香り風景百選というのがある。日本中で香りがある街を100箇所選んでいる。環境省大気環境局が肝いりというところが、意図を考えさせられる。http://www.env.go.jp/air/kaori/index.htm
大部分が花のような自然植物が香るのだが、中にはせんべいを焼くときの醤油とか塗りものの漆、醸造する過程の酢や醤油などもある。
これらは香りだから、嗅いで気持ちがいいところであって、だから臭い百選ではないのだろう。
田畑では時期におうじて、肥料、焚き火などの臭いやら香りが漂うのだが、これは当たり前すぎるのか百選にはない。
市場の漬物や揚げ物のにおいとか、路地裏の夕餉の香りも、もちろん選ばれていないのも、当たり前すぎるからだろう。
街が臭うといえば、40年以上も前のことだが、大阪のある地区をバスで通ると強烈なにおいがいつもしていたことがある。そのあたり全部がそれはもう吐き気を催すようなすごい臭いである。
聞けば、動物の皮をなめして靴などの材料にする町工場が沢山ある地区だそうである。ものづくりの過程で発生するのである。
それがどこであったか思い出せないが、今はどうなっているのだろうか。ほかの都市にもそのような地区があるはずだがどうなのだろうか。技術革新で臭いを消す方法が今は発明されているだろうか。
化学プラントやゴミ処理場からの悪臭も、なめし皮工場も基本的には産業の発する臭いであるが、大企業ではない零細な町工場群ではどうしているだろうか。
いっそのこと「臭い風景百選」てのをやってみてはどうか。
●追記(2010.01.07)
知らなかったけど、やっぱり危惧していることが起っている。
今日の朝日新聞朝刊に、「人口の香り 街を漂う」との見出しで、アバクロなるアメリカ安売り屋が銀座に店を出していて、その店は全館に人工の臭いを流しているのだそうだ。そしてその臭いをトラックで町中にふりまいて走っているのだそうだ。無差別テロ行為そのものである。 嫌だ嫌だ、公害、香害、臭害である。
どこやらの肉屋では、すき焼きの人口臭を流しているともある。勘弁してくれ~。
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