいない


 木喰仏はやはり里の仏であり、庶民の家の仏であった。
 これまでにいくつか木喰仏のことを書いているが、このたび改めてそう思った。
 遅い春が終わったと思ったらいきなり夏の日照りの6月6日、栃木県鹿沼市の栃窪集落に、木喰仏を訪ねる機会があった。木喰上人の末裔、伊藤勇さんが企画してくださった。
 栃窪あたりは、関東平野が北にいたってそろそろ尽きようとする地域で、低い丘陵まじりののどかな田園地帯である。点在する集落ごとに今も寺や社が見える。
    ◆
 栃窪の薬師堂には、薬師如来、日光・月光両菩薩、十二神将など15体の木喰作の木彫像がある。1780年、木喰行道が弟子の白道とともにふらりと立ち寄って、50日間滞在したときの作品である。
 木喰は全国廻行の旅の途中、泊めてもらったもてなしに応えるべく仏像を彫って、世話になった人たちに、あるいは集落においていった。
 栃窪にその頃あった寺に滞在し、薬師堂を建立して15体の木彫仏像の群像を置いていったし、3軒の個人宅にも4体をおいていった。
 このたび、それらを守り伝える地元の人たちが薬師堂に集めてくださって、一度に見る機会があった。 

    ◆
 1780年といえば木喰上人は63歳である。仏像を彫り始めてからまだ3年、後の微笑仏と比べればいかにも古拙とも言うべき出来である。3体の墨書には弟子の白道の名もあるそうだから、共作であろう。
 薬師堂の段に居並ぶ十二神将たちの顔が、実は栃窪集落の人たちを写したのであろう、との解説を聞いた。それが証拠には神将たちは、それぞれ鎌や鋤、火縄などを持っているのである。
 中にはバアチャンにも見える素朴にしてリアルな十二神将の表情は、なるほどそのせいであるのかと納得する。世話してくれた人たちへの似顔絵ならぬ似顔彫刻とすれば、その子孫が薬師堂で仏を拝めば、そのまま先祖の面影に再会することもできることになる。これは栃窪集落民の群像彫刻である。
    ◆
 集落内の家に伝わる木喰仏も見せていただいたが、これらは普段は仏壇に安置するのだろうが、家の人たちが抱いたり磨いたりするし、子どもの玩具にもなったという。
 薬師堂仏と家仏と比べて面白かったのは、薬師堂仏は初期木喰仏のどこか無骨さをみせているのに対して、家仏はながらく人の手に触られて黒光りし、彫りの鑿跡も丸みがついて、どこか後の微笑仏につながるやさしさが加わっていたことだ。
 そして家仏として大小二つの大黒天という福の神を遺しているところが興味深い。庶民には教義の難解な真言密教の仏よりも、日常の冨をもたらす福の神である。
 薬師堂の木喰仏たちも、多分、かつては抱かれ、遊びに使われてもいたのであろう。それがまさに木喰仏らしい信仰の仕方とも言える。
    ◆
 この薬師堂と木喰仏は、いまや24戸となったこの小さな集落民たちで維持している。薬師堂とその前にある神社、そして神社境内にある公会堂、これらは一体となった集落のコミュニティセンターであるようだ。
 薬師堂の木喰仏は県の文化財指定となって、かつてのように自由に触ることはできない。しかし文化財を守るために大谷石で囲われる耐火の御堂を、県からの補助金を入れて建てることができた。
 集落ではこの薬師堂で「天然仏」という毎年の民俗行事の祭礼をおこなっているそうだ。そのときは薬師堂も神社もひとつのイベント会場となる。祭例をつかさどるのは、近くの寺院の僧侶であるという。
 ここの木喰仏の現代における大きな意味は、集落共同体の象徴となって、コミュニティーの継続に寄与していることであろう。かつては信仰とはそういうものであったのだろう。
    ◆
 大正末期の柳宗悦による木喰仏発見によって美術となった後と、それ以前の無名の里の仏とでは、木喰仏のイコン性は社会的には大きく変わった。
 ここ栃窪集落でも、県文化財指定によって里におけるイコン性に微妙な変化があっただろう。全国各地でどのような変化があったか知りたい気がする。
 仏像や神像には、堂宇の奥深く安置されてめったに見ることもましてや触ることもできないものもあれば、全く逆に家庭の仏壇や神棚に置かれて日常的に目に触れ手にとるものもある。その間にはいくつもの段階があるだろう。
 木喰仏ははじめは後者であったのだろうが、今ではほとんどが前者になりつつあるようだ。
 栃窪の薬師堂の仏像群も、創建時は狭いお堂の中で手にとるようにしていたかもしれない。それが壇に飾られ、箱に入れられ、今では仏像群だけを隔離する鉄の扉の向うに安置される。
 江戸時代に一宿一飯のお礼に木彫をおいていく旅の勧進僧(勧進は乞食と同義語になった)を、集落や商人たちがマレビトとして歓迎したようだ。絵描きもそうやって旅をしていたし、俳諧の松尾芭蕉も似たようなものだ。
 マレビトを迎えた集落の人たちは、そのもたらしてくる見知らぬ外の世界の情報に耳をかたむけていたのだろう。その人と情報のイコンとして木彫像は後世にまで伝えられた。
    ◆
 鹿沼栃窪の薬師堂に行くときは車に乗せてもらったが、帰りは鹿沼駅まで2キロあまりを歩いた。
 日本各地を行脚した木喰上人が見た田園風景を、木喰上人と同じ視線と歩みでみてこそ、木喰仏の里の仏としての意味が分かるかもしれないと思うのである。
 現代のスピードで木喰仏に行き着き、仏像を鑑賞だけしただけまた現代のスピードで立ち去っていては、あまりに見えないことがありすぎる。
 木喰上人を接待し、木喰の仏像を大切に守ってきた集落の田園、家屋、寺院、神社など、木喰の風景をゆったりと見たかったのである。
 もっとも、歩く道には自動車が行き交って、うるさく危険であり、本当なら田圃の中の畦道を通りたかったが、道不案内では仕方なかった。
 次の3回目に丸畑に行くときは、あの静かな林の中の坂道をゆっくりと歩いて登ってみたい。

