2023/01/22

1667【コロナ感染対策緩和】 これからもどうぞそのまま夜目遠目マスクの内の美しき人よ

熊五郎:やあ、ご隠居、元気そうですね、今日はZOOMで長屋談議とは、今どきですねえ。

ご隠居:はいはい、熊さんこんちわ、うん、こうやってPCで無駄話するってのも新鮮だね。

:それにしても同じ裏長屋に住んでこうとはねえ、どうもすごい時代になりましたね。

:ZOOMにしようよと言ったのはわたしだったがね。

●八十路のコロナ感染

:そうでしたよ、何でもご隠居の親友がコロナに感染したとかって、震えあがってこうなんですね。

:いや、震えちゃいないが、ビックリしたね、遂にコロナが身近に来たかとね。別居の息子が去年に感染したのと今回で2回驚いてるよ。

:2回で済んでるならよしとしましょうよ、それでその親友はどうしてますか。

:そう、その男はね、わたしと大学同期、同じ体育会系クラブ仲間なんだよ。

:それじゃあ立派過ぎるほどの超高齢者ですよ、基礎疾患があるのですか。

:あるんだよ、もう立派なコロナ大リスク感染者だね。実は本人とは半年以上も会ってないのだけど、メールでその知らせが来てね、でも喉が痛いだけで熱は出ないので、しばらく家で養生すればよいってさ。

:そりゃよかったですね、後遺症はないのかな。

:それはまだ分からないが、私たち同期仲間数人は大きな影響を受けている。

:まさか濃厚接触者とか、メールでそんなことないでしょ。

:メールだけでそれはないのだが、実はこの月末にそのクラブ同期の7人で飲み会をやることになっていたのをキャンセルしたんだ。せっかくの老いの楽しみがなくなった。

:そりゃ賢明なこと、ご隠居のような超高齢者が集まって飲み食いするなんて大冒険。

:うんその通りだけどね、でもねえ、そいつが治って飲み会やろうとたら、また次の誰かが感染するかも知れない、そんなことが続くと、年寄りはもう死ぬまで飲み会開催できない、つまらない人生だね。

:そうですね、年寄りはなにかやろうとしたら直ぐにやらねば、でもコロナじゃあね。

:先日ね、やはり大学寮の同期仲間9人でZOOMやったんだ、ちょいちょいやってるよ。

:顔を直接向き合わなくていいから、ZOOMって年寄り向きですね。さすが理工科系大学でですね。そういえば、近いうちに名前が科学大学って変わるんですってね。

:ガクガクするね。それがね、メールがつながる寮仲間が40人くらいいるけど、意外にもZOOMできるのは15人ほどだけなんだな。

:科学に弱くなった年寄りですね、足腰が弱っても、出会うための旅費の工面できなくても、ZOOMならなんとかなりますね。

:ところがね、足腰は元気でも目や耳が遠い老人には、ZOOMはむつかしい。そこが若いものと違うね。

:その同期老人たちはコロナには大丈夫なんですか。

:おお、それそれ、先日のZOOMでコロナ談議になり、聞けば9人中3人がコロナ感染体験者だったよ。

:おお、けっこう多いですねえ、みんな超高齢でしょ。

:そうだよ八十路半ばだよ、基礎疾患あるやつもいたけど、みんなZOOMに出てくるくらいは元気だよ。いずれも家族みんな感染して大変な目にあったが快癒したそうだ。

:後遺症はないのですか。

:それを聞いたのだが、当人はよくわからないと言っていた、まあ、年寄りボケとコロナ後遺症の区別はむつかしいかもね。

:わはは、なるほどねえ。

●コロナ対策転換は多老化対策か

:まあ、身近にはそんなことがあってね、政府はコロナと共生するんだって規制緩和だそうけど、年寄りはそうはいかないと身近にわかったね。

:政府はこのところ妙に急にコロナ共存政策への転換の様子ですね。コロナ感染者や死者の発生数が減ってきているのかと思えば、死者は第7波よりも多い、それで転換していいのでしょうかねえ。

死者も感染者もしっかりと増えているのに、、

:更に、コロナを感染法の第2類から第5類に変更するって言ってるよ、つまりコロナを流行り風邪並みの病気に格下げ、大関から前頭へ下降させるんだって、もうマスクもつけなくてよいとか。

勝手に格下げするなってコロナが大いに怒って、それならばもっとたくさん変異株をつくって、また大関復帰に頑張るぞ、なんて張り切ってるかもね。

:わはは、コロナの方は変わらないが、法律の方を変えて格下げする、どうしてかな?

