ここに建築家山口文象の作品も登場している。それの作品とは、1924年の創宇社第2回展点にパースを、同年の分離派第4回展には模型を出品した「丘上記念塔」である。
パース原版も模型も失われている(いつも展覧会打ち上げパーティーで川に放り込んだとか)から、パースは本からのコピーで、模型は復元して展示している。
パース原版も模型も失われている(いつも展覧会打ち上げパーティーで川に放り込んだとか)から、パースは本からのコピーで、模型は復元して展示している。
このコンテで描いたパースは、実にすばらしい絵だと当時の建築家志望若者連中がこれを見て憧れ、山口文象がリーダーの創宇社建築会に入会者が増えたという。
メンデルゾーンのアインシュタイン塔を連想させるデザインは、確かに日本の表現主義の建築における萌芽の時代を思わせる。
創宇社展ポスターはメンバーが順繰りに描いたそうだが、第1回及び第3回のポスターは山口作で、これは竹村文庫に保存されている実物が展示されている。
もうひとつの山口文象作品は、前衛劇「ドイツ男ヒンケマン」舞台装置である。これは写真展示であるが、1925年に創宇社第3回展に出品している。その頃に山口文象たちは、「劇場の三科」なる演劇団体を結成して、前衛劇を演じたのでそのひとつである。
もうひとつの山口文象作品は、前衛劇「ドイツ男ヒンケマン」舞台装置である。これは写真展示であるが、1925年に創宇社第3回展に出品している。その頃に山口文象たちは、「劇場の三科」なる演劇団体を結成して、前衛劇を演じたのでそのひとつである。
同時期の建築家の作品は、山田守の「聖橋」がでているが、これも展示されてはいないが山口文象が設計のために描いたコンテパーすが存在しているのだ。
岩元禄による「京都西陣電話局舎」もでているが、これも山口文象によれば岩元を手伝ったという。
そのほかには石本喜久治、堀口捨巳、滝沢真弓など分離派の作品展示が多いなかで、金澤庸治とか川喜多煉七郎のような、少しアウトサイダーの作品があるのが興味深い。
時代相から言えば山口文象も基本はアウトサイダーであるが、あるときからインサイダーになったという才能の持ち主である。
時代相から言えば山口文象も基本はアウトサイダーであるが、あるときからインサイダーになったという才能の持ち主である。
それにしても、建築、絵画、彫刻、工芸、写真、演劇、映画などの多ジャンルを、表現主義という断面を横断してみるのは、実に面白くて興味が尽きない。
おお、これもそうなのかと思いつつも、あまりに多すぎてとても消化しきれないのは、こちらの能力の限度をこえているのだから仕方ない。
おお、これもそうなのかと思いつつも、あまりに多すぎてとても消化しきれないのは、こちらの能力の限度をこえているのだから仕方ない。
とにかく面白いから、12月8日から松戸での展示を見ることをお勧めする。
●躍動する魂のきらめき-日本の表現主義-展
明治維新以来、およそ40年をかけて、日本はようやく一通りの近代化を果たすことができました。ヨーロッパという明確な目標があった時代には、ひたすら選考するモデルを追いかければよかったのですが、自らを一人前として自覚するようになったら、今度は何を目標とするか自ら考え出さなければなりません。こうして明治末すなわち1900年代から、何に向うべきか、またその問いをどう表したらよいのか、日本の表現者は自ら問わなければなりませんでした。(松戸展案内より一部引用)
・開催期間 2009年12月8日(火)~2010年1月24日(日)
※休館日-月曜日(ただし1月11日(月)は開館し、翌12日(火)休館)
12月28日(月)~1月4日(月)
・開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
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