2016/04/08

1185【五輪騒動】オリンピックという怪物がテロ対策という鎧をまとって日本に攻めてくるらしい

●新国立競技場当初案の建築家ザハ・ハディド女史が死亡
熊五郎:こんちわ、ご隠居、お元気ですかい。
ご隠居:おや、熊さん、いらっしゃい、花見の帰りかい。
:えへへ、そうでさ、ご隠居は花見は済ませましたか。
:ああ、先日、母校のキャンパスに行ってみて来たよ。
:久しぶりにオリピック騒動の話をしに来ましたよ。白紙撤回になった新国立競技場案の建築家ザハ・ハディドが死んだらしいですよ。
:あ、そうそう、気の毒にねえ、あの案にさんざんケチ付けられて、突然の白紙撤回、そのあとでてきたA案が自分の案の模倣だと抗議したりしてるうちに、ぽっくり。
:もしかしてあの騒ぎが元になった心労で発作を起こしたのかもねえ、彼女の命を縮めたのは白紙撤回事件かもしれませんね。ウラメシヤ~新国立競技場って、外苑の樹林に中に化けて出るかなあ。
:わたしはザハ案でできると、外苑のあの天皇制賛美景観をぶち壊してくれると期待していたんだけどねえ、残念。
白紙撤回された恨みのザハ・ハディド案
:で、コンペやり直しで決まったのが大成・隈組のA案、「早い・安い」てんで当選なんでしたね。
:そうそう、そいつに「拙い」ってのも付け加えたいね。
やり直しコンペででてきた二つの応募案
:ハハ、竹中・伊東組のB案の方がはるかに上手いですよね。なんでも都市計画変更を伴うんで、メンドクサイって落ちたとか。
:そうそう、ザハ案に合わせるために、明治公園「四季の庭」を都市計画変更して人工土地の上に押し上げたのを、またもとのように地上に戻す変更を嫌がられたとかって噂だね。
B案はデッキをやめて「四季の庭」を復元
:でもねえ、そのほかのところにいろいろ都市計画変更が必至なのに、何故これだけはやりたくないんでしょうねえ。
:なんだかアヤシイね。

●オリンピックがテロを連れて来るかも
:ところで、今日の新聞に載ってるんですが、オリンピックの2020年5月から11月まで、神宮球場をオリンピック専用に使いたいって、JOCが持ち主の明治神宮と交渉中とか。
:メイン会場の新国立競技場の隣だから、何か競技をするのかい。
:いえね、いろいろ準備やら事務的な場所やら物資置き場やら、いわば後方支援用らしいですよ。それで困るのが試合に使えなくなる大学とプロの野球です。
新国立競技場と神宮球場あたりの様子
:わたしは野球に興味ないからどうでもいいけどね、あ、そうだ、それって、本当はテロ対策かもしれないよ。
:え、オリンピックを狙うテロ対策ですか、あ、そうか、隣で野球やらなにやらで大勢の人集めされたら、そこにテロ屋が混じってきてしまうってんですね。
:そうだよ。そうでなくても警備が大変なのに、近くで余計なことをやってほしくないって警察が思うのは当然だな。あれは40年ほども前だったか、ミュンヘンオリンピックで大変なテロ事件があったよ。
:特に今はヨーロッパや中東でテロが大々的に進行中で、2020年よりまえに収まりそうもないですね。オリンピックでテロやると世界中に宣伝効果が絶大だ、う~む、オリンピックがテロを連れてくるかもなあ。

●テロ対策視点から都市計画を考えるなんて
:朝日新聞が隔週日曜発行のグローブって新聞を見ていたら、『五輪も舞台、「軍事化」する都市』なる見出しの記事があり、ロンドンオリピックでの警備担当幹部の話が載ってるんだよ、ほれ、ここ(右図)を読んでご覧よ。
:どれどれ、う~む、会場周辺の住民全部を調べたって、これはひどい、そこまでやるんだ。外苑のまわり住んだり働く人たちは、警察にプライバシーを丸裸にされるかもね。
:記事に曰く、テロ対策に「立ちはだかったのは都市化だった」、そして「次々に建つ高層ビルや商業施設が条件を複雑にした」のだそうだよ。
:東京はまさにその条件を複雑極まるように、日々再開発の渦の中ですよ、どうするんですかね。
:こうなれば今の都市計画の段階から、建築も街も公園もテロ防止対策プランにしておかなければならないねえ、そこまで考えてやってるのかなあ。
:ご隠居は考えたんですか。
:いやいや、新国立競技場関係の都市計画についてこれまであれこれ書いてきたのだけど、その視点から考えたことは全くなかったね。ま、わたしは善人だからね、うん。

