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2023/02/02

1668 【神宮外苑再開発問題】実質開園済都市公園に都市再開発法の異次元適用とその意図は?


●ようやく再開発事業開始へ

 東京の神宮神宮外苑地区再開発について、最近また世間が騒がしくなった。
 この再開発騒ぎの初めは2013年、オリンピックメイン会場となる国立競技場の建て替え事業であった。その主たる事業者はJSCであるが、これにいくつかの団体会館やら民間共同住宅やらが関連していた。なんだかんだとあったが、現在はいずれも計画通りに完成している。

 今回の騒ぎは、国立競技場騒ぎのあった土地の隣のまさに外苑そのもので、市街地再開発事業をやるということがテーマである。
 その再開発事業内容が、都市計画の変更環境アセスメントの行政手続きに乗ってきて、内容が世間に分かってきた。それと同時にその問題点の指摘が各方面から上がってきたのである。

 現段階で大きな騒ぎの主な点は二つあり、ひとつは再開発事業によって外苑名所のイチョウ並木が切り倒されるという話の流布であった。もう一つは超高層ビルが建つという、外苑の公園機能の縮小と景観変化への反対論である。

●樹林樹木保全問題と環境アセス

 イチョウ並木の問題は、更に他の樹林の保全問題へと話は広がり、これに並行してランドスケープアーキテクトの石川幹子さんが、専門家として自主的に植生調査を行って問題点を検証し、イコモスの委員会の立場で指摘をした。更に進めて事業者の作成したアセス評価書の植生に関する調査に誤りと虚偽があり、再審議をアセス審議会に提言したのであった。
  参照:イコモス緊急提言

 その指摘の内容については、わたしは専門家でないからコメントできないが、読んでみると虚偽であるとまで言われているのだが、それを作成した事業者側の専門家はどう対応するのか気になる。
 このアセス作業を行ったのは、形式上は再開発事業者だが、実質はアセスコンサルタントだろう。それは日建設計だろうか、そして植生調査担当者はなんというお方だろうか、専門家の矜持が問われているのだから答えてほしい。

 東京都アセス審議会は、よくある緑好き市民おばさんたちによる,感覚的反対一点張りではなくて、専門家から詳細な現場調査をもとにしたアピール、しかもイコモス委員会からとて、無視できなくなったのであろう。アセス審議を完了ではなく、継続審議するとしたのである。今月の審議会で、事業者はイコモスからの指摘へに対応する調査を提出せよとなったらしい。
 その背景には多様にして多数の一般市民からのアピールがあり、一部国会議員等の政治家も動いてきたからだろう。

 このイコモスの提言を作成した石川幹子さんは、かつて国立競技場の建設においてもその立体公園について問題を指摘したアピールを行ったことがあるが、都市計画審議会は完全に黙殺したのだった。
 あの時にもしもアセスが必要であったなら、今回のように事業者JSCは対応させられていただろうか。今回も都市計画審議会は、地区計画の変更を樹木問題には全く触れないで通してしまった。ふたつの審議会の違いが興味深い。

 さて、事業者はそのアセス評価書の記述を、石川幹子さんに「虚偽」だらけであるとばかりに指摘されているが、果たしてどう反論するのか興味津々である。当然に正しい評価書であるというだろうが、アセス審査会はどう扱うだろうか。

●非都市計画個人施行再開発事業

 今回は都市計画としての形式上は国立競技場建て替えの延長上だが、内容を見れば事実上は単に隣の土地の再開発である。なぜあの時にひとつの地区計画にして都市計画決定したのか分からない。あの時には、今よりもっと分らなかったのに、なぜ都市計画審議会は審議できたのか、それが分からない。
 参照:2013/12/07【五輪騒動】都市計画談議(その5)

 もしかして、オリンピック計画中のどさくさにまぎれて、こちらも合わせて都市計画決定すれば、あれこれ指摘されないで済むと考えたのかもしれない。この2013年の都市計画についての諸問題は、今になって初めて言うのではなく、わたしはあの時すでに書いている。
 参照:2013/12/03【五輪騒動】都市計画談議その1その9

 今回は宗教法人明治神宮を主たる事業者とする神宮球場と、独立行政法人JSCを主たる事業者とす秩父宮ラグビー場の、場所入れ替えによる建て替えである。そしてそれに隣の伊藤忠商事ビルもまき込んで、市街地再開発事業(都市再開発法に基づく法定事業をいう)に仕立てるとする。

 国立競技場の場合は隣の土地も取り込んでの公共用地だけによる建て替えだった。しかし今回は土地権利者が4者の複数である。神宮とJSCの土地建物の入れ替え建て替えと、伊藤忠ビル建て替えをひとつの事業として合わせ技で建設にする。
 実のところ、外部の者には建築物等の空間的な配置や形状は事業者の発表資料である程度分かるのだが、事業の進め方や内容は部外者にはまことに見えにくい。
 しかも、市街地再開発事業個人施行、非都市計画事業)という、ある種のブラックボックスの中で進むから、ますます見えにくい。

 秩父宮ラグビー場は国の機関JSCによる公共施設だから、この建て替え移転事業が市街地再開発事業の中で行うとしても、ブラックボックスでは困る。国民にいつも見えるように事業を進めてもらいたい。 

 一方、その他は民間事業者の施設だから外に見えなくても良いだろう、と言われても困る。伊藤忠ビルはともかくとしても、野球場などの神宮のスポーツ施設は、多様な人が利用するのだから、できるだけオープンに事業を進めてもらいたいものだ。
 そもそも神宮外苑の土地が戦後に明治神宮の所有になったのは、国有地であったのを特別に市価の半額で買い受けたのだから、半分公共的な土地である。であればこそ都市計画公園指定になっている。

 ラグビー場はPFIで建設するとて、すでにその民間事業者もコンペで鹿島グループに決定しているそうだ。その設計者の中に国立競技場審査員だった建築家の内藤廣さんがいるのが興味深い。
 このラグビー場の当初建設業者が鹿島だったから、そうなるだろうと言われていた通りだ。鹿島のPFIコンペ入札価額が他のコンペチタ―たちと比べて飛びぬけて安く、鹿島が意地で取ったとの噂である。

 ついでに言えば、国立競技場は大成建設だったが、これも最初からそうだった。まだきまらない次の大物は神宮球場だが、これも同様な理由で大林組になるだろうとの噂とて、日本の建設業界の伝統というか慣習というか、見事なものである。

●UR都市再生機構の登場

 さてそのラグビー場と市街地再開発事業との関係だが、あの地権者たちとは違ってちょっと特殊な立場になるらしい。
 それについては業界新聞記事で最近知ったのだが、市街地再開発事業について施行認可申請を、個人(4者共同)施行として、施行者は明治神宮、伊藤忠、UR都市機構だそうである。JSCの名が消えているのはなぜだろう。

 それに代わってURが登場する理由をよく分からないが推測すれば、JSCは再開発事業のためにURに土地信託をするのだろうか。いわゆる土地土地権利変換で敷地を決め、その敷地に建てるラグビー場は特定建築者制度でPFI事業者が建設するのだろう。これも推測である。

 とすれば、市街地再開発事業にJSCは全くノウハウがないので、こういうとき独立行政法人でありかつ市街地再開発事業のノウハウを持つURを起用したのであろう。UR起用で国立競技場の時のような大ドジをしない心構えなのだろう。そういえば、早い段階ではこの事業全体をUR施行としようとの検討もあったと、某筋から聞いたことがある。

 生き馬の目を抜く東京の民間不動産屋の手練手管に、ナイーブな国家機関のJSCが手玉に取られて、国民の財産であるところの現資産を損しないように、むしろ得をするように、うまく立ち回ってほしいものだ。
 その点でURを引き込んだのは良いことである。どれくらい頼りになるのか知らないが、。実は私は以前にURの起用について2019年ブログに書いたことがある。
 参照:五輪便乗再開発

●なぜ法定再開発か

 でも、なぜ市街地再開発事業に持ち込んだのか。
 普通の再開発事業の様に、権利者たちが敷地や建物を共同化する、なんてこと全くやっていないようである。それぞれの敷地別に容積率の移転はすでに地区計画で決めてあるから、それぞれ権利者間で土地を交換したりして、それぞれの敷地にそれぞれ建物を建てればよいではないか。
 それは当然ながら、市街地再開発事業にすることが事業者に大きなメリットがあるからだ。一般にそのメリットデメリットがいくつか言われるが、ここではデメリットはないようだ。

 だが、都市再開発法第3条にある市街地再開発事業発事業とするためにいくつか要件があるのだが、それにどうも抵触する可能性があるのだ。これは事業そのもののデメリットとは言えないが、事業者にはそれを前提とするにはリスクがあったはずだ。重要なことなので一応デメリットとして書いておく。

 その要件であるが、都市再開発法3条にこうある。「三 当該区域内に十分な公共施設がないこと、当該区域内の土地の利用が細分されていること等により、当該区域内の土地の利用状況が著しく不健全であること」。

 ところが外苑の現地をだれがどう見てもこれらに該当するとは見えない。道路公園などの公共施設は整っているし、権利者4者の土地はいずれも広くて細分化されいない。
 建っている現建物は、ラグビー場も野球場も耐震改良が済んでいるし、歴史的価値さえある。1980年建設の伊藤忠ビルはどうか知らないが、すでに高容積高層高度利用建築である。いずれも不健全土地利用とは言えない。
 土地利用状況が著しく不健全どころか著しく健全だから、都市再開発法の適用は不可能としか見えない。これを都知事が施行認可するには法解釈で通り抜けるしかないが、それはもう都市計画というよりも政治的な何かが必要であったかもしれない。

 不可能なように見えるところを可能なように見て、東京都知事の認可を受けるのは、かなりの難物であるだろう。ネットで見る限りは、港区から都への認可進達はすでにあったようだが、未だ都知事による施行認可は降りていないようだ。
 だか、ここまで来るには当然に根回しやら会議やらで、事前に認可可能との判断が出ているのが通常の行政手続きである。

 一般的に市街地再開発事業と言えば、その事業前も事業後もかなり複雑な土地建物であるが、ここでは拍子抜けするほど前後共に超簡単であるのが特徴だ。
 市街地再開発事業特有の複雑な権利変換手続きは、事実上は不要に等しいだろう。つまり市街地再開発事業とする意義が感じられない。流行語で言えば異次元再開発だな。

市街地再開発事業のメリット

 では市街地再開発事業とする事業者にとってのメリットは何か。
 ひとつは事業への一般会計補助金の交付があることだ。つまりただ貰いの税金からの支出を事業者は受け取ることができる。
 実のところは、わたしは現在の国や都が定める市街地再開発事業への一般会計補助要領を知らないので、不適用かも知れない。
 もしこの事業が補助要領に適合するならば、かなりに額の補助金が国と都から事業者に交付される。計算方法は簡単ではないが、前例的にはうまく行けば事業費の3分の1くらいになる。なお、JSCはもともとが国の税金を原資として成り立つ独立行政法人だから、補助対象とならない。

 ふたつめのメリットは、税制優遇である。市街地再開発事業によって土地や建物の権利関係が動いて建設されるが、これらの不動産取引にかかる租税が免除や減額される。
 あの立地であれだけ大きな土地が動き、あれだけ大きな建物を建てるとしたら、それにかかる取得税や固定資産税などは税額は巨額であるはずだ。これの税減免措置が市街地再開発事業適用の主目的かも知れない。

 とくに最大の地主であり最大の建築者である明治神宮には、大きなメリットがある。これがあることが再開発事業への動機になっているに違いない。
 もちろんそれは三井不動産とか再開発コンサルタントでもある(らしい)日建設計などの入れ知恵であろう。なお、JSCは免税団体だからこれは関係ない。

 メリットの第3は、事業区域内の敷地間で容積移転(正確は容積の適正配分)ができることである。これが事業者にとって最もメリットがありる。
 ただし、これは正確な言い方ではない。容積移転は市街地再開発事業によって可能になるのではなくて、その前提となる特定地区計画によるものである。だが、事業の前提であるからメリットとして挙げておこう。

