2012/12/29

700海軍聯合艦隊司令部として戦争に翻弄された谷口吉郎設計の戦前モダン建築

◆丘の上のモダンデザイン建築
 横浜市の北に位置する日吉に、慶応義塾大学日吉キャンパスがある。広大なキャンパスの南に半島状に張りだした台地の端に白亜の建築が見える。1937年に建った慶応義塾日吉寄宿舎である。
建築史の専門家には、日本の戦前モダンデザインのはしりの典型的な建築として、その設計者とともに知られていたが、慶應関係者は別にしても一般には全く知られていない。  ここでこれをとりあげるのは、現代の視点で見ると、実はただ物でない歴史を背負っていると知ったからである。

 これは日本近代史上において、教育機関としての慶應義塾としてはもちろんだが、日本の近代建築史においてばかりか、太平洋戦争において実に重要な役割を果たした記念的な建造物であり場所であるのだ。

 もしかしたら、復原前の東京駅赤レンガ駅舎と並ぶ戦争記念碑かもしれない。戦争及び戦後復興記念碑としての東京駅赤レンガ駅舎は、復原という仕業で記念的造形が消えてしまったが、この日吉寄宿舎も同じ轍を踏むかもしれないのが心配である。
 所有者の慶應義塾大学が、老朽化していたこの建物を再評価し、2012年からその一部をリニューアルして現代的な学生寮として再生したと聞いて、興味をもっていろいろと調べたのである。

(以下全文は下記へ)
第1章<戦前>慶応モダンボーイの日吉新キャンパス
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hiyosi
第2章<戦中>海軍中枢の秘密基地となった日吉キャンパス
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hiyosi/hiyosi2
第3章<戦後そして今>戦争の傷を癒しきれない日吉寄宿舎
https://sites.google.com/site/dandysworldg/hiyosi/hiyosi3

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