2023/12/10

1761【国連右往左往】米・英・独・仏・伊・蘭・露・印・土・白・波・越・宇いくつ判るかな

 イスラエルのパレスチナのガザへの攻撃は続く。国連安全保障理事会では何度目かの即時停戦決議案が、9日に提案された。15常任理事国の内で13か国が賛成、反対1国、棄権1国だそうだ。常識ではこれで決議案は可決だが、USAが拒否権発動の反対で没になった。
 棄権はUKであり、西側諸国の代表的な2国が停戦に賛成のである。いろいろ国際情勢で理由はあるのだろうが、いずれにしても困った地球である。

休戦決議反対の手をあを挙げるUNITED STATES
 
 この写真を見て、UNITED STATESUNITED KINGDOMの国名表示にふと思った。これらのどこにもアメリカとかイギリスとか、日本のマスコミが使う国名が無いのは、どうしてなのだろうか。国連が使う国名と違うのはなぜか、日本では間違った翻訳をしたままで使っているのだろうか。

 マスコミでは表記を短縮するために米国とか英国とか書くこともおおいが、これこそ明治かそこらの開国当時の外国語の漢字表記をそのままだろう。独、伊、露、比など使わないのはなぜか。あまりに古すぎてもう通じないと言ってもよい。ときにとあるので食べると勘違いする。米国はよしてほしい。英国も今では何の意味もないからよしてほしい。

 参照:http://www1.odn.ne.jp/haru/data-list/w_ryaku.html

 米国を正式に日本語で書くとなるとアメリカ合衆国なのだから、これもめいじかよ~と笑うしかない。連邦というのが普通だろう。ときに合州国と書く人もいるが、stateを州と翻訳したから、この方がそれなりに合理性があるように思える。

 話を戻して国連で机の前の国名であるが、UNITED STATESUNITED KINGDOMもどちらも一般名称であり、国名という固有名詞ではないのはなぜか。世界で俺たちの国だけが連邦だというのか。大国の影をひけらかしているのか。

 ちょっと調べたら、United Mexican StatesUnited Republic of Tanzaniaという国名がある。ならばメキシコもUnited  Statesであり、タンザニアはUnited Republicだろうか。一般名称を国名にするのは、思い上がりというものだ、とそんな嫌な感がある。特にUKとUSAの地球上における大国としての歴史を考えると、気持ちが悪い。

 国名ついでに言うと、北朝鮮というのも何とかならなものか。国交がないからとか、棄権跡売り者がいるからとかで、わざと見下す言い方をするのは、どこか子供っぽい。もっと大人になって朝鮮民主主義人民共和国(Democratic People's Republic of Korea)の短縮国名を使ってはどうか。

 実は韓国についても同じように思っているのだが、大韓民国(Republic of Korea)が正式国名だから、短縮するなら大韓というべきだろう。ついでに中国もおかしいと思っている。大国、中国、小国に通じるから、今や大国に復活したから変えるべきで、中華人民共和国(People's Republic of China)ならば中華または中共と短縮するべきだろう。そういえば、国民党と内戦やっていたころは、中共といえば中国共産党のことだった。

 それで思い出したが、日本JPANはこのままで良いのだろうか。だって当事国の人たちは誰にトリとして、じぶんのくにをJAPANと呼ばないのに、国連など外国ではJAPANと呼ぶのは、どうかんがえても奇妙と思う人はいないのかしら。

 USA人たちは自国をアメリカとは呼ぶことはなくて、UNITED STATESと自国を呼ぶ。そして国連での表記もUNITED STATESである。
 一方、日本人たちは自国をJAPANと呼ぶことはなくて、日本と呼ぶ。それなのに国連での表記はJAPANである。USAがそうならば日本も、国連ではNIPPONまたはNIHONと表記するべきであろう。
 この食い違いはどこから来たのだろうか。政府は是正する必要はないのか、その気もないのかしら。もっとも、わたし個人は困らないが何となく気分がすっきりしない。

 (20231210記)

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伊達美徳=まちもり散人
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2023/12/09

1760【木が危ない】巨大木造建築流行で日本の森林はまたもや丸裸の禿山になるかも

  最近の「木」関するなんだかんだの騒ぎが気になる。木と言っても、地面から生えている樹木、それが建築棟の材料となった木材と、両方がある。

●樹木ならなんでも自然ではない

 まずは樹木の方の騒ぎだが、それは明治神宮外苑再開発にともなう樹木の扱いである。現況植生の保全、移設植え替え、伐採、植樹など、各種の方法がとられるのは当然である。
 これまでの開発と保全における樹木あるいは樹木群の林や森に関しては、主として自然環境あるいは自然景観保全の立場から論じられてきた。

 今回の神宮外苑の樹木については、もう一つの側面として文化面から論じられているのが興味深い。庭園という文化面から緑が論じられることは多いのだが、ある特定の植物群落が歴史として論じられたのは、わたしは始めの出会いである。

 それは外苑内の建国記念文庫の森におけるヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)群落の由緒を、石川幹子さんが歴史文化として論じたことである。その成り立ちの由緒と生い立ちの歴史を、その歴史文書として発掘して保全を論じた。彼女のこのレポートをネットで視聴した時、そうか緑にも歴史文化があるのだと、若干の興奮を覚えつつ興味深かった。

 わたしはその森の「建国記念文庫の森」なるいかにも歴史的由緒ありげな名前にひかれて、それ故にこここの植生に文化的歴史があるのかと思ったのだが、それはとんだ当て外れだった。その名がついたのは、今の建国記念日が制定された時に、その制定運動関係の資料保管庫をこの森に作ったことに由来するそうで、1966年のことだった。歴史とは関係ない。

 あの森は特に初期造園における特別のデザインにあるとも見えない。やはり庭園史のなかで植生史としてもう一つ大きな位置づけにあるのが、絵画館に向かうメインストリートの銀杏並木であろう。並木という樹木の並び方は、不自然そのものである。自然があのように幾何学的に一列に整列して姿を自ら作ることはあり得ない。人工そのものの姿である。

 もちろん銀杏の木のみがまっすぐに並んで生えるというのも、自然の摂理ではありえない。樹林が成立する原則は、草が生え、低い灌木が生え、中程度の樹木が茂り、その上に亜高木、高木と重なって生えるものである。それは明治神宮本殿などを取り囲む神宮内苑の森に見るとおりである。
 だから、腰から下をすっぽんぽんの丸裸にされた銀杏並木は、恥ずかしいに違いない。あれは人間文化の表現であり、自然植生の姿ではない。

 そしてまた、あの銀杏群落はすべて同じ形の先とんがりの樹冠をしているのだが、それもあり得ない。銀杏の木はは幹を自在に四方八方に伸ばして広がるものだ。
 あの外苑並木の銀杏の木は、強度の選定つまり刈り上げ散髪されているからあの形になっているのだ。自然から見ると不自然極まる姿を強いられている。つまりあれは人間文化の景観であり、自然の姿ではない。

不自然な樹冠形態の外苑銀杏並木


自然な樹冠形態の横浜日本大通り銀杏並木

 なぜそうするのか、それはもう明らかに決まっていることだが、絵画館への視線を絞り込むためである。明治王権を賛美する目的の明治神宮だから、内苑の拝殿に相当する絵画館へと民衆の視線と意識を集中させる必要があるからだ。
 なお、ここでの本殿に相当するものは建築ではなくて、絵画館の真後ろにある楠の大木であるが、もう誰も気が付かないだろう。この楠の木こそは、明治王権生成の一翼を担う歴史的植生である。
神宮外苑の本当の中心はこの楠の大木


●木造巨大建築流行の行く先は

 次に建築的な木のことで気になる話である。大阪で万国博覧会を来年開催とかで、会場に巨大なサークルというかリング状の建築を木造で建っているそうである。

大阪万博の清水の舞台リング
 なんだか近ごろは木造巨大建築が流行らしい。東京の国立競技場も木造ではないが、鉄骨の構造物の上に木の板を張り付けてあるらしい。木造に見えるのだろうか、木造に見せたいデザインをしたかったのか。その設計は大成建設+梓設計+隈研吾設計である、なるほどクマさんか。

 だから、今度の万博リング木造建築も隈研吾あたりがデザイン旗振りをしているのかと思ったら違った。プロデューサーは建築家の藤本壮介だそうだ。知らない人である、
 なんでも清水寺のあの大舞台を真似したデザインで、その巨大さは世界一とからしい。万国博覧会といえば、あの第1回万博に登場した水晶宮が有名だが、アレと同じように人々はアッと言うだろうか。
 

