2013/10/08

840人気作家ダンブラウンには日本文化のアドバイザーがいないらしい

 歳をとってきたから、やるべきことをやれるうちにやっておかなければ、近いうちにやろうと思ってもやれなくなるだろう、と、若干は焦り始めている。
 とはいうもののの、その「やるべきこと」が実はどうでもよいことで、「やるべき理由」が特にあるわけでもない。だから、まだいいやと思って先延ばしにする理由をかんがえてしまう。

 その「やるべきこと」のひとつが、うちの本棚にある何百冊かの未読本を、読み切って制覇することである。
 仕事ですぐに必要なものは買ったらすぐに読んだが、趣味的に面白そうだなあ、とりあえず買っておいて、あとでヒマな時に読もう、そう思って買った本が、暇になった今も未読のままになっているのだ。もったいないなあ。だからもう、本を買うのはやめた。

 いまこそ暇だから制覇しようととりかかるのだが、なにかの調べごとで市立図書館に行くと、いろいろな本に目がくらんで、ついつい借りてきてしまう。だから未読本制覇はなかなか進まない。

 市立図書館で借りてくる本に、英語のペーパバックの3文小説がある。読むのに日本語よりも時間がかかるからヒマつぶしになる。こんなものを読むよりも、うちの本棚にある未読本を読むべきだと思いつつも、うっかり借りてきてよんでしまう。

 それでただいま読んだのが、Dan Brown著『Digital Fortres』である。1998年刊行だから、もう翻訳物『パズル・パレス』となっているらしい。
 読んでしまって、バカバカしかったなあ、時間の無駄だったと後悔したが遅い。
 その内容はネタバレになるから書かないが、ちょっと妙なところが気になったので書いておく。

 重要なキイとなる人物として日本人が登場する。その名がEnsei Tankadoと言う。
 これは漢字でどう書くのだろうか。姓は丹角なんてのは聞いたこともないし、名を円生と書いたら噺家になってしまう。
 Takado高戸とすればよさそうなものを、と思いつつ読んでいくと、あとのほうでこのTankadoのnが英語的に意味を持ってくるのであった。それにしてもおかしいよなあ。

 Tokugen Numakataという人も出てくる。この“沼形徳元”?さんは、akuta sameと業界では呼ばれているのだそうだ。akuta sameの説明が書いてあり、the deadly sharkだそうである。sameは日本語と分かるが、akutaも日本語なんだろう。どんな字を書いてdeadlyの意味になるのだろうか。
 この沼形さんの嗜好品にUmami cigerがある。旨味煙草であろうか。こういう銘柄の葉巻タバコがあるのだろうか。

 Soshi Kutaなる日本人らしい女性が登場する。この“苦田素子”?さんは、日本文化の基底には素数があるといい、俳句は3行に書き、5,7,5音だと解説する。なるほど和歌も都都逸も素数並びである。でも能は8拍子が基本であるよなあ。

 ダン・ブラウンには、日本文化についてチェックする人がいないのだろうか。これらは翻訳本にはどうなっているのだろうか。
 以前にJ・アーチャーの三文小説に、日本にはビルを倒してしまう草があることが書いてあり、その小説で重要な役割を持つのだが、これにはびっくりしたことがある。彼の本にも日本人が登場するが、D・ブラウンほどおかしな名ではない。

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