1914年開業だから98年目のお化粧直しのお目見えである。丸髷結って、カンザシいっぱいさして、赤いドーランの厚化粧、大年増姐さんの風情である。
悲惨な戦争から戦後復興の象徴であった古典とモダンの融合した、伊藤滋(都市計画家じゃなくて別人の建築家)の名作の姿は消え去った。
で、本物は今はどうなってるんだろうと見れば、おお、化粧前掛けの後ろの上に、丸髷が見えるよ。
南のほうにゆけばほぼ被り物も肌着もなくなって、おお、片肌脱ぎだよ。
中ほどはまだ被り物があって、ちょっとしたクリスト風のパーフォーマンス。
あ~あ、とうとう復原という破壊が成立したらしいよ、まあ、この20年ほど復原反対論を唱えているだけで、運動は全然する気はなかったから、しょうがないや。
これが出来上がるこの夏ごろの、世間と建築界とがどう評判とか評価するか、それが楽しみである。
これは歴史評価の踏絵となるはず。
わたしも2007年から書きかけのままの「東京駅復興(その3)」(東京駅の保存は八十島委員会でどう検討されたか)を、そろそろ書き上げねばなるまい。
隣では、対照的に真っ白な東京中央郵便局、じゃなかったJPタワーの根元が、こちらもそろそろ被り物を脱いで顔見世が始まりつつある。
その真っ白な箱に真っ青な紙ヒコーキが天から舞い落ちてズブリと突き刺さっているのであった。9.11のパロディ。
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