国立競技場の一見木造風鉄骨

 よく知らないが、国立競技場の時は国産材を使うと開いていたから、こちらも当然そうだろう。
 気になるのは、大規模木造建築の流行で、日本にはそんなに木材があるのだろうか。最近近所に木造の8階建てオフィスビルが建ったくらいだから、技術はそこまで発達したのだろう。もっとも、柱がものすごく太くて、床面積効率が割すそうだ。

 だが、原料料の木材は今も相変わらず森や山や林でできるのだろうし、それが生える地面の面積が広がっているとも思えない。むしろ太陽熱発電の流行でどんどん減ってきているようだ。
 近頃は集成材なる木材が使われてきて、太い樹木からとるのでなくてもくてもよいらしいが、それでも限度があるだろう。今に木造住宅の価格が上がってくるに違いない。いや、もう上っているのだろう。

 よく分からないのは、万博会場のメイン施設が木造であるということだ。一年も使わないからコンクリートでないのはわかるが、木造だと解体すれば再利用できるというのだろうか。同じものを再現するなら使えるが、そんな大きなものをどこで使うのだろうか。あんな枘穴や貫穴や金具だらけの木材を再利用するにはかなり面倒であろう。鉄骨建築ならば木造よりも解体や移築や再利用しやすいだろうに、なぜ木造か。やっぱり現代の水晶宮を狙ってているのかしら。

 戦争中に森林を切り倒して使い倒したから、日本の山々は丸裸になっていたが、戦後営々と植林して緑の山がよみがえった。そしていま、都市開発の波は衰えたが、太陽光発電所の真っ黒いパネルが、田畑から森へと侵略しつつある。そしてこの木造建築ブームとなれば、またもや禿山時代が来るのだろうか。
 あ、そうだ、「お山の杉の子」という歌が、戦中から戦後にかけて流行ったことを思い出した。

(20231209記)

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2023/12/07

1759【言葉の酔時期】世にあまりに謝罪事件が多いので謝罪文句が次第に簡略化して今や謝らない

 放火して36人も殺しておいて、「申し訳ございませんでしたと言う言葉しか出てきません」と言ったらしいだが、これが「謝罪の言葉」であるものか。
 もう45歳の中年男、しかも何やら漫画原作を作っていたというのだから、もっと物の言い方を心得ているだろう、これが謝罪の言葉であるはずがない。

 これを聞いて、「謝罪の言葉を初めて口にした」と記事を書いた新聞記者の方は若者だったのかしら、言葉理解が変である。詫びになっていないと分からないのか。
 これは単に「申すべき言い訳がない」 と事実を言っているだけで、どこにも「お詫び」の言葉はない。「深くお詫び申し上げます」とか、「心より謝罪いたします」とか言ってこそ、始めてお詫びの言葉である。

朝日新聞朝刊記事より引用 20231207

 近ごろ新聞で出くわすお詫びと称する言葉遣いに、この「申し分けありません」を筆頭にして、首をかしげることが多い。
 「すみません」で謝ったつもりの人も多い。この意味は、ちょっとやそっとの謝罪とか弁償では済まないほどの罪を背負っていますと言うが元だろうが、ここで終っては単に事実を述べただけである。謝る言葉を省略してはいけない。

 「失礼しました」でお詫びのつもりの例も多い。「礼を失することをした」のだろうが、それではその事実を言っただけで、なにも詫びていない。失したと分っていながら謝らないのだから、いっそう始末が悪い。
工事現場にて

 「ご迷惑をおかけしております」でおしまいにして、お詫びしているつもりの例も多い。これも「迷惑をかける」という事実を述べただけで、どこにも詫びるとか謝罪とかの言葉はないから、全くお詫びしていないのだ。
 迷惑をかけたことを、わたしはわかっているが謝らないよと、相手に言っていると同じである。かなり酷い言い方と思うのだが、これも謝罪言葉で通用しているのが不思議である。
 世の中にあまりにお詫び事件が多くなり、次第にお詫び言葉の簡略化が進んでいるらしい。それでよいのだろうか。

