「日本は自然災害の国だけど、ネパールは政治災害なんですよ」
つい先月の3日、カトマンヅで会ったある市民から聞いた言葉である。わたしはちょっと震災を逃れて(?!)、ネパールに疎開観光していたのだ。
今朝の新聞の国際面に小さな記事がある(朝日新聞東京版8面)。要約する。
「ネパールで王政廃止後の新憲法制定を今年5月末と決めて目指してきた制憲議会は、2ヶ月延期を決めた。野党の賛同を得るために2月に就任したばかりのカナル首相は、近く辞任をすると表明した」
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ネパールでは2006年にマオイストによる10年間の内戦が終結して、2008年の総選挙で制憲議会が発足した。
240年続いた王家を追放し、国名も王国からネパール共和国になった。
共和制憲法を2010年5月までにつくるとした。
だが、延々とあれこれやってきたが1年延長、それでも決らないというのだ。
ちっとも決ることも決らず、権力争いばかり続いて、首相が8ヶ月も不在になったり、せっかく決ったらまた辞任だし、政治腐敗もはびこり、憲法をつくれない、内政も進まない。
「政治災害の国なんですよ」と、国民からも疎まれるありさま。
これで内戦から抜け出す和平プロセスはまた停滞である。
また内戦になるのじゃないだろうなあ。
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あれ、これは、なんだか身近にもありそうな。
くるくると首相が替わり、内戦のような原発大災害があっても、権力闘争ばかりが見え見え。
まあ、国難とか、挙国一致とか、国家総動員とか、そういうのもキナ臭くてやりきれないけどねえ。
どうすりゃいいのでしょうかねえ、なにとぞ自然災害プラス政治災害の二重苦になりませんように。
●ネパール事情は毎日JPに詳しい。
http://mainichi.jp/select/world/news/20110530ddm007030083000c.html
●参照→ネパール400kmバスの旅
http://sites.google.com/site/matimorig2x/nepal2011
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