 外苑地区市街地再開発事業区域は、大部分が都市計画公園地域内であるために、そこに他から容積率移転しても公園規制で超高層建築が不可能という特徴がある。
 そこで事業化の前提として公園指定を削除するという荒業の都市計画変更をしたのである。形式的にはともかくとしても、実態としては都市公園内に超高層地区を設定したのである。

 外苑地区市街地再開発事業区域が、イチョウ並木の東に沿って何も建築しない細長い尻尾を出しているのは、その部分の容積率をイチョウ並木の上空を飛ばして、公園指定削除した超高層地区に持ってくるためである。いわゆるゲリマンダーになっている。このような区域設定は、都市計画道路整備がある場合のほかは珍しい。

 公園指定を削除した範囲も、ゲリマンダー形態をしている。実のところ今回の事業の最大目的は公園指定解除であったらしい。そのために公園まちづくり制度を作り、都市計画変更し、市街地再開発事業の持ちこんだのであろう。ここまで持ち込むに10年以上かけての新解釈再開発戦略展開に、ほとほと呆れつつ感心する。

●事業者たる地権者たちの顔が見えない

 さて、事業が目に見えて動き出すようだが、この事業者のうちの宗教法人明治神宮は、最大権利者であり、できあがる施設の最大の持ち主、運営者となるはずである。つまりこの事業における社会的責任が最も重いはずだ。

 それなのに、この宗教法人はこの再開発事業に関して、全く姿も形も見えず声も聞こえない。明治神宮はこの再開発の影響を受けるのに、何をしているのかと心配してあげるという、まさに実情を知らない人もいる。明治神宮こそが、この再開発の主役なのである。影響を受けるのではなくて、与える側にいるのだ。
 その明治神宮ウェブサイトには、全く再開発のことを書いていない。何を考えているのだろうか。これは宗教活動ではないから良いのだとか、神様だからというわけでもあるまいに、どうしてだろうか。

 最も世間が問題にしているのは、法的にはクリアしたとしても事実上は公園内に超高層ビルを建てることであり、それは実質的に神宮の事業である。実はもう一つの問題となっている保全すべき樹林も、神宮の所有地である。それなのに当事者が全く知らぬ存ぜぬの体で、三井不動産に任せきりでよいものだろうか。

 わたしはもうひとりの権利者の態度にも不満がある。東京都心に作ると都市計画で決められていた広い公園が、この事業のために削除されたのだが、それには文科省が大きく加担したことである。そのあたりを関係者はどう思っているのだろうか。

 もしかして公園まちづくり制度に従っているから良いのだと思っているとすれば、都市計画公園廃止に寄与する制度に国が与してはいけない。それは法ではなくて東京都独自の制度に過ぎない。しかももしかしてこの外苑再開発事業のために作った制度であろうかと、わたしは疑っているのだ。参照:五輪便乗外苑再開発

●公園緑地に都市再開発法適用の荒業

 なんにしてもこの件で、元都市計画家のわたしが違和感と疑念を抱いている一番の点は、すでに整備され利用されてきた公園緑地を、都市再開発法を適用して公園施設の建て替えをすることである。
 それはこの方が立法時にも今も予測していなかったであろう。この意表を突く手法の案出は、この地区の最初の地区計画指定をした2013年よりも前のことのはずだ。同時にセットで公園まちづくり制度も案出したのだろう。そして10年以上かけて前代未聞の市街地再開発事業として、ここまで持ち込んだのである。

 その手法を案出した専門家は、多分、再開発プランナー資格を持つ都市計画家だろうが、それはどなただろうか。日建設計か都市計画設計研究所か三井不動産かに所属するお方か、あるいは東京都のインハウスプランナーだろうか。
 思いもつかなかったわたしは、その都市計画家に嫌悪と畏敬を抱くのである。そしてその手法を節税方法を選んだ地権者たちにも同じ思いである。
 立法から54年、都市再開発法は意外な方向に、大きく変貌変質したのである。

                      (2023/02/01記)

参照:国立競技場及び神宮外苑問題瓢論集(伊達美徳)https://datey.blogspot.com/p/866-httpdatey.html


2022/11/22

1657【外苑再開発長屋無責任談議】近現代都市歴史資産群の生存競争現場を面白がって妄想する

外苑スピリチュアルスポット

熊五郎:こんちわ、ご隠居、生きてますかあ。

ご隠居:おや熊さん、まあお上がりよ、歳相応に元気だよ、熊さんはどうだい?。

●外苑再開発に都市計画家が初めて発言

:ええ、元気でちゃんと勉強してますよ、つい先日もね、東京あたりで話題になってる、明治神宮外苑の再開発のこと、都市計画の専門家が市民の立場で話すのをYOU-TUBEで見ましたよ。再開発反対というか批判の立場のようです。これですよ。https://www.youtube.com/watch?v=6ik5j2RvKus

:おや、勉強したしたのかい、わたしもみたいけど長時間で眠っちまいそうだ、かいつまんで教えておくれ。

:明治大学の大方潤一郎さんと言う方ですよ。

:そうかい、これまで批判的な専門家による公開の意見は、ICOMOSの団体名で緑地計画の石川さんと、新建築家技術者集団の団体名、環境アセスの原科さんだけで、いつになったら都市計画家登場かと待ってたんだよ。

:大方さんてどういう方です?

:大方さんは東大都市工学科で都市計画の教授やっていたはず、法制度が専門かな、定年退職で明治に移ったのだね。これまで都市計画関係で反対運動に関わるような人だったかなあ?

:外苑再開発反対運動の活動家らしいRochelle Koppさんという方が企画したセミナーでの講演ですよ。だから都市計画への批判的立場でしょうね。

:外苑再開発論争にようやく都市計画家が登場か、都市計画法制度の解説だけじゃなくて、批判とか反対とか新提案とか話てるかい?

:え~と、いろいろ解説をして批判もなさっているようだけど、これまでに世に言われたことばかりで、特に新提案はないようです、いまのところ都市計画的理論武装担当ですかね。でもね、話を聞いてて、いくつか面白いなあと気が付かされたことがあった。

:ほう、聞かせておくれ。

●TEPIAのせいで公孫樹が枯れる?

:まずね、石川さんが問題提起した、新球場がでかくて例の銀杏並木に近づき過ぎて建つから、樹が枯れるかもしれないってことについてですがね。

:そうそう、並木の根に十分に地中の水が回らなくなる恐れありってんだよね、近くの実例調査でもって説得力ある話だね、さすがだ。

大方さんの解説では、そうなるのは新球場の敷地の東西幅が狭いからだ、その狭い理由はTEPIAが事業に参加していないからだ、とのこと。ほれこの図ですよ。

:どれどれ、おお、図面を見ればその通りで、TEPIAが無ければ、というか事業参加していれば、野球場の敷地が東西に広がり、もっと西に寄せて建てられる、野球場と並木との間に十分に余裕ができる、そううすると石川さんの説によれば、並木への影響はないことになるのかね。

TEPIA(左の赤色敷地)を上方に移転して建物を曳家すれば
野球場は左に寄り銀杏並木との間に余裕ができるはず

:ということは、この地区で共同再開発事業としてTEPIAが抜けているのが、野球場建設に無理ができている、つまり地権者たちの共同事業化の失敗が原因ですかねえ、それじゃあTEPIAが事業に参加すれば解決するのですかね、そうしなさいよって簡単なことかしら、なにか話が違うような気がする。

:うん、事業者たちも最初はTEPIA敷地も入れて構想していたようだから、こうも窮屈じゃなかったのだね、それがいつのころからか仲間割れして、TEPIAが事業仲間から抜けたんだろうね、面白い。

:でもねえ、そもそも、TEPIAはなぜ共同再開発事業に不参加ですかねえ。野球場が入らなくなって困るとわかってるでしょうにねえ。セミナーでの一般質問にもでてました。

:大方さんはなんて回答してた?

:TEPIAに聞かなきゃわからないけど噂では、と前置きして、あの建物を設計した建築家が反対してるからだろう、とかって、。

:ワハハ、槇文彦さんだね、ほら、新国立競技場コンペの後で、弟子たちと一緒になって、ザハ・ハディドの当選案に大反対キャンペーンを張った建築家だよ、こちらでもあれこれ反対もありそうでなさそうで、面白い噂だなあ。

:ああ、あの方ですか、う~む、日本で建築家がそれほど権威があるとは思えないけど、槇さんてそれほど偉い人ですか。でもあのキャンペーンの結果はハディド案の替りに大成梓隈案のベーグルお化け、これには反対キャンペーンなさらないから良いのでしょうね。

:つまらん形だよねえ、わたしはあの異形の女性原理ハディド案を見たかったなあ、残念だよ。

:それはともかく、そのTEPIAって通産省系の団体ですよ、再開発のような儲け話には敏いような感じがあるけど、なぜ逃げたのかなあ。

:ワハハ、それに対して明治神宮もJSCも文科省系の団体なのに、こちらの方が利に敏いとは、これいかに。

:わははは、文科省宗務課は例のカルト問題のほかに、もうひとつこの厄介事を抱えるのかしら。

:はは、まさかね、よくある密集市街地の共同再開発では、ひとりになっても絶対反対を唱える頑固地権者がえてしているもんだが、ここでもTEPIAがそうなのかねえ。

:はじめは一緒にやろうとしていたのになにかで抜けた、TEPIAのせいであの並木が枯れるってことになるのかしら。

:う~む、ちょっとちがうけど、風と桶屋よりは関係あるかもなあ、これで事業が暗礁に乗り上げたら、その犯人はTEPIAだってことになるのかねえ。

:いや逆に、TEPIAのおかげで事業が暗礁に乗り上げたと、喜ぶ反対派市民もいるかもね。

●TEPIA建築を保全するには

TEPIA 設計:槇文彦
:あのね、公孫樹並木の保全とTEPIA建築の両方を保全できる方法を思いついたぞ、再開発に巻き込まれて、あの建物を壊したくないと槇一家がごねるのなら、どこか近くに曳き家すればいいだろ。

:え、あんな大きな建築を引っ張るんですか、できるんですか。

:ああ、できるさ、近頃は曳き家しないけど、70年代頃までは珍しくなかったね、わたしが見た最大の曳家は9階建てのオフィスビルで、しかも普通に使いながらね。

:そうか、曳き家で事業協力ならば槇一家も文句言わないかも、どこに持って行くか。

:う~んと、まあ、これだけ広い土地だからどこでもあるさ。例えばこの文化交流施設棟ってところはどうだい。

:あ、ぴったりですね。これで新野球場は西に寄せて、並木との間にたっぷりと緑地を確保できるな。

:気になるのは、あの建築はあそこになくちゃいけないのだ、槙さんが設計したあの場所でなくちゃいやだと、槇一家の建築家たちがごねるかもね、わはは。

:でもねえ、TEPIAって何だか変ですよ、なぜあそこにあるのでしょうかね、スポーツクラスターに無関係でしょ、あそこでなければならない意味が分からない。

:うん、ちょっとヘンなのは、事業には参加しないが、都市計画公園指定はちゃっかりと解除してもらってるんだね。さすがに通産系団体らしく実は最も利に長けているんだ。

:なるほど、今後、建物の用途を変えたり、建て直しの時に公園内用途に限る必要がなくなり、規制が少なくなった、じゃあ地価評価も上がるでしょうね。つまり何もしないが隣の再開発のおかげで開発利益だけは入ってくるわけ。

:でも、TEPIAに言わせると、それは明治神宮とJSCが勝手にやることで、こちらがお願いしてるのではないって、怒るだろうね。

:そう、勝手にそう妄想されては困るって、ご隠居もお叱り受けますね。

:考えてみると、歴史的都市東京の近現代都市資産を、時代の変化に対応してどのように保全し更新していくか、いろいろな方法の典型的現場が、この外苑再開発に見ることができるね。一番古い公孫樹並木と一番新しいTEPIA現地保全し、それらの中間にある野球場とラグビー場は移転更新する、それらが互いにせめぎあい生存競争に、伊藤忠とか三井不動産という外部民間資本が武器援助参戦、これは都市戦場だね。

