2022/08/05

1638【怪しいハイテク】超高齢PCの後継機をネットオークションで導入したドタバタ譚

 


●ヨロパソ後継機導入ドタバタ記

 わたしはパーソナルコンピューターに触れるようになってから、たぶん35年くらいだろうか。その前の似たようなワードプロセサ専用機からだと40年くらいだろうか。
 最新はもう10年前に購入したダイナブックである。持ち主同様に超高齢である。

 去年4月にはこんなことを書いている。
2021/04/07 1526【ZOOM事始め譚】ヴァーチャル画面で大勢が雑談する飲み会やるのは無理だなあ
2021/04/08 1557【怪しいハイテク】キイボード一部欠落でゲーム感覚文章書きを面白がる

 2021年11月にその超高齢PC(よろよろPCなので「ヨロパソ」と命名)に脳移植手術をして活を入れ、ちょっと若返りさせたことについては、すでに下記に書いた。
 2021/11/03 1595【怪しいハイテク】年取って判断力が鈍ったので脳移植手術で能力倍増、それでヨロパソ君は見事に若返った、、かといえば、そういえばとちょっと反応が早くなったような気がするが、実のところはよくわからない。ネット切れは同じように起こるが、PCに詳しいT君によればそれはメモリーには無関係という。

 そうやってちょっとは若返ったかもしれないヨロパソ君、それをこの半年ほど使っていた。だが、ZOOMやると妙に熱っぽくなるので氷枕をしてやるネット切れがたびたび起きて、復旧は簡単だがそのうちにヨロパソ自身の命が切れるだろうと気になる。PCも持ち主もともに老人力がついているのは精神衛生上よくない
 このブログ新記事は、その続きともいうべき、その後継PC導入のドタバタ記である。

●ヨロパソ後継機をネットオークションで買う

 そんなことをZOOM仲間に話したら、またT君がいろいろ助言をくれる。その中に中古PCを、ネットオークションで安く買う方法があるという。
 わたしはこれまでワードプロセサーに始まり、PCになってからはMACWIN95WIN98mileniumWIN7と、それらにデスクトップ型、ノート型、タプレット型などあり、この約40年間に10機以上は買い使い潰したろうが、いずれも新品だった。

 そうか、中古を買うのもいいな、だって新品を高く買ったとたんに持ち主が死んでは意味がない、持ち主が中古ならぬ大古だからPCが中古で似合っている。
 そこでT君にオークションで中古ダイナブックを落札してもらうことにした。オークションのやり方を教えてもらって自分で落とせばよいとも思い、ちょっと調べたら実になんとも面倒で付き合いきれない。ここはオークションに慣れているT君にすがるしかない。

 2022年6月6日からオークション対応を開始、その前に入札条件を決めなければならない。T君の助言にしたがい、現有のヨロパソ君と同じダイナブックとする。15.6型、WIN10、HDD500GB以上、メモリー8MB以上、金額15000円以下、ほかにもいろいろあるのだがわたしにはよく分からないので、恐縮しつつT君に任せて頼るしかない。

ヤフーオークションは例えばこんな画面、ヤフーは一般的に画面が汚い

 狙いをつけて落札に至るまでに,T君は4回の入札をしてくれた。最初は若干の欠陥はあるが実質は問題はない安いやつを狙ったが逃した。結局は1万5千円で6月19日に落札し、その一部始終経過ををネットで見ることができる。
 なお、それを見たからか、以後今日もそうだが、めったやたらにYhooから宣伝メールが来る。だからヤフーって大嫌い

 わたしはオークション向きではないなあと思った。特に貧乏人には、金額でハラハラするのは貧乏人には精神衛生上で良くない
 この間にT君とのやり取りはメールやZOOMや電話が数十回あった。ハラハラして面白いが、落札が夜中になるので眠いし疲れる。対応して下さるT君におおいに感謝である。

●黒パソ君がやってきた

 そうやって2022年6月19日に落札したダイナブックは、6月21日にはもう手に入った。愛知県の知多市から届いた。佐川急便できた箱はダイナブックにしては大きすぎて変だなと思った。

 開けてびっくり、中身のほとんどが丸めた新聞紙で、その中から真っ黒ダイナブックと電源接続コードが出てきた。箱の大きさが420×380×180㎜で、中身の380×260×25㎜ダイナブックは箱に対して17%しかない。

宅急便の箱と中身、右の包装プラと何十枚もの古新聞がクシャクシャ緩衝材

 ほとんど空気を運んでいる。いかに精密機器PCだとて過剰包装だ。通販の荷物ってみなこうなのかしら、日本で世界でこうして空気を運んでいるなら、大いなる無駄だ。送料は箱の容積で決まるから、何とかしたらどうだと、PCを叱りつけながらとり出す。

