2014/02/26

901【老いゆく自分】今にボケ老人ネット被害対策が必要な時代がくるだろう

 隠居して数年たつと分かるのは、どんどんとEメールが減ることである。メールの数は、自分の社会とのかかわりの度合いをしめすことを、あらためて思った。
 今では、仕事してた昔からの関係学会や諸団体や仕事仲間からのメーリングリストが生きていて、それらから一方的にやってくるものばかり。
 それらに混じって、たまに遊び仲間からのお誘いメールである。そしてさらに稀に、原稿の依頼がくる。ヒマだから、どちらにも張り切って返事を書く。

 さて、そうやってメール付き合いが狭くなる中で、変らぬ愛をこめて大量のメールがやってくる。そう、ゴミというか、迷惑というか、エロというか、その類の代物は不滅らしい。
 毎日、200通くらいだろうか、もっとあるか、数えたことはないが、これが来るので、わたしもまだまだ世の中に大勢のつながりがあるような錯覚に陥る。

 いやまったく、どなたか知らないが、飽きもせずに、毎日毎日せっせとアホメールを送って下さる努力に、心から感服せざるを得ない。
 まあ、機械で自動的に送ってるんでしょうが、読まないのに送り付けていただき、ご苦労さん。
中には読んで反応してくるやつもいるかももしれないって、数撃ちゃ当るって作戦であろう。
 それにしても、その送る中身の文章などは、誰かが書いているのだろうし、いつも同じじゃ読んでくれないだろうから、あれこれと書き直して、努力しているにちがいない。


 わたしは、この数か月、それらアホメールの中身は読まないにしても、発信者とタイトルを毎日読まねばならない羽目に陥っている。
 nifty web mailメールアプリケーションに、何かおかしなことが起きているらしく、やってくるメールのすべてが、迷惑メール受信箱に入っているのだ。
 しょうがないから、発信者と表題だけ見て、読みたいものだけ正常な受信箱にとりだしている。

 アホメールの表題からみて、大きく分類すると、エロ系、薬品系、新技術系、金儲け系になるようだ。
 新技術系では、LINEなる通話システムと、TV視聴万能カードの売り込みが多いようである。
時代によってアホメールも進化するというか、時代を先取りしているというか。
 一時、中国かららしい読めない漢字アホメールが多かったが、最近はないのはどういうわけか。

 なかに、ウィルスバスターなるアプリケーションの宣伝メールがくる。
 なんだかしょっちゅう書き直しているらしく、「これが最後」、「もうすぐ終了」、「今だけ」なんて、表題に書いているのだが、それがもう1年以上も続いている。なにが、今だけ、だよ~、アホ。

 実人生で足が衰えて街なか徘徊ができなくなると、WEB徘徊バーチャル人生になるだろうと、これは実感している。
 孤独な老人のつながる世間は、机上の四角なガラス板を通してのWEB世界に限定されていって、そのメール友達も次々と消え去るとき、飽きもせず送ってくるアホメールだけが世間とのつながりになるかもしれない。

 そうなると、アホメールのひとつにでも反応して、返事を出してみようかなんて、半ボケ頭で思うかもしれない。初期認知症WEB徘徊となって来ると、エロやらサギやらのメールに誘われて、新たなバーチャル人生にさまよい出るかもしれないなあ。
 そこには何が待ち受けているのだろうか、楽しみであるし、こわくもあるが、さまよい出る当人はぼけているから、なんだかよく分らないままでいるのだろうなあ。

 そうか、今はネット利用超高齢老人は稀だろうが、もう10年もしたらネット徘徊被害ボケ老人対策が必要になるのだろうなあ。
 振り込め詐欺師のみなさん、今のうちですよ、半ボケ老人をネット経由で誘い込んで、ネット経由で貯金を振り込ませるのは、、。あ、もうやってるかもなあ、気を付けようっと。



2014/02/25

900【くたばれ自動車】なんだかこの列島に生きていくことが嫌になってくる世だなあ

 ラジオを聞いていたら、NHKのお知らせかなにかで、アナウンサーがこうしゃべっていた。
車を運転する人は、老人を見たら早めにブレーキをかけて、思いやりのある運転をしましょう
 猛烈に腹が立った。

 おいッ、俺たち老人は、「思いやられる」って立場なのかよ、、あんた、「思いあがって」るんじゃないよっ!
 車ってのは、生身の人間とぶつかったら、絶対的に勝つ凶器なんだよ。刃物と同じなんだぞ。
 刃物を持った奴らは、弱い生身の徘徊老人のことを、可哀そうなやつらだ、しょうがないからここで止まって待ってやるか、もたもたしないで早く歩けよ、なんて「思いやって」くれるんだな。
 たしかにお強いでしょうから、上からの視線で見下して思いやっていただきまして、おありがとう存じます。