(20231207記)
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2023/12/06

1758【今日も戦争】薄暗い廊下の奥に閉じ込めた戦争がまた目覚める気配

  昨日は現在起きている外国の戦争のことを書いたから、今日は現在の日本で起きている戦争のことを書いておく。もちろん戦火が起きているのではない。戦争の気配が濃厚になっているのだ。
 去年にはウクライナで侵略戦争が起きて(実はもう2014年に起きていただが)、今年はパレスチナのガザで第5次ともいうべき中東戦争が起きている。ミャンマーでは内戦が拡大して続くし、朝鮮半島の北ではミサイル打ち上げに精を出しているし、チャイナは海洋に乗り出して東南アジアであちこちきな臭い。

 という世界戦乱情勢の中の日本は、今のところ戦乱は起きていないのに、なんだかきな臭い。ちょうど10年前の2013年に「特定秘密保護法」なる反情報公開法ができたのは、戦争につきもののスパイ策であったらしい。つまり戦争が近いからスパイに備えておこうというのである。その頃からどうもきな臭い。

 次に2014年には、憲法についてそれまでとは大きく異なり、日本は集団自衛権行使を可能とすると解釈を変更した。つまり、アメリカと一緒なら戦争できることにした。
 わたしは新憲法ができたとき11歳だったから、物心ついてからは憲法と一緒に育ってきた。戦争絶対しないと思い込んでいたのに、わたしより後から来た安倍さんに勝手に変えられてしまった。

 そして近ごろは武器を作ってその輸出さえ可能にするという方向へ論議しているらしい。現実に、ウクライナの戦争支援を公然とやっている。沖縄あたりの南西諸島では戦争基地づくりをどんどん進めている。
 いつ戦争が起きてもよいように備えるらしい。次の戦争が起きると沖縄は一番に攻撃される運命に落とし込まれている。戦火が上がるのは近いのかもしれない。


 今日の新聞に、その集団的自衛権行使への憲法解釈変更について、憲法9条違反だとして訴訟した人たちがいて、その控訴審判決が載っている。
 判決は敗訴、「いろいろ問題がありそうだが、明白な違反とは言えないなあ、、」てな感じである。わたしが一緒に生きてきた憲法が次第に離れて行って、戦争へとなびき傾いていくようだ。

 親友というか守り神と思っていた憲法君が育ちすぎて、わたしとは遊んでくれない不良になり、どこかに家出していった気分である。そうなったのは考えてみると、2006年に公然と憲法改正を唱えて自民党のリーダーになり総理大臣になった安倍晋三の登場からのような気がする。あの時のマスコミが伝える安倍晋三のいうことを見聞きして、デジャビュに襲われたことがある。赤尾敏である。

 わたしが学生時代に有楽町駅近くの公園で演説していた赤尾敏のいう右翼が居た。それに実によく似た言葉だったので、今どきこのようなことを言う政治家がまたも出たのか、と思ったものだ。
 それがするすると総理大臣になるこの国にすっかり不信を持ってしまった。安倍晋三にわたしの親友であった憲法君を拉致されたのだった。その拉致者が暗殺されたのも、かれゆえに怖い世を招いたご当人にも責任がある。

 わたしは日本の十五年戦争の半ばで生まれ、戦火こそ蒙らずに済んだが、その末期の教育を受け、敗戦の日も見届けた。そして敗戦後の混乱期も、腹ペコという現実的な不幸に襲われて、これが私の本当の戦争だったかもしれない。

 戦争を身に染みて知る最後の世代と言える。今、戦争を知らぬ世代の人々によって、戦火を招くような方向に世は動いているように見えて仕方がない。
 死ぬ時はまた戦火の時代になるのは勘弁してほしい。その前に死ぬしかないな。
 なお、タイトルは渡辺白泉の1939年の句「戦争が廊下の奥に立つてゐた」による。
(20231206記)
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2023/12/05

1757【今日の戦争】ウクライナは今や戦い疲れ、ガザはこれから疲れるほどに戦うのか

 ウクライナでは、今や市民は戦争疲れの気分とある。その一方で、パレスチナのガザではますます戦争が盛んである。これも今に戦争疲れが来るのだろうか。
 そういわれると、毎日毎日戦争記事を読まされるこちらも、戦争疲れであると言えなくもない。戦火の中にいないのにそう思っては申し訳ないと思う。そこには何もできないでいる自分自身への責め疲れがあるかもしれない。


