グーグルアースで、東日本大震災の津波で、仙台若林区の海岸の防風林として作った松林が、大木なのにまるで草のようにきれいにひれ伏しているのを見て、どうして松なんて根の浅い木を植えたのだろうと不思議に思っていた。
それは多分、砂丘だから土に養分がないので、最初は松しか育たないから松を植え、そのまま松林を維持してきたのだろう。
できるだけ早く根の深い常緑広葉樹林に移行させる考えはなかったのだろうか。
そんな疑問を抱いていて、知人からこんな動画がネットにあるよと教えてくれた。
http://www.youtube.com/watch?v=gDOEs2_ONGM&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=M3BENrrhJJM&feature=related
どちらも、宮脇昭さんが登場して、震災復興のための森づくりを語る。
宮脇さんは高名な植物生態学者で、わたしと同郷で個人的に旧知の間柄である。
その土地本来の自然の樹種による「ふるさとの森」を作れ、土地に合わない偽物の木を植えるなと唱え、実際に実行もしている。
彼が作った有名な森は、横浜国大である。ゴルフ場だったハゲ地を、深い森のキャンパスにつくりあげた。
今では、森の中に大学を作ったのだろうと、誰もが思っているくらいだ。
http://datey.blogspot.com/2008/05/httpwww.html
動画の中の宮脇さんは、松林がもろくも津波になぎ倒されたのは、根が浅いからだ、復興の森作りは、根の深いシイ、タブ、シラカシ、マテバシイなどの常緑広葉樹で作れと言っている。
その森の基盤は、津波や地震出てた瓦礫や廃材を砕いて土と混ぜつつ、穴に埋めて、さらに盛りあげて小山をつくるのである。だから小山の森となるのだ。
これは、わたしが言ってきた「核毒の森」づくりそのものである。
http://datey.blogspot.com/2011/08/47921.html
その動画に、現地の森を見る宮脇さんが登場して、この津波でも倒れなかった常緑樹の森は、イオンの森だという。イオンとは小売量販店のことである。
イオンは自分の店の周りや、中国の長城あたりでも木を植えて森を造る事業をやっていて、それを宮脇さんは指導しているのだ。
たしかに常緑樹の森(林か)は、松林のように倒れなかったが、店舗は無茶苦茶になったから、宮脇さんご自慢のイオンの森も津波除けにはならなかったらしい。
宮脇さんがしきりにイオンの森イオンの森というのを聞いていて、なんだか違和感が沸いてきた。
いや、宮脇流森づくりはわたしも大賛成だし、実際に自分のやった仕事で宮脇流森づくりをしたこともある。
http://homepage2.nifty.com/datey/kawada05-09.htm
だが、イオンと津波は、よく似ているよなあと思ったのである。
大型店を郊外につくって、その影響がドド~ンと街の中心に押し寄せて、街中がたちまち空店だらけになるのは、津波そのものである。
いや、津波よりも原発の放射性物質ばらまき拡散のほうが近いか。何年にもわたってじわじわと生活圏を壊していくのだ。
イオンの自然の森づくりは、その街壊し放射線加害の補償のつもりでやっているんだろうか。
なんにしても、高田の松原をつくった菅野杢之助の功績はほんとうにえらいと思うけれども、センチメンタルにまた松林復旧ではなくて、宮脇さんの唱える潜在自然植生の樹種で森の復興をするべきであろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