2008/10/03

049【モノづくりとまちづくり】めがねとアメリカ大統領選挙

 自分が今の世界の話題の人のかけるめがねと同じデザイナーによるめがねを着けていると、今日はじめて知った。
 アメリカ大統領選挙でペイリンアラスカ州知事が共和党副大統領候補で登場して、何かと話題になっているが、日本でも話題になっていて、それが全く政治的話題ではなくて、彼女のかけているめがねが日本製だから、という新聞記事を今朝読んだ。
 日本のめがねといえば福井県産(特に鯖江)に決まっているが、彼女の眼鏡はその増永眼鏡製の川﨑和男デザインだそうだ。
  
 1991年の湾岸戦争を指揮していたアメリカのパウエル国務長官が、増永眼鏡製・川﨑和男デザインの縁なしめがねをかけていた。実はそれが、私のかけている今のめがねと同じデザインだった。

 私が遠近乱視めがねをかけだしたのは40台の半ばからだが、壊したり合わなくなったりしていくつかけ替えただろうか。この8年くらいは、今の川﨑和男デザインのふちなし眼鏡をかけて、度の合わなくなったレンズを1回換えただけで使いとおしている。
 その前にもふちなし眼鏡を使っていたが、弦と玉の付け根で壊れる連続だった。

 ペイリンやパウエルのほかにも、アメリカ政界の人が川﨑デザインめがねをかけていると、今朝の新聞に書いてあったから、あちらで流行なのだろうか。
 それとも、品質がよくて高価な眼鏡を選ぶと、福井の産地の物になるという自然の成り行きなのか。それならめでたいことである。

 増永といえば、増永五左衛門という人が20世紀初めに、福井県の鯖江と福井の間にある麻生津村(現在は福井市内)に、めがね弦を作る産業を起こしたのだ。それがいまや鯖江といえば、めがね弦生産は日本の9割を越す産地となったのである

 と、宣伝するのは、これまで15年くらいの間、私は鯖江市に通って産業政策と都市政策を融合するまちづくりを手伝っていた経緯があるからだ。めがね、越前漆器、繊維が鯖江の3大産業である。
 鯖江の眼鏡が生産日本1と威張ってても、実は鯖江に行ったら良い眼鏡を安く求めることができるか、私だけのデザインの眼鏡をすばやく作ってくれるか、と期待しても、そうはいかないのである。長い間に組み立ててきた生産と流通の仕組みが、そうなっていないのである。

 それをそうはいくようにしたい、生産する力は十分にあるので、デザイン力と販売力をつけて、産地の地域で売るように、眼鏡を買いに来てくれる観光の力もつけよう、まちづくり全体として取り組もう、というのが狙いであったが、諸般の事情であまりうまくいっていない。
 でも、こうやって“外圧”が宣伝してくれると、外圧に弱い日本では、もしかしたらなにかが起きるかもしれないと期待している。

 中国製の安物眼鏡ばかりがもてはやされる今の時代に、海外からの逆宣伝で日本人が日本製品を見直すのは情けなくもあるが、この機会を生かすのもよいだろう。
 日本でも選挙騒ぎのようなことがあったけど、あ、これからもあるか、でも、ファッショナブルなお話は出てきませんな。 そのかわり、日教組をぶっつぶすなんて大臣が言うファッショな話題ならあるよなあ。
 →参考ページ・鯖江ファッションタウンへの提言(2002)
         ・もの・まちづくり運動と都市の再生(2005)

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