 そして思うに1944年から45年にかけて、わたしの父母たちの世代は、戦争に疲れたと思わなかったのだろうか。思ったに違いないだろうが、口に出すことができなかったのだろう。わたしの戦争時の記憶に、父と母が新聞を見ながらの会話がある。

 母が父に新聞を示しながら「こんなことを記事載せていいのでしょうかねえ」というのだった。それ以上は覚えていない。7~8歳の子には何かよくは分からない記憶の雰囲気では、どうも日本の戦局がかなり不利な状況の記事が載っている、そんな様子を感じたのだった。母は声を潜めているようだった。

 そうか、いま気が付いたが、母が声を潜めたのは、わたしに会話を聞かせたくなかったのだ。小さい子は外に行って無邪気に、家庭内での父母の会話を話すであろうからだ。そんな世の中だった。
 さて今頃のウクライナとかロシアの家庭内で、こんな会話があるのだろうか。

 ウクライナで盛んな局地のたくさんの戦いは、当然今も続いているのであろうが、今やニュース価値はパレスチナのガザに移ったみたいである。それでよいのだろうか。

 今ガザで起きている市民をたくさん巻き込んでの殺し合いは、ウクライナではもう終わって、軍隊同塩田高いばかりなのだろうか。ということは、そのうちにガザでもそうなるのだろうか。

 「あの頃はバカなことやったものよ」と、1945年頃を思い出すように今を思い出す時があるのだろうが、わたしには関係がない世界のことである。
 とにかく今日の戦争の記録を、ここに載せておく。

追記20231206ミャンマーの戦況図をみると内戦が広がっている。かつて日本軍がこの地を戦乱の場とし、そして敗れた日本軍の死者が撤退路に連なり重なる白骨街道を作った。

(20231205記)

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2023/12/04

1756【ポン大と小説家】火中の栗拾いで大変な林真理子さんを応援したい

熊五郎:こんにちは、ご隠居、生きてますか。

ご隠居:おや、熊さん、久しぶりだね、まあお上がりよ。

:ご隠居はあまり興味ないだろうけど、近ごろ芸能界とかスポーツ界には、あれこれ週刊誌を喜ばせるスキャンダルが多いんですよ

:うん、知ってるよ、芸能会社社長が少年好みの強姦魔だったってね。

:それも有名ですが、今日は小説家の林真理子さんが記者会見して、記者たちから突っ込まれている様子がテレビに出てましたよ。

:えーと、そりゃ小説家の方じゃなくて、日本大学理事長の方の林さんだね。彼女も日大に火中のクリを拾いに行ったけど、覚悟の上だろうがひどい目にあってる、気の毒に。

:そう、例の日大問題アメフト部がまたまた問題件を起して、今日は彼女もそのスキャンダル当事者側責任者としての記者会見でした。

:なんでも大麻を吸ってたとか持ってたとかだろ、ポン大と言えばヒロポンを連想したもんだけどなあ。。

:うわ、ダジャレが古すぎますよ。

:小説家の林さんに同情しているから言うけど、なんだか彼女を引きずりおろす陰謀団が居て、アメフト部をその先頭に立てているように見えてくるね。

:そうそう、あんなバカ大なんか放っておいて、もう小説家として復帰してほしい、なんて思ってたら、今日の新聞に林真理子作の「平家物語」って本の広告が大きく出ていますよ、ほれこれが切り抜きですよ。

:林さんの小説を読んだことないけど、そうかい、どれどれ、なるほど、え?、アッ、お前はまたいたずらやってるね、ハハ、気の毒に今日の記者会見は平謝りだったのかい。

:でね、もしかして、林さんは次作小説として、こういう題名の本を執筆中かもと思ったんですよ、彼女なら転んでもただで起きないでしょうから。

:うん、冗談として面白いね、いや、本当にそうかもね、イギリスの有名な小説家ジェフリー・アーチャーは、詐欺事件で有罪になり監獄入りしてたけど、自分の獄中記とか獄中小説とか書いてひと儲けしたからね。

:はは、じゃあこれは獄中記ならぬ理事長記として彼女の次作前宣伝になるかもなあ。

:いやいや、彼女は度胸で飛び込んだ大学理事長だから、どんなことがあっても泰然として「物語」に決まってるよ。

:ウワ、負けた。

(20231204記)

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2023/12/03

1755【節電時代】異常気象で暑い夏だから再エネも核発電も3倍必要というが本当か?

 2023年12月1日の新聞に、今年は「史上最も暑い年」と書いてあった。そして今日3日の新聞には「地球沸騰化、2023年に異常な気象と影響」の数々が載っている。
 たしかに今年は暑かったが、史上新記録とは異常事件を多く誘発するものらしい。わたしが直接にここに書いてある異常事態に面したのは、いつも食べている新潟の米のコシヒカリに白い小さな粒が目立って混じっていることである。



 暑いと言っても個人的にはいつもの夏と大して変わらなかったのは、年を取ってくると気温変化に鈍感になるかららしい。当人が気が付かないうちに熱中症でコロリと死んでいたなんて、なんとも理想的な死に方と思う。

 同じ今日の新聞に、ドバイで開催中の「COP28」で、日本など30か国が「2030年までに世界の再生エネルギー設備容量を3倍にする」と賛同したとある。
 ところが同じ今日の新聞の別ページには、おなじCOP28参加の中の22か国は、「世界全体の原発の設備容量を2050年までに3倍に増やす」ことに賛同したとある。これにも日本は参加している。


 この「再生エネ発電3倍」と「核発電3倍」とは、ひとつながりの賛同であろうか。気温上昇を抑えるためには化石燃料発電を抑える必要がある、それには再エネと核発電の促進だ、というのであろう。さてどちらが優先なのだろうか。同じ発電効率ならば、どちらが安価であるのか、そしてどちらがリスクが少ないのだろうか。

 昔々に原子力なる発電所がもてはやされていた時代があったが、再生エネルギー発電もつい先ごろまでその感があった。ところが今では再エネ発電もあれやこれやと問題が起きてきているようだ。核発電も福島巨大事故の教訓がどんどん忘れられてきて、COP28では堂々と肩を並べて増設を競うまでになった。本当に肩を並べるものなのか?

 はてさて、わたしたちはどれほどエネルギーがあれば生きてゆけるものだろうか。思い出すのはまだまだ暑い9月16日に、こんな新聞記事があったことである。「東電管内、電力危機起きず 原発なくても猛暑乗り切る」とあるのだ。


 毎夏になると今年こそ電力不足で停電が来るぞと言われてきた気がするのだが、史上一番暑かったこの夏でも、しかも最も需要が多い東京電力管内でも、節電すれば大丈夫と分かったのである。
 それでもCOP28の日本は、再エネも核発も3倍に増設するというのは、なぜなのだろうか。          (20231203記)

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2023/12/02

1754【今年の新語流行語】ネットは観るがテレビを全く観ないわたしが知る言葉はわずか2語のみ 

  1カ月前に今年の新語流行語について、その候補30語が発表されていて、そのことについてこのブログ書いた(1728【今年の新語流行語候補】。要するに30候補語のうち、わたしが知るものはその半分の15語であったという話である。

 今日12月2日の新聞に、ベストテンと大賞の発表があったニュースがある。30候補から10を選んだらしい。今度はわたしが知る言葉はたったの2語になってしまった。候補語では5割を知っていたのに、ベストテンに残ったのは2割とは、どんな選考をしてるのだろうか。


 なお、大賞は「アレ(A.R.E)」で、これは野球の言葉らしい。見世物スポーツ嫌いだから、もちろん知らない。

 どうせどうでもよいことだが、これまでの記録をのせておく。全体的に見てみて、わたしが知っている言葉の数に特別の傾向も変化もないようだ。
 しかし自分では分からないが、WEBサイトやSNSをよく観るがTVをまったく観ない者の傾向はこうだと、言えるのかもしれない。知らなくても困ることはなにもない。

●2022年(わたしが知っていた語数3)
 ×「村神様」(大賞)、〇「キーウ」、×「きつねダンス」、
 〇「国葬儀」、〇「宗教2世」、×「知らんけど」、
 ×「スマホショルダー」、×「てまえどり」、
 ×「Yakult(ヤクルト)1000」、×「悪い円安」

●2021年(わたしが知っていた語数5)
 ×「リアル二刀流/ショータイム」、〇「ジェンダー平等」、
 〇「親ガチャ」、×「Z世代」、〇「人流」、〇「黙食」、
 ×「ゴン攻め/ビッタビタ」、×「スギムライジング」、
 〇「ぼったくり男爵」、×「うっせぇわ」

●2020年(わたしが知っていた語数5)
 ×「愛の不時着」、×「あつ森(あつまれ どうぶつの森)」、
 ○「アベノマスク」、○「アマビエ」、○「オンライン○○」、
 ×「鬼滅の刃」、○「GOTOキャンペーン」、
 ○「3密」(大賞)、×「ソロキャンプ」、×「フワちゃん」

●2019年(わたしが知っていた語数5)
 ×「そだねー」、×「ONE TEAM(ワンチーム)」、〇「計画運休」、
 〇「軽減税率」、×「スマイリングシンデレラ/しぶこ」、
 ×「タピる」、×「#KuToo」、×「◯◯ペイ」、〇「免許返納」、
 〇「闇営業」、〇「令和」

●2018年(わたしが知っていた語数4)
 ×「そだねー」、×「eスポーツ」、×「(大迫)半端ないって」、
 ×「おっさんずラブ」、〇「ご飯論法」、〇「災害級の暑さ」、
 〇「スーパーボランティア」、×「奈良判定」、
 ×「ボーっと生きてんじゃねーよ!」、〇「#MeToo」

●2015年(わたしが知っていた語数6)
 ×「トリプルスリー」、○「爆買い」、○「アベ政治を許さない」、
 ×「安心して下さい、穿(は)いてますよ」、○「エンブレム」、
 ×「五郎丸(ポーズ)」、○「SEALDs」、○「ドローン」、
 ×「まいにち、修造!」、○「一億総活躍社会」、

●2014年(わたしが知っていた語数2)
 ×「ダメよ~ダメダメ」、〇「集団的自衛権」、×「壁ドン」、
 ×「カープ女子」、〇「危険ドラッグ」、×「ありのままで」、
 ×「ごきげんよう」、×「マタハラ」、×「妖怪ウォッチ」、
 ×「レジェンド」

●2011年(わたしが知っていた語数7)
 〇「帰宅難民」、〇「絆」、×「こだまでしょうか」、
 〇「3.11」、 〇「スマホ」、〇「どじょう内閣」、
 ×「どや顔」、〇「なでしこジャパン」、
 〇「風評被害」、×「ラブ注入」

●2009年(わたしが知っていた語数5)
 〇「政権交代」、×「こども店長」、〇「事業仕分」、
 〇「新型インフルエンザ」、×「草食男子」、〇「脱官僚」
 〇「派遣切り」、×「ファストファッション」、
 ×「ぼやき」、×「歴女」

(20231202記)

2023/12/10追記
 このところ政界は大揺れ、自民党の安倍派の資金集めパーティで集めた億の位の金を、政治資金収支報告書に載せないで、裏金にしていたことが暴露されて、検察の手が入った。安倍派重鎮6人が次々と閣外に出されるらしいとて、新聞はパーティで集めた金を「還流」したとか「キックバック」したとかの記事ばかり。
 今年の新語流行語に追加か、特別大賞「還流/キックバック」

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2023/11/30

1753【紅葉の季節】故郷生家の森の紅葉から思いを巡らす街の紅葉そして人工の紅葉

 今年の紅葉は平年と比べてどうなのだろうか。夏から秋へと暑かったから、紅葉は遅いのか逆に早いのか、どちらなのだろうか。

 ここに載せた紅葉黄葉風景の写真は、2014年11月10日撮影である、場所は岡山県中西部にある高梁盆地の神社境内で、ここはわたしが生まれ育って少年期までを暮らした生家である。故郷の盆地で暮らす同年友人が撮って送ってくれた。
 少年の頃には紅葉なんてものには全く興味なかったから、このような紅葉風景を送ってくれて、改めて美しいと感動したのであった。

 その生家の神社は、盆地を取り巻く丘陵の中腹斜面の街から見上げる位置に、裏に山を背負った森の中であった。生まれた時から自然の四季の移り変わりの中におぼれるほどにどっぷりと浸かって生きていた少年にとっては、あまりに日常的すぎて身のまわりの自然の変化には全く気を止めるようなことはなかった。周りの森もの樹々も裏山の森も全て自分の領分だから、それはまるで身体の延長である。自然を客観的に見る目はなかった。

