2017/04/17

1262【横浜ご近所探検】半世紀前に建ったモダンデザインの防火建築帯ビルは生きながら廃墟化の道を進む

ふらふらと長者町通りの商店街を徘徊していたら、「長者町8丁目共同ビル」一階の店にシャッターが下りて、張り紙に「閉店のお知らせ」と書いてある。
 その理由として、「ビル老朽化の為」とある。

 でも、この店のあるビルは4階建ての共同建築だから、この店1軒だけが老朽化ではなくて、ビル全部がボロボロになったのだろう。
 他の店には張り紙はまだ無いが、そのうちに閉店のお知らせが順々に登場するのだろう。

 このビルは、今から60年ほど前に、土地所有者8人が共同して建築した「防火建築帯」である。いよいよ、今度こそは本当に取り壊して、新ビルに建替えるのだろうか。
 「今度こそは本当に」と書いたのは、だいぶ前にも同じことがあり、このブログに書いた記憶があるからだ、探したら、あった。
 2013年6月19日 http://datey.blogspot.jp/2013/06/797.html

 4年前にも、別の店が「建物老朽化に伴い、お客様の安全が確保できない為」に閉店すると張り紙をしていたのだ。
 だがこのビルは今まで取り壊しもせずに建っている。
 たぶん、建替えしようとしているのだが、8人の持ち主の気持ちがそろわないので、いまだに壊せないのだろうなあ。

 ビルはどんどん汚れてきている。
 上のアパート階の外廊下には、手すりがわりのベニヤ板がボロボロにめくれていく。プレコンに塗ったペンキがボロボロと剥げていく。
 中央図書館への往復で前を通るたびに、この生きた廃墟化の過程を興味深く観察している。

 この建築デザインを専門家筋から見ると、戦後モダンデザインとしてなかなかよいものである。さすが横浜の名建築家・吉原慎一郎の設計だ。
 きちんと改修すれば見栄えの良いビルに変身するはずだ。ほったらかしは惜しいなあ。

●参照:「横浜ご近所探検隊が行く
http://datey.blogspot.jp/p/blog-page_19.html
 

0 件のコメント: