2022/04/27

1618【新刊都市再開発本紹介】『RIAが建築で街をつくりはじめて』近藤正一オマージュ

 大げさに言えば日本戦後都市再開発実録とでもいうか、普通に言えば街づくりドキュメンタリーの本が出た。
 そのタイトルは『RIAが建築で街をつくりはじめて』(著:近藤正一ほか、発売:建築技術、2022年、税込2400円)と言う。


    



  




 タイトルにRIAとあるように、これは近藤正一が率いてきた都市・建築計画設計専門家集団の(株)アール・アイ・エー(通称RIA)が日本各地でおこなってきた都市再開発事業のうちから12都市のプロジェクトを軸にして、それに関わった各事業についてのRIA担当者、各自治体や中央官庁の行政マン、学者研究者たち17人の専門家が、事業の経緯や論考そして広く再開発論を語る。
 実はわたしも若いころに担当した事業について執筆したので書評を控え、感想を書いて宣伝することにする。

 著者17名の連名になっているが、実はこれらの中で中心的に書き語る著者は一人であり、それはRIAを率いて来た近藤正一(人物紹介は本文末尾参照)である。これはむしろ近藤正一都市再開発作品・論考集というべきでかもしれない。

 それにしてもRIAが携わった再開発事業の数は100を超えるだろうに、よくぞここまで絞り込んだものだ。それを各事業解説だけのオムニバスに陥らずに、そこからまた日本の戦後都市再開発の手法と思想の歴史的変遷の全体像を組み立ててみせる。

 日本古典芸能の能に例えると、シテ役は近藤正一であり、各プロジェクトごとにシテツレが登場するが、全体を俯瞰して進行するワキ役は有賀正晃である。近藤と有賀はそれぞれの事業の数多くの物語を削りに削って絞り込んで、ひとつの能に仕立てた作者でもある。これは近藤が遺した「街伝書」というべきだろう。

 表題にRIAが登場する既刊単行本がもう一つある。
 『疾風のごとく駆け抜けたRIAの住宅づくり』(2013年、彰国社)である。これはまさに近藤正一住宅作品・論考集である。そう、これは近藤が遺した「家伝書」である。

 つまり近藤正一作品・論考集の住宅編に次いで、今回は都市編が上梓されたのだ。次は建築編がいつの日か登場するかもしれない。
 なおネット空間に、近藤がその仕事を語る動画を見ることができる(早稲田アーカイブス建築学会「建築討論」)。

 住宅編・都市編どちらの本にもはじめに植田一豊が登場する。植田は山口文象と三輪正弘とともに1952年にRIAグループを結成して、その後にRIAが歩む住宅から都市への展開を創り上げた人である。二つの本の実質は近藤の仕事集としても、まずは先達としての植田への敬意を払う。そこから1952年出発の建築家集団RIAが社会の変化に対応し、植田をリーダーとして建築家から都市計画家へと広がる職能的展開を見ることができる。

 更に植田と近藤の前を歩いた山口文象の本『建築家 山口文象 人と作品(1982年)があり、これも山口文象の評伝をもって日本近代建築史を語らせた。
 これらを合わせてRIA3部作としよう。


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 近藤正一さんは2021年4月21日に他界、コロナ渦が若干落ち着いたその1周忌に開催のお別れ会にて、この本『RIAが建築で街をつくりはじめて』が上梓配布された。近藤正一さんへのオマージュである。
 瀟洒な都会人であった。アーティスト、建築家、都市計画家、教育者、経営者で、その人生最高の作品がRIAであるとわたしは思う。近藤さんはわたしの最高の師匠であった。
近藤さんの主要作品写真・経歴はお別れ会配布資料から引用


(20220427記)

2022/04/17

1617【コロナ第7波突入?】感染第6波が降下途中で引き返して上昇とは第7波の大蔓延の現われか

 ●チャイナコロナ<ゼロコロナの行方>

 隣国チャイナはコロナ発生国として2018年末の初動機には、強権的な手法でコロナ撲滅政策を実行して目覚ましい抑え込みに成功した。リーダーのシイチンピンだからこそのゼロコロナ政策だ。
 ところが今になって上海を中心に大流行再開、当然に徹底的市民生活規制ロックダウン実施中だが、あまりの厳重な閉じ込め規制に市民たちから苦情が出ているらしい。

