2008/08/06

026【老いゆく自分】昔々は山岳部でロッククライミングをやっていたもんだが、

 大学時代は山岳部にいて、本格的なロッククライミングを楽しんだ。あたりまえながら今は不可能だ。
 一昨年にヨーロッパアルプスに行って、登山電車やロープウェイで登っては歩いて下るという、登山ならぬ下山をやって、アイガーやらグランジョラスやらグレポンやら、はるか昔の夢の中の憧れであった岩壁を眺めてきた。
 そういえば、自分の足と手で登った日本の穂高や剣岳の岩場を、もう長らく眺めてもいない。

 先日、韮崎に住む友人(盲人用ハイテク電動車椅子発明者の森英雄)と一緒に瑞牆山の麓に車で行って連なる岩峰をはるかに眺め、その一部のカンマンボロンとよばれる岩峯の直下までよたよたと登ってきた。

 森林を登り詰めて直立する岩の足元までたどりつくと、ものすごい屹立した岩場であり、上空に巨大なオーバーハングが突き出ている。今は人工登攀が当たりまえらしく、岩の面に直接にボルトを打ち込んだままにしているのも見える。

 学生時代ならば、ここから取り付き、あのリスにハーケンをうち、こちらのチムニーを登り、大オーバーハングを巻き込んで、などと登攀ルートを考えつつ登ったかもしれない。
 久しぶりに日本の岩登りのトレーニング場にやってきて、昔の雰囲気だけ思い出して帰ってきた。今度は剣か穂高に行ってみたい。センチメンタルジャーニーである。

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