2013/10/13

844金木犀の花が香り銀杏の実が臭う公園で懐かしい記憶の中の嗅覚風景がよみがえる

 秋たけなわという今日の晴天、大通公園をふらふら徘徊していると、ウンコのにおいと金木犀の花の香りが同時に鼻を刺激してきた。オッ、これはなんだか記憶にある懐かしい組み合わせだぞ。

 昔々のこと、まだ下水道が普及していない頃、汲み取り便所の糞尿の悪臭をいくぶんか中和させようとて、金木犀の花の香りがする香料を入れた壜を便所に置くことが流行した。今それが秋晴れの公園に漂っているのだ。
 ああいうことをされると本当に困る。わたしの嗅覚の記憶は、金木犀はウンコに臭いになってしまった。
でも、こんな都心で汲み取り便所はもちろんなくて、これは毎年のことだが今の季節に実がなる銀杏が落ちて、あの糞尿そっくりのにおいをばらまいているのだ。
 たまたまその銀杏の木の下に、金木犀の花が咲き誇っていて、これまた香りを競って振り撒いている。嗅覚で懐かしいと思うことは少ないが、今日はそれに出会った。
  
 ネットで調べたら、エステー化学株式会社で販売し、70年代初頭に出して90年代前半まで主流商品だったそうだ。さらにネット検索したら、金木犀の香水があるようだ。
 それはそれはなんともはや、金木犀の香りの女性に出会ったら、わたしは逃げざるを得ませんな。バスやエレベーターの中だったら途中下車だな。それとも「お懐かしい!」と近づくか。
 ま、ご当人は知らぬが仏だけどね。

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