◆参照
3つの展覧会http://datey.blogspot.com/2008/07/blog-post_11.html
木喰微笑仏の微笑とはhttp://datey.blogspot.com/2009/04/115.html
木喰の風景https://sites.google.com/site/machimorig0/mokujikibutu

2010/06/03

272【世相戯評】鳩から豆鉄砲を撃たれてしまった選挙民

 わたしが小学生のころは首相といえば鳩山一郎、吉田茂とだれでも覚えていたものだ。この20年くらいは、子どもはもちろんだが大人も覚えていられない。
 ましてや外国のお方は、日本に首相はいるのかしら、なんて。
 まあ、それでも日常生活はかわらないから、政治はわたしには遠いものである。沖縄の人はそうは行かないだろうけど、。
 またまた、またもや、こんどもまた、総理大臣をおとりかえ交換する選挙民は、いったいどういうおつもりなんでしょうかと、選挙しなかったわたしは思うのだ。

 それにしても民主党も変った姓の人が多い。このところTVニュースを見ているので、政治家の名前の読み方も分かったのだ。ま、小沢とか岡田とか陳腐な姓の方もいますけどね。
 鳩山なんて姓というよりも雅号ですな。ハトヤマキュウザンなんてしゃれていると思うけどなあ、引退して名乗ってはいかがですか。あ、逆にして鳩山山鳩、サンキュウでは、、。

 菅というのも読みに困る。スガって政治家もいたな、友人にスゲさんがいる。
 そして樽床とは超珍しい、テレビ見たからタルトコとわかった。知床を連想して北海道の方かと思ったら、言葉に関西訛りがある。
 ところで、今回の辞職ってイシュウが分かりやすいなあ、オバマさんのアメリカに対するあてつけ、いや抗議のハラキリか。
 それなら選挙民はハトを責めるのじゃなくてオバマを責めなくっちゃ。

2010/06/02

271【横浜ご近所探検】バスバー

 もう3年も前(2007年)の夏、寿町のホステルビレッジに友人たちと泊まった。ドヤ街のドヤをヤドにしているところ。
 その頃の経営はファニービーという会社で、ステキな女性リーダーと、奇妙なオジサンが居た。今はどちらもいないしファニービーも消えて、コトラボ会社の経営である。

 さて、泊まった晩のこと、そのお二人の案内でわたしたちは奇妙なバーに行った。
 本牧あたりの先で街の灯は消え去り、高速道路の高架をくぐって、草ぼうぼうの埋立地の先、物揚場らしい岸壁の上に出た。横浜の秘境か。
 先方に青色のボロバスがとまっていて、これがバーである。暗い岸壁の上に木のテーブルとベンチもある。バスの中も怪しい雰囲気である。

 岸壁の上で飲んでいると、背中から高速道路の高架から騒音と排ガスが降ってくる。目前には暗い入り江があって、向こう岸には高層団地住宅の灯がきらめいていて、こちら側の殺伐たる風景と対照的である。
 まあ、普通の常識では営業はありえない場所であった。もちろん非合法営業だろう。
 だがこちらとしてはその場所といい、非合法をいい、アジールそのもので、酒の味がいちだんと美味いのであった。大げさに言えば、禁酒法時代の酒飲みの秘密のタノシミと冒険の感もあった。
 参照→http://jsurp.net/machikan/yokohamareport.pdf


 さて今年3月末、そのときに一緒に行った仲間が近くを通りがかりに寄ってみたら、消えていたとのことだった。
 そしてまたそのすぐ後に、そのときの別の仲間から、BANKART・NYKに近いうちに営業再開するとの情報をもらった。

 気になっていたがようやく今日、BANKART・NYKに行ってみたら、青バスが岸壁にとまっていた。おお、これか~、BANKARTも粋なことやるもんだな。
 BANKART喫茶コーナーの女性に聞けば、4月からここで再開、夜8時から午前2時まで営業とのこと。
 バスを見れば、ボロではあるがえらくきれいなのは、塗り替えたのかしら。その女性は前のバスバーに行ったことないが、持ってきたと聞いているとのこと。

 今度は非合法であるはずがない。なにしろ日本郵船の土地だし、市が運営するBANKARTの敷地の中なのだから。その上、隣が神奈川県警本部であるのだ。
 だからバスは綺麗になったし、風景もMM21の超高層やら横浜港のベイブリッジが見えたりして、前がB級というかC級だったのに、今度はA級に格上げである。
 管理された非合法?になってアジール性はすっかり消えたようだが、まあ、アートだと思えばそれでよいか。
 いつか夜になって寄ってみたい。
●参照→横浜B級観光ガイド:関外地区


(追記100612)
 BANKART-NYKで2010年6月12日午後から夜にかけて、昨年暮に急逝した北沢猛さんを回顧してこれからの都市デザインを考える会があった。250人もの大勢が集まった。
 会が終わって岸壁側に出て、バスバーに寄った。
 
いろいろとあちこちから聞くと、前のところを立ち退きとなって、常連の人たちがあちこちに移転先を探しているうちに、BANKARTの関係者に話が届き、そこはアートの世界であるから、面白い、やろうと一気に進めてしまったのだそうだ。

 マスターはあんまり忙しいのは嫌だから、宣伝はしないでと頼んでいるから、世に知られていないが、常連やら面白がり屋やらがやってくる。今夜もいっぱいであった。
 海面に映るミナトミライの灯が見えて、A級穴場になってしまったが、中に座れば雰囲気は前のままである。