ロス・アンゼルスで高級住宅地が大火事だそうである。7日発生から今日(20250113)現在も燃え続けていて、東京山手線内面積の倍以上も燃えたとのこと。
データ的には、被災面積160平方キロメートル、死者16人、被災建物は1万棟以上、避難の指示や警告の対象になっている住民はあわせて30万人だそうだ。
これでは山火事とはもう言えなくて、都市火災というべきだろう。
昨夜はPCのSNS(youtubeとX)でいくつもの現地中継(LIVE)を見続けた。特に空中からの現場の火災進行実況は、まったくもって凄い、怖い、酷いものである。
これはまるで炎の津波である。裏山から炎の横列の津波が下って襲い来るのを、なすすべもなく見る住民の気持ちを思うとやり切れない。ということは、あの大津波の時の沿岸の人々の気持ちもそうだったのだ。大自然からの攻撃に人間はなすすべもない。
燃え広がる炎の空中写真を見ていて、ちょっと気になったのは、全く別の場所が何か所も燃えていることだ。飛び火とみるのは遠すぎる。同じ条件化なら自然発火するところが何か所もあるのか、あるいはいくつかは人為的な発火かとも思えるのだ。
SNSには例のごとくに、陰謀論はもちろん、被災画像に人種差別的コメントとか、AI製の偽画像とか、怪しい書き込みがある。
そんな妙なときにトランプは政権に就くのだが、どうするのだろうかと思っていたら、さっそくに民主党知事の失策だと言っているらしい。困った人だ。USAは大丈夫か。
なぜこれほどに火災が拡大するのか。日本でも近年では2024年元日の能登輪島の朝市通りとか、2016年の糸魚川大火とかあるが、LAほどの大規模ではない。USAの住宅地の住宅の建て方(材料とか防火対策)とか、住宅地の都市計画(山林と住宅地の配置)とかに原因があるような気がするが、正確なところはわからない。
燃え尽くした山と住宅地 |
LAの郊外には広大な住宅地がとめどもなく広がっている。まさに自動車社会の国である。緑に覆われた広い宅地に大きな住宅が、たぶん木造でびっしりと建てられている。燃えた跡の住宅地のあまりにもひどさに驚くしかない。画一的に作られた住宅地らしいが、全く画一的に廃墟になっているのが痛ましい。
この森林火災の拡大から大規模都市火災への展開の原因を言う識者によれば、近年の異常気象によって森林が燃えやすい条件になっていたとのとこと。それが分かっているなら、森林火災拡大防止対策を取り入れた居住地づくりの都市計画があってもよいはずだ。
例えば、延焼拡大防止のために、広い幅の空地の延焼防止帯を設けることが有効だろう。しかし、この写真に見るように、LAの郊外住宅地開発は野放図に森林を侵食している。特にキャリフォニアにおける乾季の山火事騒動は、毎年のことだからとっくに分かっていたはずだ。
ここは被災地ではないが広大な郊外住宅地が山を切り開いてい広がる |
そもそも森林地帯で人間が住むようなところじゃなかったのに、無理やり開発したのである。人がいなければどんなに森林が燃えても災害とは言わないだろう。
そんなところに住み込んだ人間に、自然が土地を返せと迫っているのが、この大火災かもしれない。
異常気象がこの大災害の原因ならば、日本列島も同じようなことが起きないとは限らない。太平洋を挟んだ対岸の火事ではなくなる。
特に人口が減少しつつある郊外住宅地や地方小都市では、いったん燃え広がるとそれを止める人手がないから、拡大するばかりになるおそれは十分にある。
日本の都市の郊外住宅地開発も似たようなものだ |
コロナ禍は終わるらしいが、異常気象禍は今後ともつのるばかりのようだ。このところあちこちで戦争が多いのも、異常気象が人間の生存本能を掻き立てている現象かもしれない。右傾化する世界、強権国家の出現はまさにそうだろう。
なんとも嫌な時代に生きることになったものだ。
(2025/01/13記)
(20250114追記)14日朝のNHK報道では、死者は24人に増え、避難指示や警告対象住民数は、ピーク時には30万人以上だったが、13日時点では18万人余りに減少。一方、LA近郊では14日早朝から15日正午ごろまでは「特に危険な状況」に風が強まるとのこと。
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伊達美徳=まちもり散人
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