 ラジオは続けてこうも言った。
お年寄りの方は、無理な道路横断をしないで、遠回りでも横断歩道を歩いて渡りましょう。
 あのなあ、横断歩道があんまりにも遠いし、近くにはえっちらおっちら上り下りする横断歩道橋しかない。しょうがないから、足が痛いので無理しても近くを横断してるんだよ。
 そんなこと言うのなら、道路の全部を横断歩道にしろよ

 更に、こうも言った。
横断歩道では、青信号でも左右をよく見て渡りましょう
 はいはい、ありがたいご忠告です。車って凶器を持ってるやつには、もう相手は狂人だと諦めて、青だろうと赤だろうと道を譲り、近寄らないってことですね。もう、外を歩くなってことですね。
 そうだ、昨日だったか、名古屋でレンタカーを借りて、これを凶器にして歩いている人たちをひき殺そうとしたアホ狂人がいたなあ、あ、ちょっとまえ、秋葉原にもでたなあ、たしかになあ、、。アメリカの銃乱射とおなじだな。

 こんどからこう言ってくれ。
自動車は凶器です、運転手は狂人かもしれません。出かけるときは、歩かないで、あなたも凶器に乗って、狂人になって出かけましょう」
 大昔に、映画館で見た短編ディズニー漫画に、歩いているときは物静かな紳士だが、いったん車に乗るとむちゃくちゃ運転する動物の主人公がいた。ウォルトは未来を見通していた。

 とにかく、バカや狂人から思いやりを受けるような車社会のこの世、そして大震災と原発核毒被害にまた出会うらしい近未来、さらに海を隔てた隣と不仲でまた戦争容認するこの列島からは、早くおさらばした方が幸せと思うようになってきた。

 おもいだしたが、昔、こんなことを書いたことがあった。
横断歩道橋は素晴らしい 
https://sites.google.com/site/machimorig0/hodokyo



2014/02/24

899【世相戯評】邪魔なオリンピックがようやく終わったらしい

やれやれ、やっとソッチのオリンピックが終わって、コッチはホッとした。明日から新聞に余計な記事が無くなるのだろう。
毎朝刊にソッチ専用が4ページ、ほかに1面にも社会面にも地方面にもとアッチコッチにソッチ関連記事が出現するし、夕刊にもあれこれと眼にウルサイ。
社会面のソッチ関係記事は、読まないけど見出しだけ眺めると、勝っても負けてもお涙ちょうだいのような記事らしい。

今朝の新聞は40ページあるんだけど、わたしが全く目を通さないページは、ソッチが4ページ、そのほかに全面広告ページ、テレビラジオ欄ページ、株式ページなどあるから、21ページはまるまるゴミ捨て場直行である。
近ごろの新聞は、景気が良くなったのかどうか世の中のことは分からないが、広告ページが多い。

それに、近ごろはニュースページが少ない。家庭雑事(たとえば片づけ方、葬式のやり方)とか、健康や医療の記事が多くなって、週刊誌に近くなっている。
そんなのは、インタネットサイト見れば、だれでも簡単に分るぞ。もしかして、新聞てのはインタネット使えない人だけのためのものに、既になっているのかもしれない。

その証拠には、新聞屋が毎日の新聞をインタネットで売る時代になっていて、自社発行のインタネット新聞を売る広告を大きく載せている。この広告までも買わせられるのが、癪にさわる。
毎日、紙ゴミを買い求めているのを、何とかしなといけないなあ。

実をいうと、オリンピックのある2年ごとに、いつもぼやいて書いてるんだな。
http://datey.blogspot.com/2012/08/655.html

http://datey.blogspot.jp/2010/03/245.html

http://datey.blogspot.jp/2008/08/blog-post_26.html


2014/02/23

898【東京風景】神社仏閣や安飲み屋が若者男女どもに占領されてるってどうにも不気味

 久しぶりに浅草に行ってみた。観音様はなんだかものすごい人出である。近頃はいつもこうなのだろうか。
 信心深いのは老人ばかりだろうと観れば、大間違いで、若い男女ばかりであるのが、じつになんとも不思議である。

 老人のこちとらが単なるヤジウマで、見物はしても神仏を拝みはしないのに、夏に行った靖国神社でもここ浅草寺でも、ガキどもがちゃんと拝んでいるんだ。
 ちかごろ若者が信心深くなったのだろうか、そうだとしたら、それはなんともじつに不気味な世の中である。

 雷門の前に妙な建物ができた。これってだいぶ前にこのブログに「建築という見世物」と題して書いた、あれである、できあがっていた。
http://datey.blogspot.jp/2010/09/315.html
 計画時には、浅草寺からも地元商店街からも、その高さやデザインにクレームがついたというニュースがあったが、克服したらしい。

 当ブログに「あの懐かしい見世物の掛け小屋のデザインである。筵の掛け小屋が立体的に積みあがっているのだ」と書いたとおりの風景が出現した。乞食小屋のビルである。
 通りの向うにチラリと見えるkintamaは、隅田川を渡った向こうにあるアサヒビールの「空飛ぶ黄金のunko」の一部である。だから、その左に見えるビルの上の泡のようなものは、syonbenのアワである。

 乞食掛け小屋といい、空飛ぶunkoといい、庶民のお寺の門前町に立ち並ぶ淫猥な見世物や香具師の群れにぴったりの風景が積み重なりつつある。浅草は不滅である。
 立体かけ小屋だから、「可哀そうなはこの子でござい、親の因果が子に報い、、」って胴無し少女とか蛇喰い女がいたり、「とりいだしたるは四六のガマ、四六五六はどこで見分ける、、」ってガマの油売りがいたり、「お代は見てお帰りだよ~」ってお化け屋敷とか、「ジンタッタ、ジンタッタ~」ってサーカスなどの、常設小屋が積み重なっているんだろうと、おおいに期待して入ってみた。

 なんだ、つまらん、観光案内所、休憩所、展示場、会議室、展望室ってことで、マジメなものばかり、ここってお役所の建物なんだな。
 だから、恰好だけは掛け小屋のくせに、ヒラヒラ幟旗も無ければ、呼び込みお兄ちゃんもいないんだ。
 やってる見世物も、大学生の提案の展示とか、隅田川の橋の色を考えるシンポジウムとか、お堅いものばかりである。あ、もちろん演し物の内容が悪いと言ってるんじゃないですよ。

 ご隠居は言いたいよ、なあ、クマさんや、これでいいのかい、。
 なに、建築家は中身にはタッチいたしませんって?、え、看板や幟旗でデザインを壊しては困りますって?
 いや、そっちのクマセンセイに言ったんじゃないんだけどね、ま、いいや、ふ~ん、でもねえ、ここは猥雑な門前町なんですよ、そりゃ違うでしょ、気取ってどうすんです。
 観光センターですよ、ま、このネーミングもどうしようもない代物だけど、もうちょっと色気を出したらどうですか。やっぱりこれは「凌雲閣」とすべきですよ、あの猥雑だった中身も持ち込んでね。

 もっと猥雑さを求めて、ロックあたりを歩けば、なんだか大きな空き地で工事中で、寂しい。
 歩き疲れて足が痛いので一杯やって休憩しようかと、安飲み屋に入ろうとしたら、なんと若い男女がうじゃうじゃと入っている。
 ウワッと気おされて、隣にはいろうとしたら、こちらも、その隣もみんなそうで、ワーワーキャーキャーうるさい。

 たしかこの辺に、むかし、静かで気軽な飲み屋があったはずだと、記憶をたよれども、記憶がおぼつかないし、閉店したかもしれないので、あきらめる。
 お寺ばかりか、安飲み屋もガキどもに占領されてしまった。ああ、浅草で老人ビンボー酒飲みはどうすりゃいいんだよ~、、、。
 しょうがないから演芸場に入って休むかと、看板の出番芸人名をみたけど気に食わない。すごすごと地下鉄駅へ。

2014/02/19

897【横浜ご近所探検隊】伊勢佐木モールがだんだん落ちぶれて行く末どうなるんだろう

 もう本を買わない、これからはうちにある山ほどある未読本を読むのだ、こう決めて3年になるのに、どうもうまくいかない。
調べものでうちにない資料を見に図書館に行くと、ついついどうでもよい本を借りてきてしまうので、未読本が減らない。

 昨日は雪が消えたし、正月に転んでやった捻挫もほぼ治ったし、久しぶりに歩こうとて、その借りなくてもよかった返却期限オーバー本2冊を返しに図書館にいった。
 そして、ついついまた借りてしまった。Gunter GrassとStephen Kingという妙なとりああわせで2冊、これでまた当分未読本は減らないなあ。

 帰りに伊勢佐木町の有隣堂を冷かしていて、うっかり新本を買ってしまった。
 Ken Folletの三部作の第2巻の新刊『Winter of the world』である。第1巻を一昨年に読んで、なんとなく待っていたのだ。本を減らす方針はどうしたっ、、。
 文庫本棚を冷やかしていたら、これの翻訳が4冊になってでていた。合計3500円くらいだから、ペーパバック1300円と比べて、これはだいぶ儲かった、と思って慰める。
 これじゃあいつまでたっても未読本制覇は終わらないなあ、死ぬまでに投資の元を取るんだというセコイ行動は、果たして実るか。
 参照:「715うちの本棚にある未読数とわたしの余命数とが釣り合ってきたようだ
http://datey.blogspot.jp/2013/02/715.html