上海でコロナ感染者隔離施設のために集合住宅接収に対し抗議活動する住民と警官の争い


大陸チャイナのコロナ感染者数半年の推移、右の上昇はほぼ上海の数値らしい

  それで思い出したのは、マオツウトン時代にあったスズメ撲滅運動で、今も似たようなことやるもんだなあと。
 1950年代だたか食糧増産のために、稲穂を食う害鳥のスズメ退治を政策として全国規模でやった。それは農民たち総出でバケツをたたいてスズメを飛び続けさせ、疲れて地上に落ちたところを一網打尽に捕まえ殺したという。

 ほぼ絶滅に至るほどスズメ撲滅に成功、これで豊作と思ったら、逆に大凶作になり餓死者が大量に出た。それはスズメを天敵としていた昆虫類が大発生繁殖して、稲を食い荒らしたからだった。慌てて政策変更してソ連から大量のスズメを輸入して、元に戻した。

 さて上海のゼロコロナ作戦に成功して、大陸チャイナからコロナが消え去ったら、どうなるのだろうか。よく知らないがウィルスなるものはあれやこれやと、人間に住み着いていてなにか役割を果たしているとかだから、コロナと一緒にウィルスみな殺しにしたら、スズメ退治みたいな事件が起きるのかもしれない。
 もっとも、上海では人間の抵抗で、無抵抗スズメのようには行かないようだ。

●ウクライナコロナ<戦争パンデミック>

 ウクライナではロシヤ来襲による戦乱でコロナ対策はどうなっているのだろうか。それどころじゃないのが実情のかもしれない。
 ウクライナのコロナ感染状況をネットで見たら、なんと2月末頃から感染者も死者もゼロである。まさにゼロコロナが起きているが、とうぜんにそうではあるまい。統計をとるような状況に無いのが実情だろうが、いっぽうでコロナ対策は戦争で置きざりなのかと思う。

ウクライナでは戦乱以来の感染者統計はないようだ

 ウクライナで戦火を逃れて脱出した人たちは400万人を超えて、戦前人口4200万人の1割に相当する。これは日々増加するだろう。これらの中には当然のことにコロナ感染者が多くいるに違いないが、どのように受け入れ側の地で対策しているのだろうか。
 混乱の中で適切な予防や治療ができるとは思えないが、そのために感染と死亡の拡大になる恐れは十分にあるだろう。戦争は疫病を蔓延させるに違いない。プーチンはそれを狙ったか。

●ニッポンコロナ<第7波突入の気配濃厚>

 ネットのコロナ感染者数変化のグラフを見ると、日本ではどうやら第7波への気配が濃厚である。日本全体の傾向は、第6波からじょじょに下がっては来たが。下がり切らないまま途中から登り方向へ引き返しつつある。蔓延がまた始まっているが、これでよいのか。

 引き返し波の勾配は、地域によっては明らかに第7波に見えるから、そのうちに全体の波も急になって来るに違いない。とすれば蔓延防止重点措置区域の適用を、すべて解除した政策は大間違いであったことになる。だって明らかに蔓延が拡大しているのだから。
 これが間違いでないと言うなら、もうコロナに罹っても一向にかまわないという方向に政策転換したことになるが、そうなのか?
 

日本全体のコロナ感染者数、徐々に確実に増加へ

例えば岡山では明確に第7波へと上昇中に見える

 では、それで第7波になっても、今のなし崩しダラダラ対策のままでよいのだろうか。マスクしてればよいのかしら、ワクチン4回目をまた打つのかしら。
 これまでの波は、一度は底まで落ちてから上昇してきたのに、今の波の上昇はかなり高い位置から登りだしているから、頂上はこれまでよりはるかに高くなるような気がする、コワイ。

 狂歌<日本第7波の気配>
   こりゃコロナこちらはゆっくり後にして
        急ぎ攻め込めクレムリンへ

朝日新聞4月17日朝刊の旅行全面広告

 それにしても新聞には旅行の広告がどんどん復活しているが、もう遊びに行っても良いのですね。旅行中に第7波でマンボウ適用だ、緊急事態措置適用だ、なんてことになるんじゃないでしょうね。(20220417記)

