わたしは日光角化症のことをぜんぜん知らなくて、
ある日偶然のきっかけから治療することになったのです。
この報告が、まだ日光角化症を知らない人たちに
役立つことを期待しています。
役立つことを期待しています。
なにしろ3,4年も前から起きているに、はじめの皮膚科町医者が気づかず、2度目の町医者が気付いて大病院を紹介してくれたのだから、世には似たような症状の例が多いだろう。
これまでも「大腿骨骨頭壊死症(誤診)」、「白内障」そして「第3腰椎圧迫骨折」を公開している。それなりに読んでいる人がいるらしく、時に問合せメールが来る。
やっぱり皮膚癌であるとの宣告だった。2017年8月20日横浜市大センタ病院皮膚科河野真純医師の御言葉である。
いや、本物の癌ではないらしいが、皮膚癌の早期の病変「日光角化症」であり、放っておくと「有棘細胞癌」になるという。つまり顔癌の早期症状、ガンガンモドキである。
最初に市大センター病院に来たのは夏も盛りの8月8日だった。顔のピンク斑皮膚から検査片を切り取ったのは8月28日、そしてもう秋風が立つ9月20日、検査結果がこの宣告である。
ダテサン、3番ドアからどうぞ、と案内放送が待合室に響く。「伊達です」「お待たせしました。河野です」なんて挨拶から始まる。
「結果が出ました。最初の見た目の診断どおりで、日光角化症です。いわゆる皮膚の中、ヒョウヒナイガンです。細胞自体は、一応、悪性細胞なんですよ。」
「ヒョウヒナイってなんですか」
「表皮があり、下にシンピがあります」
「シンピってなんですか」
しょうがない患者だと思ったらしく、河野医師は紙に皮膚の構造図を描きだすのであった。なるほどそんな字を書くのか、音だけだと神秘だよなあ。
「表皮の下に基底膜があり、その下に真皮、真皮の下に脂肪があります。表皮は基底膜から生まれ、その表皮に角質ができますが、表皮はターンオーバーと言って、常に生まれ変わっています。その基底膜の表皮側に癌細胞があるのですが、その下の基底膜をまだ越えていません」
医師の説明はこうなるらしいとまとめたのだが、専門語がいくつも出るし、主語をときどき飛ばして話すので、そのたびに訊く。
これは医師が話下手なのか、いやいや、わたしがボケて理解力が低下したのだな。
「これの治療方法は、患部表皮を冷凍して剥ぐ方法、あるいは手術で切りとる方法が、これまでの主流だったのですが、今ではクリームで患部の免疫を良くして細胞を追い出してしまう治療ができるようになったのです」
そうか、患部を取ってしまうのではなくて、塗り薬治療が今や先進医術であるのか。
「それで効果がない場合は別ですが、まずはこの治療方法を試されてはいいかですか。クリームを塗ると、今は見えない隠れている患部も薬に反応して出てくることもあるのです。日光角化症は境目がどこか分りにくいのです。有棘細胞がんになると、しこりを作ったり潰瘍になったりします」
ではクリームを塗るのってどうするのか。週3回、一日おきに寝る前に塗り、8時間後に洗い流すのだという。週3回以上塗ってはいけないし、連日して塗ってもいけない。ふむ、忘れないように塗るのがたいへんだな。
「それを4週間やって、次の4週間は塗らないで過ごし、その効果をみて治ったらそれで終了、治らない場合は更に繰り返します」
う~む、けっこう時間がかかるんだなあ。
「まず、左のこめかみとその周りを塗ることから始めましょうか。直径8ミリほどの紅斑の周りも広く塗ってください。但し25平方センチ以下。そうすると隠れている部分も出てきますから。見たところ、あちこちにそれらしいところもあります」
医師は顔のあちこちを指すのだが、わたしには他のほくろやあばたとの区別がつかない、こまった。
「左の治療が終ったら、右の患部の治療を始めましょう」
え、右左をいちどにやらないの、どうして?、一方を治療してから他方の治療では時間がかかるから、両方一度にやりたいとお願いしたのである。
「それはできないのです。薬の量が足りないのです」
えっ、じゃあ、2か所分の薬を出して下さいよ。
「それが医療保険の制約があり、その量を出せないのです」
ええッ、治療するための制度が、治療を長引かせるとは、不可解きわまる。
「保険制度のことは医師には分りません。2か所分の薬を出すとなると自費診療になるので、この病院ではできません」
ほう、両方を一度に治療するのが不可なのは、医療技術上の支障ではなくて、保険制度上の支障なのか、もしかして超高価薬で医療保険財政上の問題なんだろうか、保険が効いてもそんな高い薬を買うと懐のほうが病になっちまって困るなあ、不可解だなあ等ゴニョゴニョと言う。
わたしの質問攻めに医師が閉口したのか、こう言ってくれた。
「では紅斑部のまわりにあまり広く塗らないことにして、両方に分けて一度に治療する方法もありますが、そうしましょうか。そのほかの可能性がある小さな場所は、状況を見て別に治療しましょうか」
なんだ、それでもいいのならそうしようよ。でも、これで思わぬところが手遅れ癌になったら、あのとき患者のあなたのゴニョゴニョのせいだと言われるかもなあ、それは身から出た錆、いや、身から出た癌である。
ところで、これが癌になるには、どれくらい時間がかかるものか聞いてみた。なにしろこの歳だから、もう癌になりどこかに転移して、いつ死んでもかまわないのである。
「それは何とも言えませんが、10年くらいでしょうか。これは転移しにくい癌です。癌になると、顔面に腫瘍潰瘍ができてただれて、異臭を発して大変なことになりますよ」
おお、お岩さんになるのは困るなあ、その前になにかでコロッと死ねばいいけどなあ、そう都合よくいくかなあ、う~む、やっぱり顔面修復にとりかかろうっと。
てなことで、ボケヒマ老人を相手に、この若い女性医師は大変である。でも話に乗ってくれて、ありがとう。この間20分くらい、医師との会話を全部書くと長文になるので要約した。
本日の医療費は180円、 そして薬代は、4週分12包で15800円のところを、先月から1割負担なので1580円、確かに高い薬だが何とかなる。
次の診察は10月18日10:30からで、薬の効果を診るらしい。
では、これから火曜日、木曜日、土曜日、また火木土と4週繰り返す、ガンガンモドキ退治のハジマリハジマリ、はたして白面の美少年に戻るか、。
(つづく)
2 件のコメント:
日光角化症の説明図が良く書けており、発生経緯が理解できます。先生は丁寧な方だと思います。
薬で治療できるようになって良かったですね。薬の塗布方法に難しい条件があるようですから、工夫して実行してください。経過観察が必要ですから定期的に病院に行き、美人の先生に会ってください。
澤田さん、ブログコメントありがとうございます。メールも感謝。
これまで骨の事故で整形外科には何回もかかりましたが、ガンモドキ皮膚科って初めてなので、野次馬根性と好奇心満杯で、医師を質問攻めしたり注文つけたり、なんとも面白いことです。薬の塗り方も、あれこれ工夫しましょう。4週ごとに医師に診てもらいに行くので、また報告します。(伊達)
コメントを投稿