●一番の無責任者はアベサンだよ
熊五郎:ちわー、ご隠居、さすが暑さにグターッとなってますね。
ご隠居:おお、熊さん、まあ、こっちにおあがり。そうだねえ、暑い時に、戦争したいとか、埋立やりたいとか、オリンピック運動会場にカネ掛け過ぎとか、ますます暑いよなあ。
熊:そうそう、あの新国立競技場とかって運動場で、工事費が高すぎるって揉めて、オジャンにしたって、どういうことですかい、無責任な責任者をクビにしろとかって、国会で騒いでますね。
隠:あまり暑いから、お前さんと言いたい放題言って、ちょっと涼しい気分になろうかね。
熊:いいですねえ、言いましょ。
隠:じゃあ言うよ、あのね、いちばんの無責任者は、総理大臣のアベサンだよ、ひどい!
熊:え、いきなりそうきたか、さすがアマノジャク。でもねえ、高すぎるって世の中が騒ぐもんだから、鶴の一声で白紙見直しって、えれえもんじゃありませんか。
隠:あれ、そう思うのかい、だってアベサンはあの7月17日ちゃぶ台返し発表の7日前には、
もうやり直していると間に合わないからこのままいく」って、国会で答弁したんだよ。
熊:あ、そうだっけ。
隠:それを突然にヤ~メタって、ちゃぶ台返し、いまどき専制君主じゃあるまいし、それも相談したのは森サンって五輪組の親分ひとりだけって、いまどき密室政治かい?
●ワンマン社長に誰も文句言えない
熊:う~ん、でもこれで税金を無駄遣いが減るんでしょ、いいことでしょ。
隠:あのなあ、普通ならこういう時は設計変更をするのが常識なんだよ、イチからやり直したら、その手間と費用が無駄になるだけなんだよ、建築素人アベサンが、大向こう受けねらって大見得切ったんだろうがねえ。
熊:まあ、このところ憲法解釈変更問題で評判が下がってますからね、ここらで一発起死回生と、。
隠:そうだよ。たとえればね、ちょっと高いけど社長にこんこんと話をして、それで行けと言われ、社長も記者会見などで、国際公約だし、やり直すと間に合わないからこれで行くと表明していただいた、これで安心と思っていたら、1週間でコロッ、あれはもうやめたとちゃぶ台返し発言、担当役員の文科大臣も、事業本部長のJSCの理事長も、あっけにとられただろうね。
熊:社長一人が格好つけて、役員、社員、下請け会社に恥をかかせて平気なんですね。
隠:これまでかけた設計外注費用が65億円、それにコンペでかかった費用、JSCや文科省の人件費・交通費・光熱費など、世界中からコンペに応募した人たちがかけた費用、なんだかんだとざっと80~100億円の無駄かもよ、もったいないよなあ。
熊:常識はずれの社長の頭はおかしいな、でもワンマン社長だからしょうがない、ってことなんでしょうかね。民間会社なら、株主賠償訴訟で訴えられますね。
隠:だから第三者検証委員会は、80億円無駄にした首相の非常識な頭の中を検証してほしいよ。無責任なワンマン首相は怖いね、コロッと心変わりして、安保で戦争に巻き込まれることはあるとか、徴兵制を敷くことになるなんて、いつ言い出すことやら。言ってもいいけど、わたしが死んでからにしてもらいたい。
●工事費高騰は有識者会議のせいだよ
熊:ご隠居も無責任だよ。ところで、なんで1300億が3000億円になったんですかね。きっと、工事屋さんが高く入札したんですね、口利きしてリベートをとる予定の政治家がいるとかで。それとも、誰か間でくすねる約束になってるとか。
隠:う~ん、口利き料とか間のくすね金はわからないけど、入札は無かったよねえ。設計と一緒に工事方法とか工事費の見積もりやったもんねえ。
熊:じゃあ、競争がないからどんどん高く見積もったのかもね。
隠:そうかもなあ、でも設計と並行していたから設計チームのチェックが働いてるだろうしねえ。
熊:じゃあ、なぜ高くなり過ぎたんですか?