:大方レクチャーを聞いて気になった面白いヒマツブシ話題が、ほかにもありますよ、容積率問題とか、市民参加問題とか、市街再開発事業制度問題とか、。

:うん、あるだろうね。あ、そうだ、念のために言っておくが、ここでの話は無関係な年寄りが面白がって妄想しているだけで、現実とは何の関係もないからね、間違わないでね。

:はいはい、よーく分かってますよ、年寄りの暇つぶしでしょ、この続きを次に来たときにやりましょう。今日はこれでさいなら。

(20221122記)(つづく


2022/07/20

1634【明治神宮外苑再開発騒動】石川提案に続きようやく建築家からも「見解と提案」公開で喜ばしいが、

 

都体育館から外苑絵画館坊主頭が見えたころ 2015年

 東京の明治神宮外苑再開発計画は、その地区計画(2013年)の変更都市計画は事業者の提案通りの姿に決定(2022年)したのだが、環境アセスメントの手続きにおいて、その環境影響評価審議会から待ったをかけられて、行政手続きが停滞しているようだ。その理由は、主に現存植生の保全に関しての方針に疑義を呈されたようである。

 これは行政手続きではかなり珍しいことであろう。都市計画や環境アセスメントについては、それらの審議会を自治体や事業者からの原案通りに了承するのがふつうである。待ったをかけるようなことはないとことはないが、稀である。その稀なことが明治神宮外苑再開発で起きた。

●ランドスケープアーキテクトからの代替案

 その背景には外苑の隣の国立競技場建設時において発生した諸問題について、市民たちに負の記憶があり、その延長上の開発計画として警戒し、再開発反対運動も起きつつあった。そこにはあの有名な銀杏並木が危ないらしいとの、都市の緑保存運動の底流がある。

 これを力づけたのが、緑地計画学者のランドスケープアーキテクト石川幹子さんである。イコモスの委員会で当該再開発計画を検討して、現存樹木が1000本も伐採されるという調査をして、伐採樹木はほぼゼロの代替再開発計画の提案をしたのであった。なお、石川さんは国立競技場建設に関しても、その立体公園計画について異議を唱え、日本学術会議の委員として代替案提案をされていた。

 外苑再開発計画案には、歴史的環境、都市景観、都市計画、事業手法、将来運営維持など、それぞれの課題対応がある。そのなかのもっとも一般市民が分かりやすい既存の大木の保全に焦点があつまり、「1000本大木伐採」が再開発の最大の問題のような様相を呈してきた。

 かつて隣接地の国立競技場が、その建物が高すぎるという高さの数値に焦点が集まり、これも一般市民に分かりやすい数値攻撃になった。そのうちに工事費が高すぎるという金額に焦点が集まり、これも一般市民に分かりやすい数値攻撃になった。
 今回の再開発においても、伐採大木1000本という実に分かりやすい数字攻撃になっている。もちろん新築建物の高さや景観も内容も問題にされているが、樹木1000本とは多くの市民を巻き込むにはなかなかにうまい戦術である。

 樹木のことは事業者側も心得て、銀杏並木の保全にはそれなりに対応する計画だが、全体の既存樹木伐採本数を人質に取られるとは意外な戦術だったのだろうか。いや分かっていて、植え替えや植え増しで対応する作戦だったのが、アセス対応でドジったらしい。
 さてこれから環境アセスの審議会がどう動くのか、その決定権者の東京都知事が政治的にどう動くのか、興味深いことになってはいる。

●ようやく出てきた建築家からの提案

 そんな時に、新建築家技術者集団(新建)の東京支部が、イコモス石川提案の向こうを張ってかどうか知らないが、神宮外苑再開発問題「見解と提案」なるものを公開した。これを書いたのは東京支部とはあるが担当の建築家個人名がない、誰だろうか。

 ようやく建築の専門家の声が聞こえるようになった。国立競技場の時の建て替えに至るどさくさの端緒は、建築家の槇文彦さんの問題提起であったが、今回はむしろ一般市民からの問題提起が先行した感がある。
 だが、わたしから見ればそれはずいぶん遅い動きであった。そのずっと以前の2015年地区計画から問題をはらんでいた事業であるが、都市計画の専門家の他にはわかりにくかったのだろう。

 なお、わたしはずいぶん前からブログで問題を指摘しているが、それとて専門家以外には分かりにくいことであったのだろう。もっとも、わたしの書きぶりは真正面からでなくて、皮肉と諧謔あるいはわたしもよく分からない法解釈論などだから、分かりにくい。

 新建の建築家としての「見解と提案」に対して、わたしは賛意も反対の意も述べる気はない。現状保全の意志を強く読み取って、新築するばかりが建築家じゃない時代が、ようやく日本の建築家の世界にも来たのだなあと、興味深く読んだ。

 わたしは事業と何の関係もないので、この再開発事業の資料類は、ネットt公開されたものを見るしかない。新建の建築家は何か非公開資料をご存知かもしれない。

●新建提案で気になったこと

 「見解と提案」を読んで、下記の部分が気になった。

2 再開発計画による外苑の大改造から伝統ある環境を守る 
2) 容積率の緩和と移転による不動産収益とその行方
 再開発の事業計画が明らかにされていませんが、球場とラグビー場の建替えは移転した容積率に対応したもので、いわば自腹を切っての等価交換だと考えられます。とすると、不動産収益は超高層ビルの新たな床(保留床)に集められ、その所有者が手にすることになります。

 これを読むと権利者である明治神宮とJSCは、野球場とラグビー場の建て替えのために、「自腹を切っての等価交換」とある。自腹とは権利者が再開発事業の外から資金調達して、各自の建設事業に投入するという意味であろうか。

 つまりこの市街地再開発事業においては、施設建築物権利床だけではなくて、十分に巨大な保留床がありながら、その保留床処分金を権利床建設等に充てないという、市街地再開発事業では異例のことなのであろう。本当にそうだろうか。

 この再開発をわざわざ法定の市街地開発事業としながら、そのような権利者に不利な権利変換をするものだろうか。もちろん全員同意型権利変換だろうから、それもありうる。
 新建の建築家は事業者から権利変換計画書(案)を見せてもらい、そのように書いてあったので、このようにお書きなのだろうか。

 そうだとすれば、明治神宮とJSCはよほどの金持ちなのだろうし、なぜ市街地再開発事業にするのか、わたしには理解できない。明治神宮は祈祷料でも賽銭でも原資にして自腹をご自由にきればよい。
 だが、JSCがそれでは納税者としては困る。JSCの自腹とは税金を原資とする国費を投入になるのだ。せっかく事業の収入金である保留床処分金をあててもらいたい。そして権利床をできるだけ広く獲得してもらいたい。この事業を市街地再開発事業にする意義はそこにあるはずだから。

 普通に考えると、市街地再開発事業の保留床処分金収入は、権利者の明治神宮とJSCにも従前権利額に応じて権利床に変換して配分されるから、自腹を切らなくても新球場とラグビー場を手に入れることができるから、この事業に加わっているに違いない。
 再開発ビルなどの事業費を外部から調達するために、再開発事業地区内の容積率UPをして権利床のほかに巨大な保留床を生み出してこれを売って保留床処分金という収入を調達する。必然的に巨大高層ビル建設となるのが市街地再開発事業の仕組みである。

 また、「不動産収益は超高層ビルの新たな床(保留床)に集められ、その所有者が手にする」ともある。この意味がよく分からないが、保留床を青山通りに面する超高層ビルに集約する、という意味だろう。

 一般的にはできあがる再開発ビルの権利床と保留床の配置は、権利変換計画書(案)を見て初めて分かる。新建の方はご覧になったのだろうか。
 そういえば、この再開発事業のコンサルタントは日建設計らしい。建築設計も当然に日建設計だろう。

●前代未聞の単純市街地再開発事業の真の目的は

 さてこの市街地再開発事業は、権利者がわずかに4者だから個人施行になり、施行者は三井不動産だろう。あるいはほかに隠し権利者がいるなら組合施行も可能。
 市街地再開発事業としては、稀に見るほど権利者数は少ないし、稀に見るほど権利関係は単純だし、稀に見るほど広大な土地で計画自由度は大きい。この条件が全部そろう市街地再開発事業は前代未聞だろう。

 大勢の零細権利者も含む一般的な市街地再開発事業につきものの、権利関係をめぐるもめごとなどはありえない順調事業だろう。事業の都市計画決定という法的担保を不要として非都市計画事業にするかもしれない(個人施行の場合)。
 市街地再開発事業としてはあまりに単純すぎて(つまり都市問題がほとんど無い)、これが都市再開発法が定義する市街地再開発事業に相応するのかと、わたしは疑問に思う。まあ、都市再開発法第3条2項ロ号適用で違法ではないだろうが。

左右に明治神宮内苑と外苑だが、再開発すべき地区は内外苑以外であろう

 JSCは非課税団体だろうが、民間権利者3者(特に明治神宮)の意図は、市街地再開発事業とすることで不動産の交換売買に関する税逃れにあるようだ。これはわたしの邪推だろうか、違法ではないが釈然としない。認可権者の東京都知事の判断によるしかない。
  この前代未聞の単純市街地再開発事業でも一般会計補助対象になるのだろうか?
 密集市街地再生とか被災地復興とかという都市再開発王道で苦労している事業と同じ扱いなのかしら?

 ところでランドスケープアーキテクトと建築家の意見は登場したが、都市計画家の意見はどうなのだろうか、未だに聞こえない。

 わたしはこれまでこの都市計画と再開発事業について散々書いてきたので、改めてここで繰り返さない。とにかくようやく事業の全体像が分かってきた。(20220720記)

参照:【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発騒動瓢論集
   コロナ大戦おろおろ日録
   
伊達の眼鏡ブログ
   
まちもりブログ


2022/02/22

1609【オリンピックとウクライナ】東ではドーピング西で戦争にこの止め役はコロナの出番か

 

●スキージャンプと水泳競技

 オリンピックには興味がない。でもなにか社会面的騒ぎがあるとそこにだけ気が向く。
 雪上曲芸部門空飛ぶスキー競技で、エースのジャンパー女が服装違反で失格になって泣いたそうだ。どうやら競技の時の服装がダブついていたのが違反らしい。
 わたしはその競技のことは何にも知らないから想像だが、空飛ぶ時にダブついた服装のほうが空気に乗って滞空時間が長いので、遠くまで飛びやすいってことなんだろうなあ。

 その服装違反事件で思い出したのは、だいぶ前のことだが、水泳競技でその競技者の着ける服装つまり水泳着によって記録の善し悪しが出てきて、問題になったことがあった。
 身体ぴったりでツルツル水着が良いらしくて、それで材料と形態の競争になり、いろいろあってどう決まったのか知らないが、一定の基準ができて落ち着いたらしい。

 その時わたしはこのブログに、こんな記事を書いた。『2008/06/10【世相戯評水着で水泳競技の記録が左右されるのが問題ならば全裸で泳げばよかろう
 2008年に書いているから、北京夏季オリンピックの頃だったようだ。要するにタイトルにあるように、水着をやめて素っ裸で競技すれば公平でいいってことである。
 そこで、この度のスキージャンプ競技も同じことを思った、素っ裸でジャンプすればいいじゃん、次の冬季オリンピックからそうしなさいよ、公平だよね。

●ド-ピングとウィルス

 オリピックには興味がない。でもなにか社会面的騒ぎがあるとそこにだけ気が向く。
  氷上曲芸部門クルクルスケート競技者の15歳のロシア少女が、何かドーピング薬を一服盛られたと判明したのに、関係機関から競技出場を許された。ドーピング王国ロシアの少女だから、当事者や周囲が否定しても信用されない。

