2014/09/02

993【横浜都計審傍聴5】横浜駅西口駅ビルはどんなエキサイトなデザインだろうか

 (前回からの続き)

 横浜駅西口には、シアルなる名前の駅ビルがあった。もともとは戦後に流行った国鉄民衆駅ビルであり、1962年にステーションビルとして建った。同じころに建った東京駅八重洲口の鉄道会館「東京駅大丸」(今はなくなった)と同じで、民間資本国鉄ビル方式である。
 それより前の西口には、木造の駅舎が建っていた。その頃の東口の堂々たる駅舎と比べての貧弱さは、なにしろ駅前が砂利置場と沼地ばかりだからしょうがない。


1947年ごろの横浜駅周辺地図

1962年横浜駅周辺地図
戦後の相鉄を中心とする西口地区開発は、まさに日本の高度成長を目に見るような進み方であり、東口地区との商業戦争も懐かしいほどの景気の良さであった。
 そして、どこもかしこも商業ばかりでにぎやかだが、公園や文化施設はほとんど見当たらない。駅前の物売りばかりの大型店、周囲には水商売・風俗系の店舗がひしめく。
 近くの文化らしいもは、東口のの百貨店客寄せ施設の「そごう美術館」くらいなものか。そう言えば、今のシェラトンホテルのところには、相鉄文化会館て言うのが建ていたなあ、映画がま文化だった頃のこと。

 かつては横浜都心と言えば関内・関外地区であったが、今では商業戦争に負けて落ちぶれた。だが、幕末からにしてもそこは旧家の旦那衆だから、零落しても何やかやと教養文化の場や雰囲気を持ち、西口にはない歴史をそなえている。
 それに比べて横浜駅西口地区は、戦後の成りあがりだから、埋立てで土地を生み出しては、不動産商売、物売り商売の街である。

 さて、その20世紀後半の高度成長に乗った開発が、21世紀になった今、時代遅れになったとて、作り直しの時期が来た。あの1964年オリンピックも西口にドライブをかけたようだが、2020年オリンピックもその再来だろうか。
 というわけで、西口駅ビルの再登場である。エキサイトなる掛け声に乗って、、あ、もしかしたら駅の側なのでエキサイか、、。

 最近の駅ビルと言えば、東京駅赤レンガ駅が有名である。昔の姿で出ています、とて、戦火で被災して戦後復興で修復していた駅舎を、戦前の姿にコピーして作り直した。大評判なエキサイト事件で、人々が絶えない。
 東京駅復原については、わたしは異論があるのだが、ここでは言わない。
 ちょっと前になったが、京都駅北口の駅ビルも大評判のエキサイト空間を登場させた。
京都駅の壮大なアトリウム
 大阪駅がつい最近、大変化を遂げて、これもエキサイトな空間を見せている。
では、われらが横浜駅西口駅ビルは、どんなエキサイトな空間を見せてくれるのだろうか。
 駅前広場側の姿は、東京駅のような華麗さは、、、ないなあ。ダダの硝子の箱の積み木じゃんかよ。やっぱりただのエキサイか。

地区整備計画にも、「建築物の1階から7階までの部分は、外壁面に透過性のある素材を用いる云々」とあるなあ。
 でもなあ、建築デザインをここまで地区計画で縛っていいのかなあ、設計変更したくなったら、都市計画変更手続きが要るんだよ、いいのかい。ま、提案者が自ら縛っているんだかららしょうがない。でも、それで良いデザインになるのか。
 どうせなら、昔々の2代目横浜停車場(1915~1923)のような華麗なる姿にでもしてくれると、東京駅に負けないのになあ。

 では内部の姿は、京都駅のような巨大アトリウムや巨大階段は、、、と、、東口の旧駅舎(1928年創建)にあったコンコースのような空間もあるといいなあ、。

あ、アトリウムと書いてあるなあ、どれどれ、京都駅に負けない空間なんだろうか、、う~む、、これじゃあなあ。
アトリウムってのは、普通は建築に囲まれている外部空間であり、そこにガラスの屋根をかけるもんだけど、これはただの4階吹抜けで上に床が乗っている、ふ~ん、、。
 そういや、地区計画にはひとこともアトリウムとは書いてなくて、吹抜けと書いて逃げてある。

 ほかにもいろいろ書きたいことはあるが、都市計画の話に戻す。
 この建築意匠やら吹き抜けやら、超高層部と高層部の区分や配置、地区施設等について、位置や姿や規模をここまで細かく都市計画で縛っていいものか、実務として気になる。
 このような複合大規模プロジェクトでは必ず起きる設計変更に、都市計画は対応できるのだろうか。
 都市計画変更まで及ばない設計の軽微な変更は、どの程度なのだろうか。

 とくにたくさんの地区施設を建物の中に設定しているが、これらは例えばテナント構成との関係、あるいは隣接プロジェクトや鉄道施設整備との関係で、変更は起きないのか。建築設計で困ることが起きそうだと、心配になる。
 変更したほうがよくなるのだけけど、都市計画変更手続きが面倒だからやらないってことになる。

 それとも、もうすでに設計は固まっていて、あとは工事するだけになっているのか。
 とすれば東京駅、京都駅なみの、エキサイトな駅ビルは望めそうもない。
 形態ばかりではない。機能的にも知的エキサイトの文化施設や緑の地上広場は見当たらない。横浜駅西口地区はいまもイケイケドンドン時代のままであるらしい。
 まあ、そういう景気の良い横浜に住んでいるのは、幸福なことなんだろうなあ。(つづく
横浜市制作の動画
参照→992【横浜都計審傍聴4】都市再生特別扱い提案はお手軽鵜呑み都市計画か

参照→これまでの横浜都計審イチャモン弧乱夢

参照→●あなたの町の都市計画はこんな会議で決めている(要約版)  ●本文版
https://sites.google.com/site/matimorig2x/essay-cityplanning
https://sites.google.com/site/matimorig2x/tokeisin


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