参照:『プーチン大戦おろおろ日録
   『コロナ大戦おろおろ日録
   『
戦争の記憶
   伊達の眼鏡ブログ
   『まちもりブログ

2022/04/15

1616【プーチン大戦おろおろ日録】コロナ大戦も止まぬうちに新たなプーチン大戦が重なり続くとは、、

  早く終わるかと思った戦乱が長く続きそうだから、今日からこの「伊達の眼鏡ブログ」に『プーチン大戦おろおろ日録』なるカテゴリーを新設した。『コロナ大戦おろおろ日録と双璧であるのが、何とも悲しい。
 ついでに紹介するが、わたしのブログには「戦争の記憶」というカテゴリーもある。これは第2次大戦の記憶を伝えるための、わたしの経験の記録である。 

 ウクライナで起きたプーチン戦争は、開始から1カ月と20日、停止の気配はない。侵略するロシアは首都攻略をあきらめて、東南部へ集中する作戦に切り替えたとのこと。どうやらロシア系民族の傀儡国家設立らしい。満州国か。


ウクライナの戦況(朝日新聞20220414朝刊)

ネットに流れる日本人ジャーナリストの現地情報

ネットに流れる外国人ジャーナリストの現地情報

 わたしはTVを見ないのだが、PCには現地からのネットによる情報が24時間流れて来る。この数日は、ロシア軍によるウクライナ都市攻撃による一般人の多くへの殺害が判明してきて、戦争犯罪が起きているとのニュースである。
 ネットの情報は真偽が明らかでないものも多いらしい。時には他の情報を引用してこれはニセであるという情報が登場するからややこしい。鵜呑みにしないで見ている。

 それらのニュースに接しながら、そうだよなあ1945年の日本も次々と都市空爆を受けて、全国で41万人以上が空爆死したが、これは今のウクライナと同じ戦争犯罪なのだろうか。それが犯罪として、その後にアメリカ軍が罰せられたと聞かないから、ウクライナとは違うのだろう、たぶん、。なんだかおかしい。

日本での戦争犯罪だったか 1945年8月14日小田原空襲

 でも思うのだが、いったん戦争並みの争いになると、喧嘩だから現場では何でもありになるに違いない。戦争犯罪とは、結果として戦争に負けた方が犯罪者の立場を負うことになるのは、わたしたちの国では経験済みである。
 ウクライナでもきっとそうなるだろう。もっともロシアは一度もこれを戦争とは言っていない。昔に日本が日中間の戦争を宣戦布告せずに、わざわざ事変と言ったように。

 さてウクライナではどちらが勝つのだろうか。これまでに地球上では、どちらも勝たぬままに延々と続く戦争もたくさんある。隣の朝鮮半島の南北戦争がそれであり、1950年から今に至るまで戦争中である(只今停戦中)。ウクライナもそうなるかもしれない。(参照Wikipedia戦争一覧)。

 なお重要なことを付け加えておくが、十五年戦争敗北で疲弊しきった日本が復興し蘇ったのは、朝鮮戦争の兵站基地となった朝鮮特需によるものだった。踏み台にされた半島の人々に怨念があって当然だろう。今、ウクライナ特需に沸く国があるのかもしれない。

 実は今回のウクライナ戦乱は、既に2014年に起きたクリミヤ半島併合事件の継続であるから、もう9年にも及んでいるのだ。それが今回の戦火再発である。
 形式的には当事者2国のほかは直接参戦していないが、いまや欧米や日本までも経済制裁やら武器供与やらと表裏にわたって戦争に巻き込まれ、いや自分から入り込んでいる。
 こうも露骨にウクライナを支援すると、ロシアから見れば立派に米欧日は参戦してきていることになる。ロシアが報復として北海道侵略に来るなら、それは招いた災禍か。


国連決議で見ると地球はいまロシアを巡り3色に色分けされている

 つまり、これは地球をロシア派アンチロシア派そして日和見派とに勢力圏を分けているのだ。日和見派が次第にどちらかに付くようになり、その内に明確に東西分裂対立するだろう。まったくもって「歴史は繰り返す」ものである。

現在の地球は政治体制でこんな色分けがあるのだそうだ

 わたしは日本の15年戦争の真っ最中にこの世に生まれたから、物心ついた少年時代前半は戦争末期と直後の大混乱期だった。住んでいたのが地方小都市だったので空爆(空襲)には出会わなかったが、食糧事情が極めて悪くて空腹の日々が辛かった。大人たちの愚かな変節模様も見た。
 わたしは戦争体験の最後世代だろう。それがまたもや戦争体験である。

 今般のロシアへの世界各国の対応が、国際的なエネルギー食料供給受給体制に変化をもたらし、その価格高騰が起きつつあると言う。まさに世界戦争の重大な影響である。
 エネルギーも食料も世界に対する供給国側にいるロシアは、それを見込んでの騒乱であるに違いない。それらを自給できるのはアメリカくらいなものだが、世界がこれをどう切り抜けるか、プーチンはお手並み拝見の高みの見物だろう。
 エネルギーも食料も自給できない日本は、ロシヤにしてやられているのだろう。

 このプーチン戦争のことを書くのは、実のところ実態をよく分らないし、考えるとキリもないのだが、なにか書いてかないと気が済まないので、記している。(20220415記)

参照:『プーチン大戦おろおろ日録』、
   『コロナ大戦おろおろ日録
   『
戦争の記憶

2022/04/11

1615【コロナの現在】一向に収まらぬコロナパンデミックに加えてプーチン大戦のおそれ

 ニュースの特等席をウクライナに横取りされたコロナは、このところ寂しげである。
 近頃しきりに思うのだが、プーチンにこの花見団子(実は一昨年つくった)を食わせたいものだ。それで一気に解決?

 ウクライナでのプーチン戦争が気になって、このあたりで何か記しておきたいのだが、その前に先着順としてコロナの現在を書いておく。

 日本コロナも世界コロナも、徐々に感染や死亡が下がる傾向は見えるが、実のところはちっとも収まってはいなくて、ワースト番付が少しづつ替る様子が見える。
 この1カ月ほどでコ―リアのワースト躍進が著しいのが気になる。アジアのランキングを抜け出て、世界ランキングのworst10に入ってしまったのは、いったいどういうわけなんだろうか。朝鮮半島の北はよく分らないが、南では先般大統領選挙があり、次期リーダーが決まった。それとコロナworst躍進が関係あるのだろうか。


 お互いに鎖国状況にあるが、それでも隣の中でこうも大流行ならば、このところ規制が緩んだ感のある日本だってどうなるか心配である。
 そういえばその向こうのチャイナも上海で大流行とて、あちら流の都市封鎖をやっているとのことだから、日本海を隔てただけのこちらは大丈夫なのかしら。

この1週間の人口100万人当の感染者数
コ―リアの抜きんでた感染急増ぶりに驚く
人口100万人当たりの感染者数 ここでもコ―リアは世界3位につけている
 
 日本だって実は感染が減少しているとはいい難い。上のグラフにみるように、感染者数はむしろ日々ぶり返している状況なのである。第6波の途中から上に折り返して、さらに高い第7波になる恐れがある。

 日々の感染者数は4万とか5万人とかで、第5波レベルよりも高いままなのに、緊急事態措置の適用はもちろん、マンボウさえも今や日本中に適用の地域は無いのである。
 金と閑のある奴はどんどん旅行に出替えるらしく、このところ新聞広告に旅行案内が多く再登場してきている。コロナ政策はワクチンさえ打てばもうよいのか

 近所の繁華街や観光街をいつものように観察徘徊しているが、コロナどこ吹く風で賑わう街であり、だれもが普通の様子に飲み喰い遊んでいるのだ。ゆいいつコロナだと思い出す風景は、だれもがマスクをつけている風俗を見る時だ。

 この私も先日、ワクチン3回目をうったのでという言い訳で、旧友と3年ぶりに花見飲み会のハシゴをやった。息子も3回目ワクチンを先日打ったので、効き目が出るころには飲みに行こうと言いあっている。なんだかコロナと二人三脚の日々になっているような気がする。
 これではコロナの感染がぶり返すのはそう遠くない感がする。また慌てて隔離だの4回目ワクチンだのになるのだろうなあ。

 それよりもプーチン戦争が世界戦争になってしまい、ワクチンどころかコロナさえも知ったことじゃないってことになるかもなア、八十路の折り返しになってこれだなんて、でもどうしようもない。何とも物騒な世の中に生きているものだ。生まれたのが戦争時代だったから、死ぬのも戦争時代に戻るのか、ヤレヤレ。

 冗談ごとではなく、新型コロナウィルスパンデミックとプーチンのウクライナ戦争の関係について、ここは真剣になって考えているが、あまりにも難解過ぎるテーマで、わたしの能力では手に負えない。プーチン大戦オロオロ日録でも書いておきたいと思うのだが、、。

(20220411記)
 
参照 コロナ大戦おろおろ日録

 

 

2022/04/03

1614【大岡山花見2022報告】雨の中の満開桜の花見ってのもオツなものでした

 建築クラス同期仲間の例年の大岡山花見会の報告です。例年と書きましたが、2021年と2020年はコロナのせいで花見ではなくて、行きたいものそれぞれ勝手に花見したのでした。ですから今年は3年ぶりに花見会となりました。

大岡山正門を入って百年館を背にして本館方面を見る 左は瀧プラザ、右は図書館

 あいにくの雨もよいの天候でしたが、しっとりの濡れた満開の花々は今にも散ろうとしつつあり、それは情緒のある風景でした。
 春休みの雨の日曜日のキャンパスは静まりかえっており、わたしたち5人で花を占有する贅沢なひと時でした。本館前の花見広場の周りは、残念ながら立ち入り禁止の縄張りがありました。

本館前の桜の広場

 わたしたちの集合写真のシャッターを押してもらった守衛さんの話では、明日4月4日は入学式と卒業式で、広場も全面開放だそうです。学生たちの人数が多いので何回か何日かに分けて式を行うそうです。ならば明日も来ようか、いや明日も雨らしい、迷います。

酔っ払いのごときヨレヨレ桜は並行して若木を植えて交代時期が近い

本館正面だけが妙に白いので、壁面を最近に洗ったらしい

桜は幹も枝もヨレヨレでも花は立派に咲いている


写真撮るときだけマスクを外しました

呑川緑道

緑が丘の上にて

 これで2022年春の雨の大岡山花見風景はおしまいです。
 この後は大岡山商店街で、餃子とビールで久しぶりの飲み会を3時間ばかり、やっぱり飲み食いしながら話すのがいちばんいいなあ、次は紅葉狩りやりたいね、なんて言いながら散会しました。
 
 ついに今年も4月になりました。2019年春のコロナ以来、毎年春になるとつぶやいているこんな狂歌があります。ご存じ西行法師の本歌取りです。
   願わくは花の下にて春死なむ その如月の望月のコロナ
 今年の春もつぶやきつつも生きのびているありさまです。でも今年はコロナの上に戦争も勃発しましたから、夏か秋かに冗談でなく「死なむ」になるかもしれません。生まれたときの日本は十五年戦争の真っ最中、そして死ぬ時ももしかしたら・・・、嫌な時代の地球に出くわしたものです。 
(20220403記)



2022/04/01

1613【花見の季節到来】桜の下で花見酒の話題が疫病と戦争という不幸な春

●花見とコロナ

 桜の花が満開、30日午後は近くの野毛山公園に友人たちと登って花見宴会、そのあとは大岡川まで下って川岸の桜見物、その後は伊勢崎モールの居酒屋で久しぶりの飲み会で、すっかり酔っぱらった。なにしろ去年暮れの忘年会以来の飲み会だから、たった3杯で酔ってしまった。

 それにしても花の下で飲みながらの話題が戦争と伝染病だから、なんとも不幸な春というか時代である。わたしは15年戦争さなかに生まれて、死ぬ時も第3次世界大戦下なのだろうか、巡り合わせが悪すぎる人生だ。
 こうなれば、願わくは花の下にてこの春の望月の頃に死にたいものだ。

 折も折、今朝の新聞に白幡洋三郎さんの訃報が載っている。今、机上に白幡著『花見と桜<日本的なるもの>再考』を出している。この著書で面白いのは、日本人が大好きな桜の花見宴会という行為を、外国人はしないことを発見したとあることだ。大勢集まってあの咲き誇る桜の花の下で酒宴をするのは日本人だけだそうであるのが、面白い。

 去年も一昨年も公園での花見禁止だったのが、今年は推奨はしないもののなんとなく緩和というか、お目こぼしの感がある。
 それはもちろんコロナの流行への対応が、そうさせるのだろう。だが、それも何となくおかしいのは、実はコロナの第6波は、まったく落ち着いていない現状なのに、マンボウも緊急事態も適用されないのはどうしてなのだろうかとの疑問が付きまとっているからだ。




 日本全体の感染者数も死者数も、ピークから下がってきたとは言っても、第5波よりも高い位置にいるし、更に困るのはこのところ数日は感染者数の波がまたもや上むきになりそうな気配であることだ。
 なんだかよく分らないが、ワクチン普及でコロナとズルズルと同居するのだろうか。もう風邪並みにかかっても死ぬ率が下がったからよいのかしら。

●プーチン戦争の行方が見えない

 どうもプーチン戦争に世界の話題が引きずられてしまい、コロナが後回しになったけれど、問題は解決していないような気がする。ウクライナのコロナ統計を観たら、戦争開始以来図戦車も死者もゼロになっているが、もちろん現実はそうであるはずがない。治療さえできないのに統計を取ることなどありえない現実に暗然とする。
 ウクライナでは戦争が終わるとコロナ爆発の危機が待っているのだろうか。


3月末のプーチン戦争状況

 そしてまた戦争も、終わりそうで終わらないのは、ミニコロナの感もある。ウクライナ侵略のロシアは、いったいどのように出口を計画しているのだろうか。さっぱりわからない。
 SNSに登場する現地の動画など、これまでとは違う生の戦争情報が家庭に流れる。なんだかえらく古めかしい兵器による戦争と超先進的な情報戦争とが交錯しているようだ。このような情報時代の戦争と政治はどのように動くものだろうか。

 ロシアへの経済制裁の影響が、制裁を行う西側諸国にもじわじわと響いてきて、世界的な物価高になっているらしい。それが不安定な世界情勢をあちこちに作り出して、新たな戦争を生み出すのではあるまいなと、心配になる。 (20220401)

1612【4月馬鹿の詐欺電話】鉄道遺失物係を装い息子の忘れ物を引き渡す演技の詐欺電話に大笑い

●<状況>詐欺をたくらんだらしい電話がきた

 今日は4月1日、この日にぴったりのちょっとした事件が、わたしの家であった。
 20時半ごろ、電話嫌いの家人が珍しくがながながと電話している。気になって立ち聞きすれば、息子の住所や勤め先や電話やうちの住所などあれこれプライベートなことを聞かれて、困惑の様子でぼつーりぼつーりと答えている。なんだか様子がおかしいので、どこからときけば、遺失物係からで、この電話の前に息子から携帯電話を落としたとの電話があったとのこと。

 そこでわたしが電話を替わり、家人は高齢老人ではっきりしないから、わたしが初めから話しますと言って、そちらは誰かと聞けば、JR東の代々木駅の遺失物係で田中という、うちの息子が落とした携帯電話など入るカバンを預かっていて、息子から連絡あったが渡すには本人かどうかの確認が必要なので親に連絡しているという。これまでの家人の話で本人がどのような人か分かったと言うので、じゃあよろしくとその電話を切った。家人にながながと息子のことを聴き過ぎていた感もあったが、特に不審には思わなかった。

 直ぐに携帯電話で息子に連絡して確認しようとする間も無く、息子を名乗る電話が来て、わたしがとり上げたら、「何度電話してもつながらなかったがどうしたの」と聞くので、「お前の忘れものとて代々木駅の遺失物係に身元確認させられてたんだよ」などちょっと話すのだが、公衆電話だから切れるよ、なんて話をせかしてくる。だが、どうも息子とは声も口調も違うのでニセモノっぽいなあと思い、「こちらも君が息子であるかどうか本人確認するからね、質問に答えろよ、君の親の出生地はどこか言いなさい」、ちょっと間があり「北海道」、「え、へえっ?」、カチッ、向こうから電話を切りおった。
 お~お~、電話詐欺であったか、もしこの詐欺電話が続いていたら、次の筋書きはどう展開予定だったのかしら。

 すぐに息子に携帯電話して「今どこなの」と聞けば「自宅だよ」」という。そこでこれこれ云々と話して、大笑いの話に終わった。

●<状況整理と推測>特殊詐欺未遂経過

 このわが家で起きた電話騒ぎは、ネットで調べると「特殊詐欺」(未遂)というらしい。
 電話の直後は頭が混乱していたが、のちにいろいろ考えると、こうであったらしいと推理も交えて詐欺未遂がらみの様相を書いておく。

・1回目の電話<息子役から 4月1日20時ころ>
 息子を名乗る男から家人に、忘れ物をした代々木駅の遺失物係から本人かどうか問い合わせ電話があるから、暗証番号を訊かれたら「00564473」を言い、よろしく頼むと言う内容だけ。家人は声が息子と違うようなので、息子の名を行って確かめたが、うまく言い抜け抜けられて信用した。

・2回目の電話<代々木駅遺失物係役の田中と名乗る男から> 
 
1回目電話を切った直後に遺失物係を名乗る電話が来たので家人が受けた。パスワードを聞かれて言うと、うちの息子の本人確認を親にするとて、名前、住所、年齢、勤め先などを聞かれ、更にわたしのうちのことも聞かれ、途中交代したわたしも息子の呼び名を聞かれたので答えて、互いに礼を言って電話を切った。
 あとで考えると遺失物を渡すのにこんなことまでやるかしらと思ったが、ここまで全く怪しまなかった。詐欺師はこれで次の息子役が息子を演じるための基礎的なデータを手に入れたようだ。

・3回目の電話<息子を名乗る男から> 
 3回目電話は2回目直後に、息子名を名乗る電話がきてわたしが受けた。若干の会話で本物の息子とは声が違うので、こちらの質問にバレて向こうから電話を切った。
 推測するに、うまく演じていたら、このあとで金銭を要求する演技に入ったのであろう。ネットで調べると、遺失物係と息子係を演じる詐欺方法が書いてあり、息子係は銀行カードを落としたと分ってすぐに使用停止手続きしてしまって金がないので貸してくれとて、友人を受け取り役に送り込むのだそうである。
 でもねえ、息子がわたしに金を用意してくれと言ったとしたら、そのトタンにニセモノとバレるのだ。だって、親が現金も預金も持っていないことも、誰かに借りるあてもないことも、一番よく知っているのは当の息子なんだから。まあ、3万円くらいなら当座の買い物用現金があるけどね、これじゃあリスクに見合わないでしょ。

・4回目の電話<私から息子へ>
 実は2回目電話の直後に息子に確認電話をしようと携帯電話を手に持ったのだが、息子役からの電話が先に来て、先方の確認電話させない作戦にひっかかってしまった。3回目電話が切れた直後に本物の息子に電話して詐欺と確認でした。

・5回目の電話<私から神奈川県警へ>
 詐欺未遂だからどうでもよいかとも思ったが、一応警察に伝えておくかと思い、ネットで調べると神川県警にそのような係があった。電話すると一部始終を聞きたいと言うので報告、電話番号を詐欺師グループが知ったので、また別の方法でかかってくるかもしれないから気をつけろとのことだった。
 家人専用の固定電話には、あれこれ商業的勧誘がかかって来ても、所要電話はごく少ないので必要か思案していたが、このさい踏ん切りがついて解約、携帯電話機のみにした。 

 なんとまあ、いかにも4月1日らしいことにて、詐欺師の演技に大笑い、暇つぶしになり、頭を使ってボケが一時止まったし、詐欺師に感謝するべきかなあ。
                    (20220401記、20220407補綴)