熊五郎:こんちわ―、ご隠居、寒くなってきましたねえ。
ご隠居:おや、熊さん、いらっしゃい、焚火でもしようかね。
熊:でも、こう風が吹いてちゃあ、長屋に燃え移るかも、やめましょ。
隠:どうも、景気が悪いね、この辺でなにか一発ドカンと、いいことないかい。
熊:そりゃやっぱり、宝くじ、パチンコ、競馬、競輪、、。
隠:庶民そのものだな。そういやあ、賭博場を日本でも作ることができるようになるらしいね。
隠:なんだ、IRって、AIとか、IPとか、ICとか、またかい。
熊:いや、統合リゾート法、Integral Resortっていうらしいけど、要するにギャンブル遊園地を許可するってことらしいです。
隠:その遊園地では、どんな賭け事をしても処罰対象にならなんだね、いいなあ、賭け麻雀、賭け碁、賭けゴルフ、オイチョカブ、チンチロリン、、。
熊:古いね、ま、よく分らないけど、マカオとか香港とかラスベガスにあるような、カジノって賭博場をつくって、開帳してもいいらしいですよ。
●日本を取り戻す親分さんたちの賭場開帳
隠:ふん、ルーレットかい、それが、なんで「統合リゾー」トなんだい。
熊:賭博場で夜っぴて遊ぶためにホテルもいる、飲食店もいる、家族で来れば遊園地もいる、ついでに国際会議も賭博場でやるってことらしくて、だからなんでもありの統合。
隠:ふ~ん、昔バブル景気のころにリゾート法ってのができて、あっちこっち山の中を開発して大失敗したけど、あれの都市版だな。こんどは失敗しないのかい?
熊:いや、それが儲かるのか儲からないのかよく分らないけど、国民の代表たちが儲かると言って議員立法するのですから、儲かるんでしょ、たぶん。
隠:ギャンブルだから、もちろん公営だな。
熊:いやそれが、民営でやらせて景気をよくするってことらしいですよ。
隠:やや、とうとう民営博打場をお許しになるんだな、こりゃ江戸時代のように、日本のあちこちで博打場を開いて儲ける親分さんたちが、再登場するんだな、清水次郎長とか笹川繁蔵とか、どなたさんも、よござんすか、さあ、張った張ったあって、う~む、そこまで日本をトリモドスのかい、、。
●国営賭博開帳して儲けを福祉と教育に投資
熊:さあ~、どうなんでしょ。でも儲かるから民営でやるんでしょうね。
隠:かならず儲かるなら、ますます民営じゃなくて、いっそのこと国営でやればどうだい、ほら、どえらい借金財政の国庫に、博打の儲けがドド~ンと入れば、たちまち財政健全化達成だよ。
熊:あ、そうですね、儲けは全て福祉政策の財源にするとか。
隠:そうそう、全部を老人福祉のためにつぎ込んでもらいたいな。ギャンブル法大賛成。
熊:勝手な年寄りだね、いや、やっぱり若者が希望をもてるように、教育につぎ込んで貰いたいですね。
隠:それもいいだろ、じゃあ、熊さんもわたしも、国営ギャンブル場開設ということで、IR法賛成だな。
熊:でも客が来てこそ儲かるんでしょ、だれが来るのでしょうね。
隠:パチンコ、競馬、競輪、競艇なんてやってる人たちだろ。
熊:え、カジノとなるとやっぱりどこかの王様とか、どこかのバカ社長とかのような気がします。あの場外券売り場の貧乏ったらしい姿の人たちじゃないでしょ。
隠:いっそのことその賭場に出入りできる者は、外国人だけ、日本人は高額所得者に制限するってのはどうだい。それで外貨をがっぽり稼ぐんだよ。
熊:高額所得者からもがっぽり稼いで、彼らへの税負担軽減分をここで取り戻すってね。
隠:まあ、なんにしても、わたしたち庶民にゃなんの関係もない法律だね。
熊:そう、そんなものが近所にあると喧しいから、この長屋の近くには作らないでほしいですね。
●人生そのものが大博打なのに今さら
隠:それにしてもだよ、この世はギャンブルだらけなのに、いまさらギャンブル公認かい。
熊:そういや、先だってアメリカじゃあ大博打で大穴がでましたね、トランプゲームで。
隠:そうそう、イギリスでもEU離脱なんて大ギャンブル、そうか、日本も負けてられないってことかな、地球は今やギャンブル宇宙。
熊:人生もギャンブルだらけですよ、特に結婚なんて、よくやるもんですよ。
隠:あ、そうだな、まさに相互依存症になってるな。
熊:まあ、生まれてくることそのものが大博打ですもんね。
隠:そしてね、いつかは必ず死ぬけど、それがいつかどこか分らないままに生きてるってのも、究極のギャンブルだよな。
熊:そして日常ではどこでもパチンコやってて、あ、そうか、この日本列島は既に巨大統合リゾートになってますね。いまさら法律は要らないですね。
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