2017/10/06

1291【小町和義の仕事展】建築家・小町和義氏の仕事と宮大工棟梁の小町家に伝わる古文書等の地域文化資料の展示を八王子市民団体が企画

 八王子で11月17日~21日に「小町和義の仕事展」が開催されるそうである。小町さんからお知らせの手紙をいただいた。
 90歳になられてますますお元気である。今回の展覧会は「八王子の宮大工小町家と番匠~小町和義の仕事展~」と銘打って、地域の市民団体「八王子の市民史を記録する会」の企画によるものだそうである。
 (展覧会パンフPDFはこちらからDL

 小町さんは、山口文象と平松義彦の2人のモダニズム建築家のもとで修業をして建築家となったのだが、和風建築の名手として名高い。多くの茶室や寺院の設計をしている。

 小町家は、八王子の由緒ある宮大工棟梁の家である。現代建築の修行ののちに和風建築の名手となったのは、その家系の血統のゆえだろうが、大工の家から生れる建築家は、日本にはけっこういるようだ。
 小町さんの手紙にこう書いてある。
先祖の棟梁たちの絵図面や大工祖神の軸や秘事巻物(文化13年、またはそれ以前の)文書が見つかり、その中の一部も展示するつもりです
 茶室の現物模型も展示されるらしい。
 わたしとしては、これに加えて山口文象事務所時代のなにか資料が出て来たなら、ぜひ展示に加えていただきたいものである。

 小町さんの若いころの生き方は、波瀾万丈である。大工棟梁の家を親に逆らって飛び出して、建築家になりたくて、山口文象家に住みこんで修業を始める。
 山口事務所の解散、平松事務所での仕事、左翼活動や建築運動、そして建築家へと羽ばたく。
 それらのことを、小町さんにわたしはインタビューして「二人の建築家の戦中戦後 建築家・小町和義氏インタビュー」(2008年)にオーラルヒストリーとしてまとめた。
https://sites.google.com/site/machimorig0/komachi
 なお、小町さんの弟である小町治男さんも建築家であり、彼は戦後復興期まちづくりである「防火建築帯」の事業に各地で携わっている。
 治男さんにもインタビューをして「戦後復興期の都市建築をつくった建築家 小町治男氏にその時代を聴く」(2014年)としてまとめた。
https://sites.google.com/site/machimorig0/#saikaihatu

 小町和義さんからの手紙は、このように結ばれている。
来年はもっとお茶と篆刻に力を入れようと思って居ります。いつまでも『欲張りジジイです』
 元気すぎるお方である。とても10年後をついてゆけない。

参照:山口文象+初期RIAアーカイブス(伊達美徳編)
https://sites.google.com/site/dateyg/bunzo-archives-1

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