2020/06/23

1471【横浜コロナ風景その2②】横浜赤煉瓦パークに不思議な新しい生活様式の空間秩序が出現

横浜コロナ風景その2①】のつづき
コロナ禍のなか、緊急事態前、その最中、その解除後と、世の中変り方を見たくて、不要不急徘徊してきている。
 ご近所の横浜都心繁華街の定点(線、面)観測をしてみて、コロナの影響が大きいのは、なんといっても観光客を主体とする街であった。それは当然に予想できるし、現実にそうであった。
 その影響は一時的なことなのか、それともコロナ後にどう持ち越されるのか、興味深い。繁華街の街並み変化に興味はあっても、その内容や人出にあまり関心のなかったわたしにも、いろいろと興味深いことである。

 このコロナ禍横浜都心徘徊レポートは、コロナの影響が大きかったところから書くことにする。といっても、これは研究ではなくて、老人が暇つぶしに不要不急徘徊して、人出や休業店舗の多さなどの、目に見える感想に過ぎない。
 
 非常事態宣言真っ最中に、人っ子一人いなくなったと見えたのは、横浜港周辺の観光の街であった。観光名所として一番有名なところは、たぶん赤レンガ倉庫のあたりだろうが、ここは見事に無人の街になっていた。
 それは赤レンガ倉庫とというショッピングセンターが休業しているからだろう。だが、この広い外の空間では、コロナは関係あるまいと思うのだが、なぜこうもがらんとしているのか。
2020年4月8日 横浜赤レンガ倉庫とその広場
ここは港の歴史的な雰囲気を生かした公園としての環境デザインがすばらしくて、わたしも好きな場所である。
 そこがこうもガランとしていて、わたしはこの空間を独り占めして、赤煉瓦倉庫の姿を詳細につくづくと観察し、公園にある地下遺構も、そうか、こうだったかとゆっくりと眺めて楽しむ。わたしにとっては、今はコロナ様様であった。
 
 そして緊急事態が解除された先週、その最初の土曜休日は、横浜都心各地繁華街は、すっかりコロナ前の人出が戻ってきていた。
 そして赤煉瓦パークは、不思議な風景になっていた。ほお、これが新しい生活様式による外部空間の使い方というものか、ほほお、なんだか笑える。

 ここ自由で多様な活動を予期して作った何もない広場に、まるで学校の儀式空間のような長椅子がお行儀よく並べてしつらえられている。
 座る人たちはだれもかれもがみんな海のほうを向くように、長椅子の両端にはなれて座るように指示されている。ソーシャル・ディスタンシング・パークって言うものかな。
 みんなお行儀よく座っている、これからどなたか独裁者でもやってきて演説会が始まるのだろうか。
緊急事態自粛解除直後
2020年4月20日 人が戻ってきた赤レンガ倉庫広場の風景
いつまでもこうではあるまいが、広場という自由な使い方の空間が、コロナによって見事に秩序立てられている風景が出現していた。
 もしかして、コロナ後には、このような空間秩序がどこもかしこも出現し、空間ばかりか社会全体にこのような秩序が出現するのっだろうかと、これが新しい生活様式か、心寒くなってきた。

 山下公園は、いまちょうど緑が燃え盛ろうとしていて、人々がコロナ前のようにもどってきていた。ここは赤煉瓦広場のような新しい生活の秩序はやってきていなくて、ほっとする。子供が走り回り、みんな生き生きとしている。ほっとする。
2020年6月20日 山下公園

山下公園風景 左:2020年4月8日  右:2020年6月20日
つづく

参照:コロナ大戦争おろおろ日録

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