2025/01/02

1859【高血圧事件③】 老いぬればわれも放哉をきどりたし「屁をしてもひとり」ナンチッテ

 【高血圧事件②】から続く

 この年末年始は、近来まれなほどに実に詰まらなく過ごしている。
 2024年1月24日クリスマスイブから喉が猛烈に痛くなり、今年の正月3が日もゲホゲホグチュグチュである。なさけない。

 昨年12月23日夜、のどが痛くて寝れらない。開院を待ちかねてクリニックに行った。
 なんとまあ、ビルの廊下に待たされてクリニック待合に入れてくっれない。感染対策だな。寒い寒いと言ったら、看護士が懐かしやニクロム線が赤く輝く電熱器を足元においてくれた。
 別入り口から入って、看護師に両鼻穴に白いひもを突っ込まれて、コロナとインフルエンザの検査だった。始めてやったがあれは痛かった。

 やがて医師が廊下に出てきて、検査結果はコロナでもインフルでもないと分かったとて、大きく開けさせられた喉の奥をちらりと見て、「うん、赤くなってるね」と一言で診察おしまい。4日分薬を処方してくれたから、そんなもので治るのだろう。まあよかった。

 さてどっこい、今日はそれから10日たったが、まだ治らない。4日分の薬はとっくにのみ終えたが、いまだに喉が痛くて日夜ゲホゲホグチュグチュやっている。
 熱がないから、病の気分でなくて、3食を食っているが、夜中にも襲い来る咳ゲリラに負けて、睡眠不足の日々である。ごくたまには呼吸困難になるほど咳ゲリラが活躍する。それには鼻水と涎という水軍ゲリラが伴うのが汚らしい。

 風邪なんて珍しくもないと思ったが、日記を見ると最近は2022年の10月にひいているが、去年も2021年にもひいていないから、近ごろは珍しいようだ。
 それにしても記憶の風邪は、こうも長くゲホゲホと苦しんだことは無いはずだ。これはてっきりわが身の老化が、風邪ごとき奴にも抵抗力を落としたに違いない。

 若い時は10日も寝込むことは無いし、たとえ寝込んでも治ればすぐに回復するだろうと、気楽に構えていたものだが、歳とるとそうもいかないと気が付いた。
 こうも長く外出しないでいると、足腰が弱ってしまう恐れがある。弱ると他の病が来るかもしれない。怖いことだ。

 そこまで考えたところで、アッと気が付いた。わたしはこの12月から高血圧事件に巻き込まれているのだった。
 そうそう、200もある高血圧発見でその治療に入っているのであった。この風邪のゲホゲホ騒ぎに気を取られてしまって、血圧問題をすっかり忘れていた

 でもこの間も医師処方の血圧薬(その名は安室美人と薬袋に書いてある)を指示通りに服用して真面目である。
 だから風邪の処方薬の3種類ものっでいた4日間は、朝昼夕と食事のたびにどれをいくつ飲むのか、クイズ解いている気分だった。その薬をの飲む習慣だけは高血圧事件を思い出したが、血圧を測るのはすっかり忘れている。

 そしてそれまでは朝飯食わない習慣だったのに、12月からは薬を飲むために朝昼夕の3食を食う結構な習慣が、戻ってきたのは良いことかもしれない。
 でも、高血圧の診察時に「太るな」と医師から言われたのに、3食食うとリスクがあるけどいいのか。

 ヒマな老いの日のヒマツブシを探していたが、この風邪ひきは見事にヒマツブシになった。ゲホゲホジュルジュルと不意にやってくる咳ゲリラと戦うのに忙しいこの年末年始の日々である。もっと違うヒマツブシものにすればよかったと後悔している。
 さていつまでこれが続くのか、日々わずかづつゲリラの威力が衰え行く気配はある。もうすぐ勝つだろうと希望の年始である。めでたい。そこで狂歌一首。

老いぬればわれも放哉をきどりたし「屁をしてもひとり」ナンチッテ

(20250102記)

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伊達美徳=まちもり散人
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