2010/04/16

259【東京風景】ぶらり本郷から四谷まで徘徊

 本郷から四谷までぶらぶらと回り道しながらあるいた。延約8km、延約4時間である。西片町から裏町を歩きだしたが、本郷あたりはゴチャゴチャとした住宅地が面白い。
 時には昔のお屋敷のままにうっそうとした林の中に、和風住宅や蔵が見える。
 商店街のような住宅街のような通りの看板建築も面白い。

 水道橋まででて神田川を渡り、駅前の三崎町にでた。
 ここは地図で見ると、普通は碁盤目に道が通っているところに、斜めに道が入っている。
 だから6差路、5叉路、3差路の交差点ができているのが、今どきで面白いのだ。
 6差路交差点でパノラマ写真を撮る。こういうところは、たいていはロータリーを設けるのだが、ここには無い。かつては合ったのだろうか。
 もっとも、6差路が面白いと見えるのは地図や航空写真だけであって、地上から見る風景はゴチャゴチャした街並みで、面白くもない。

 
 このあたりはかつては神田三咲町といったらしい。
 千代田区のホームページによるとこう書いてある。
 「明治五年(1872)、東京の多くの町が新町名へ変更した際に、この界隈も三崎町と改称されました。明治二十三年(1890)には、陸軍練兵場(旧・講武所)が三菱社に払い下げられ、市街地としての三崎町の開発が始まりました。その後、劇場の三崎三座(東京座、三崎座、川上座)や神田パノラマ館ができ、日本法律学校(現・日本大学)も移転してきました」

 三菱合資会社が、丸の内地区を明治政府から高額で買い取らされたときに、交渉してここをおまけにつけさせたのであった。
 そして丸の内並みとは行かないが、計画的に開発をしたのであった。だから碁盤目状の道路に、西洋風の近代都市計画を気取って斜めの道を入れたに違いない。
 もっとも、丸の内のように建物まできちんとやらなかったらしいし、三菱が持っているのではなくて分譲してしまったらしいから、いまではどうってこともない風景になってしまっている。

 飯田橋から竹橋方面に抜けて、千鳥が淵を通り過ぎて、半蔵門へ出る。
 半蔵濠のあたりの桜は散りかけているが、土手の菜の花が美しい。

 ぶらぶらと赤坂見附から居の国坂を登りかけて、途中で外堀の上にかぶさる高速道路の下から、ホテルニューオータニを見上げる。
 外堀の水と生い茂る斜面の常緑樹の森、その上の超高層建築、そしてかぶさる高速道路の取り合わせに、近世から近代への動的な風景を見ることができる。
 
 さらに登って赤坂迎賓館に出る。久しぶりである。
 正面の門扉を通して片山東熊設計の宮殿建築を見れば、おや、うしろに超高層建築が数本あるではないか。
 東京ならこうなるのは当然であろうが、何しろここの敷地は広いから、向うに建つ超高層建築には負けないだけの距離感がある。まあ、ちょうど良いくらいのプロポーションか。

参照→東京風景

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