北京オリンピックの男マラソンを見た。例によってマラソンそのものには興味ないが、北京の都市風景がどのように出てくるか興味を持ってみた。
マラソンのTV中継放送は、いながらその地域の風景がみられるので、たまに興味を持って見ることがある。オリンピックマラソンを見たのは、シドニーのほかにバルセロナだったかアテネだったか忘れたが、3度目のような気がする。
世界中に北京という中国首都の都市風景を同時中継で見せるのだから、多分、国家の威信をかけてその現代都市の表の風景だけを見せるに違いないだろう、コースもそのように決めているだろうと、あらかじめ偏見をもって見始めた。
結果はその通りであった。
超広い道路、林立する高層建築、高架道路、手入れの行き届いた花壇や並木、、、世界の都市のありふれた表の顔そのものであった。
北京の人の顔も見えなかった。日本だと沿道観衆の振る小旗が走者にあたるのではないかとはらはらすくくらいなのに、走者と観衆はものすごく隔てられていて興が冷める。
北京らしい生活景はまったくでてこなくて、ほんとにつまらなかった。
天安門を走る走者は、いかにも国家ランドマークへの敬意を表するごとく、走者がいるのかいないのか分からない、巨大な毛沢東の顔ばかりが目立つ静止画像と見まがう写し方だった。
そして、「鳥の巣」競技場は、それに対する新たなランドマークのように見えた。
私はこのヘルツォーク設計のデザインは、天安門とは対極のデコンストラクションで、中国に対する文明批評になりえている建築であると、この風景を見るまでは思っていたのだ。
ところが、こうしてみると、これは天安門と並ぶ新たな時代の国家ランドマークになりえているかもしれないと思うようになった。中国は無理やり何でも飲み込んでしまうのか、。
これが今回マラソンTVをみた一番の収穫だった。
アナウンサーがやかましいので音声をOFFにしていたから、北京の街の音も分からなかった。
参照→170はるかなるベルリン
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