2021/04/07

1526【ZOOM事始め譚】ヴァーチャル画面で大勢が雑談する飲み会やるのは無理だなあ

 PCでZOOMなるアプリケーションを使って、多数の大学寮同期生の仲間と、顔を見ながらの会話機会ができるようになった。だが、使いこなすにはそれなりの努力と慣れがいるようだ。

 参加率は40名中の16名で4割である。この参加率は、全員が80歳代前半としては多いような気もするが、一方で理工学部出身としては少ない気もする。
 わたしのように電気から一番遠い建築卒もいれば、もろに電子工学卒もいるが、PCを扱う様子から察すると、どうも出身学科とは無関係なようだ。電子工学出でコンピュータで動かすロボット開発している男が、ZOOM操作に一番もたついているのがおかしい。それだけPCが一般生活に入り込んでいるということだろう。

 ZOOM画面での会話に参加していろいろ面白かった。まだ慣れないせいもあるが、感想としては、参加者を取り仕切る司会者がいる会議形式には適しているが、ワイワイガヤガヤの雑談には全く不向きであるようなのだ。

 一般に、直接に対面しあってのワイワイガヤガヤ雑談会は、誰かの話に突っ込みやヤジを入れたり冗談を挟むには、その時のタイミングが重要である。それぞれの身振り手振りや、笑いや声の大きさなど、その場で互いに五感で認識しあうことができるから、雑談会が成り立つ。

 ところがZOOMでは、それが難しい。PCにあるる小さな顔映像と、いつも一方からしか聞こえない音声では、発言者を瞬間に特定できないので、不規則発言は話の邪魔にしかならないようだ。
 発言者も身振り手振りなどの身体を使って発言の補完をすることが難しい。スピーカーあるいはイアホンの音だけでは、発言の微妙なニュアンスを認識できない。

 時には冗談もタイミングとかその前後関係がヘンだと悪口に聞こえてしまうし、それを補完する発言もうまく言うには相手が目の前にいないし、いわれてもうまく聞こえない。

 どうも会話に危険性がともなう。よほどの話上手でも大勢でのZOOM雑談は難しいと思う。娯楽的な集まりとしては読書会、短歌会、俳句会、カラオケ会のような一人一人が発表するには適しているようで、不真面目な雑談や猥談会には不適だ。

 更に参加者のPCやマイクやレシーバー等の性能にもかかわるようで、それが会話に大きく影響する。
 加えて年寄りとしての特徴的な問題は、耳や目が遠くなってきていることである。難聴を自覚している人はそれなりに対応しているようだが、自覚しない難聴者もいるようで(わたしもそうかもしれない)、バーチャル画面会話が特に難しくなるのだ。

 雑談にも司会者がいるようだが、それでは雑談が成り立つまい。大勢で話しているときに、複数発言が同時にあっても、リアル雑談だと誰が話したか判別できるようで、人間の認知能力はすごい。だが、バーチャル雑談だとそれができないから、人間能力はしょせんその程度というべきか。

 なんだかんだといっても、ヒマを持てあますボケていない老人には、PC遊びが持ってこいの娯楽だ。高齢者福祉保健政策としてPC無料配布をやってはどうか。

 もう一つの老人向きは、スマートフォンが老人用玩具であるとわかった。買ってもう2か月になるが、いまだに時刻確認、電話、裸淫くらいなものだが、ヒマなのでいじくっているうちに次第に使い方が分って来る。それが結構ボケ進行防止になるに違いない。
 使いこなせるようになった頃に、命が終わる仕掛けである。 (20120407記)

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