 有隣堂の書棚で気になったのは、お隣の国々に対する悪口雑言を書いてある本や、戦争した日本は悪くなかったてな風なことを書いた本とか、なんだかそちら右っぽい傾向の本が、たくさん目につくことだ。
 売れるから目につくように本屋も置いているのだろうが、都知事選でタモチャンが60万票もとったことを考え合わせると、なんだか気味が悪い世の中である。

 伊勢佐木モールをぶらぶらといく。おや、あの2階にあった正統派古本屋が閉じてしまってる。う~む、隣に3年前にできた品のない古本屋BOOK OFFに負けたのかよ。
 ということは、3年前にわたしがもう本を買わないと決めてから、一度も行かなかったからか。
 すまんすまん。以前はちょくちょくよって、たまには掘り出し本を買っていたものだ。未読本制覇で  今読んでいる「ナチス狂気の内幕」って、ヒトラーお抱え建築家シュペーアの自伝はここで買った。

 それにしてもBOOKOFFって、もうちょっと品良くならないのかい。
 建物の色とかごちゃごちゃ看板とか、屑ものみたいな売り方とか、「いらっしゃいませ、こんにちわ」って、しょっちゅううるさいとか、。
 まあ、昔風に古本屋って思うからいけないであって、新型リサイクル屋、つまり屑屋お払いって思えばいいのだろう。
 そういえば、このあたりにあれこれとリサイクルショップが増えてきた。

 伊勢佐木モールとその近くには古本屋は結構あるのだが、古本屋も時代や場所の波に乗るのだなあと思うのは、上に述べたBOO KOFF進出と正統派の閉店、エロ本エロDVDの進出である。
 関内駅に近いほど正統派であったのが、BOOK OFFが駅に一番近いところにでてきてこの傾向は変わった。

 でも駅から遠い曙町ピンク街になると、漫画本化とエロ物化が進む傾向にある。よくわからないがエロ物も2種類あるらしい。
 いま、らしいって書いたのは、わたしは一瞥観察だけで実証実験を伴っていないからだ。表の本棚に飾ってありながら、店の奥に未成年入室禁止カーテンの先にもあるらしいから、そちらはどんなスゴイものだろうか。
 いや、気になるなら入ればいいでしょって、そのとおりであるが、。

 でもなあ、いまどきインタネット(淫種戸)には、ものすごいエロ物サイトがある(らしい)ので、堂々ともう少年でも簡単にアクセスできる(らしい)のに、それでもエロ本、エロ動画を金出して買う奴がいるのかなあ。
 あ、お得意さんは、インタネットできない爺さんかもなあ。
 でも、このような古本屋も、正統派古本も置いていて、時に掘り出し物に出会うから、ちょくちょくよって、ちょろちょろ観察するのだ。

 伊勢佐木モールは、だんだんと品が落ちてくる。派手派出な格好の安物売りチェーン店ばかりが増えてくる。ここは老舗だぞって横浜一番の歴的な繁華街を威張る店は、いつのまにか消えいく。
 昔のことは知らないが、いまではパチンコ屋やゲームセンターが増えるし、場外馬券売り場ができるし、雰囲気が場末的になっていく。
 むしろ最近は吉田町の方が面白い感じになってきた。

 シャッターが下りて貸店舗という貼り紙も多くなっているが、そのいっぽうで開店する業態でなんとなく目につくのは、モミモミ業である。
 なにかよく分らないが、2階から上の窓一面がべたっと大きな看板におなっていて、リラクゼーションとかマッサージとか整体とかって字と、女の人が寝ころんだ患者(というのだろうか)をモミモミしているらしい大きな写真がある。
 アヤシイ、これって、なにするところろうか、いや、エロジジイの考えすぎか。
 