 いたいけなその少女が氷上で曲芸に失敗して泣き崩れるTVを、世界中のオリンピック好きが好奇の目で見ていたのだろう。じつにどうも残酷な事件だ。ロシアは少女の可哀そうさを武器にしてドーピング事件を切り抜ける作戦だったとすれば、酷いものだ。

 狂歌<ドーピング少女>
悪いのか良いのかさえも分からずにドーピング少女「わりい ええわ」

 ドーピングはオリンピックが生み出した悪行だろう。オリンピックをやめない限り続くだろう。こうなれば薬を飲もうが注射しようが人体改造しようがまったく自由なもうひとつのオリンピックとして、ドーピリンピックを開催していはいかがかな。
 あるいはウィルス様に頼んで、オリンピック開催は不可能なくらいに次々と新種のウィルスを流行してもらうしかないな。

●熊のプーちんがウクライナの蜂蜜狙い

 そうやってロシアがらみの世界の注目をユーラシア大陸の東方に向けさせているうちに、西方では着々と戦争の準備をしているのがロシアの熊のプーちん、どうやらオリンピック閉幕と同時にウクライナ侵攻を始める気配である。すでに情報戦争が始まっている。

 かつて第1次世界大戦ではヨーロッパが戦場となった。当時スペイン風邪がアメリカを発祥地として大流行、感染したアメリカ兵たちが欧州戦線に大量に輸送された。
 そのアメリカ兵たちが戦場の敵味方にスペイン風邪を感染させ、その流行で兵員は大勢が死に、生きていても戦う力を失って、戦争の終結が早まったとされる。

 さて、またもや戦争が起きようとしている今、こちらユーラシア大陸西岸からこぼれ落ちた日本列島の片隅の一老人にできることは、100年余前には戦争終結させたウィルスに、この度は戦争開始を留める役割を願うくらいのものだ。

 ウクライナ東部とロシア西部戦線において、新型コロナの流行を願うしかない。戦争よりはコロナのほうがまだよかろう、人間はナサケナイ、残酷なものだ。

 狂歌を<熊のプーさんNATO嫌い>
納豆の臭いが嫌で穴を出た熊をコロナよ冬眠させよ

 そうだ、ウクライナで思い出した。あれは8年ほど前のことだったか、ロシアがウクライナのクリミヤ半島を無理矢理併合して国際紛争になっていたころ、そのウクライナのキエフで国連機関ユニセフに勤務していた知人が一時帰国して講演会があり、現地の話を聞いたことがあった。
 そのことをこのブログに書いている。
●2014/04/21『紛争地ウクライナの国連機関で活動する杢尾雪絵さんの現地報告をきいた』
 その杢尾雪絵さんはその後はキルギス、レバノン勤務を経て、今年からスイスのユニセフに転勤した。                 (20220221記)


2022/02/13

1608【神宮外苑再開発長屋談義】東京都心部に都市公園ゼントリフィケイション時代が来たらしい

熊五郎:ご隠居、こんちわあ、生きてますね、はいこれ、一緒に飲みましょ。

ご隠居:おお、熊さん、まあおあがりよ、なになにワインかい、うれしいね、今どき一緒に飲んでくれるなんてこりゃ涙がこぼれるよ。

:全くね、こうもコロナ蟄居が続くと心が苦しくなる、これもコロナ病ですね、さあ、乾杯しましょ。

:うん、ありがとう、美味いねえ、ネットバーチャル談議ばかりやってると人間は頭が変になるね、こうやって飲みつつ話そうかね。


:もうコロナの話は飽きたから今日は違う話をしましょうよ。東京青山に明治神宮外苑って野球の神宮球場があるの知ってるでしょ。

:わたしは球場なんて見世物小屋のスポーツ嫌いだけど、それくらいは知ってる。

●明治神宮外苑で都市公園の大規模削除とは

:その神宮外苑全体と隣のラグビー場は都市計画公園なんですが、現在の野球場やラグビー場が古くなったので建て替えるために公園を大規模にやめて、ついでに超高層ビルも建ててるそうですよ。

:えッ、公園をやめるのかい、そりゃできないだろ、都市計画当局が許さないだろ。

:いやそれができるのですよ、つい先日のこと東京都都市計画がそれをOKしたのですよ、そして公園内の樹木が1000本も伐り倒されるんだそうです、石川幹子先生によるとね。

:そりゃ石川さんが激怒するだろうあ、まさか公園の中にビル建てるために公園やめるって、そりゃできないよ。できたとしても削減面積と同等以上の公園を近くに新設するのが常識、そうしないと住民が許さない。

:だから今日は昔の都市計画家のご隠居に聞きに来たんですよ、それでいいのかなって。

:ホントかい、ちょっとネットで調べるかな、ほーほー、そういうことか、公園削減都市計画変更案案を2月4日に東京都市計画審議会で承認してる、う~む、世の中が変わったなあ、もう昔の都市計画家はついていけない。

:ね、都市計画で樹木のことは書いてないけど、かなり広く公園面積を削除してるでしょ、だから木も伐るのかと。

:そうだねえ、昔も今も都市計画で決めた公園を減らすのは、よほどの理由じゃないとやらないものだが、神宮外苑のような広い公園にビル建てたいから一部の公園を減らしたなんて時代が変ったんだねえ、渋谷の宮下公園の有様と言い、フン、そうしたいなら公園でも道でも川でもつぶしてビル建てればいいでしょ、どんどんやりなさいよ、。

:おやおや、ご隠居は人間が丸くなったか、あ、違うか、もともとあの神宮外苑そのものを嫌いだから、どうでもいいのですね。

:うん、まあ、そんなところだな、見世物小屋だらけだし、あんな権威主義そのもの公園なんて、わたしは好かないね、あ、そうだ、樹木伐るならあの銀杏並木を伐りたおしてしまいなさいッ。


●秩父宮ラグビー場を公園から除外する仕掛け

:まあまあ、わたしの話も聞いてくださいよ。神宮外苑用地は全部が都市計画公園だけど、今回のビルを建てるあたりは外苑用地隣のラグビー場用地なんですよ。

:そこはたしか国有地だよね、国の機関のJSCが管理してるけどね、そこも都市計画公園指定してあるよ、おかしいね、結構広いけど、そこを公園から外したのかい。

:そうなんですよ、でそこに超高層ビルを建てるようですよ。そこでちょっと調べたんですよ、どうしてそんな芸当ができるのかね。

:ほお、熊さんも都市計画に興味持ってきたな、いいことだよ、で、分ったのかい。

、えへん、ご隠居に都市計画を教えますよ、それはね「公園まちづくり制度」ってのを東京都が作っていて、それに適合するなら公園を削ってもいいよとなるんですね。

:なんだよ、公園を削ってよいと堂々と行政が言うようでは、もう世も末だね、いや、こっちが時代遅れかな。

:でね、その制度適用の都市計画公園の条件は「未供用区域のままで50年以上未整備状態が続き、公園機能が発揮されていないし、建築制限等により市街地の更新が進まない」ところだって。

:ふうん、そうかい。都市計画だけ決めていつまでも事業実施しないでいる弊害を取り除こうという制度で、法律じゃないけど法の運用だね、そういう制度も必要だろうがね。

:外苑用地は公園として供用してるけど、ラグビー場は未供用区域だかららしいのです。でもね、それがどうもおかしい、現実は長期間ラグビー場であって、公園機能を十分に発揮しているし、市街地の更新が進んでない場所どころか、ラグビー場しか無いのだからもともと市街地でもないから、条件が合いませんよ。

:おお、そうだねえ、ラグビー場のところは、戦中までは女子学習院という学校だったけど、戦災で焼けて移転してその跡地にラグビー場を建てた。

:ラグビー場は外苑用地の公園内に建つ野球場と同じくスポーツ施設だから、公園に適する施設でしょ。今すぐ供用指定可能なのになぜ未供用だったのですか。

:そりゃ単に供用手続きを怠っていたからだろうね。

:あるいはラグビー場地主の文科省が、東京都の供用要請を拒否したのかもね。

:どっちにしても供用して当然だったところだが行政の不作為で未供用のままだった、そこをつかれて「まちづくり公園制度」を適用して、ラグビー場を公園から外してしまう都市計画提案がじもとから出てきて今回OKした、う~む、頭の良い奴がいたもんだねえ。この制度が無かったらできなかったね。

:ところがどうも気になるのは、この制度はこのラグビー場を公園から外すために、ここに宛てて作った制度のような気がするんですよ。

:なんだいそりゃ、。

:だってね公園まちづくり制度制定と、神宮外苑の最初の地区計画の都市計画決定とは同じ年にできているのです。つまりその時には既に今回の公園削除して再開発できるように仕組んでたような気がする。地区計画はその地区の権利者の提案ですが、提案の裏にはそんな取引があったのかもしれないと思わせます。

:う~む、ありうるかもね、違法じゃないけど裏口入学臭いね。でも事情通にでも聞かないと分らないね、それにしてもこれは国の機関のJSCが率先して公園を削除した、つまり政府が公園を減らしたんだよ、いっぽうの民間の明治神宮は減らしてないんだね、今どきはそういう世の中かい、まあ、わたしは世間から遅れてしまって、もうどーでもいいけどね

●過密でも市街地でもないのに市街地再開発事業とは

:またそう言う、しょうがないね、じゃあ次の質問ですよ。この再開発計画を発表したのは、三井不動産を代表として、JSC,明治神宮、伊藤忠の4者で、事業名称を(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業としているんですよ。これってどう思いますか。

:おお、それは都市再開発法によっる方法で事業を行うってことだね、ほお、公園を法定再開発するのは珍しいねえ、法が予想してないよ、そもそも再開発するほど過密じゃないのが公園だからね、すごいこと発明というかひねり出す奴がいるもんだ。

:そうでしょ、そこでどうして市街地再開発事業を行うのかを調べたら国交省のサイトに「市街地再開発事業の目的:都市再開発法に基づき、市街地内の老朽木造建築物が密集している地区等において、細分化された敷地の統合、不燃化された共同建築物の建築、公園、広場、街路等の公共施設の整備等を行うことにより、都市における土地の合理的かつ健全な高度利用都市機能の更新を図る」と書いてあります。でも、この外苑地区再開発ではこれらのどれひとつにも当てはまらない、だって既に整備されている優良なる環境ですよ。

:おうおう、修復や建て替えは必要かもしれないが、いまさら市街地再開発事業事業なんて大げさにして大改造する必要はないな。都市再開発法の適用条件に合うのかなあ、都知事から認可されるのかなあ。再開発やるなら外苑前交差点北東の建て混んだ三角地こそとりこむべきなのにわざわざ除外して、やりやすいところだけやるとは筋が悪い。

:そうでしょ、それぞれ大きな土地を持っているのだから、それそれが建て直せばいいでしょ。なぜ市街地再開発事業って共同事業にするのでしょうか、いろいろ面倒な手続きがあるんでしょ、何かメリットあるんですか。

:この事業手法でやると国や都から補助金をもらえたり、不動産開発にかかわるいろいろな税の減免措置もあり、一般に行政的支援など受けられるメリットがある。

:みな大企業だしJSCは国の機関ですよ、補助金や税逃れ目当てに市街地再開発事業にするんですかねえ、みみっちい。

:いやまあ、その辺はまた別の意図もあるのかもしれないね、わからんなあ。


●実は国有地を民間に売り渡す事業であるとは

:あそうだ、ラグビー場と神宮球場を土地を入れ替えて建て替えるから、それに法的な裏付けある事業制度が必要なのかも。

:おお、そうかい、民有地と国有地の交換分合があるんだね、そのへんで法定再開発とする公的担保が求められるのかなあ、わからんなあ。

:ラグビー場の土地と明治神宮の土地を等価交換するのでしょうね。

:あ、そうだ、その入れ替えで国有地の一部をを神宮外苑に売り渡すのだねえ、そうかそうか、そういうことか、国民の財産だから、がっぽりと高く売って儲けてほしいものだね。

:なにを言ってるんですか、交換するって言ってますよ、国有地で儲けるなんてどうしてですか?

:いいかい、よくお聞きよ、今度の都市計画変更で今のラグビー場の土地は、公園から除外されて土地利用規制が緩和され容積率も上昇したから、土地価格も大きく上昇したはずだよ。そうでなくてももともと神宮球場の土地よりもラグビー場の地価は路線価で2倍半くらい高い、今回の都市計画変更でそれがもっと差がつくはずだよ。

:計画図を見ると、交換移転後のラグビー場用地の広さは、現在とあまり変わらないようですねど、いいのですか。

:計画図のように野球場とラグビー場の同じ面積で交換すると、地価が高いラグビー場が損することになる、だからラグビー場は土地価額で損しないように差額を金銭で受け取るね、つまり国有地の一部を明治神宮に売却することになるんだね。

:あ、そうか、もしも等価の土地面積で交換すると、ラグビー場用地が広くなりすぎて、野球場のほうは土地が狭くなって困りますね、なるほど。

:その差額で受け取る金、つまり土地の一部売却金をラグビ-場建設費にあてるのだろうね、だから国民としてはここで国有地を種にがっぽりと儲けてほしいというのだよ。

:こりゃいいね、つまり再開発利益を納税者の国民にしっかり還元してほしい、ハハ。

:でね、ここで市街地再開発事業がでてくるのだけど、事業の施行者は三井不動産という民間会社だよ、つまり国有地の売買の手続きをやるのは国じゃなくて、不動産屋なんだね。

:おお、JSCは手練れの不動産屋に手玉に取られる心配があるなあ、う~む、この前の国立競技場建設のときには少なくとも60億円を国民に損させた大ドジをやったけど、またドジやって大赤字を出すかな。

:まあ、市街地再開発事業は法定事業として、それなりに公正に事業が進む担保があるという面では、適切な事業手法選択と言えるかもしれないね。でもねえ、それは通常の売買じゃなくて権利変換という複雑な特殊な手法でやるのがこの事業の特徴だから、JSCはちゃんと理解できるのかなあ。考えようによっては、国有地売買手続きを市街地再開発事業というブラックボックスに入れて国民の目から見えなくしてしまう恐れもあるな。

:JSCは今回の仕事は、ラグビー場の建設事業だけじゃなくて、国有地の移転にともなう不動産事業もあるから、都市再開発法をしっかり勉強してほしいですね。

●神宮外苑再開発は猥雑な門前町づくり

:おい、熊さんや、ワインでいい気持ちになってきたぞ、もっと飲ませろ。

:なんだか目がすわってきたな、このあたりで本音を聞くかな、それにしても、ご隠居はこの神宮外苑地区の再開発の過程と結果の姿をどう見ますか。

:うん、もうどうでもいいよ。あんな明治王権国家丸出し戦争駆動装置の残影景観なんて、公園削除の毒を食らったからもう皿まで食らえばいいよ、並木も林も伐り倒して超高層ビルでも見世物小屋でも林立させて丸の内と日比谷に対抗するってどうだい、明治神宮は内苑だけに森があれば、外苑はもうどうでもいいよ。

:おや、酔っぱらいのたわごとかな、本気ですかい。

:そもそもだな、競技場やラグビー場も含めて、当初から神宮外苑ってのは神社の縁日の賑わいの場なんだな、昔はどこの神社でもお祭りの日は、境内に屋台や小屋掛けがたくさん登場して香具師が啖呵バイやってたり、怪しげな見世物があったり、駄菓子やおもちゃの店が並び、露店茶店が出て来たものだよ。参道の前の門前町には土産屋や宿屋があったりして、神社の外回りは本来は猥雑なもんだよ。

:そうそう、今でもその雰囲気は浅草にはありますけど、外苑ではないですよ。

:だからね、その屋台やサーカス小屋が一年中あるようになっちまったのが野球場や競技場やラグビー場だよ、現実としてはあの絵画館もそのひとつだね。

:サーカスや見世物じゃないでしょスポーツ施設ですよ、あ、そうか、今じゃあスポーツ競技場は見世物小屋ですか、そういえばそうだなあ。

:それが運動体育の施設であるのはどうしてかというと、近代日本が富国強兵国家として壮健なる青壮年を育てるのがここでの目的だったのだよ、元が練兵場という軍事施設だったしね、象徴的な事件は1943年の神宮競技場での学徒出陣壮行会だよ、外苑はそれを引きずってるいるんだな。

:大勢集まる参拝客ならぬ見物客には、昔の門前町のように土産物屋や宿屋もいる、だから再開発でホテルやら商業施設を建てる、つまり日本の歴史文化的には正しい方向なのですか、本当かなあ、でも公園がそれでいいのですか。

:公園と言ったってあそこは民間施設だよ、たまたま宗教法人だけど、野球場やテニス場の賃貸業やってるれっきとした民間業者だよ、布教活動じゃないから収益事業として税金も納めてる、後楽園と同じだよ。

:じゃあ、経営的にここらで再開発しなけりゃ困るって事情でもあるのかしら。

:そうだなあ、明治神宮にも伊藤忠にも三井不動産にもなにか事情があるんでしょ、ここで無理矢理公園再開発やらないとコロナで破産するとか、、ね。

:でもラグビー場は国の機関のJSC経営だから、民間事業者とは違うでしょ、普通に建て直せばいいでしょ。

:うん、そうなんだけどね、ここを取り込んで外苑と一緒に広く市街地再開発事業にすれば、不動産事業としてうまいことできるとの民間知恵者がいたんだろ、で、神社の縁日の日常化計画に持ち込んだね、あ、知ったかぶりで言ってるけど、もちろん実情ぜんぜん知らないよ、わたしは単に面白がって妄想してるだけだよ。そろそろ酔っぱらってきたな。

:でも、ご隠居、都市計画公園を減らす計画なんてことが、これを前例にこれから次々と起きてきますよ、いいんですか。

:もう眠いけど、今後の都市計画のためにいろいろ言いたいことあるし、都市公園についてもいろいろ思うことある、暇つぶしにしゃべるかね、もっとワインを飲ませろよ。

:意外に酒癖悪いね、じゃあ焼酎をどうぞ、では聞きましょうかね。

:では、さてさて、公園にもゼントリフィケイションの時代が来た、、フワア、スヤスヤ、ZZZ、、。

(2022/02/14記)


●もっと神宮外苑都市計画駄文を読みたいお方は下記参照


●もっとオリンピック嫌い駄文読みたいお方はこちらをどうぞ
 【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発・2020五輪運動会騒動瓢論集

2021/08/15

1582【寒い敗戦記念日】この前はアメリカに敗れカブレたりこの度はコロナに破れかぶれ

●対コロナ日本敗戦記念日

 今日は8月15日、毎年この日は靖国神社見物に出かけるのだけど、今年はパスした。(去年とその前の見物記はこちら参照
 今日は妙に寒い。8月15日はあの日からいつもカーンと晴れなければならないのに、変な気候だ、日本全国に雨が降り続けて、災害が起きている。

狂歌<寒い敗戦記念日>
秋来ぬと身には寒さに震えつつ雨の量にぞ驚かれぬる

 コロナ猛威は今日も感染者数記録更新、そんな日だから靖国神社に集まる人たちも少ないだろう、見物に行っても仕方ない。
 わたしの靖国神社見物はの目的は、その名の通り見物であり参拝ではない。つまい日本の右傾化の進み具合を、自分の目で確かめるための敗戦記念日定点観測靖国見物なのである。

 敗戦と言えば、只今世界コロナ大戦中であり、どうやら日本国はコロナに敗戦の色濃いから、この際ちょうどよいから8月15日をコロナ敗戦記念日にしてはいかがか。菅首相は東京オリンピック開催の意義を「コロナに打ち勝った証として」と言ったのだが、「打ち負けた証」と言い直すべきだ、何しろオリンピック期間中に見事に爆発感染になったのだから。
 そしてそれも専門家の予想通りだから、スカさんのボロが見事に出てしまった。東京では制御不能でもう打つ手がないから「自助」で療養せよと言うありさま。

狂歌<政策完遂>
就任時発表政治理念のとおり制御不能コロナは自助で

狂歌<寒い敗戦記念日>
この前はアメリカに敗れカブれたりこの度はコロナに破れかぶれ

 これほどにも第5波の急激なる増大とは、予想されていながら止めることはできなかったのは、公衆衛生政策の不手際があったにちがいない。だって、外国では台湾とか韓国のように、一定レベルでの爆発を抑えることができているのだから、できないことではないはずだ。

 その防疫対策をしながら、一方では東京オリンピック開催をして、その最中に感染爆発が起きた。為政者はオリンピックと感染爆発は無関係と言い張るが、本当だろうかと常識的には誰もが思う。
 こんな時に内外から2万員も集める大イベントをやり、そのためにだけにそうでも足りない医師を7000人も投入して防疫対策やったそうだが、それでも関係者に今のところ分かっただけでも600人近くの感染者だそうだ。実はもっといに違いない。

 そちらにそんなに多くの医師が投入されたということは、ほかのところでの医療体制に不備が起きたはずだ。今後オリンピックとコロナ感染との関係をしっかりと検証してほしいものだ。それは今後のパンデミック対策として実に重要な資料となるはずだ。

 ということで8月15日を対コロナ日本敗戦記念日にしたい。そうだ、来年からこの日にコロナによる死者を慰霊する催しを、千鳥ヶ淵で政府主催でやってはいかがか。
 つまり、東京オリンピックは対コロナ敗戦記念大会となる。このような無茶な大会もあったが、見してやってはいけないよと、後世に伝える負の記念碑としての意義があるのだ。

●コロナ大戦ますます盛況

 いまや第5波とされるコロナ感染の上昇カーブ、これまでの波と違って実に急激に上昇する。いつになれば波頭が来るのだろうか。オリンピックと歩調を合わせているのが、何とも皮肉と言うか、いや、相互に影響を及ぼしあっているのかもしれない。

 日本の感染者数は、8月13日に2万人の大台を超えた。緊急事態措置区域適用から1カ月で増え続けて14倍にもなったのだからすごいものだ。毎日毎日のニュースに昨日はこれまでの記録を更新したとばかり言う。

 わたしは横浜に住むから、東京に次ぐ大流行地域なのだが、困ったことには、その流行という現象を目に見ることはできないでいる。近親者に感染者も居ないし、人口密度の高い居住地内でもコロナ騒ぎに出くわさない。
 もちろんそれは幸いなことだが、これは全くのまぐれの幸せで、見えないことはかえって不気味である。

 昨日までのコロナ繁盛の様子。







 欧米先進国ではワクチン接種が8割を超えて、マスク無し社会を再開しようとしているらしい。いっぽう、日本では首相がどこか自慢げにワクチンワクチンとナントカのひとつ覚えのように言うが、まだ4割程度でこれはどうしたことか。
 今に闇ワクチンとか偽接種済みカードとかが出回るかもしれぬ。

狂歌<災害ニッポン>
コロナ来てオリパラ台風豪雨来て地震が来れば完璧な夏

 (20210815記)

参照:コロナ大戦おろおろ日録

2021/07/17

1578【ZOOM長屋談義】負の記念大会迫る・オリパラ被害発生・コロナが暴露した人と社会


(オリパラの頃はどうなるんだろ?)