隠:そりゃ簡単だよ、ほら、有識者会議ってのがあるだろ、有識者たって各種業界代表みたいなもんだから、言いたい放題、自分の業界がやりことをどんどん言うから、カネメもどんどん膨らんだってことだよ。
熊:スポーツ屋とかイベント屋とかね。
隠:それを抑えられなかったのは、有識者が政治的に強いからだな。設計変更して規模小さくしたり機能を外して値段を下げようにも、それヤメルな、これもやれとか言われちゃ、文科省じゃあどうしようもなかったんだな。
熊:ご隠居は見てきたようなこと言いますね。
隠:ああ、昔こういうコンペから実施への大規模プロジェクトの裏方をやった経験あるからね、とにかく工事費が過大になるのは、設計内部じゃなくて、外部からの要求がどんどん重なってくるからだよ。
熊:ってことは、それを整理する能力がないと、どんどん増える。で、一番エライ総理大臣が出てきるしかないってことですかね。
隠:そうだろうなあ、今どきそういう古典的なやり方するって、なんだねえ、憲法9条解釈変更をアベサンがリードしているのと同じだね。今ならこういうときは委員会で再検討とか、パブリックコメントとかやるもんだよなあ。
熊:そういや、独裁政権みたいで、気持ち悪い世の中ですね。
隠:よく言って、ワンマン社長だね。ワンマン社長をいただく社員の国民はやりきれないよ。
●第三者検検証委員会ってカネメだけ検証か
熊:ところで新聞見ると、第三者検証委員会って、このカネメが太り過ぎたことの原因を探るらしいですよ。
隠:マスメディアは、分りやすいカネメのことばかり書いてるから、庶民はカネメの検証をするしか思わないんだな。本当に検証するべきは、そうじゃないだろ、カネメもひとつだけど、このプロジェクトそのものを検証するんだろ。
熊:それは、例えばどんなことですか。
隠:まず第1にだね、国会答弁したことを、国会の外で全く逆方向に前言をコロッと翻した首相の頭の中の検証だよ。国会はバカにされたんだよ。
熊:あっ、それですかあ。ほかには?
隠:例えばだな、なんであんなでかいものが要ることになったのかとか、なんであんなでかいものをあそこにつくることが風致地区許可基準を変更してまで可能にしたのか、なんであんなでかいものをつくれるように地区計画を決めたのか、あんなでかいものをつくるようなコンペの募集要項自体が正しかったのか、そしてさらにオリンピック誘致そのものが必要なことなのかとか、そういうことだよ。
熊:まさかあ、ご隠居、そりゃ第三者委員会に期待しすぎですよ。まあ、カネメだけしかやらないような感じですよ。
隠:うん、わたしも実はそう思っている。あのメンバーじゃ都市計画問題やオリンピック誘致問題まで考えが及ばないね。アンダーコントロールって嘘ついて誘致成功した件とか、無理だろうね。
熊:やっぱりねえ。でもアベサンのことだから、民主党政権時代に決めたことばかりを、第三者委員会に突っつかせるかもしれませんね。
●カネメ高騰の技術検証は簡単だが裏事情検証は無理だろうな
隠:あのね、建築工事のカネメのことだけなら、検証なんて簡単だよ、だってこういうものは設計過程で詳細に工事費積算しつつ行きつ戻りつしてやるもんだからね、資料をみればなにが高いとか簡単に分るよ。
熊:あ、そういうもんですか。あの形とかアーチとか、高くなった原因でしょ。
隠:そうかどうか、積算書を見れば簡単に分るよ。それよりもだな、設計の各段階での積算結果に対して、だれがどのようにその結果にOKを出したかが重要なんだよ、予算オーバーしたら設計変更をして下げるもんだよ。
熊:じゃあ、オーバー分を予算に上積みするって決めることもありますね。
隠:そういう時は、設計者じゃなくてJSCや文科省の役人が決めるよ。そして役人に手続きの誤りはないもんだよ、それが商売だから。
熊:それじゃあ、手続きはちゃんとしてるけど、工事費は高くなったってことですね。でも役人が工事費を出すんじゃないでしょ。ありゃ税金だから、国会できめる予算ですね。
隠:だから、髙くなるって時は、政治家のどなたかに裏で了承をとってるんだよ。だから1300億円を超えて3000億とか2520億とか公式発表したんだよ。
熊:でも、それを政治家のアベサンにちゃぶ台返しされたでしょ。
隠:だからアベサンは政治家の森親分に了承を取ったんだよ。
熊:あ、なるほど、そこらあたりに高くなった原因がありそうですね。第三者検証委員会は政治家に首を突っ込めるかなあ。
隠:ま、無理だろうね。カネメのことだけなら、検証は必要ないようなもんだよ。途中で工事費値上がりに対してチェックが甘かった、オリンピックだから工事費は何とかなるだろうと見通しが甘くなった、文科省とJSCの担当者を叱りおくべし、てなところで、もちろん有識者会議の責任なんぞ言いようもなくて、当たり障りのない検証で終りだろうな。
●コンペであの案選んだからカネメが高いのか
熊:でもね、最初のコンペで、あんなに高くなると分かっていながら、ザハ・ハディド案を一等賞にした、あの審査委員長の安藤忠雄がけしからんと、世の中では言ってますよ。
隠:世の中っていうよりも、誰かに尻をもちこむと分りやすいからと煽るマスコミだろ。庶民はカネメの高さと言い、アンドーが悪いと言い、分りやすいことしか分ろうとしないからね。
熊:もしも2等案ならもっと安かったかも。
コンペ2等賞 コックス案 |
隠:絶対にそんなことないね。他の案だってそうだよ、だってね、もとが全く同じ条件で作ってるんだからね。
熊:それに加えて、その後にあれこれ要求が出たでしょうからね。隠:アンドーさんへの非難が大きく聞こえるのは、気の毒だね。どこかあのエリートじゃないたたき上げ建築家に対して、やっかみ半分足引っ張りが感じられるよなあ。
熊:そりゃ考えすぎでしょ。でも、あの人は長屋住宅とか店舗しか教会くらいしか設計したことなくて、こんなでかいものは審査能力あるんですかね。
隠:そりゃ失礼というもんだよ。安藤さんには大きな設計もあるし、人柄は知らないけど、能力ある建築家だと思うよ。あのコンペは、アイデアのデザインを募集するもので、その後の設計作業で詰めをすることになってたんだよ。もちろん1300億円という目標額はあったけど、アイデアまでで、工事費積算書まで付けるようなコンペじゃなかったからね。あれでいいんだよ。
熊:そういうもんですかね。でも、イギリスの建築家じゃあ、日本のことをよく知らないでしょ。大丈夫ですかね。
隠:だから日本の一流設計事務所が何社も寄ってたかって設計に加わってるよ。なかにはコンペでザハ・ハディドに負けたところもいて、なんだかおかしいけどね。
熊:あ、わかった、負けて悔しいので、こうやって白紙見直しに持っていくように設計して敵討!。
隠:おまえバカだね、ここまでハディドも一緒にやってたんだよ。
熊:あ、そうでした。そういえば、ハディドの事務所は、突然キャンセルされて文句言うてますね。あたしのせいで工事費が高くなったってなんてデマを、日本じゃ飛ばしてるとか、怒ってるようです。
隠:そうだね、日本の建築家は腰抜けだから何も言わないけど、イギリスの建築家は職能に厳しいから、もしかしたら訴訟するかもね。名誉棄損とか損害賠償とか。
熊:契約一方的キャンセルで損害賠償払うことになったら、また税金で払うんでしょ。バカらしいことになりますねえ。
●また性懲りもなくコンペやるってどういう積もりなんだろ
隠:さて、これからどうするんだろ。またコンペをやるとか文科大臣が言ってたよなあ、懲りないバカだね。
熊:で、またザハ・ハディドが一等賞になったりしてね、ひひひ。
隠:ははは、でもねえ、こんどコンペしたら、これまでJSCに雇われていた設計事務所やゼネコンが絶対的に有利だよなあ。
熊:あ、そうそう、詳しいこと全部知ってるんだもんなあ、不公平ですね。それらは応募資格なしにしますかね。
隠:そうしたら、裏でその事務所やゼネコンの協力を得て応募したところが勝つにきまってる。だから他の連中は応募しない、今度やるのは事実上の談合コンペだろうね。
熊:やれやれ、バカらしい。コンペ主催する費用もばかにならないでしょうし、再度の設計料も払わなきゃならんし、なにやってるんですかね。
隠:まあワンマン社長のひとことで、現場の連中は真っ青になって怒りつつ、てんてこ舞いしてるだろうなあ、。
熊:第三者検証委員会のお守までやることになって、可哀そうに、。
隠:まあ、あたしゃね、新国立競技場にもオリンピックにも興味なんて、ぜんぜん無いんだから、どうでもいいんだけどね。
熊:あれ、じゃあ、なんでこんなに面白がってるんですかい。
隠:うん、競技場やオリンピックの周りで世間に騒ぎが起きると、それが面白いんだよ。これからもどんどん問題が起きてほしいねえ、ボケ防止になるからな。
熊:それにしても、なかなか深刻な問題ですよね、さすがにシンコクリツ。
隠:サブッ、うん、深刻率狂気じゃあ~。
参照
◆「あらかじめ発掘された遺跡―安藤建築の風景」
https://sites.google.com/site/machimorig0/ando-tadao
◆【五輪騒動】新国立競技場建設と神宮外苑再開発瓢論集
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html
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