  これからもどうぞそのまま夜目遠目マスクの内の美しき人よ

  格下げに落胆せずに新たなる変異株増産努力の所存

:このままにマスクもいらない、旅行も飲み会もOK、企業も出勤して来いとなると、要するにコロナ前通りの社会になる、そこにコロナだけは立派に存在して活躍する、だけど医療体制は対応しないまま。

:そうするとなんとなく感じるのは、われら老人階層ににコロナがどんどん押し寄せて来るような気がするんだよ。

:う~ん、年寄りがコロナにどんどん感染し、どんどん死んでいく、それってもしかして立派な高齢者福祉政策かもしれない、早く言えば多くなり過ぎた老人を、この辺りで政策として淘汰しようってんですよ。

:おお、そうかそうか、つまり少子化対策の向こうを張って、多老化対策だ、う~む、ありうるなあ。減るばかりの子供をどうやって増やすかが少子化対策つまり子供増加推進策であり、いっぽう、増えるばかりの老人をどうやって減らすかが多老化対策、つまり老人減少推進策であるのだな、おお、分かったよ、へん、おおきにお邪魔さま~。

:あ、いやいや、あのね、そう言えば近頃ネットで悪評判のアメリカの大学助教授の日本人の発言で、「老人集団自決」ってのがありますね。

:イェール大の成田さんて若い経済学者だろ。その言ばかりクローズアップされていて、本当はたぶん比喩的な言説だろうと思うが、社会一般ににある潜在意識なのかね。

:コロナが高齢社会と大きな関係にあることは確かだから、コロナに多老化対策をやらせるって、政治的合法的犯罪です。

:何かそれって投げ出し政策に思えるね。もう手がないから投げ出してしまって、社会の動きに任せるんだよ、それはチャイナの習さんが、準備もなく突然にゼロからウイズへとコロナ政策を転換したのと似ている。

:そう、ありゃどう見てもお手上げ投げ出し政策で、この春節の人口大移動でコロナがどうでてくるか見ものです。

:この冬の日本とチャイナとコーリアのコロナが、どういう結果になるのか、そこに老人問題がどう絡んでいるか、春になってから一番のお楽しみ、いや、心配事だね。

:その東アジア3国で、この冬の老人死亡統計に注意です。

:わたしも老人減少推進策に貢献するかな。

  少子化と多老化するこの国に老いさらばえて唯一の貢献

(20230122記)

2023/01/09

1666【コロナ躍進新年】チャイナ感染爆発シーさん白旗ジャパンもコリアも降参コロナ凱歌新年


熊五郎:やあ、ご隠居、謹賀新年で~す、今年もよろしく。

ご隠居:おや、熊さん、いらっしゃい、はいはい、おめでたいね、今年は去年よりもよろしくな。

:それじゃあ去年はよろしさが足りなかったみたい、ま、いいや、ご隠居の口の悪さは毎年のこと。

:すまないね、でもね、今年こそよろしくないようにと、この3年もの正月に言いつづけているのに、向こうから勝手によろしくしたいとやってくる奴にも困ったもんだね。

:そう、それそれ、コロナのやつでしょ、いい加減に退散してほしい。

●毎日数十万人感染でもこののんびり空気

:それなのにこのところコロナが日常のニュースのトップに来なくなってしまった。もうコロナ消えたのかと思えば、なんと昨日は1日で19万人近くも感染してる。

:そう、もう日本じゃ累計だと感染者は3050万人、死者は6万人だそうですよ。死亡率0.2%って、多いのか少ないのか、。

:1000人に2人死ぬんだから多いような気がする。それよりも1日に19万人も感染するって、どういう症状か知らないが普通じゃないよな、怖いね。後遺症だってあるんだろ。

:明らかに第8波襲来ですよ、感染者も死者も第7波を越えようとしている、なのにコロナコロナって騒がないのは、もう慣れてきたってことですかね。この程度は人間だから仕方ないってね。

:ワクチンが行き渡り、集団免疫ができてるってことかな、でも死者数だって低くはないよ、でも騒がない、う~ん、ま、そうだな、わたしは覚悟ができてきたね、もう感染して死んでもいいやってね。

