2012/02/19

585出戻りお目見え近い東京駅姐さんと紙ヒコーキビル

今朝の新聞に一面広告、「2012年10月3日東京ステーションホテル開業」とある。この3年前だったか、お化粧のためにしばらく休業だった。
 1914年開業だから98年目のお化粧直しのお目見えである。丸髷結って、カンザシいっぱいさして、赤いドーランの厚化粧、大年増姐さんの風情である。
 悲惨な戦争から戦後復興の象徴であった古典とモダンの融合した、伊藤滋(都市計画家じゃなくて別人の建築家)の名作の姿は消え去った。

で、本物は今はどうなってるんだろうと見れば、おお、化粧前掛けの後ろの上に、丸髷が見えるよ。
南のほうにゆけばほぼ被り物も肌着もなくなって、おお、片肌脱ぎだよ。
 中ほどはまだ被り物があって、ちょっとしたクリスト風のパーフォーマンス。

 あ~あ、とうとう復原という破壊が成立したらしいよ、まあ、この20年ほど復原反対論を唱えているだけで、運動は全然する気はなかったから、しょうがないや。
 これが出来上がるこの夏ごろの、世間と建築界とがどう評判とか評価するか、それが楽しみである。
 これは歴史評価の踏絵となるはず。

 わたしも2007年から書きかけのままの「東京駅復興(その3)」(東京駅の保存は八十島委員会でどう検討されたか)を、そろそろ書き上げねばなるまい。


 隣では、対照的に真っ白な東京中央郵便局、じゃなかったJPタワーの根元が、こちらもそろそろ被り物を脱いで顔見世が始まりつつある。
 その真っ白な箱に真っ青な紙ヒコーキが天から舞い落ちてズブリと突き刺さっているのであった。9.11のパロディ。


東京駅復元反対論集(伊達美徳「まちもり通信」内)
まちもり通信(伊達美徳アーカイブズ)

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