この孤乱夢は2008年10月6日に書いたが、操作ミスで消えたので改めて書く
・マンションとはいったいなんだ?
名ばかり管理職とかいって、平社員なみの権限しかないのに管理職に指名されて、残業代を支払ってもらえず、平社員より収入が少ない労働者がちかごろ話題になっている。
新聞記事では特に安売り店舗の社員がそうらしいが、普通のサラリーマンでもいそうなものである。 でも、わたしが身をおいてきた建築とか都市のデザイナーやプランナーの世界では、大企業はごく一部でまだまだ徒弟制度の世界であって、実態的に名ばかり取締役どころか名ばかり社長さえもいるのが、普通かもしれない。
名ばかりといえば、なんといっても「名ばかりマンション」である。これほど名ばかりに値するものは、ほかに見当たらない。
マンションとは英米語辞書では大邸宅やお屋敷のことである。以前にアメリカ人女性から聞いたことがあるが、アメリカでマンションといえば大統領一家が住むホワイトハウスのような建物だそうである。
日本のマンションは、不動産屋用語で3階建て以上の不燃建築の共同住宅、しかも区分所有型つまり分譲型のものを言うらしい。
2階建てのそれはアパートというらしいが、それは分譲でないかららしい。
では、日本語マンションは英米語ではなんと言うかというと、コンドミニアムというらしい。日本では聞かないなあ。
とにかく、大邸宅でもなければお屋敷でもない、どんな小さなウサギ小屋でも、共同住宅ならそれをマンションというらしい。なにしろワンルームマンションなんて、ホテルなみの小部屋もあるくらいなもんである。
これはmansionを語源としてかっぱらった和製英語らしいが、物が似て非なるものの典型でありすぎるのが困る。ほんとに名ばかりmansionである。
らしい、とばかりいうのは、不動産業界用語で調べても明確な定義がないからである。
・法律でいうマンションとは?
ところが調べていくうちに、マンションが日本の法律で定義されていることが分かった。
「マンションの建替えの円滑化等に関する法律(平成14年法律第78号) 」なんてのがあって、その第2条に用語の定義として、マンションとは「2以上の区分所有者が存する建物で、人の居住の用に供する専有部分のあるもの」となっている。
つまり、持ち主が2人以上で住宅のある建物は、木造平屋貧乏長屋でも100階建て超高層でも法律上はどれもマンションである。
となると、いまに平屋の2連戸住宅とか、今までアパートといっていたヤツを、マンションでございという住宅事業者が出てきて、混乱を招くかもしれない。
ちょっと、どうも、そういうもんで、よいかしら、英米の常識とも、日本業界の常識らしきものとも、いずれとも乖離しているのを法律で決めてよいもんかしら。
法律屋さんは硬いお方ばかりだろうに、まさか名ばかりマンションにおけるマンションを法律用語にしてしまうとは、どういう神経だったのだろうか。「区分所有型共同住宅建築物」とでもいうべきであったろう。
まあ、全国に528万戸、1300万人が名ばかりマンションに住むらしいから、もう名ばかりといってもいられないと思ったのだろうか。法律は分かりやすくっていうことだろうか。
それにしても、これだけ大量な震災危険住宅をいまだに建設の規制をしないのは大問題だと思うがなあ、。
次の関東大震災が来て、建て替えもできず修理もできない立ち往生名ばかりマンションが林立してからようやく、名ばかりマンション規制が始まるのだろうなあ、日本は人柱と外圧でしか政策は変わらないのだ。
そういえば、アパートってのも変である。なぜ2階建てならアパートなのか。かって野々宮アパートとか代官山アパートというのがあったが、これらはみな今で言うなら豪華マンションであった。いつから貧乏共同住宅の代名詞になったのか。
とにかく、名ばかりマンションくらい変なものはない。その大震災における重大なる危険度も含めて、。
参考→姉歯大震災の喚起するもの →言葉の酔時記
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