:まあ、そうやってうるさい年寄りがいなくなるのはいいことかもね。覚悟とか慣れってよりあきらめたんでしょ。でも政府があきらめるてのが、あることなのかなあ。

第6-7-8波ときて新規感染者数は未だだが新規死亡者数は第7波を越えた

●お手上げになった強権チャイナゼロコロナ

:あきらめっていえば、あの強権国家でゼロコロナ政策完遂だって張り切っていたチャイナのシーさんさえもが、先月突然にもうゼロコロナごっこやーめたって180度転換だよ、あの剛腕シーさんだってあきらめたんだ、日本やあたしがあきらめたって不思議じゃない。

:あのね、そういうもんじゃないでしょ。それにしてもチャイナの急変緩和転換は、国内大混乱らしいですね、準備もなしに行動解除だから、感染爆発が起きてるって、もうすぐの旧正月休みになれば億人単位で感染者が増えるとか言ってますよ。興味津々ですよ。

:それなのにシーさんとこでは政府が統計を出さないとか、出しても信用ならないとかで、諸外国がチャイナ政府を信用しなくなり、チャイナ鎖国を次々と始めている、日本も厳しい水際防疫体制開始らしい。その日本に対抗措置として、チャイナは日本人へのビザ発行制限強化、なんか勘違いしているらしい。

:ゼロコロナ政策で感染を抑えてきたのはいいけれど、そのために集団免疫ができていない、そこに突然に感染者規制解除開放だから、爆発的に感染が増えるとわかっているのに、ソフトランディングの準備をせずにいきなり方針転換、これっていかにもチャイナらしいって言えるのかなあ、ヘンな国ですねえ。

:日本でコロナよりも経済だという政策に批判的な声が多いけれど、シーさんところもそれだったのかね、やっぱり命がちょっと減っても金が欲しいって、人間だよね。

:もしこれで景気が戻らなくて感染者死者ばかり増えると、シーさんのクビにかかわるのでしょうかね。

:チャイナのシーさんよりもロシアのプーさんの方をやっつけてくれるといいのにね。そんな中で世界のコロナ情勢はどうだい。

:なんといってもUSAのバイさんところ。感染1億・死者110万人すよ。で、気がついたのは今年になってからだと思うけど、日本が隣のコーリアを追い抜いて世界第7位になったことですよ。何かというと競争する両国だけど、こんなことでも肩を並べているんですよ。

:こういう世界ランキングにチャイナが不在ってのが、不思議だよね。どうも統計に信用がないらしくて、並べるのを忌避されているのかね。困ったもんだ。でもねえ、日本の統計は大丈夫なのかね、世界各国との比較について単に感染や死者数だけじゃないのも見たい。

●欧米をしのぐ大流行中の日本とコーリア

:それならこれですよ。雑誌「世界」2月号に米村滋人氏が書いている論文にある表ですよ。この右上あたりの日本の2020年と21年及び22年の感染者及び死者数の比率ですがね、その下の方にある諸外国のそれらと比較してみてくださいよ。

:どれどれ、ふ~む、隣のコーリアがすごいのでこれを別にすると、そのほか欧米のどの国も日本とは比較にならない低い数字だね。つまり日本と韓国ははじめ1年はコロナに強い国なんて自慢してたけど、2年目、3年目になると化けの皮が剥げたってわけかい。

:そうなんですよ、日本は2021年からはコロナ対策を間違ってるって、米村さんは書いています。隣のコーリアさんもそうで、こんなところでも張り合う両国です。

:それにしてもあの大流行コロナ失敗国といわれるUSAと比べてみても、21/20年の日本は感染者が6.53倍なのにUSAでは1.73倍だよ、22/20年比は日本106.71倍でUSAは2.27倍って、この大きな違いは何だろうねえ。

:USAやヨーロッパでは2020年には大量の感染死者を出したが、その後は比較的抑え込みに成功したらしいですね。日本とコーリアはその逆ってことです。

:ということは、今頃日本は制限緩和に舵が切られたけど、実は隣国とともに大流行のさなかにあるってことなんだねえ、先進諸国で緩和だから日本も真似して緩和したってことらしいけど、それって逆にしなくちゃならないようだね。これから大きな緊急措置が必要になるのかもなあ。

:今日から政府はまた旅行に補助金支給再開するそうですよ、いいのかしら、国民は覚悟して感染旅行ですね、なんだか怖くなってきましたね。ああ、こんなところで油売ってると感染しそうだ、家に帰って寝ようっと、寝正月に限る。    (20220110記)


