横浜みなとみらい21新港地区における結婚式場計画について、これまであれこれと思い付きを9回も書いてきた。きりがよい10回目であるが、そのまえにまた番外を書く。
建築家がいろいろ言っているらしいが、世の庶民がどういっているのか、どうも聞こえない。
7月10日に日本建築家協会の主催でこれについてのシンポジウムがあると聞いたので、建築家の会の主催だからと期待しないで参加してきた。建築家、景観研究者、法学者の3人の出演であった。
結論から言えば、いちばん聞きたいことを聞けなかった。
それは、あの結婚式場のデザインはなぜ悪いのか、ということである。あれは悪いものだ、そういう前提での話ばかりであった。
そもそもわたしのような庶民には、あれのどこの何が悪いのかを話してくれないと、議論そのものにはいれないのだ。
どうも、都市美観審議会が悪いといったから悪いんだ、という感じである。それでは学識のある委員の偉い人の権威にたよるだけで、まったくもって説得力はない。
では審議会では、説得力ある言い方でこれが悪いと審議されたかといえば、議事録を見る限りでは分りにくい。
西洋物真似が悪いと言われも、どこが物まねで物まねのなにが悪いのか。テーマパークみたいで悪いといわれても、そばの遊園地はどうしてよいのか、庶民はテーマパーク大好きである。
せめて、あのデザインは下手クソだから悪い、といってくれると庶民にもちょっとは分りやすいのに。
建築家協会の主催なら、審議会委員の建築家と結婚式場の設計をする清水建設の建築家を議論に入れるべきであった。
当事者の話を聞かずにそれを非難しても、庶民には不可解でなんのことやらである。
大衆があのポピュリズムデザインを欲しているからこそ、事業者がそれを供給し、そのデザインをする建築家がいるのである。
それに建築家が反対の陣を敷くなら、なぜ紅葉坂にあるアレ、みなとみらい21高島地区にあるアレ、馬車道駅そばにあるアレとかについて、反対の論陣をはらないのか。
いつもながら建築家の言うことは高踏的で分りにくい。法学者の言うことのほうがよくわかったのが、おかしい。
●横浜港景観事件(1)~(9)はこちら
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