2013/10/14

845初めての文楽見物で「生写朝顔話」を観てきて歌舞伎よりもちょっと面白かった

神奈川県青少年センターに文楽公演を観に行った。住処の近くだから、国立劇場に行くより便利である。
演目は「生写朝顔話」(しょううつしあさがおばなし)の、明石船別れの段、笑い薬の段、宿屋の段、大井川の段。
ストーリーは、恋する男女のすれ違い譚で、昔話「君の名は」である。あ、君の名はもいまや昔話であるよなあ。

実は文楽の実物を見たのはこれが初めてである。映像などで一応は知っていはいたが、舞台が大きいのには驚いた。人形劇だから小さいと思い込んでいたが、実物の7割くらいの大きさだろうか。

人形遣いの姿を見慣れないうちは気になるが、やがて慣れてきて気にならなくなった。
それにしても3人でひとつの人形を動かすのは、なかなかその息を合わせるのには厳しい修業がいるのだろうと思う。

竹本あるいは豐竹大夫の浄瑠璃は、それ自体が顔と声で泣き笑い怒り狂う演技であり、なるほど、昔はこれを美しい娘がやって大人気だったということが分るような気がした。

文楽のどこが面白いのか、これ見ただけではわからないが、初めての文楽は、それなりにおもしろかった。
人形の所作と浄瑠璃語りの面白さが、歌舞伎とは違う面白さのような気がした。歌舞伎のように人間が演じたら臭くなる演技も、人形にやらせるとみられるということもありそうだ。

演技者の中に浄瑠璃の豊竹咲大夫と三味線の鶴澤燕三がいたが、このふたりだけは知っている名であった。だいぶ前に、能楽師の野村四郎の謡かたり三人の会の公演に出ていた人である。

これを見て昔を思い出したのは、少年時代に読んだ講談本である。そのなかに朝顔日記というのがあって、これが本日の出し物の講談版であるらしい。
大井川のほとりで盲目の女が恋しい男を探してうろうろする話だった、覚えているのはこれだけ。

参照:謡かたり三人の会「隅田川」
http://homepage2.nifty.com/datey/nomura-siro/2005utaikatari.htm
参照:コラボレーション能「謡かたり隅田川」を見る
http://homepage2.nifty.com/datey/nomura-siro/nomura-utaikatari.htm

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