お暇ならこちらもどうぞ→「横浜B級観光ガイドブック
http://goo.gl/Se7EEP
 


2014/02/17

896【言葉の酔時記】携帯電話機をつかって電話することをケータイと言うのかしら

熊:ご隠居、久しぶりですね。お元気ですか。
隠:おお、熊さん、よくおいでだね。うん、1月にころんで捻挫したけど、もうほぼ治ったよ。
熊:そりゃお気の毒でしたね、悪くすりゃ寝たきり老人になったかもしれませんよ。ま、そのほうがうるさくなくて、いいか。
隠:おい、今なにか言ったかい。
熊:いやいや、で、転んでどうしました?、すぐにあっしにケータイしてくれりゃ駆けつけたのに。
隠:え、ケータイしてくれりゃって、なんのこことだい。なにかい、お前がわたしを携帯して病院に連れてってくれるってのかい?
熊:あれ、転んでボケたかな。いや、そうじゃなくて、なんですかい、もしかしてご隠居はケータイを持ってないんですかい?
隠:あのなあ熊さん、携帯ってのはそりゃまあ、持つって意味だけど、携帯するとは言っても、携帯を持つとは言わないよ。
熊:いや、あのですねえ、携帯電話を持ってないんですかって、聞いてるんですよ。
隠:おお、電話ってのは電子システムによる遠隔会話のことだよ、おまえね、会話を手に持つとか携帯することはできないだろ。
熊:ウンニャロメ、じゃあね、携帯電話機を持っていないんですかって、伺いましょうかね。
隠:おお、それならわかったよ、はじめからそう言えば、ここまで長引くことはなかったんだよ、面倒だね、うん、そんなものは携帯していないっ。
熊:まったくもう、面倒はそっちだよ。で、持ってないって威張るようなことじゃないでしょ、いまどき。
隠:まあまあ怒るなよ、ケータイごときでな。
熊:なんだ、知ってるんだ。で、なんでケータイ、いや携帯電話機の話をしてたのでしたっけ。
隠:おまえがぼけてどうするんだい、あたしが転んで携帯電話機で助けを求める話だよ。
熊:そうそうそうだった、で、どうしました?
隠:じつはね、その時ケータイかけつつ、じゃないや、携帯電話機をつかって電話をしながら歩いていて、つまづいて転んだのだな。
熊:なんだ、持ってるんだ。
隠:いや、もってないよ。転んだ拍子にケータイじゃなくて携帯電話機はそばのどぶに落ちて壊れた。その時から携帯電話機を携帯してないんだよ。
熊:まったくもって、ケッタイなご隠居だよ。
(これは架空の会話であり、モデルはどこにもいません)

2014/02/15

895ジョサイア・コンドル、山口文象、キリスト教ユニテリアン、労働運動ってどんな関係があると思いますか

 ジョサイア・コンドルと山口文象、この二人の建築家たちの展覧会が近いうちに開かれるので、ちょっとだけ予告を書いておく。その企画をちょっとお手伝いしている。
 日本の近代建築史をちょっとでも知っている人は、このあまりにも無縁そうな二人のどこに接点があるのだろうと、不思議に思うだろう。わたしだって、2カ月ほど前までは思いもしなかったことだ。

  コンドルは20世紀への変わり目を挟んで40年ほどを日本で活躍したイギリス人建築家、山口文象は1930年代から40年ほど活躍した建築家である。年代的にもその出自からしても、あるいは極端に違う作風からして、普通に考えると出会うはずもない。

  ところが、このふたりの設計した建築が、東京都港区の芝公園近くの日比谷通りに面して同じ敷地内に仲良く並んで立ち並び、太平洋戦争の空襲で焼けるまでの9年間ほど、今考えるとなんとも特異な風景をつくっていたのだ。

 その風景はこうであった。

 この右に見える和風というか和洋折衷建築が、コンドルの設計であることにまずびっくりする。このユニテリアン教会「惟一館」は1893年に建った。ここはこの教会活動のクリスチャンたちがおこした社会活動から生れた労働者団体「友愛会」(のちに総同盟、現在の連合)の活動拠点であり、1931年から「日本労働会館」として日本の労働運動の源流であり本拠となった。これができた年には三菱一号館ができている。

 一方、その左に見えるのが、山口文象のモダンデザインで、さもありなんという姿である。1936年、山口文象設計の「青雲荘アパート・友愛診療所」が建った。労働者のための病院と賃貸共同住宅の複合ビルであり、労働者の福利厚生の施設であった。これができた年には「番町アパート」ができているが、ほぼ兄弟作の感がある。

 今はどちらも消滅したが、跡地には同じ財団によるオフィスとホテルの入る超高層建築が建っている。そのビル内に財団が運営する「友愛労働歴史館」があり、その展示室で戦前の活動拠点であった消え失せた二つの建物について、その歴史を再発見する企画の展覧会を開くのである。

 いろいろ聞いて、調べてみると、日本の労働組合運動とキリスト教活動は出発点において深い関係にあったらしい。コンドルの設計したユニテリアン教会の唯一館は労働運動を起こす源流となり、後に活動の拠点となった場であり、山口文象が設計した青雲荘は、労働者のための本格的な厚生福利活動の源流となった場であった。

 コンドル、キリスト教会、労働運動そして山口文象という、一見したところ関係があるとは思えない人と事柄が、実は深く結びついていることを知って、驚いている。
 調べているうちに面白くなって論考を書きはじめたが、わたしは山口文象についてはそれなりに研究してきたが、コンドルについては建築史ディレタントの域を出ないし、キリスト教と労働運動については門外漢も甚だしい。そのうちにここに掲載しますので、お楽しみに。



