2021/09/21

1588【ふたり同期会】コロナと老いる日々に抵抗して老人2人飲み会決行は楽しくも有意義だった

 

久し振りに自由が丘駅を降りた

 コロナコロナで蟄居を命じられて1年半を超えるる日々、コロナでなくても老いて寂しい日々となっているのに、あまりにひどい。元気なうちに閑に任せて親しい仲間たちと遊ぼうと、老いを楽しみにしていたのに、コロナにそれを奪われてしまった。

 蟄居閉門の日々で鬱屈がたまりすぎて、身体が破裂して死にそうだ。コロナじゃなくて死んでも不思議じゃない歳になってしまっているのだから、コロナで死んでももちろん不思議じゃない。
 どうせ近いうち死ぬなら、そのまえに蟄居をやめて、やりたいことをやろうと決めたのだ。まずは親友たちとの飲み会やりたい、というのだから、なんだか恥ずかしいが、そうなのである。

 そこで大学の同期生数十人に、その旨を書いて「集まって昼酒飲もうよ」とSOSメールを出した。さて何人が返事をくれるかなと、楽しみだった。
 直ぐに「よし行こう、善は急げ、明日にでも11時に自由が丘駅で会おう」と返事を呉れたのがイソヤ君。おおいに喜んで「よし賛成」とすぐ返した。

 これらのメールはメーリングリストを使っているので、全員に同文が行き渡っている。つづいてササ君から、「残念ながらその日は都合悪い、次回よろしく」とのメール。そのほかはなしのつぶて。「便りが無いのは元気な印」と昔から言うのを信ずることにする、

 でも、たった2人でも昼飲み会は成立する。晴天の秋のよき日の今日、2人同期会を決行した。イソヤ君とは去年の10月に横浜でふたり同期会飲み会を決行したのだった。わたしはその時を最後に飲み会なるものから縁が切れていた。禁断症状が出るのは無理もない。

 さて1年ぶりだから、ふたりもそれなりに老いただろうし、マスクしてるから分かるだろうかとの心配、それはは無用であった。
 ひさしぶりに自由が丘の街探検もしようと、うろうろと飲み屋街を歩きつつ、昼酒の店を探す。裏通りも妙に小ぎれいになっているのに、なんだか当惑する。

 ところが探せど探せど酒を出す店が見つからない。まるで禁酒法時代到来で、どこかの地下室の秘密酒提供店を探すしかないらしい。
「どうも漂流してるね」
「うん、こりゃ酒飲み難民だね」

 足が疲れて来た。そんなとき、やおらイソヤ君がかばんを開けて言った。
「実はこういうこともあるかと、ほらこれ持ってきた、カップ酒!」
「うわッ、すばらしい、さすが酒飲みバンザーイ」
「店に入って飯食いつつこれを隠し飲みしよう」
「う~ん、ますます禁酒法時代気分だねえ」
「でも見つかったらしょっぴかれるだろ、この歳で留置場はちょっとねえ」
「じゃあ、公園とかの外で飲もうよ」
「そうだ、多摩川の土手に行って飲もうか」
「おお、橋の下とかね、気分でるねえ」

 なんて言いつつ歩いていたら、商店街の広い道の中央分離帯に並木があり、その木陰にベンチが並んでいる。
「おお、ここで飲もう」
「そこのコンビニで乾きものを買おう」

ここのベンチで二人宴会をやった(google)

 急に段取りが良くなり、大喜びでベンチに並んで「久し振りにカンパ~イ」。
 ようやくにして1年ぶりの飲み会にありつけたのであった。後で調べたらここは九品仏川を埋め立てた緑道であった。多摩川土手じゃなくもやっぱり川の上だった。

 なんとなく状況に貧しい感もあるが、久し振りの会合に話がはずんだ。アレコレ身の上報告しあったのだが、今考えるとそれこそが有意義だった。
 なにしろ二人とも老いなるものを生まれて初めて体験中だから、毎日のように分からないことばかりである。そこのところを、それぞれがどう生きているかを語り合うことで、老いの生き方を互いにおおいに知ることができるのであった。
 例えば、イソヤ君は老後に備えて料理教室の通っているし、わたしは妻の体調不良続きで料理人になっているなんてことを、互いに驚き称賛しあうのであった。実に有意義である。

 いつまでも道端で飲んでいるのも飽きたしカップ酒も飲み干したので、昼飯にしようと立ちあがりぶらぶら、裏道線路際のイタ飯屋のテラス席で、ちょっとは自由が丘らしい雰囲気のランチ会になったのであった。もちろん酒は置いてない。
「ああ、気分が良くなった」
「うん鬱屈が晴れたよ」
「きょうはありがとう」
「次は10月に伊勢佐木町界隈でね」

 こうして3時間ほどのふたり同期会は終わり、再開を約して別れた。いつも本日の遺影写真を撮るのだが、気分良く話していて忘れてしまった。
 と、ここまでは同期の人たちへの同期会開催の結果報告である。

 さて、わたしはその帰り道に日吉駅に途中下車した。ここは70年代に10年ほど住んでいたところで、4年ぶりの訪問でちょっと街を見て見たかったのだ。
 駅前商店街で直ぐに見つけたのは、ビール飲んでいる客がいる沖縄料理店、おお、ここは東京じゃないからかなあ、いや神奈川だって緊急事態なんだぞ、いいなあ、なんてついふらふら、気が付けばカウンターで沖縄そば食いつつ黄金色の水を、、、ひとり2次会。

(20210921記)

参照:コロナ大戦おろおろ日録

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