はじめに「広辞苑」を引いておく。
こだわ・る コダハル【自五】①さわる。さしさわる。さまたげとなる。 ②気にしなくてもよいような些細なことにとらわれる。拘泥する。「形式に―・る」 ③故障を言い立てる。なんくせをつける。
2010年12月16日の朝日新聞東京版の朝刊に、「諫早開門道険し 首相こだわり貫く」の見出しがある。
この意味は次のどれだろうか。
1.菅さんは、「諫早開門」をさしさわりがあると思っている。
2.菅さんは、気にしなくてもよいような些細な「諫早開門」ごときにとらわれている。
3.菅さんは、「諫早開門」になんくせをつけている。
記事の中味を読むと、諫早開門をしたいと思っているらしいから、1でも3でもなくて2のようだが、それも些細なことと思っているのではなさそうだから、ヘンな見出しである。
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これはどうも、朝日新聞が言葉遣いを間違ったらしい。
このごろはどうも間違った言い方が流行っていて、「レストランのこだわりの味のパスタ」なんていったりして、とうとう朝日新聞もそれに染まったらしい。
以前に政府の事業仕分けで、スーパーコンピューターについて世界で2番目じゃなぜいけないのって議員に言われて、富士通の社長が「それでもうちはスパコンにこだわる」といってると新聞に載っていた。どうして富士通にとってはスパコンは些細なことなんだろうか、と思ったことがある。http://datey.blogspot.com/2009/12/215.html
こうやって間違い言葉が優先していって、言葉はだんだんと意味を変えていくのだろう。
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追記(101218)
今朝の朝日新聞にも「菅首相 訪問にこだわる」との見出しがある。
菅さんがそういったとは書いていないから、その見出しつけた朝日新聞社の人(デスクと言う人かしら)がそう思っているのだろう。
つまり、「朝日新聞社としては沖縄訪問なんて些細なことと思っている。なのに、菅さんは訪問に妙に拘泥して行きたがった。おかしいな人だ」という意味になる。
菅さんか、仲井真さんか、どちらかが朝日新聞社に抗議するにちがいない、だって最近言葉づかいで抗議ごっこが流行っているもん。
朝日新聞デスクは“間違いこだわり”に、わたしは“こだわり間違い”に、それぞれこだわっているのか、とらわれているのか、執着しているのか。
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