2014/02/05

894今にアジア太平洋戦争遺跡が世界文化遺産登録候補に出てくるに違いない

2014年2月5日NHK NEWS WEBに、こんな記事が載っている。
「日本政府が、福岡県の「官営八幡製鐵所」など、九州や山口県を中心とした「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録を目指していることについて、韓国のユン・ビョンセ外相はユネスコに対し、「韓国の国民が徴用された悲しい歴史の場だ」として、反対する考えを示しました。」

 あっちでもこっちでも世界文化遺産登録候補に手をあげているが、文化とは相対的な価値であるから、当然にこのような問題が起きる。あちらの文化はこちらの非文化ってことは、ざらである。そもそも文化ってなんだってことにさえなる。
 人間の行為による所産はすべて文化であるとする、文化人類学的定義をすれば、なんでもかんでも文化遺産である。
 だから、あちらの文化もこちらの文化も相対化して、登録遺産の意義として取り込んでしまえばよいと思うのだ。

 この産業遺産登録について、今の不仲な両国の間でどんなことが起きるのか、起きないのか、わたしには見当がつかないが、実に興味がある。
 まさか意趣返しとは思わないが、ごく普通に考えても、アジア太平洋戦争の日本軍による加害の遺跡が、世界文化遺産登録の候補に登場する日が、近いうちに来るに違いないと思う。
 その時のことも考えて、日本側は対応する必要がある。

 だってさ、日本には「原爆ドーム」という、正真正銘のアジア太平洋戦争遺跡を世界文化遺産に登録した前例の実績があるのだからね。こっちはよくてあっちはいけない、なんて言えないでしょ。
 もし今になって、原爆投下という人類の愚行を記念する世界文化遺産に原爆ドームを登録すると言ったら、原爆を落としたアメリカ側からは、あれは戦争をストップさせて更なる悲劇を防いだ賢明なる行為であったのだと反対論がでるだろう。

 わたしは思うのだが、この際、韓国側の反対論の根拠としている植民地からの徴用工問題も、事実は事実として世界文化遺産の意義に取り入れればよろしい。
 その愚行も世界文化遺産として後世に伝える度量があればばこそ、その近代化遺産から世紀を超えた今になって、ようやく成熟した日本文化の時代なったと言える。

 「明治日本の産業革命遺産九州・山口と関連地域」(仮称)構成資産を見ると、ずいぶんいろいろな地域のいろいろな事物があるのが面白い。東は伊豆の韮山、北は東北の釜石、南は鹿児島まで散らばっている。
 長崎の観光名所グラバー邸もある。グラバーって人は、明治維新のドサクサ内乱戦争に乗じて、あちこちに武器を売って大儲けした「死の商人」である。こんな人の家を世界文化遺産にしたいのは、その愚行も遺産の意義として織り込み済みなんだろう。
 高島や三池炭鉱は大規模な人身事故や労働争議の現場であったことも、文化遺産としての意義であるのだろう。

 世界遺産の話題のついでに、わたしは3・11直後から提唱しているのだが、福島第1原発を世界文化遺産とし、その事故前、事故中、復旧中、廃炉中の出来事の記録をすべて世界記憶遺産に登録するべきである。
この国際的に人々を震撼させた事件の文化的相対価値がある事物であればこそ、文化遺産として後世に伝えるべき事柄である。

<追記2014/02/11>
ほ~れ、やっぱり出てきたよ、意趣返しかなあ、さて、どうしたもんかねえって、行っても、なんだかアベ靖国参拝で、ドロヌマの感があるなあ、困ったもんだ。

韓国 従軍慰安婦の資料を「記憶遺産」に
NHK WEB news 2014年2月11日 22時23分
韓国政府は、いわゆる従軍慰安婦の問題について、関係する記録のユネスコの「記憶遺産」への登録を目指すなど、国内外の関心を呼び起こす取り組みを強化すると発表し、韓国の立場に対する国際社会の共感を得ることで、日本への圧力を強める構えです。
これは、韓国のチョ・ユンソン女性家族相が11日、パク・クネ大統領にことし取り組む事業の計画として報告した中で明らかにしたものです。
計画では、韓国国内で、いわゆる従軍慰安婦の問題に対する国民の意識を高めるため、記念日を設けて学生らが参加する文化祭を行うなどとしています。
さらにこの問題を国際世論に訴えるため、アメリカや中国などで関連する資料を調査、収集したうえで、ユネスコの「記憶遺産」への登録を目指すとしています。


●参照 福島原発を世界遺産に登録しよう
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hukusimagenpatu-worldheritage

2014/02/03

893横浜都心隠居の空中陋屋から見る風景に大きな二つの変化が

 横浜都心の一部にあたる関外に居を移したのは、2012年の秋である。鎌倉田舎を脱出して都会人になったのである。
 それから関外、関内、みなとみらい地区などの新旧横浜都心部徘徊12年、じわじわと変わっていく街の様を楽しんできている。