2023/01/05

1665【横浜ご近所正月徘徊】港あたりにタワー群、貧困街で炊き出し、中華街は大混雑

 ●正月から徘徊に

 コロナのこの3年も、コロナ逼塞もあるが、個人的にはうちに引っ込むことなく、ほぼ毎日大なり小なり徘徊を続けている。
 だが歳のせいによる老化と共に次第に足が弱ってきており、徘徊の距離と時間とが短縮気味である。歩行速度もどんどん遅くなる。徘徊の距離も時間も縮むのだ。
 速度だけでなく、ヨロヨロもするようになった。昨年11月にはまっ平らな横断歩道で転倒するという初事故があった

 だが、だからといって徘徊をやめては、足腰が弱る一方なので、できれば毎日でも距離や時間は少なくなろうとも、徘徊実行するようにしている。まあ速度や距離は縮んだが、徘徊時間はそれなりに継続することはできる。つまりダラダラ持続力はあるらしい。

●新港あたりの風景を見に

 2023年の正月は元旦から寒いがよく晴れている。今年の徘徊初めは2日からである。
 桜木町近くの日本丸メモリアルパークに行ってみた。その芝生広場から日本丸を背にして、横浜新港地区と北仲地区の開発状況のパノラマを眺めてきた。ときどきここにやってきて、そのパノラマを眺め写真を撮って、変化を見て楽しむのだ。

 ここに掲げるそのパノラマは、今年正月と13年前の比較である。画像の中央あたりから左が横浜港の新港地区であり、右方が北仲再開発地区である。13年を隔てる2つの写真を比較して一見してわかるのは、右方に建った超高層ビル3本である。


2023年1月のパノラマ

2010年1月のパノラマ

●真っ白ホテルビル

 2010年の写真になくて、2023年写真に出現しているビルを解説しておく。
 中央部の右寄り白くて比較的細い超高層ビルは、35階、高さ135m、2300室もある都市型ホテル、新井千秋デザインである。

 2019年9月に開業したが、間もなく2020年4月年から22年11月まで休業に入ったのは、コロナ感染者の宿泊療養施設として、神奈川県に一括賃貸したからだ。徘徊の通りすがりにそれを見ていて、なんとも今どきの事件だなあ、わたしも感染したらここに泊まってみたいと思ったものだ。

 でもコロナ療養施設になるとは、ホテルイメージが下るだろうに、いや社会貢献とて評判が上がるのかしら、などとおもったのだが、どうなんだろうか。
 アパが経営するのだが、あのアパがこんなに大きなホテル屋になったのかと驚く。そして横浜都心にホテルの乱立がものすごいことにも驚く。そういえば去年はハイアットが横浜都心にオープンしたし、この後に解説する北仲超高層ビルにもオークウッドなる高級ホテルがオープンした。なんにしても住民のわたしは縁がない。

●真っ黒アパートビル

 その右に超目立つ姿の真っ黒太め超高層ビルの下駄ばき共同住宅が建った。58階建て、高さ200mほど、住宅が1100戸以上もあるとか、ちょっとでかすぎる。デザインは誰か知らない。

 足元には、横浜港絹貿易時代の2階建て歴史建築の煉瓦造倉庫があったのを、コピーデザインして店舗や展示場などにしているのが特徴的だ。もっとも真っ黒超高層アパートビルがでかすぎて、レンガ倉庫が踏みつけられているようだ。

 これはいわゆる億ションばかりの下駄ばき共同住宅ビル……こんな用語は最近は消えたようでマンションというらしい。でもねえ、mansionってのはUSA大統領のwhite houseのような大庭園付き大邸宅のことだよ、ウサギ小屋(これも古語になった)のようなアパートメントハウスじゃないんだけどなあ。

 この真っ黒ビルの最上階に、公開展望台のフロアがあるらしい。ある日、徘徊途中に思いついて登ろうとしたが、どこから入るのわからなくて退散したことがある。まあ、共同住宅ビルだから、あまり自由に入りやすいプラニングは防犯上困るので、わざとわかりにくくしているのだろう。

 この真っ黒アパート計画段階の都市計画変更に関して、わたしがブログにいちゃもんを書いている。【北仲再開発2014年横浜都計審へのいちゃもん】北仲通北再開発の地区計画変更の基本的問題はなぜ審議されないのか。
 この隣にまた同じかどうか知らないが、またもう一本の下駄ばき共同住宅ビルが建ちだしている。