左が従来の白パソ、右が新来の黒パソ

 こうしてやってきたPCは表も裏も真っ黒である。これまでのヨロパソ君は表3面真っ白だから対照的である。そこでふたつそろったところで、これまでのものをヨロパソを改名して「白パソ」、やってきたものを「黒パソ」と命名することにした。これならヨロパソも僻むことないだろう。以後この名で書いていく。

 黒パソ君の身体状況をネットで見ると、性能はDynabook Satellite B35/R、Win110 64bit 4GB(16GB) 15.6型 500GB、2015年発売価格は228,800円とある。よく分からないが当然に白パソ君よりも性能が上位にあるのだろうなあ。

 これってどうやら、どこかの大人数の組織で大量に買って使っていたものが廃棄されて、それを買い取った中古業者が売れるように再整備したものらしい。
 なるほど、そうやって大量中古PCが世の中に出回っているのか。中古品流通は流行のSDGsの一環ではある。ただし送る箱がSDGsに反する。

●黒パソ君をわが子分として調教訓練開始

 さてこれから黒パソ君をわたしの子分とするべく訓練調教しなければならない。面倒なことだが、年寄りのボケ進行遅延策と思えばたのしい。
 ネット接続が円滑にいくのか不安だったが、息子に聞いて分かったので机上にある携帯式Wi-Fiルーターにつながった。このルーターに白パソもゼロ円スマフォもつながっている。そういえばゼロ円スマフォは9月から1200円スマフォに一方的無限大値上げになるという腹立たしい夏だ。他への乗り換え思案中。

 黒パソにあれこれと飲み食いさせていく。白パソからアプリ(秀丸、カレンダ等)をいくつか移行し、使い慣れたアプリ(クローム、プリンタ、WEBメール、GIMP、PDFヴューワ、PHOTOstitch等)をダウンロード、白パソ付属CDからMSOffice2010、息子からもらってウィルスバスターなどなど、急ぐことはない、黒パソ君が新持ち主に懐くようにとゆっくりやる。

 これまで約30年間に作ったデータファイル類は、外付けHDDにあるから、白パソから移行はしない。白パソ内にもあるそれらファイル類はHDDのバックアップになった。つまり白パソ君は黒パソ君の召使いに格下げ、この10年間の働きに感謝して第1線から引退である。

 そして次第に黒パソを日常使いにしつつ、はて、どこが白パソよりも良くなったのだろうかと思案する。ネット切れはなくなったことは確かだが、動画の途中で一時休憩する時もある。立ち上がりもあまり変わらない気もする。まあ、これでいいや。
 実は前任の白パソ君が後継の黒パソ君がよりも決定的に劣るのは、メモリが白8GB、黒4GBであることだ。そうか、これを改善しないと白黒両パソ比較はできなのだった。

●増設用メモリを追加オークション

 そこでまたT君の出番である。黒パソ増設メモリーをまたもやオークションで手に入れてもらうのだ。黒パソ君に対応するメモリーを探してくれて、さっそく落札に及ぶ。
 わたしは前にモリー増設をどうやったか記憶が怪しいので、白パソ君の裏を見るとその増設のための四角なメモリー蓋があり、これを外して入れたと思い出した。

 とうぜん黒パソも同じだろうと思ったが、念のためひっくり返してみたら、なんとまあ、そんな外せるようなメモリー蓋がなくて、真っ黒な一枚板である。

上が白パソの裏でメモリー蓋を開けた様子、下は黒パソの裏でメモリー蓋が無い

 え、どうしようかと、ネットで黒パソマニュアルを探せば、なんとまあ、『お客様ご自身でメモリの交換・増設はできません』と書いてある。あわわ、大急ぎでT君に「落札しないでよ」とメールするも、すでに1000円で落札済み(2022年7月1日)。

 でもさすがオークションベテランのT君は落札取り消しを申告してくれたが、取り消し可能かどうかは出品者の好意にすがるしかないという。1000円だから、来てしまえば払うことにしようと思ったが、結局は出品者が取り消しを承知してくれた。やれよかった。

 だがこれには続きがある。次の日にT君のメールに、「黒パソでもメモリー増設する方法がネットにあったよ」と。そのページを見れば、なるほどメーカーは保証しないけど、裏ブタ全部のビスを抜いて、パカッと開けて増設用メモリを差し込むとある。https://www.ginger-pepper.net/etc/dynabook-b35-ram.html