 例えば、かの有名な伊勢佐木モールがどんどん落ちぶれていくとか、中華街あたりがめちゃくちゃ混雑で辟易とか、港のまわりが観光客に占領されちまったとか、ずっと変わらずに面白いのが横浜橋商店街だとか、みなとみらいは名ばかりマンションジャングル化するなあとか、そしてまた、なんだか老人向きの施設が増えてきているようだとか、徘徊の楽しみの種は尽きない。

●なぜ鎌倉脱出かの言い訳はこちら
http://homepage2.nifty.com/datey/kamakurasyunju0702.pdf
 ●なぜ借家かの言い訳はこちら
http://homepage2.nifty.com/datey/kamakurasyunju0703.pdf
●伊勢佐木1、2丁目の地区計画について
http://datey.blogspot.jp/2014/01/889.html
 ●横浜街なか徘徊の記録はこちら
http://homepage2.nifty.com/datey/datenomeganeindex.htm#yokohama

 
 わたしの住む空中陋屋借家からの風景は、ほとんど変わらないできたのだが、ここにきて二つの大きな変化があった。
 ひとつは南東に高層10階建ての名ばかりマンション(分譲型共同住宅ビル)がたちがり、北東にあった中学校が消えたのである。

 実は関外地区は人口が増え続けているのである。人口が増える住宅ビルがあちこちに増えているのだ。もちろん空地はないから、古いビルの立て直しである。
 さて、住宅が増えるのに、子どもが行く学校が無くなるとは、これいかに?
 それは、義務教育するような子どもがいなくなっているということ、言い換えると、わたしのような次世代生産能力がないものばかりがこのあたりには移転してきているのだろう。
 この街の人口が増えても、さきはジジババばかりの街になるのだろうか。まあ、それも仕方なしである。

 では、変化を目でご覧いただくとして、まずは南東に現れた名ばかりマンションである。
 ここに移転してきた時には、その土地には事務所ビルがあり屋上に毒々しい真っ赤な日産自動車の広告塔が建っていた。ここに来てから日産の車には乗らないことにした。
 そのビルが2011年になくなってホッとしていたら、今年になって跡地に完成したのが10階建ての名ばかりマンションである。
 その変化をパラパラ活動写真(gifアニメーション)でどうぞ。

 二つ目は、北東の中学校が2013年10月末から2014年2月初めまでに、日々消えていく様子のパラパラ活動写真である。
 
 
◆この弧乱夢の全文は下記のまちもり瓢論をどうぞ
「まちもり通信ホームページ
http://homepage2.nifty.com/datey/index3.htm
または
・「横浜都心「関外」風景の変化を見つめるこの12年
https://sites.google.com/site/matimorig2x/yokohama-kangai-hukei

◆関連  
●景観戯造:横浜・わが家からの眺め(2012年4月)
http://homepage2.nifty.com/datey/keikangizo/kangai.htm   
●435風景破壊の自動車屋(2011年6月23日)
http://datey.blogspot.jp/2011/06/435.html


2014/01/27

892横浜都計審傍聴イチャモン(その4)再開発事業都市計画なんだから最低でもこれくらいは審議してほしい

「(その3)審議会は市民と行政を結ぶ役割を果たせ」のつづき
http://datey.blogspot.jp/2014/01/891.html

 大船駅北再開発事業の都市計画審議会の審議について、もう少し書く。
 わたしがもしも審議会の委員だったら、委員会資料と説明を聞いただけでも、最低でもこの議案のもっとも基本的なこれだけは質問をしたい。

●都市再開発法3条要件は満たしているのか?
 まあ、議案になっているからOKなんだろうが、なにしろ市街地再開発事業の都市計画なんだから、この基本のキを一応は確かめるべきだと思う。でも、なんだか大きなビルが建っているよなあ。

●なぜ市施行ではなくて組合施行なのか?
 もちろん組合施行で行うこともできるが、これだけ広い駅前広場整備を行いながら、横浜市を施行主体にしない理由はなにだろうか。戸塚で懲りて、もうやりたくない、とか、、。

●関係権利者数と土地面積について同意率はどうなのか?
 組合施行再開発事業は、実は地権者という市民が共同して行う事業だから、周囲からの反対は、一般市民対地区内権利者市民という対立図式になる。形式上はこの都市計画を決めるのは市長だが、この事業を進めるのは地権者たちである。
 ところが、公聴会に地権者と名乗る人が登場して反対意見を述べている。しかも「わたくしたち」と言っているから複数いるらしい。事情は分からないが、共同するべき地権者たちが仲間割れしているらしい。これで都市計画決定しても、円滑に進むのか気になる。全員同意じゃなくて原則型で権利変換をやるつもりか。
 この「わたくしたち」が説得に乗らずとことん反対したら、今後の道は二つ。ひとつは強制代執行で進める。もうひとつはこの「わたくしたち」の土地を除外するように、都市計画決定をやり直すことで、つまり審議会は振り出しに戻るのである。どちらになっても審議会が「円滑に審議したこと」を問われるかもしれない。

