【マスター都市プランナー】重ねたる馬齢の果てに出会いたるマイスター称に面はゆく戸惑う

 NPO日本都市計画家協会から「マスター都市プランナー就任証」が来た(2019年1月17日)。
 立派なガラスの盾に入っていて、机の上にでも建てておくらしい。えっ、これってなにかの表彰かしらと、しばらく見つめて考えたものだ。実は資格認定だと思っていたのだが、、。

 「就任証」だから、わたしはなにか務にいたらしいが、それはなんであろうか。認定証の表には下記の様にあるが、任務じゃなくてえっ、これはまあ、お褒めの言葉である。間違いかも、、。

  伊達 美徳殿
貴台におかれましては、長年にわたり我が国の都市計画の発展に貢献され、マスタープランナーに就任されました。ここに長くその栄誉を称えます。
                     平成30年11月1日
       一般社団法人都市計画コンサルタント協会
               会長 松原悟朗

 また裏にはこうあるが、任務は書いてない。

 マスター都市プランナー制度は、都市計画4団体(日本都市計画学会、都市計画協会、日本都市計画家協会、都市計画コンサルタント協会)の連携促進のために設置しました「認定都市プランナー制度連絡協議会」が、4団体から推薦された候補者をその認定基準に基づき都市計画コンサルタント協会会長に答申、実施しているものです。

 これだけではわからない、何をやるべきか心配である。これが来た経緯を思い出すことにする。
 昨年8月7日づけで、NPO日本都市計画家協会から、「マスター都市プランナー」という都市計画専門家の資格制度ができたので、わたしを推薦するがよいか、就任受諾するかとの伺いメールが来た。
 実のところ、それがなにであるかまったく知らなかったので、問い合わせてはじめて知ったのであった。

 この「マスター都市プランナー」制度ができる前に、「認定都市プランナー」制度が2015年に発足している。「都市計画関係業務を担う専門家のうち、優れた資質・能力、豊富な実務実績、この業務に関する倫理性等を有する都市計画実務専門家を審査認定する」のである。認定機関は(一社)都市計画コンサルタント協会、(公社)日本都市計画学会、(認定NPO)日本都市計画家協会、(公財)都市計画協会で構成する協議会である。
 なぜ日本建築学会と日本建築家協会が加わっていないのか気になる。
 
 そして上記の「認定都市プランナー」とは別に、「我が国の都市計画の発展に多大の貢献があり、また象徴的存在である都市計画専門家を登録する「マスター都市プランナー」制度」を2018年3月に始めた。
 そして、「マスター都市プランナーは都市計画4団体が推薦し、就任を受諾して頂いた方々を都市計画コンサルタント協会が登録し、都市計画専門家の社会的地位及び知名度の向上に努めていただきたいとともに、認定都市プランナー制度に関連して実施される人材育成、交流、情報提供活動などへご支援を賜りたいと考えております」と、推薦就任受諾可否伺い文書に書いてある。
 
 さて推薦を受けるわたしが「我が国の都市計画の発展に多大の貢献があり、また象徴的存在である都市計画専門家」であるかどうか、とくに「我が国」のためにと考えて仕事したことはない(地域のためにではあっても)から、自分ではわからない。
 ところが聞いてみると、非公表らしいがおおむね80歳以上であって、第一線をリタイアした都市計画専門家を推薦するらしい。これならわたしも該当する。

 気になるのは「就任」の用語である。一般に名誉称号ならば「授与」とか「贈呈」であろう。ここではなにかの「任務に就く」らしいが、単にまつりあげるのではなくて、年寄りを使い倒そうということだろう。それはよいことである。
 それはなにだろうか。「都市計画専門家の社会的地位及び知名度の向上」と「人材育成、交流、情報提供活動などへご支援」であろう。推薦して下さった家協会の会長や理事にはありがたいと思うが、さて、わたしにその能力がまだ残っているだろうか。

 推測するに、わたしが日本都市計画家協会の創設時から関係し、NPO発足期の常務理事事務局長という番頭役を務めて、活動を軌道に乗せるのに少しは貢献したことが、その推薦の理由であろう。なお、それにはわたしのほかに重要な方がいるのだが、ここに登場しないのはまだ年齢が及ばないからであろう。
 
 受けてよいかどうか思案したが、わたしが推薦就任を承諾した理由は、世の中にほとんど知られていない「都市計画家」という職能を、一般に普及させる運動のひとつであるらしいからだ。
 細かく見ると制度に気になる言葉もあるのだが、気にしないでおこう。都市計画家という職能を世に押し出すことになれば、おおいによろしい。

 でもなあ、資格名称としての「都市プランナー」はよいとしても、一般名称として「都市計画家」という言葉を、制度説明には使ってほしい。
 例えば、「都市計画関係業務を担う専門家」というところを都市計画関係業務を担う専門家である都市計画家と言っておいてから、「都市計画専門家の社会的地位及び知名度の向上」を「都市計画家の社会的地位及び知名度の向上」としてほしい。
 
 第1回の今回の就任者は計22人で、そのうちの半分くらいがわたしが仕事で直接に付き合った知人である。
 渡部與四郎さんや伊藤滋さん、堀江興さんのような学者や官僚出身もいるが、近藤正一さん、大熊喜昌さん、鳥栖那智夫さん、司波寛さん、林泰義さん、土田旭さん、土井幸平さんのような民間プランナーが多いのがよろしい。また、土木系ばかりではなくて建築系や造園系もが多いのも好感をもつ。

 いずれにしても、この認定都市プランナーとマスター都市プランナーという、民間資格制度が都市計画家の職能を普及させることに役立つなら、わたしもその一端に加わることを喜びたい。なにしろわたしは賞とか栄誉に無縁の人生だったが、最後のところでなんとか「間に合った」感もある。馬齢ながらも長生きするものであるか、、。

マスター都市プランナー一覧

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