今は八十路半ばのわたしたち幼馴染同級生4人が、米寿に完成させようと取り組んでいるプロジェクトがある。完成の日が来るまでは、誰ひとり呆けてはならぬと、ここに覚悟のほどを書いておく。
そのプロジェクトとは、この4人で歌集を出版しようとしているのだ。まず短歌をつくる「歌詠み人」が中心にいることは言うまでもない。歌集には写真と挿絵を入れて彩る。その花を作って写真を撮る「花つくり人」がいる。挿絵もいれるからその「絵かき人」がいる。それらをまとめて歌集という本の形に編集・装丁・製本をする「本つくり人」がいて、これで4人である。
出版と言っても、商業出版社が印刷販売の書店に並べるやり方ではない。「本つくり人」の本つくり趣味で、DTP(デスクトップパブリッシング)という机上印刷出版である。それはODP(オンデマンドプリンティング)つまり必要に応じて印刷製本するやり方である。
この「本つくり人」とはわたしのことである。机上のPCを使って編集デザインして原稿編集し、印刷原稿を作り、家庭用プリンターで必要な毎数を印刷し、それを必要な部数に手作業で製本する。でき上がる本は、A5判のソフトカバーである。数部のハードカバーも作る。豪華本を作ることもできるが、ハンディにして手軽に読める本にする。それを4人それぞれが贈りたい人に贈るのである。これが本づくり趣味の神髄である。
このプロジェクトは初めてではない。10年前に始めてからすでに3回の歌集プロジェクトをやって出版しているのだ。「歌詠み人」の第一歌集は商業出版として『春楡の歌』を2007年に上梓した。第二歌集からこの仲間プロジェクトにした。というよりも、わたしの本づくり趣味に引きずりこんだのが真相である。
これまでの歌集 |
第二歌集『ぽかりぽかり』2014年、第三歌集『またぽかりぽかり』2016年、第四歌集『いまもぽかりぽかり』2021年とやってきたのだ。そして今、第五歌集のプロジェクトに入ってきている。これの出版をいつにするかと考えていて、そうだ、「歌詠む人」が米寿に突入する月にしようと決めた。2026年1月である。
まだ2年弱もある、というのか2年しかないというのか、ちょっと悩む。そこには、これが4人いずれの人生にも最後の歌集だよなあ、いまでも歌集プロジェクトは無理かもなあ、いや、よし、とりあえずは米寿としておこう、なんとなく区切りは良いし、そこまでなら何とかボケないで生きている可能性もある、いや、そこまではなにがなんでもボケずに行こう、そう、あと2年はボケ禁止だ、というのである。特に本つくり担当のわたしはアンカーだからボケられない。
もっとも、これは「本つくり人」のわたしの身体能力でそう思ったに過ぎない。他の3人のWIDOWたちは、わたしよりも元気そうだから、大丈夫であるはずだ。歌詠み人は毎月その撞くの歌をまとめてメールしてくれる。それをこの前の歌集以後の歌とともにまとめる。ある程度たまったところで、次の歌集用の選歌をすると、次第に基本原稿が出来上がる。
しかし油断ならない、コロナのような不可抗力の不測の事態だってありうるのだから、。そこで何かでプロジェクト中断しそうになっても、その段階で出版できるように、毎月末にはそれまでの歌稿を全部見返して選歌し、編集しておくことにした。
もちろん年末にはまた見直し選歌する必要があるだろう。そうやって次第に絞ってゆけば、2026年初には厳選歌集になるはずだ。
というようなことでわたしはしばらくはボケ禁止で、本つくりの前に歌読みを楽しむのである。次は年末にでもこのプロジェクトの進行具合を書こうと思う。
歌を詠み花を咲かせ絵を描き本つくる四人たずさえつ米寿へ
(20240306記)
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