 そうかそうか、それはそれで面白そうだから実行しよう、まさか感電しないよな。ということは、実は取り消し無用だったのだが、すでに取り消し済み。
 またオークションにて4メガメモリー再落札の労を取ってくれた、感謝。ドタバタさせてしまって申し訳ない。

●メモリー増設手術前にやる大仕事

 そうやって増設用メモリーも無事に落札されて、うちにやってきた(7月11日)。さすがに今度は段ボール箱ではなくて郵便封筒でやってきた。
 以前に白パソ増設でも買ったから、今度も同じだろうなと開けてみたら、以前のそれよりも長さが2倍以上ある感じだ。同じ4ギガでもいろいろだなと思った。これがまたドタバタを起こすとはまだ知らない。

 このメモリーすぐにとりつけ作業したかというと、どっこいそうはいかない。T君からそれに関連してPC性能の調査をしたいので協力せよとの要請が来たのである。もちろん要請に従う。
 調査の目的は、メモリー増設の前後での性能向上の変化度合いを知ることである(らしい)。わたしのPC歴は30年にはなろうかと結構古いが、その使い方については普通程度にやっていても、中身を調べるのはやったことが無いし、興味もなかった。
 ただし、これまで何台かのPCを廃棄するときにバラバラ分解したことは何度かある(その話はこちら)。機構調査ではなくて、PC脳内の芸術的姿を鑑賞したかったのである。

 T君の調査指示書が送られて来た。エクセル3枚の解説付きのおおきな一覧表である。調査項目が増設前と増設後それぞれ62項目、あわせて122項目もある。調査作業はストップウォッチとにらめっこしつつ、黒パソ君の反応時間など測定する。
 これはすごい、これを俺がやるのか、こんなことはじめてだ。指示手順通りに始めたが、間違いがしょっちゅう出る。そのたびにやり直す。中学生の科学実験の気分である。

調査表の一部

 あっという間に1時間くらいは経っている。これは退化する脳に刺激を与えて、ボケの進行を防止する効果が大きいに違いないと思えば、やる気が起きる。じつのところ、困ったのは指示してある文章の意味が専門用語とか専門的言い回しかで、理解できぬところが多々あることだ。

 いちいちT君にメールや電話で聞く。もたもたしながらも一応やって数値記入した用紙をメールしてこれで良いかと聞くと不合格、やり方間違っているらしくまたやり直す。T君はそのたびに表や解説を分かりやすくしてくれるし、修正もしてくれる。

 ひまだからヒマツブシになるし、なんだかボケ進行遅延になるしと納得しつつ、それなりに繰り返し励むのであった。でも実のところ、自分が何をやっているのか理解していないことも自覚している。

 そうやって何回もの測定調査やり直しを経て、7月27日のこと、ようやく合格が出たのであった。性能調査開始から2週間もかかったドジ仕事であった。と言ってもこれはまだ半分しかできていないのだ、まだメモリー増設後にも同様の調査が必要なのだ。

●ようやく脳手術開始、ありゃ?

 そして7月28日、いよいよ今日は黒パソ君を開頭して、メモリー増設なる脳移植手術を行おうとて、異例の午前5時起床、身を清めて黒パソ君の開頭手術にとりかかった。
 黒パソ君を手術台の上に裏返しに寝かせて、麻酔はしないが、22個のビスを外していく。もっともそのうちの2か所はビスがなかった。全部を白い紙の上に元の位置に応じて並べておき、さてパカッ!、とはいかず、レターオープナーの刃先を差し込みつつ、プチ、プチ、ペカッと開頭手術、開いた。

黒パソをパカッと開いた

 封筒の落札メモリーを取り出して、さて差し込もう。美しいアーティスティックな脳内を眺めれども、はて、どこにさしこむのかしら? 白パソで経験あるし、実例ネットページの画像も見てるから、おおよその見当はつくのだが。

左のHDDの上に斜めに置いたメモリーの差し込み位置は?