 まさかまた真っ黒ド太いタワーが並ぶのじゃああるまいなあ、かなり品がないと思うよ、今の真っ黒ビルが壊した真っ白海辺風景を、新しい美しいタワーで景観手直ししてほしいものだ。

●真っ白役場ビル

 その右の方の太い白ビルは横浜市庁舎で、関内駅前からここに移転してきた。
 デザインは槇文彦だが、コンペ当選は竹中工務店だった。事情を知らないが当選後に槇を市が送り込んだのだろうか。槇はその左隣の2020年もすでに建っているオフィスビル(アイランドタワー)の設計者である。

 槇は都市デザナーとしての役割を求められたのだろうが、その役割を果たしたらしいデザインである。これら2棟は実は一つの市街地再開発事業であるが、事業開始から30年ぶりくらいだろうか、市庁舎が建ってようやく事業完了した。

 新市庁舎は、珍しく下駄ばき事務所ビルであり、1,2階に店舗が入っている。大岡川沿いに広いオープンスペースがあり、わたしは徘徊跡中にここに立ち寄り、店で買ったビールを飲んで休憩する。市民としてはなかなかよろしいしつらえである。

 だが市民としては肝心のところがよろしくない。移転前の庁舎では、各階に普通に入っていけたのに、新庁舎では3階に駅のような改札口ができて、切符を買わないと入れてくれないので、敷居が高くなった。
 だから、わたしは未だ一度も市役所執務室に入ったことがないが、それはもう2階以下にしか用がない身になったからだ。

●横浜中華街正月見物

 横浜随一の観光街である中華街を観に行く。
 そこはもうお祭りのような人がいて、メーンストリートの大通は肩をすり合わせるほど、足を踏みつけあうほどの混雑する雑踏であった。

 派手派手の正月飾りが頭の上に極彩色で道の上をおおい、その下を若者たちが派手派手風俗で、何やら食いながら話しながらのろのろと歩き回る。びっしりと並ぶ中華料理店やら近頃増えてきた占い店からの、客引きの声もやかましい。



 この街ではだれもかれもがお行儀悪く、道を歩きながら何やら飲み食いしている。店の中ばかりか、外も飲食の場である。店の前で立ち止まって飲み食いするから、雑踏はますます滞留する。
 コロナ前には雑踏から外国語が聞こえるのが普通だったが、さすがにそれが聞こえない。歩き飲食にはマスクは邪魔だからつけていないし、大声でしゃべりあっているから、コロナは喜んでいることだろう。
 参照→2020年コロナショック中華街

●寿町の静かなる賑わいー炊き出し

 正月の徘徊に寿町を欠かさないのは、めでたいその名前にちなんでいるのではない。世の中が休日の日々の年末か年始にかけて、仕事にあぶれて食事に事欠く人もあるから、この間にいわゆる炊き出しをしている。その様子を野次馬的に観たくて寿公園に行く。



 今年も長い長い行列が、寿公園のある街区を取り巻いている。長さ約220m、人数約400人、みたところ中年以上の男が多い様子である。去年も同じくらいであった。寿町の住人だけでなく、近くん野宿者たちも来るに違いない。

 炊き出しをするのは「寿越冬実行委員会」としていくつかのボランティアグループから校正されているようだ。「第49次越冬闘争」とあるから、単純に考えてもう半世紀もやっているのだろうか。炊き出しだけではなくて、各種の相談にも乗っているとある。そんなにも長い間の対貧困活動に頭が下がる。そしてこうも長くこの活動が続くほどに、日本は貧しい、と毎年の正月に思うのだ。


●寿町ドヤ街は変わったか

 徘徊でしょっちゅう見ている街だが、去年の大きな変化は、簡易宿泊所に囲まれて大きな高層共同住宅ビルができたことだ。いわゆる(日本流)マンションである。
 これまで寿町等のドヤ街の外郭一皮分には、いくつかの一般共同住宅ビル(いわゆるマンション)が寿町の背を向けて立っているが、ドヤビルの連続の中に建ったのは初めてである。

 今後、これを契機にして、横浜寿町がドヤ街からマンション街に移行を始めるのか、つまりマンションがドヤを駆逐する動きが出るのだろうか。
 あるいは逆にマンションが撤退してドヤになるのか、つまりマンション排除が始まるのか、これは社会現象として興味深いことである。これがわたしの寿町徘徊の視点である。

ドヤビル街の間に出現した一般分譲共同住宅ビル(日本式マンション)

 その昨年できた共同住宅ビルの並びに、大きな空き地ができた。もともとは簡易宿泊所だったのだが、何が建つか興味を持っていたら、これはまた簡易宿泊所として再登場した。 また別のところのドヤビル街の中に、長らく大きな空き地があるのだ、昨年半ばに建築のお知らせ看板が立った。また簡宿かとみれば、ホテル旅館とある。業態を変えるらしいが、未だに空き地のままで着工していないのは、なぜだろう。

 去年はそのほかにドヤ街のまんなかあたりに、建て替えドヤビルが2棟、小規模な共同住宅ビルが1棟建った。
 全体にそれなりに動きがあるが、コロナのせいか建設活動はあまり活発で無かった。コロナのせいで仕事失い、寿町も人々が増えていることだろう。

 こうしてわが徘徊は正月から始まり、港近くのリッチな億ションタワー見物から、寿町貧乏街の貧乏正月風景、そして大量の若者がもの食い歩くささやかリッチ中華街、などなど見て回ったのであった。    (20230105記)

2023/01/01

1664【コロナ大戦勝利者は】ひさかたの光のどけき春の日にしずコロナ来て咳の散るらむ

 さても今日から2023年という新年が始まる。
 で、それがどうしたって言いたいけど、絶えることなく無限に続く地球の回転に、人間が勝手に名付けた回転数というものが、年とか付きとか日とかの時間というものである。
 最初から数えて何回転目か分からないので、とりあえず有名人が生まれた年を数え初めにて、今日が2023回目というのだそうだ。
 いや、そうじゃなないと、別の時を起源にして数える人たちもいるが、世界で一番多く使われているキリスト生誕歴をわたしは使うことにしている。
 その2023回目の回転が始まった今日とその前は切れることなく続いている。
 ああ、めんどくさい、こんなことをぐだぐだい書いてる場合か。

●コロナ軍の勝利らしい

 その2022回目の回転中を去年というが、去年が酷かったと愚痴を昨日書いたが、今日もまたつづきとして、詳しく書く。なかでも新型コロナパンデミックを記録しておくのだ。新聞に昨日までは世界各国のコロナ感染者と死者の数の一覧表の抜粋がが載っていた。

 ところが今日からそれが載っていないのだ。この記事でおしまいらしい。


 それはコロナが消えたからではなくて、その真反対で、もう人間がコントロールできなくなるほどにパンデミックしてしまって、統計とることが不可能になったからだ、というのだ。
 この3年間の人間対コロナ戦争は、どうやらコロナ軍の勝利らしい。

 あのコロナと全面戦争を挑み戦ってきたチャイナ軍、そのシーチンピン大元帥が、言い方は飾っているが要するにコロナに負けてしまい、あとはかってにやれ~ってことにしたのである。12月から突然全面開放に近いらしい。そのための準備は何もしていない。
 もちろんチャイナ市民は大混乱、そして襲ってきたのは感染大爆発だそうだ。一日に百万人単位で感染者増加とか。さぞやコロナ軍は祝杯を挙げていることだろう。

 このグラフを見ると、日本の躍進ぶりが、まるでかつての経済発展のようである。

●チャイナシンドロームが来る

 お手上げチャイナのコロナ情報が日本に来なくなり、その代わりにコロナ感染観光客がどさっとやって来るらしい。そんな中でコロナ防疫作戦よりも経済優先政策日本は、この冬外来コロナや国産コロナによる第八波はどれほど隆盛するのだろうか。

 何しろ2022年大晦日の日本の感染者は10万人を超え、死者は256人だったのだから、第八波の今後の隆盛ぶり、いや防疫ぶりに期待が込められている状況なのだ。そこにチャイナシンドロームの大波が来る。



 そうなったなら、あの懐かしき緊急事態宣言を未だ行っていない岸田さん、どうするだろうか。それでも経済優先か、不人気の中で果たしてやるものか、あれこれ期待されるこの新年の冬である。
 そうだ書いておこう、わたしは5回目のワクチンを2022年12月21日に接種した。

 百人一首狂歌2首

ひさかたの光のどけき春の日にしずコロナ来て咳の散るらむ

君がため春の日にいで打つワクチンわれコロナでも風邪のふりする

  (20230101記)