熊五郎:こんちわ~ご隠居、生きていますね、元気そうですね。
ご隠居:クマさんも生きてるね、ZOOMで長屋談義する時代だな。
:ほんとは直接に会ってもいいけど、流行のリモートですね。
:これもいいね。ワクチンどうだい、わたしは2回打った。
:まだですよ、チケット来ましたが、政府がもたもたしてるから、こりゃ年内に済むかなあ、どっちも打ち終えたら飲み会しましょうよ。
  狂歌<ワクチン>「惑鎮」に「穴開らき死」の怖れあり
                  わが惑いこそ鎮まらざりけれ

●後世に警鐘ならす記念すべきオリパラ大会に

:とりあえずその日を楽しみに生きるよ。その前にオリパラ大会の楽しみもあるよ。
:えっ、ご隠居は見世物スポーツ嫌い、オリンピック大嫌いのはず、いつの間にか宗旨替えですか。
:いやいや、競技には全く興味ないけど、ほれ、オリパラがらみコロナ騒動があれこれ起きてるし、これからも起きるだろ、それが楽しみなんだよ。
:不良老人は不穏当ですね、でもその通り、ドタバタ騒ぎですもんね。
:オリパラ始まらないのに騒動だろ、さすがに会長名がバッカと言うだけあある。
:こっちだって負けない、首相がスカと言うくらいだ。オリンピック返上すればいいのに、大きな利権にカネが絡み開催しかないって、国際マフィアが仕切ってるのかな。
  狂歌<安全安心>無観客ついでに無選手無競技で
                無感染開催オリンパラリン
  
狂歌<やっぱり>東京は緊急事態に突入し 
                オリンパラリン緊急辞退へ

:まあ、今回の日本オリパラは記念すべき世紀の大会になるね。
:え、だって規模は縮み、観客はいない、アスリートも関係者も大窮屈、ちっともいいことないでしょ、どこが記念的世紀の大会なもんですか。
:でもね、考えてごらんよ、こんなパンデミックなのに開催した無謀さ、それだけでもう立派な記念碑となる大会だよ、そして期間中にコロナ拡大となれば、後世にこんなこと絶対にやるなって警鐘を鳴らす一大記念碑だよ。
:うーむ、いわば、「負の世界遺産」みたいなもんですか、そんな記念碑を大金かけて築いたバカもいたんだ、いたい誰だったい、バッカとスカだってよ、なんて語り継ぐね。
:あのね、ひとつ気になることあるんだよ、それはこのオリパラ騒ぎなのに、その主役たる競技者たちの声が全く聞こえないってこと、いったい彼らはどうしてるんだろ。
:アッ、そうですね、スポーツ業界で箝口令が出ていて、何か言ったら代表から外すって脅されているに違いない、怖いなあ、スポーツ屋って。
:いや見世物スポーツアスリートが単に競技バカってことだろ。
   狂歌<口ぐせ>いずれにせよオリンパラリン開幕し
               いずれにしても金メダルはコロナ

●オリパラのおかげで公園拡大か

:わたしは実はもうオリパラの害を被ってるんだよ。
:え、まだ始まってないのに被害って、なんです?
:梅雨明けて晴れたから暑くなる前の早朝に、いつもの散歩徘徊に出たんだよ、そうしたらいつもの道を立ち入り禁止で大迂回、近所の公園の中のスタジアムで、オリパラ競技の何かをやるらしくて、公園も周りも立ち入り禁止通行止め。


みなと大通りを通行禁止って、天下の公道だよ。
横浜スタジアムって武骨なヘタクソ増築で景観壊れたなあ

:ほほう、オリパラ土石流で道路と公園をつぶされましたね。それってその公園を例のバブルにしてるんでしょ。
:バブルって競技者や関係者を隔離して泡で包むのは、このことかい。
:泡なんてすぐパチンと弾け散る象徴言葉、正直すぎる言語感覚ですね。
:ほんとにそうだね。公園とその周りの道路に入れなくて腹立てつつ迂回路を歩いていてね、ふと思ったんだよ、この道を閉鎖しても都心部交通は問題ないってことなんだね。それならオリパラ終わったら閉鎖してた道を公園に取り込めばいいってね。
:おお、オリパラのおかげで、横浜公園を広くすることができるってわかった。
:そうそう、わたしの徘徊コースが充実するよ、それを楽しみに、オリパラで今は不便だけど我慢するからね。
:そうそう、パンデミックの世に更にごたごたを起こし、住民に迷惑かけたので、せめてものお詫びとしてね。
オリパラ土石流で黄色線内が横浜公園と道路が立ち入り禁止
オリパラ後は全部公園にしよう、実証済みでできるはず

●コロナが暴露した発見と転換

:それにしても政府ってドジですねえ、感染は収まると言いつつもう第5波が来たし、十分確保したって言いながら急にワクチンブレーキ掛けたり、銀行に酒屋を脅させろって通知出しておいて取り下げたり、スカさんの言葉は安全安心お題目だけ、このドジぶりはどうしたのでしょうね。
:いやいや、わけのわからんコロナ相手ではだれでもそうだろうよ。まあ、あの国会議事堂に居る選ばれた人たちの中のリーダークラスでさえも、この程度の人物と分かったよ、これじゃあ大して悪事も働かないだろうよ。
  狂歌<また緊急事態>宣言し宣言宣言また宣言
               あとできるのは宣言者とり替え
:それにしても、もうちょっとリーダーらしい言葉を使ってはどうなんですかね、これじゃあ恥ずかしいでしょうに。
:いやいや、同じ空疎でも美辞麗句と虚言を並べる前任のアへさんよりも、よほど正直なお方と思いなさいよ、他人の悪口言うもんじゃないよ。
:何言ってんです、ご隠居のほうがよっぽど悪口ですよ。そういや、ご隠居はスカさんの選挙区に住んでますね。
:スマンスマン、こんな人を選んで、でもわたしは票入れないよ。
:それが悪口そのものですよ。
:ま、コロナがもたらしたものはいろいろあるね、政治家の素質が丸見えになったのがいちばんだね。それとオリンピックの汚い正体が見えたような気がすること。
:もっとすごいのは、ウィルスを人間がばかにするようになったことですね。だってこんなにあれこれ注意され注意しても、感染者数のグラフはちゃんと波を次々と作っていくでしょ、人間の行為はコロナ感染に関係あるんだろうかって思うんですよね。
:コロナは人知の外にあるのか、う~ん。それとこのリモート社会だね、つまりコロナ感染を避けるために、面と向かう人間同士相互交流を避けなければならない状況が進んだことだね。コロナがもたらしたもので一番の流行はこれだね。
:単に避けるのではなくて、人間的直接交流をむしろ軽んじる世の中になったってこと、これってなんだか怖いですね。なんか戦争が起きそうな。
:とにかくワクチン打ったら一緒に飲みに行こうよ、それを楽しみにコロナ世を生きるよ、それまで生きてるかどうか怪しいけど。
:ま、ご隠居はしばらく老衰死しないでくださいよ、せっかく打ったワクチンもったいないから。(20210717記)

参照:コロナ大戦おろおろ日録

2021/07/01

1576【コロナ×オリパラ競合】世紀の大冒険、波に乗る大会、トバッチリが来る、紙より薄い倫理観

●世紀の大冒険オリパラにワクワク
 わたしは見世物スポーツに興味ないから、当然にオリンピック大会にもパラリンピック大会にも興味ない。だが、ここにきてまだ始ってもないのに、断然興味がわいてきた。
 それは競技に対してではなくて、このコロナパンデミック中に強行開催するって、その態度に対してである。当然のとこにあれこれドタバタ騒ぎが重なってきた。だんだん面白くなってきた。
 時期も時期だが、場所も場所である。日本の最もコロナ禍著しい東京とその周辺でやるのだから、なるほどスポーツってのは、じつにどうもチャレンジングなんだなあ、自分だけじゃなくて他人の命を賭けても開催するんだもんなあ、しかも状況は日に日に悪化するばかり、それなのになあ、すごい。
 日本でのワクチン接種率は1回目だけでも2割にもなっていない。そこにこれまではお断りしていた外国人たちが、世界中からコロナウィルスを運んでくるのを、特別に許可するというのだから、大英断である。
 無観客でも、無選手でも、無競技っでも、無放送でも、とにかく開催しさえすればよいってのだろうか。


新型コロナ禍の世界と日本の状況

●波に乗ってきた東京オリパラ
 その東京のコロナの様子だが、先月には日々の感染者数がちょっと下がってきて緊急事態措置適用を外したら、また徐々に回復というかまた悪化の方向になってきている。
 この先どうなるのか楽しみ、いや心配だが、長期の感染者グラフを眺めると、いったん下がった波がまた登り始めたら、そこで急に下がってしまったことはないから、たぶん、今回もこのまま順調に上昇していくのだろう。


右端の上がりつつある波はこのまま順調に上昇するのか

 とするとオリパラは7月23日に開会らしいから、いまからだと調子よく波の頂点あたりで競技会をやることになる。波に乗るってことだが、通常は調子が良いって意味だが、今回ばかりは反対に調子悪いってことになりそうだ。

 大会運営における感染予防の手間がメッタヤタラにかかるだろうなあ、それでもコロナウィルスにかいくぐられるだろうなあ。それがオリパラ関係者だけで済むなら自業自得と言うか、覚悟の上だろうからわたしがトヤカクいうことはない。
 しかし、コロナは相手を選ばないから、第三者に及ぶかもしれない。そこのところも覚悟して主催者は開催するのだろうが、いやまったく度胸があるなア、金もかかるだろうになあ、えらいもんだ。

 今の段階では、外国からの競技の直接見物客を断るらしいが、日本からはある程度の数を絞って見せるらしい。それも今後のコロナの状況次第では、絞りに絞っていくだろうが、ついには現場観客ゼロにして、放送観客だけにするってこともあるらしい。
 そうなる過程については同時進行中だから、関係者はもちろん見世物スポーツ好きもハラハラドキドキだね。わたしでさえも横から見ていてハラハラ楽しんでいる。

 ところで、こうまでしても開催したい主催者の無茶ぶりをもたらすものは何だろうか。
 一番はカネがらみだろうな。見世物スポーツってのは商業スポンサーが要るからできているらしいが、なかでも一番のカネ蔓は放送屋とか。
 わたしはTVをぜんぜん見ないのでよく分からないので、まあ、勝手におやりなさいよである。それはもちろんわたしのような何の関係もない他人に迷惑かけないことが前提条件である。とにかくこっちにトバッチリが来ないようにしてくれ。

●オリパラトバッチリが来た
 ところが、わたしの生活圏にトバッチリが来ているのである。
 横浜のわたしの住まいから800mほどのところにある野球場が、オリンピックの何かの会場になるらしいのだ。その開催期間中は、球場もそれがある公園も周りの道も、立ち入り禁止にするとの看板が出ている。バスも迂回するのでバス停も移動する。


横浜スタジアムで何かオリパラ競技やるらしい


スタジアムの周りの公園や道路に立ち入り禁止
誰なら立ち入りOKか、オリパラ関係者とチケット購入者のみか。

公園の周りを塀で囲ってしまい、檻の中でオリンピック


バスも迂回させられてバス停を移設


慇懃無礼看板、迷惑かけると言うだけ、お詫びしますと言わない

 これって、たぶん、ここにオリパラ台風がやってきて、世界中の強力変異ウィルスをばらまくから、市民は絶対に近づかないようにとの、ご親切な配慮であろう。
 バスも窓からウィルスが入る危険から、迂回運転するらしいが仕方ないか。

 でも、どうして見世物スポーツオリンピックって、他人の街にやってきて、市民立ち入り禁止の権限があるのだろうか。それによる近隣住民たちが被る不利益に対しては、どのような補償があるのだろうか。

●オリパラ関係者の倫理観はどこに
 それにしてもオリンピック関係者ったちは、競技場と宿舎と連絡バスの外に出てはいけないらしい。オリパラロックダウンである。コロナ感染を防ぐためらしい。
 でも何とも不可思議である。そんなにまでして競技したいのか、せっかく遠くの日本にやってきて、競技だけして帰っていくなんて、そんなスポーツ旅行でいいのかしら。もちろんそれが良いとしてもらわないとこちらが困る、絶対にロックダウンを守ってもほしい。

 競技出場者やその関係者たちは、どうやって飯を食っているのだろうか。当然のことに、彼らのためにかかるだろう巨額のコロナ対策費用を負担するのだろうから、見世物スポーツ屋って、ようするに金持ちの遊びなんだね。
 そしてまた、競技会場の周りの街の人たちに迷惑かけても平気なんだろうか。あれこれ考えると見世物スポーツ屋の倫理観がどのあたりにあるのか知りたくなる。不思議な人たちである。

 そういえば今日のニュースだが、夜間遅くにやる競技もあるとて、観客のために深夜に電車運転をやるというのである。なんだかおかしいのは、コロナだから20時には飲食店を閉店しろとの指導行政下にある時勢なのに、オリパラだけ特別に競技を夜間開催し深夜臨時電車運転OKというのである。

 夜間競技開催はもちろん時差の関係で、日本からの放送が地球の裏側でゴールデンアワーになる時間にTV放送するために違いない。つまり、開催国の都合が悪くても知ったことではなくて、アメリカやヨーロッパのため、放送屋というスポンサーのためなのだ。どういうわけか、それを開催国に強要する権力があるらしい
 コロナ感染というリスクを背負ってる開催国から考えると、オリパラ関係者たちの倫理観は紙より薄い。(20210701)

参照:コロナ大戦おろおろ日録

2019/12/28

1434【年忘れ雑言】男女両性原理表現が真正面衝突した国立競技場騒ぎも今となれば懐かしや

 年の暮になると、世間ではこの1年を振り返る。わたしは振り返るべきことがなにもないから、春頃に仲間内の会誌に書いていた悪口雑文を引っ張り出しておこう。
 おりしも神宮外苑隣の国立競技場の建て替えが終って新建築が登場したので、その祝賀の意味も含めて、これを載せておこう。
 元原稿のタイトルは「老いのクリゴト酔いのクダマキ」であるから、そんな口調になっている。

●どろり生ガキ女に大あぐら男が襲われた国立競技場騒ぎ
 無駄なカネって言えば、2020年開催のオリンピックとかいう世界運動会もヒドイねえ、わたしはああいう見るスポーツを大嫌い、世界運動会には全く興味ないけど、それに関連して起きるゴタゴタ騒ぎには野次馬興味、なかでも2015年に起きた例の新国立競技場騒動、これは実に面白い暇つぶしになった、
現在は明治神宮外苑の隣りに巨大な洗濯盥か寿司桶みたいな新競技場が姿を現しつつあるらしいが、あれって本当は全然違う形で建つはずだったんだよ、思い出すとあれは実にヘンな事件だった、2012年に国際デザインコンペで女流建築家ザハ・ハディドが堂々の一等賞、そのデザインは時代の最先端を行く建築だったのを、運動会ボス森喜郎ってわたしと同年ジジイが、「どろり生ガキみたいでいやだ」と言ったけど、ホントはオマ■コみたいと言いたかったはず、生ガキが聞いたら怒るよ、庶民も大好きなオリンピック物件だけに、神宮外苑に似合わないとか、ガラが大きすぎるとか、公園を潰してケシカランとか、あれこれ四面楚歌のうちに、工事費を計算したら膨大過ぎると分って、そうなるとドロリ××デザインのことをすっかり忘れて、もっぱらカネメばかりで悪口雑言、マスメディアもデザイン論より分りやすいから煽り立て、一方では実施設計まで終っていて既にかかったカネが60億円、あとは工事費調達だけになっていた2015年、どういうわけか一競技場ごときに時の総理大臣がシャシャリでて、60億円捨てて白紙やり直し命令、オジャ~ン、国内設計施工コンペやったけど、あれって業界では大成建設物件とお決まりで、実は一部工事に着手していて、出直しコンペもやっぱり大成組一等賞、騒ぎに懲りてデザインじゃなくて早い工期と安いカネメで決めたのが今の寿司桶競技場、なんとも発展途上の開発独裁国みたいで国際的大恥かいちゃった。実はこれには東京都市再開発奇々怪々利権が潜んでいて、オリンピック後に世間が知るその話はまた別のときに。
白紙出直しコンペ当選は早い安いマズイ案
どろり生ガキ露骨な女性原理表現のザハ・ハディド当選案


大あぐら露骨な男性原理表現の神宮絵画館
  
 わたしはザハ・ハディド案で建てばいいなあと期待していた、その建つ位置がなんと明治神宮外苑聖徳絵画館という外苑心臓部の隣なんだからすごい、その姿と言ったら、石造どっしり大胡坐の真ん中に四角な包茎に●頭を覗かせた男性原理も露わな太く短いチン■コ建築だよ、その隣に曲面うねり流れパックリ割れて女性原理も露わなドロリ生ガキ建築だよ、見ようによっては絶好のコンビだけど、実は女が巨大すぎて男が呑まれそう、これでは保守派にとっては明治王権を汚す不埒不届不敬者だと言いたかろう、だってそもそも明治神宮ってのは、明治政府が新統治体制のために京の都から拉致してきた貴族トップ雲上人を、近代統治機構のカリスマ王権に改造育て上げたけれどのに、その死後の後継者が脳の病でカリスマ性皆無、困った政府は死せるカリスマを神に祀るべしとて全国総動員体制で造営したのだからね、その内苑は日本的に森の奥深く隠れる宮とし、外苑は西欧的に視覚に訴える権威的表現とし、合せて王権カリスマ賛美装置、外苑銀杏並木の透視景観の焦点に男性原理建築の明治大帝聖徳記念絵画館、並べて建てようとしたのが女性原理建築の新国立競技場、完成したら明治王権呪縛景観をザハ・ハディド流テロ爆弾で文明批評建築になり得ただろうに、惜しかったなあ、惜しかったと言えば騒動最中にザハ・ハディド急死、世界の建築界に新デザイン潮流を巻き起こしたバグダッド出身の天才建築家は、日本のドタバタ騒ぎで魔女殺しに遭ったのかも。 

 ことのついでに言うけど、カネがかかると言えば、なんと言っても原子力発電所が王者ですね、わたしはどうもこの原子力って言葉がうさん臭くて、ホントは核力でショ、原子力発電技術って核兵器開発と隣合わせなので、わざと言い換えているのかなあ、水力やら火力とおなじように核力って言いなさいよ、その原発じゃなくて「核発」が津波で大事故の事件、あの福島核発事故処理にかかる費用が2016年経産省試算では核廃炉8兆円、
ヒロシマとフクシマ
核毒被害賠償7・9兆円、核毒除染4兆円、核毒物質中間貯蔵施設1・6兆億円、なんと合計21・5兆円!だそうで、最初の想定が2011年で6兆円だったそうだからものすごい膨れ様で、そんなカネって1万円札でどれくらいの厚さか見当つかないけどもっと膨らむかもしれない、だって今までやったことないことやるんだからね、それでね、もっと驚くのはそれを負担するのは事故責任者じゃなくて日本国に住む者たちってこと、つまりみんなが払う税金と電気代なんだってさ、そうすると廃炉事業費が不足すると政府は税を上げるし、発電屋は電気代を値上げすればいいって、なんとまあ気楽な商売なんでしょね、打出の小槌ってこのことだな、これから福島以外の廃炉がどんどん起きてくると、もうとんでもない費用負担がわたしたち、いやわたしはもうすぐ死ぬ年寄りだから知ったことじゃないけど、次の世代もその次もその次もホントに大変だねえ、これって戦後高度成長時代を築いてきたわたしの世代がバカだったんだ、ほんとにお詫びするしかないですねえ、なのに次世代人がやってる今の政治は今後も核発電所を作り続ける政策だって、どうも分らぬこの世から、もうおさらばしたいものだ。
   (以上は、Q人会誌2019掲載:20190505)

 新国立競技場に関する孤乱夢は、竣工したそれを観てからまた書きたいとも思うが、どうせ分かっていることだからもう見に行かないことにして、その悪口雑言はこれで終わりとする。なお、神宮外苑再開発に関してはまだまだ興味が尽きないので、随時イチャモンを書き続けたい。

新国立競技場や神宮外苑再開発の孤乱夢一覧(まちもり散人筆)
https://datey.blogspot.com/p/866-httpdatey.html

2019/05/28

1402【神宮外苑再開発幻想】新国立秩父宮ラグビー場建設はこうやって、競技場大ドジからの名誉挽回と急死故ザハ・ハディドの供養だあ~

熊五郎:暑くなったけど元気ですか、ご隠居。
ご隠居:おお、熊さんかい、元気だよ、まあおあがりよ、ちょうど見てほしいものがあるんだよ。
:はいはい、なんですか、アッ、これ?、
:たった今、わたしが作ったばかりのGIF画像だよ。
:ハハン、また例の戯造画像でしょ、え~と見たことあるような、どこだっけ?
新国立競技場と明治神宮外苑だよ。
:あ、そうそう、例のスッタモンダの後でようやく建ち上ってきたのが、この左上の剥げかけベーグルですね、
:そうそう、もうすぐ完成らしい。
:でも、この右の紐かけ亀の甲は、え~っと、見たことあるような、アッそうだ、これってスッタモンダ元凶のザハ・ハディド案新国立競技場でしょ、えっ、ここに建つの、本当?、あれは消えたんでしょ、
:うん、そう、新秩父宮ラグビー場をそのデザインで建てたんだよ。
:え、まさか、、。
:ワハハ、実は昨夜の夢に死んだザハ・ハディド女史が出てきてね、「ウラメシヤ~、没にしたわたしの案を新国立ラグビー場に建ててほしいよ~、、、」と……で、これだよ。
:ウワ、あのカオで幽霊になるとコワイ……、そう言えば最近になって秩父宮ラグビー場と神宮第二球場を入れ替える再開発をやるって、計画の環境アセスメント手続きが始まったそうで、ご隠居はまた野次馬やってるんですね。

:そうそう、つまりラグビー場を新国立競技場の隣りに引っ越しするってね、また格好の暇つぶしだからね、あの新国立競技場騒動からあれこれ思い出して考えてたもんだから、ザハ幽霊が夢に出てきた。
:そこで彼女の願い通りに描いてみたのか~、なんだかウマく納まってるような、第2新国立競技場だね、まあ、あの騒ぎの中で急死だから成仏してないでしょうけど、これで供養になりますね。
:わたしは彼女のファんじゃないけど、コンペ当選案の肉感的な姿を見た時から、あの場所だからこそあの姿で建ってほしいと思っていて、ブログにも書いてるよ。
男と女
:ボロクソに言っていた世間とは逆ですねえ、だから彼女が夢枕に立ってお告げってことかな。
:いつだったか「インポ建築展」でザハ・ハディド案による完成設計図書を見て、新国立競技場竣工式にザハ幽霊が出て来るぞって書いてたからね。
:考えてみるとこれは合理的ですねえ、なにしろもう設計図は完了してるんだから、それを手直しすれば使えるでしょ、たぶん。
:そうそう、こちらのラグビー場も新国立競技場と同じ文科省が建てるのだから、どうせならある物をリユース、リサイクルすれば、これもエコロジーだね。

:そうですよ、あの没になったザハ・ハディド案にいくらカネかけたのでしょうね。
:あのザハ案を首相が白紙撤回したときまでに、既に支払ったカネと契約で支払うべき
カネが、デザイン監修料でザハ・ハディド・アーキテクツに約15億円、設計料で日建設計・梓設計・日本設計・アラップ設計共同体に約36億円、つまり設計費用だけで約51億円だよ、そのほか国際コンペやらなにやら経費を入れるとざっと60億円。
:へえ~、髙い白紙撤回料だったな~、原資は税金だから納税者としてはちょっとは取り返したいですね。あ、文科省はまたもやドジをしないでもらいたいですね。
:まあ、その設計図をそのままでは使えないから、設計変更が必要だけどね。
:また設計費やら移転新築工事費やらカネがかかるなあ。
:ところがね、こんどは一文もかけないで建てるらしいよ。
:エッ、だれか寄付してくれるんですか。
:いや、わたしが今回発表されたアセス書類の中にある図面を見てて、どうもそうらしいと気がついたんだよ。つまりね、どうやら今のラグビー場の土地を売ったカネで新国立競技場の隣りの土地に引っ越すらしいのだよ。
:そうしたって、土地はできるとしても、建物の建設費がかかるでしょ。

:それがね、土地の単価が引っ越し先の第二球場跡地よりも、今のラグビー場のほうが2倍半くらい髙いんだよ、だから引っ越し先で今と同じくらいの広さの土地を買っても、なおカネが余るからそれで建物を建てる、だからカネがかからない、どうもそうらしい。
:え~っ、ホントですかあ、騙されてるんじゃないのかなあ、そんなウマイことをあの不器用ドジ文科省ができるわけがない。
:うん、いや、都市再開発法の市街地再開発事業でやるそうだから、事業の筋書を推察するとそうなるはずなんだな、もちろん昔都市計画家今野次馬探偵勝手推理だけどね。
:まあ、ご隠居が言う通りなら、いいですねえ、この前は60億も無駄遣いしたけど、こんどは一文も使わないなんて、眉唾だけど、。
ラグビー場引っ越し計画
:そこでね、ラグビー場跡地をできるだけ高く明治神宮や三井や伊藤忠など民間事業者に売りつけて、新ラグビー場を作ってもおカネが余って、ぜひ国民に還元するようにしてもらいたいねえ。
:わたしたちは単なる野次馬だから何もできないけど、せいぜい今後の都市計画の動きを、納税者として観察しましょうかね。
:神宮外苑の都市公園や都市計画に意見を言う立場にある東京都民の人たちは、動きに注意してくださいよ。
:もしもザハ案がこうやって生き返ると、あのときに無念の内に死んだザハ・ハディドも浮かばれるし、国際コンペ結果不履行で大恥かいた日本もちょっとは名誉挽回になるでしょうね。
:天才ザハ・ハディドへのオマージュになるね、妄想だけど……。

●もっと神宮外苑都市計画駄文を読みたいお方は下記参照

●もっとオリンピック嫌い駄文読みたいお方はこちらをどうぞ
 【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発・2020五輪運動会騒動瓢論集


2019/05/21

1401【五輪便乗外苑再開発つづき】どうやら公園一部廃止するらしいがその元凶は文科省らしいな


五輪便乗再開発のつづき

戯造GIF





  
    神宮外苑を市街地再開発事業で再開発するのだとのニュースに、その事業手法に驚いて都市計画遊びを書いた。
 しかしどうも都市計画公園を再開発すると言う発想と、そんなことができるのかという制度が分らないので、あれこれと貧者の百科事典のネット検索していたら、これかよ~!って制度が分ったので、またダラダラと遊んでいる。(図は前のブログと重複する)


 東京都の都心地区限定の制度として、都市計画公園を廃止できる「公園まちづくり制度」があるのだ。それを読んでいたら、「神宮外苑地区における活用要件」なる項目があって、要するに神宮外苑再開発に適用するということ(らしいの)である。

 ▼東京都公園まちづくり制度
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/toshi_saisei/data/jinguu_kentou01_10.pdf
 制度の要点は、都市公園として都市計画してから50年ほど経っても、いまだに公園として市民に供用されていないならば、一定の条件で開発利用するなら公園指定を廃止してよいというのである。その条件は、その開発後に6割以上を都市公園なみの広場にして、それは地区計画で担保するのである。
 ようするに東京都心部の開発圧力を利用して、面積が6割になっても緑地や広場ができれば、実質的には都市公園ができたことにするのである。
 
 なんだ、初めからそうだったんだ、しかもこの制度を作ったのが2013年だから、例の新国立競技場の建設に関係して、「神宮外苑地区地区計画」を都市計画決定した年であった。つまり、神宮外苑再開発のために「公園まちづくり制度」を作った(らしい)のである。
 でも、制度の内容を見ると、新国立競技場建設には無関係である。それなのに一緒に地区計画を決めたのは、話題の新国立競技場のどさくさに隠れて、そっと便乗したのだろうか。

 わたしも新国立競技場に気をとられつつも、神宮外苑の都市計画公園に再開発等促進区を決めることに、なんとも不審をもっていたけど、どうやって公園の再開発をするのか見当がつかなかった。
 でもそのときは既に公園まちづくり制度ができていて、だから再開発等促進区だったのだが、気がつかなかったこちらが、都市計画専門家の端くれとしてはなんともドジだった。
 どうも公園制度には疎いが、あの時は立体公園制度の適用にあっけにとられれ、そちらに目が向いてしまった。

 この度の外苑地区再開発の地元地権者たちから出された再開発事業に関する環境アセスの内容を見ると、その建築計画は都市計画公園や風致地区に適合する内容でないものがあるので、これは都市計画公園の廃止を目論んでいることが明白だ。
 ではそれはどこを、どれくらいに規模で廃止するのか、明確にその範囲を推定することはできない。
 ところば公園まちづくり制度を使うのなら、都市計画公園指定してありながらも未供用区域があるなら、その未供用面積までなら公園廃止できるとある。
 その法的根拠は、都市公園法都市公園法第16条であり、そのために都市計画事業の市街地再開発事業であろう。

 ではその未供用区域とはどこか。
 都の資料を見ると、今回の再開発区域の内で未供用部分は、テピアとラグビー場用地であり、そのほかの神宮外苑用地は供用部分とある。
 テピアとラグビー場を合わせて広さは約4.8ヘクタールであるから、この広さまでは都市計画公園の廃止が可能であるとして、再開発事業に合わせて廃止するのだろう。
 再開発事業の区域が約17.4ha、その内の外苑通り沿いの伊藤忠本社ビル用地を除く範囲が現都市計画公園区域で約16.1haである。

東京都「神宮外苑地区における活用要件」より
つまり再開発区域16.1haの内の4.8ha、およそ30%の広さを公園廃止して都市開発活用することになる。その条件はその廃止用地面積の6割以上を公園なみの緑地等にして、地区計画の地区施設として担保することである。
 その都市計画公園指定を解除した面積の土地を、開発しやすい位置に入れ替え配置して、その都市計画を商業業務地なみに変更するのだろう(たぶん、複合棟A、球場併設ホテル棟、広場部分か)。北に入れ替えるラグビー場は、こんどは都市計画公園指定区域に入るのだろう(たぶん)。

 都市計画規制の緩和変更は、2013年に都市計画決定した地区計画のうちで、今回の事業区域となる再開発等促進区に決めてなかった地区整備計画に書きこむことになり、今後の地区計画の都市計画変更手続きに入るのだろう。
 同時に都市計画法及び都市公園法による都市公園の一部廃止手続き、更に都市再開発法による市街地再開発事業の都市計画決定も必要である。
 これらは一連のものとしてすすめるだろうが、それはいつだろうか。

 さて、制度は分かったが、何だかスッキリしないことがある。それは今回の都市計画公園廃止となる対象面積が、テピアとラグビー場という、どちらも公的な土地所有者であることだ。
 特に大部分の面積を占めるラグビー場は国有地であるから、国が公園として供用しないままでいたことには、なにか妙な感じがする。民有地の神宮外苑の野球場と似たような土地利用で、そちらは公園供用してきたのに、なぜラグビー場は未供用だったのだろうか、国有のスポーツ施設なのに不思議である。

 国有地が未供用だったおかげで、再開発区域の3割もの広さが公園指定が解除されて高度利用できるのだから、民間開発事業者にとってはじつに嬉しい未供用だった。
 いや、ウマイことをしたのはタナボタ結果ではなくて、もともとそうするように制度そのものを東京都と結託、いや相談し提案して作ったのだ(ろう)から、なかなかの作戦である。タナの下で待ち受ける口を狙ってボタモチを落すのだからね……。

    とすれば、ここで一人の納税者として事業施行者にお願いしたいのは、その国有地の未供用であったことの再開発事業への多大な貢献度を、権利変換計画において高く評価してほしいことである。
 つまり開発利益を民間事業者ではなく国民に正当に還元してほしいのである。もちろん認可する東京都知事もその辺を十分に留意してほしいものだ。(この件については追記を参照のこと)

 東京都の公園まちづくり制度の説明図に、未供用区域が建物が密集している市街地となっているように描いてあり、そこを公園廃止する制度適用としている。それは今さら公的買収して公園にするのがかなり難しい状況を示しているので、制度の意味が分からなくもない。
 しかし、ラグビー場もテピアもは、権利関係は簡単だし、公園内施設としてそのまま適合するから、既に供用にしてあっても、あるいはいますぐ供用にしても、何も法的な問題はないだろうと思う。もちろん、これでは再開発事業者は困るが、、。
 でもなあ、文科省管轄の国有地が都市公園の廃止に手を貸すのが、どうも何だかなあ、すっきりしないって、書いておく。

 なんにしろ、公園まちづくり制度が先にあって、それに合せて今回の外苑再開発計画が出て来たのではなく、この再開発計画に合せるように新制度を構築したらしく、まったく敬服に値する知恵者プランナーはいったいどなただろうか、都市計画設計研究所だろうか。:都市計画設計研究所の受注情報に、JSCから2012年と2013年に「国立霞ヶ丘競技場整備に係る基本計画策定調査」があり、東京都から2016、17、18年度に「神宮外苑地区まちづくり調査・検討等業務」がある    (2019/05/21記)                              

 2019/05/26追記
 この建設事業を都市再開発法の市街地再開発事業制度を使って行うとのことである。この制度は事業前の土地と建物の価格評価して、事業後にそれと同額の土地と建物に返還する手法である。つまり土地建物を等価交換するのである。

 国有地のラグビー場と民有地の神宮球場とを入れ替えるにあたって、土地の評価額が大きく異なることに留意する必要がある。国有地の方が断然高額なのである。土地評価はいろいろあるが、例えば2018年の固定資産税の路線価格では、神宮球場前が603000円/㎡で、ラグビー場前が148000円/㎡である。

 したがって、これらを土地だけで等価交換すると、ラグビー場の土地の面積は2.5倍に拡大する。それでは民有地が狭くなりすぎて、野球場を建てることができなくなる。
  環境アセスメント用に出された資料を閲覧すると、ラグビー場の土地の広さは、事業前と後ではほぼ同じ広さに見える。つまり移転先の土地価額は元の土地よりも半分以下になっているから、その減った土地分の価額は建物に変換した(普通に言えば土地面積を6割ほどを売ってラグビー場の建設資金に充てた)、つまり土地+建物等価交換であろう。
 したがって、ラグビー場の土地建物を持つJSC(国)は、この事業にあたって新たに負担をする必要はない。国民の新たな税負担はないことになる(はずである)。

 もちろんこれは事業の前後で等価になるとしてであるが、もしも事業後にこの規模のラグビー場を受け取っても、事業前と等価に届かなかった場合は、その差額を現金で受け取ることになる。
 逆に、等価を越えた場合は、国はその差額分を支払わなければならないが、これではラグビー場を再開発事業で建てなおす理由が希薄になる。今の場所で、空中権を売って(再開発事業制度としては一部転出)、そのカネで新ラグビー場を建てればよろしい(東京駅みたいに)。

 とにかく、文科省が東京の都市公園の減少の張本人になるという、あまりほめられないことをやるのだから、その名誉挽回として、新ラグビー場の建設には新たな国の財源つまり税負担が無いようにすることである。
 再び新国立競技場のようなドジをしないようにね、文科省は三井不動産(明治神宮の代理人らしい)にウマイことしてやられないようにうまく立ち回ってね、いいですね。

 この事業では国有地を種地にしてるのだから、つまりこれがないと再開発事業が成り立たないのだから、明治神宮や三井や伊藤忠の民間事業者に儲けさせるのじゃなくて、文科省の官側事業者がしっかり儲けてくださいよ、これは納税者のひとりとしてお願いです。

 あ、まさか三井が再開発事業施行者になるのじゃないでしょうね(たぶん組合施行にはできないだろうから)、国有財産を扱うのだから、せめてUR都市機構にやらせましょうよ。
つづく

▼これまでの一連の五輪騒動記事は下記