江戸期以前の歴史がない街だから、1世紀半ほどの期間である。
以前に戦後史ー特に戦後復興期の研究をやったことはあるのだが、幕末開港から現代までを通して見ることにして、地図や写真類を並べて歴史年表を作成編集したら、実に面白かった。
中でも興味深いのは、1959年開港から100年ほどの間に人災と天災による3回もの壊滅復興と、江戸期以前を欠く街の歴史文化編集という、二つの系統の大悪戦苦闘である。
1.横浜都心関内関外まちづくり史概観
■概略の年代区分
・創生期の壊滅から生成期
1959年~幕末無理矢理開港、幕府による出島型開港場既成事実化
1866年~豚屋火事による壊滅から都市計画的整備
1873年~吉田新田埋立てにより出島型から盆地型都市へ
ぺリー、ハリス、パークス、オールコック、ブラントン、モレル、ブリジェンス
清水喜助、吉田勘兵衛、高島嘉右衛門
・震災壊滅から復興と成長期
1923年~関東大震災による壊滅からの復興と成長そして戦中衰退
池田宏、牧彦馬、妻木頼黄
・戦争壊滅から復興期
1945年~横浜大空爆と占領接収による壊滅からの復興
マッカーサー、平沼亮三、渡辺銕蔵、畔柳安雄
・高度成長開発期
1963年~革新市政と参加型政治による基盤整備と開発誘導調整
飛鳥田一雄、田村明、岩崎駿介、国吉直行
・都心重心移動期
1990年代~横浜駅周辺とMM21地区へと都心重心が移動中
■僻地立地選択と僻地脱却のあがき
・僻村の横浜村を神奈川の一部という幕府の詭弁
・横浜駅の3度もの移動(桜木町→高島町→現横浜駅)
・戦後接収のため復興が遅れて横浜駅周辺に都心重心が移動
・港湾流通の消長に命運を任せる都心からの脱却
・横浜駅前からMM21開発で新旧都心無理矢理連結再編
■江戸期を欠く都市の歴史発掘と文化編集
・臨海部A級観光地から寿町ドヤ街スラムまでピンキリ文化圏再編集
・江戸期の歴史をもたない後発都市の歴史文化発掘編集
・多民族多様異混在文化編集
・アーバンデザイン手法による視覚的価値編集
・創造都市政策による都市文化政策による価値新規創作編集
2.横浜都心関内関外まちづくり史年表(こちらを参照)
https://sites.google.com/site/matimorig2x/y-tosin-nenpyo
■関連まちもりサイト内ページ
◆横浜都心の戦後復興期残影と高度長期残滓(2013/07)
◆横浜みなとみらい21新港地区景観騒動、横浜都心の景観(2012)
◆歴史の証言としての建築記録保存(復興小学校2010)
◆横浜都心関内関外まちづくり史年表ー開港から現代まで(2016/06)
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