太平洋を隔てた地に住む大学同期仲間の畏友が、こんなことをEmailしてきた。
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老人のボケ現象は、大きな化け物の如く、掴みようがない。
でも、人はそれぞれこの化け物に対処しているらしい。
私は、自分と話をする。
独り居で声出し自分と会話するバイリンガルだと話がはずむ
アメリカ 大竹 博(朝日歌壇・高野公彦選2021)
キャリフォルニアでどこかへ出かけると、数時間運転しっぱなしでいることがおおい。
ただ運転しているとボケの化け物が意識に入り込んできて、邪魔をし悪さをはたらく。
そこで架空の助手を側に置き、一人で二人会話をはじめる。この状態を外から観察すると、"気が狂った"様に見えるかもしれないが、とにかく面白いし、ボケ除けにもなっている。
言葉の選択も考えて、時には米語だけではなくて、日・独・仏の知っている単語を加えてバイ・リンガルやトライ・リンガルにする。
妻が外出して、独り居のときも同じようなことをする。
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これを書いてきたのは、文中にある短歌詠みその人である。大学時代の寮生活と登山の仲間で、今はUSA市民権を得てCALIRORNIAに暮らしている。
この20年くらいは毎年のように訪日してきて、昔の山岳部仲間と飲み会をしていたが、この数年はコロナでそれが叶わなくなっている。だが、ネット時代だからEmaleとZOOMでのやり取りは頻繁で、年寄りにはまことに都合が良い道具だ。
上記のようなことを先日書いてきたのは、わたしが同期仲間たち宛の下記のようなEmailへの返信の一部である。了解を得て引用した。
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わがボケ遅延策にご助力を! 20231031 伊達美徳より
暑い暑いと言っていた夏がようやく終わったと思っていたら、もう11月ですよ、冬ですな、歳をとると月日が速く過ぎる。
そしてわが身の老い具合にも加速度がつく気配です。それに無駄な抵抗をしようと決心したのは、先ごろある契機で妻を介護する身になろうとしている現実を知り、これはもうちょっと生きねばならぬと悟ったからです。「願わくは花のもとにて春死なむ・・・」なんてうそぶいていられない。
そこで脚腰を保つために毎日の買い物を遠回り歩きすること、頭の中を保つために毎日わがブログに駄文泣き言を書くこと、とりあえずこの二つを実行してみることにしました。今日で2週間連続記録中です。
そしてお願いは、その毎日のブログ駄文を読んでいただきたい、できれば時にはコメントをいただきたいということです。それを毎日書くための張り合いにしたいのです。
恐縮ながら、わがボケ遅延策にご助力を、、、。
●ブログ「伊達の眼鏡」URL https://datey.blogspot.com/
年取りはコロナのせいで遠くに見聞に出る機会が激減してしまい、ブログに書く記事も昔のことを引き合いに出して、今の世にイチャモンをつけるしかない、なんとも情けないと思いつつ日々を送っております。
ではお元気でお過ごしください。
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ということで、老人が何か解からぬ独り言をしゃべっているのに出くわしても、あいつもついにボケた、なんて断定してはいけないのだ。
今日のブログ記事は、太平洋を隔てる八十路半ばの老人二人の、コロナとネット時代における老境の記録である。
(20231102記)
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伊達美徳=まちもり散人
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