今朝(2025/02/09)の朝日新聞の朝日歌壇永田和弘選に次のような歌が載っている。
強風で我が家の周りにまた飛び火 灰と煙に三日四晩も
(アメリカ)大竹 博
このアメリカとはキャリフォニア州のことであり、歌に読み取ることができるように、先だってのロスアンゼルス大火の地である。
そしてこの大竹博とは、わたしの大学同期生であり山岳部と寮で同じ釜の飯を食った仲間であり、畏友である。大竹とは時々ZOOMで出会う。
あの大火については彼自身の家の街にも燃え広がってくるかと、大いにやきもきしたが幸いにして無事であった。それはよかったが、20キロほど離れた息子さん一家が住む街は、まる焼けになってしまったそうだ。
しかし、その息子氏の家は奇跡的にまわり数軒と共に焼け残った。それはよかったが、家も庭も周りの火災で降ってきた灰まみれだし、壊滅した街で生活できる状況になくて、父親の家に避難してきているとのこと。なお、その焼け残りの家は、以前は大竹君一家が住んでいたのであった。
そのような背景があっての上でのこの入選歌である。彼は朝日歌壇にちょくちょく入選しているのだが、この前(1月19日)の入選歌はこうだった。
裏庭で立ち食いの栗鼠と眼が合えば 餌を差し出して分け合う仕草
(アメリカ)大竹 博
この歌の余りにものどかなる風景を読めば、今回の入選歌の「三日四晩」の激しさがじんじんと伝わってくる。
ふつうは「三日三晩」と言うはずだから、これはUSA人となって半世紀以上になる大竹の怪しい日本語なのか、と、初めは思ったのだが、いや、やきもきを詠うのに「四晩」と強調したに違いない、うまい、と思い返したのであった。
ところがまた別の同期畏友から教えてもらったのだが、「三日四晩」の上をいく「四日五晩」と、映画「もののけ姫」のセリフに出てくるそうだ。
ということは、わたしは知らなかったけど、キャリフォニアあたりの外人が知っていてもじったのかと驚いている。失礼しました、ごめん。
早速に今朝は入選祝メールを送ったのだが、そこにこう返歌を付け加えた。
トラ強風太平洋越えて来る飛び火 PM石破を火消しに派遣
(ニッポン)伊達美徳
後のためにこの狂歌の背景を書き添えておくが、たまたま今朝の新聞を賑わわせている昨日行われた石破トランプ初会談のことを踏まえてるのだ。
トラさん思いつき発言が飛び火しないように、イシさんはなだめおだて作戦を三日四晩も考えて会談に臨んだことであろう。(20250209記)
ーこのブログ内の関連記事ー
2025/01/13・1861【LA大火事】
https://datey.blogspot.com/2025/01/1861.html
2023/11/02・1727 【老いの日々】
https://datey.blogspot.com/2023/11/1727.html
2022/10/03・1649【朝日歌壇の歌人】https://datey.blogspot.com/2022/10/1549.html
2019/03/03・1391【カリフォルニア歌人登場】https://datey.blogspot.com/2019/03/1191.html
2018/12/23・1375【カリフォルニア旧友朝日歌壇】https://datey.blogspot.com/2018/12/1175.html
2018/08/12・1156【カリフォルニア夫婦歌人朝日歌壇登場】https://datey.blogspot.com/2018/08/1156.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
伊達美徳=まちもり散人
伊達の眼鏡 https://datey.blogspot.com/
まちもり通信 https://matchmori.blogspot.com/p/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
0 件のコメント:
コメントを投稿