2023/11/02

1727 【老いの日々】老人がぶつぶつ解からぬ独り言をしゃべるのはボケの故ではないのだ

 太平洋を隔てた地に住む大学同期仲間の畏友が、こんなことをEmailしてきた。

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老人のボケ現象は、大きな化け物の如く、掴みようがない。
でも、人はそれぞれこの化け物に対処しているらしい。
私は、自分と話をする。

  独り居で声出し自分と会話するバイリンガルだと話がはずむ
            アメリカ 大竹 博(朝日歌壇・高野公彦選2021) 

キャリフォルニアでどこかへ出かけると、数時間運転しっぱなしでいることがおおい。
ただ運転しているとボケの化け物が意識に入り込んできて、邪魔をし悪さをはたらく。
そこで架空の助手を側に置き、一人で二人会話をはじめる。この状態を外から観察すると、
"気が狂った"様に見えるかもしれないが、とにかく面白いし、ボケ除けにもなっている。

言葉の選択も考えて、時には米語だけではなくて、日・独・仏の知っている単語を加えてバイ・リンガルやトライ・リンガルにする。
妻が外出して、独り居のときも同じようなことをする。

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 これを書いてきたのは、文中にある短歌詠みその人である。大学時代の寮生活と登山の仲間で、今はUSA市民権を得てCALIRORNIAに暮らしている。
 この20年くらいは毎年のように訪日してきて、昔の山岳部仲間と飲み会をしていたが、この数年はコロナでそれが叶わなくなっている。だが、ネット時代だからEmaleとZOOMでのやり取りは頻繁で、年寄りにはまことに都合が良い道具だ。
 上記のようなことを先日書いてきたのは、わたしが同期仲間たち宛の下記のようなEmailへの返信の一部である。了解を得て引用した。

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 わがボケ遅延策にご助力を!    20231031 伊達美徳より

暑い暑いと言っていた夏がようやく終わったと思っていたら、もう11月ですよ、冬ですな、歳をとると月日が速く過ぎる。
そしてわが身の老い具合にも加速度がつく気配です。それに無駄な抵抗をしようと決心したのは、先ごろある契機で妻を介護する身になろうとしている現実を知り、これはもうちょっと生きねばならぬと悟ったからです。「願わくは花のもとにて春死なむ・・・」なんてうそぶいていられない。

そこで脚腰を保つために毎日の買い物を遠回り歩きすること、頭の中を保つために毎日わがブログに駄文泣き言を書くこと、とりあえずこの二つを実行してみることにしました。今日で2週間連続記録中です。
そしてお願いは、その毎日のブログ駄文を読んでいただきたい、できれば時にはコメントをいただきたいということです。それを毎日書くための張り合いにしたいのです。
恐縮ながら、わがボケ遅延策にご助力を、、、。

 ●ブログ「伊達の眼鏡」URL https://datey.blogspot.com/

年取りはコロナのせいで遠くに見聞に出る機会が激減してしまい、ブログに書く記事も昔のことを引き合いに出して、今の世にイチャモンをつけるしかない、なんとも情けないと思いつつ日々を送っております。
ではお元気でお過ごしください。

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 ということで、老人が何か解からぬ独り言をしゃべっているのに出くわしても、あいつもついにボケた、なんて断定してはいけないのだ。
 今日のブログ記事は、太平洋を隔てる八十路半ばの老人二人の、コロナとネット時代における老境の記録である。

(20231102記)

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伊達美徳=まちもり散人
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