・事業の資金計画はどうなっているか?
 再開発事業ではよくあることだが、事業の外野の地区外市民から巨額公費の投入が無駄だという指摘がされる。スポット的に巨額投資だから目につくのである。
 ここでもそれが意見書に出てきているが、それへの市側の見解書には「関係法令や予算に基づく補助制度が適用される予定です」とある。
 あのなあ、これじゃあ、まったくもって見解になっていませんよ。そもそも補助金は、支給できるものであって、しなければならないものではないのだ。
 無駄だって言ってる人の肩を持つ気はないけど、もうちょっとまともに答えてはどうですか。いや、こういう意見に対してこそ、真剣に公費投入の必要性、その意義をキチンと答えるべきである。
 だから、審議会ではその答えがわかるように、この事業の資金計画(管理者負担金、補助金、保留床処分金、補償金、、、、)について、費用対効果とかその妥当性を審議してはどうでしょうか。
 この都計審の後は、もう都市計画審議会も一般市民も口出しする機会は、ほぼなくなるのだから。

 「事業の都市計画」の審議は実に難しいのである。
 本当にわたしが委員だったら、これまでの調査資料、関係者への聞き取り、現地視認など、事前に調べてから委員会に臨むから、もっと審議したい事項は多くなるだろう。なにしろ13800円の日当をもらうのだからね。貧乏人はつい張り切るのだ。

 でもまあ、都市計画審議会は参与機関ではなくて諮問機関にすぎないので、どうせ審議会の議決が原案通り可決だろうと原案否決だろうと、市長は関係なく都市計画決定できるのだから、審議会は気楽なもんである、ということで、このあとの12もの議案は、発言委員は2名だけで、あっという間に原案通りに可決したのであった。めでたしめでたし。
審議会委員名簿 審議会中に発言したのは21人中たった6人だけ
と言うわけで、今回の都市計画審議会は円滑に審議が進んだのであったが、ちょっとすごいと思ったのは、その円滑審議のために市側の説明者が議案ごとに、10数名がぞろぞろと入れかわりたちかわり登場退場する様子であった。
 あんなに大勢がやってきてなにをしてるのだろうか、万が一、難しい質問が出たら、その中の誰かが答えるための頭数だろうか。そんなに大勢が役所を留守にしてよいのか。
 でもなあ、何回もやってわかってるでしょ、そんなマジメな審議はしないんだって。これじゃあ人件費の無駄でしょ。なんだか公費投入が無駄という意見書に似てきたなあ。
 委員の皆様、せっかく大勢待ってるんだから、なにか質問してあげなさいよ、可哀そうでしょ。

 傍聴席が20人分もあったのに、半分しか埋まっていなかった。そのほとんどがダークスーツの業界人らしく、関係議案が終わるとさっさと退場。わたしと同年輩の男女が最後の議題までいらしたが、こちらは一般市民の感じだった。
 なんにしても、市民の傍聴が少ないのは、意外に都市計画には無関心な市民が多いと、いつも思い嘆くばかりである。

 最後にもう一度書いておく。わたしは議題となっている現場を全く知らないので、議案の内容に賛成も不賛成もない。唯一の現場である審議会を傍聴して、そこの提出資料と委員の審議態度についてだけを書いた。
 審議会の委員は議案の現場の実情を知っているから審議できたのだろうが、わたしには議案の現場を知らないままに議案内容について良し悪しを言うことは不可能である。(おわり)

追記2014/01/28
 横浜市の都市計画審議会のインタネットサイトがある。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/kikaku/cityplan/tokeishin/
 そこに2012年11月までは、各審議会の議事録が公開されている。しかし2013年1月の第127回審議会から12月の131回審議会まで、ずっと「作成中」にしたままで非公開となっている。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenchiku/kikaku/cityplan/tokeishin/singi-25.html
 そのうちに去年一年分をまとめて公開するつもりか、非公開に決めたのか。

 だが、わたしが審議会委員だった時に、議事録公開が2カ月もかかって、あまりの遅いので10日以内にせよと提案し、市当局(都市計画課長)は、それは無理かもしれないが、できるだけ努力すると回答した(2009年8月28日の横浜都計審)。
 また、審議会を休日や夜間開催にして市民が来やすくせよ提案したところ、市当局(都市計画課長)は、それは難しいが、議事録を公開してそれに替えていると回答があった(2009年7月3日の横浜都計審)。
 さて、あの約束はどうしたのか、あのころよりも公開度は悪化しているぞ。


参照→たった一人のキャンペーン「都計審を改革せよ」
http://homepage2.nifty.com/datey/tokeisin.htm