 メモリーらしきところにある既設メモリーは、用意したメモリーとは似ても似つかないその半分ほどの大きさ、その隣にはめ込むことはできそうにない。ほかにはどこもはめ込み可能そうなところがない。

 どうやらこれは、最初に郵送で受け取って封筒から出してみたときに思ったように、大きすぎる代物であり、違う物らしい。せっかく一度は落札したものをキャンセルして、また改めて落札というドタバタやって手に入れたのに、またまたドタバタだろうか。

 仕方ないのでまた蓋してビス20本回して、T君に状況を書いてどうすればよいかとメールした。T君の返事は、どうやらノートPC用とデスクトップPC用と間違えて落札したらしいとのこと。すぐに調べて再落札(正しくは再々々落札になるのだが)するからちょっと待てという。
 わたしとしては今の状況で十分だからもういいよの気分だったが、T君の真理探究調査に水を差すわけにもいかない。

●再々々落札メモリー脳内移植手術成功

 そうして8月3日、再々々落札メモリーがヤマト便でやってきた。T君が改めて仕様をよく確かめて、信用ある出品者から落札してくれたというのだが、さて、こちらもちょっとは用心するのだ。この前の半分くらいだから、今度は正しいかな?

左は再々落札4GBメモリ、右は今回再々々落札4GBメモリー

 早速にその3度目落札メモリーの裏表を写真に撮って、これで本当に良いのかと、メールで確かめるのであった。T君からは「PC3L-12800Sとかいてあればよいのだ」と返事。
 だが、実際はその前後にたくさんの文字が書いてあるので、また偽物かと心配してメール、それで良しの返事。


 そうやって確認して次の日、身を清めてまたもや開頭手術パカア、では移植手術にとりかかろう。うーむ、白パソとは脳の構造が違うなあ、ここに似たやつがあるからその隣だな、はて、並べようにも嵌まらないよ、あ、先客とは逆向きにするのかな、でもどうやれば嵌まるのか、止まるのか、あれこれ思案いじくっていたらヒョイパチッとはまり込んだ。なんだ、そうなのか。ダイナブックならみんな同じ仕様にすれば悩まないのに。

さてどこにはめ込むかな

ようやく上下反対向きに対になって嵌まった

 そうやって、ついにこのどこか別のPC内にあった中古メモリーはうちにやってきて、黒パソに脳移植手術は終わったのである。成功かどうかは、この後で内部のタスクマネージャーを見なければ分からない(もちろん後に成功と分かった)。今日これをやったことをシールに書いて貼って、ふと見るとこんなことを書いてある。
「警告 サービスマン以外の方による分解は絶対に行わないでください。感電や故障の恐れがあります」
 おお、こわや、感電するのかあ、ぶるぶる。

今日のことをシールに貼ってその下を見たら

●脳手術後8GB黒パソ君登場

 さて8月4日、これで最後の段階に来たぞ、T君調査研究の黒パソ8ギガ版データ調べにとりかかる。さすがに4ギガ版で苦労しただけに、たったの1時間で調査表に書入れをするところまでできた。
 これで調査終了、上出来であると自分では思うが、T君なら10分くらいでできることだろう。T君の採点を求めるべく早速メールで調査票を送ると、8月5日にT君から合格のメールが来た。この2か月でT君と交わしたメールを数えたら約110通にもなった。

 調査票には、黒パソ君の4GBの場合と8GBの場合の各データを書き入れているから、この手術でどれほど賢くなったかがわかるのだろう。わたしは見てもわからないが、とにかく使っているから、感じはわかる。最初の立ち上がりは確かに早くなった。
 その他のデータ類とかアプリケーション類も立ち上がりが早くなった(ような気がする)。ネット切れは起きないし、動画の中途休憩も起きない(ようだ)イライラ度は半分になった(ようだ)。次の寮仲間とのZOOMが楽しみだ。

 おもえば、この黒パソ導入プロジェクトの開始は6月6日、もう2か月も経っていた、この間はボケ進行も停止していた(らしい)。もっとも、痛風になったが。
 T君には長期にわたり世話になり、おおいに感謝している。当分はPCドタバタはないだろう、いや、このPCがわたしの最後の相棒であろう。

 そういうことで、ようやくこれをここにドタバタ記を載せる。ドタバタといっても、身体的にはPCに黙々と向かうのみの静かなもので、頭と心がドタバタしたのであった。

(20220805記)

20220813追記)
 今日の14時から2530まで大学寮の同期仲間11人を相手に、ZOOMで
ホストとレクチャラー役を兼ねて、わたしの故郷の話をした。わが黒パソ君の対外初登場であった
 さすがに立派に働いてくれた。当たり前ながら、途中でネット切れなどの故障はなくて、カメラもこれまでの外付けと違って今度は写りが良いとほめられた。もっとも、操作にちょっともたもたしたが、これは黒パソが原因ではなくてその持ち主の老人力の故である。
 2か月ドタバタの甲斐があった。T君に感謝

伊達美徳=まちもり散人dateyg@gmail.com 

伊達の眼鏡https://datey.blogspot.com/

まちもり瓢論https://matchmori.blogspot.com/p/index.html



0 件のコメント: