2009/08/25

171【世相戯評】日の丸・軍旗・御真影

 なんでも民主党のどこかの会で、あの赤だるまみたいな党マークをつくるのに、日の丸の旗布二枚を切り張りして使った。
 そうしたらTVの党首討論会で、自民党の麻生さんが「国旗を切り刻むとは何事か」って噛み付いて、民主党の鳩山さんが謝ったのだそうだ。

 これで連想するのは、戦時中の御真影(天皇の写真)と軍旗である。
 政府が各学校に配布して拝ませた御真影を、火事から助けだそうとして校長が焼死したのが美談であったし、軍旗はそれこそ戦場だから命と引き換えた兵士が無数にいた。 どちらも天皇の分身として、文字通りに死んでも守らなければならなかった。
 抽象的シンボルが具象的物件に偶像化して取り替わり、人の命までも奪った時代が、私がこの世にいるときにさえあったのだ。
 星条旗模様グッズが下着まである垂れ流し的偶像文化のあちらと、党首討論の政治争いの種にまでなる不可侵偶像文化のこちらと、その文化の違いが興味深い。

 御真影で思い出したが、小学校(国民学校といった)にそれを格納する奉安殿なるものがつくってあり、朝礼では「奉安殿に敬礼!」と号令がかかった。ワルガキどもは「オオアンゴウにケツレイ」と言って無邪気に遊んだ(アンゴウとは阿呆の方言)。
 この記憶によれば「御真影に敬礼」ではないから、偶像化は写真から容れ物に移っていたことになる。そう、偶像は目に見えてこそ偶像なのである。

 わたしはこの日の丸合成事件で、おお、民主党赤だるまマークは実は日の丸のアレンジだったのか、ふ~ん、そうだったのか、と、麻生さんとはまるで正反対のことに気がついたのであった。
 偶像崇拝化が進み、民主党マークもダイエーのそれも偶像損壊と目の仇にされる時代が来るかもしれない、赤い水玉模様も、、、あ、日の丸弁当もか、いやこれは戦時中は推奨されたなあ、?、、。

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