●樹林や丸い競技場はテロ対策に邪魔かも
:新国立競技場の建物とその敷地は、テロリストが隠れる空間や、爆発物を隠し置いたりできる空間があってはダメなんでしょうね。
:そうなると、できるだけ見通しのよい、なにも置いてない、デコボコのない真直ぐな空間がいいのだろうね。あの丸い外周の競技場は、視線が通らないからダメだな。
:じゃあ、樹林や植栽なんてのは大問題ですね、今の競技場案は各階の外廊下のようなところに植え込みがあるから、あそこに爆弾を隠し置くには絶好ですよ。
緑を建物の中や外までいっぱい画いてあるけど、、
:物騒なこと言うね、競技場外の樹林や植え込みがあるけど、全部切り倒すのかね。明治神宮外苑の中の樹林も、見通しが良く灌木を伐リ払い、繁る枝葉も坊主にするかな。
:あ、そうか、「四季の庭」の都市計画変更も、実はテロ対策だったかもねえ。
:なんにしても、なんとも殺風景になるんだろうかねえ。

●テロ対策にかこつけて奇妙なことも起きるか
:あ、そうだ、JSC新ビルの隣にある共同住宅の外苑ハウスの建て替えも、もしかしてテロ対策かもしれませんね。今は誰が住んでいるか分らなくても、建て替えすればきっちりと把握できますね。
:おお、建替え事業で入居者ロンダリングをやるんだ。まさにテロ対策だ。ホントかね。
共同住宅ビルの外苑ハウス
都営住宅、外苑ハウス、JOC新ビル、JSC新ビルあたりの配置計画図
:そしてね、建て替え後に販売する住宅の全部を、JOCが買うか借りるかして、競技関係者の宿舎や事務所に使えば、テロ対策とオリンピック裏方利用の一挙両得。
:あの外苑ハウスは、もともとが1964年オリンピックの報道関係用に建てたから、それなりに由緒があるな。今ではオリンピックと無関係の民間ビルなのに、たまたま隣にあるというだけで、どうして地区計画の範囲に入っているのか、どうして区画整理区域に入ってるのか、実に不思議に思ってるんだけど、今になって理由がやっとわかったよ。
:だから一民間共同住宅の建て替えなのに、オリピック関係で確保する室数を多くするために、わざわざ容積割増をして優遇策をとるのでしょうね。なにしろオリピック誘致者の東京都が都市計画行政当局だから、そこはお手の物ってね。
:まあ、そういう実に奇妙な、正当かどうか首をかしげる仕掛けが裏があるのかもなあって、あくまで妄想で勝手に面白がってるにすぎないけどね。
:都営霞ヶ丘アパートを立ち退かせて跡地を公園にするのも、あの住宅がテロリストの巣窟になるおそれがあるってことかなあ。これも妄想ですがね。
都営霞ヶ丘アパート
:オリンピックって、たしか真夏にやるんだよね、それってやっぱりテロ対策かな。だって、熱帯の東京で厚着して武器や爆弾を隠すなんて、かなり難しいもんね。
:テロリストも大変だ。
:テロ対策にかこつけて、妙な再開発やら、個人プライバシー侵害やら、いろいろわけのわからんことが起きるかもなあ。オリンピックそのものがソフトなテロに見えてくる。
:う~む、オリンピックって怪物が、テロ対策って鎧を着て攻めてくる、そうなりゃなんでもゴリ押し「五輪押し」ってね。


●参照:「五輪騒動瓢論集」(まちもり散人)

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