 ところが、ある日のこと、突然に自然を感得した得難い体験の記憶がある。中学生になったばかりの頃だったような春のある日だが、真昼の森の中から森の外の雑木林のあたりをぼんやりと見ているとき、それは急にやってきた。
 樹々の萌える若葉のひろがる枝葉、その色彩のグラデーション変化、風による木の葉や草のさやぎ、鳥の鳴き声、森の樹々の合間からさす日の光、それまで気に留めることなかった自然の姿が一気に押し寄せてきた。

 それはいったい何だったのだろうか、しばらく立ち尽くしていた。自然がわが身の外にある客体としての自然が見えてきた”事件”があった。それはどこか外から来たのではなく、身の内から湧き出てきた感情であった。何か特別なきっかけはなにもありはしなかった。

 たぶん、それはその日から大人になるステップを登り始めるという少年にとっての、心と体の儀式だったのであろう、と勝手に思っている。遠い少年の日のその不思議な体験を、不思議なほどにありありと覚えている。もっとも、自然が美しいと悟るにはまだ時間が必要であった。

 それから20年ほども後のことだが、これに似た体験をしたという知人にひとりだけ出会ったことがある。また何か外国の小説であったとかすかな記憶だが、これと似たような体験する少年の話を読んだことがあり、ときに思いついて探すのだが見つからない。

 故郷の盆地にはもう20年も行かないし、もう行くことはなさそうだが、上の写真のような紅葉は今もあるらしく、先日のこと、故郷の盆地に住む知人が、街から見上げた神社の森の中に、今年もイチョウの大木の黄葉が目立っていたが、もう落葉したと便りをくれた。

 さて、今わたしが住む横浜の近所に紅葉黄葉の名所がある。街路樹のイチョウ並木がかなり多い。有名なところは日本大通りであろう。紅葉狩りの名所ならば三渓園である。これまで何度も出かけたものだ。

横浜三渓園紅葉風景 2021年

横浜大通公園 銀杏黄葉 2015年

 銀杏並木と言えば、今話題の明治神宮外苑である。上の日本大通りの銀杏本来の姿のそれと比べると分るように、外苑では強い剪定をして、槍の切っ先のようにとがった姿にしている。それはここが明治王権のシンボル空間だからである。その先にある絵画館に視線を集中する人工の仕掛けであり、その視線を強要する人工景観をわたしは好まない。
明治神宮外苑の銀杏並木 2013秋

 近ごろは紅葉や黄葉の樹木に、夜間にライトを当てて見せるということがしきりに行われているらしい。わたしは実は見たことが一度もないのだが、見たい気がおこらない。ライトの当て方が人工的でわざとらしい風景になるに決まっているからだ。いっそのこと紫色でもあてて紫葉狩りでもしたらどうですか。

 ネット検索で紅葉ライトアップを探すと腐るほど出てくる。これではご免を蒙りたい。雪景色でも花見でも瀧でも何でもかんでもライトアップして、しらじらしい風景に変えてしまうのが気に食わない。これも視線を強要して不自然極まる。

ネット検索サイトに登場する紅葉ライトアップ風景

 自然の風景を光で改変するライトアップも風景破壊であるし、こうも夜まで明るくされては植物の方も寝不足であろうから枯れてきて自然破壊になっているに違いない。
 これからクリスマスがやって来て、個人の家をキンラキラキラさせるのはそれぞれ勝手ながら、景観についての美的感覚に頭をかしげさせるのである。
 ここに並べた写真を見て気が付いたが、計らずも自然のままの紅葉から、人工の極致の紅葉へと並んでいるのが面白い。

(20231130記)

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2023/11/29

1752【宇宙のロマン?】地球は周囲を隙間なく飛ぶ人工衛星群がつくる中空球体にすっぽり覆われているらしい

 ネット徘徊していたら、こんな地球の図に出くわした。これって、現在地球のの上の宇宙空間に浮かんでいる人工衛星だそうである。こんなにも沢山こみあっているが、これは一部に過ぎない。

スターリンク群球体の中の地球


上の図の日本付近拡大

 上の2つの図はスターリンクなる名前で、例のイーロンマスクのスペースエクスが打ち上げており、インタネット通信の道具らしい。
 この数なんと現在は3000基で、そのうちに12000基になるとか。ほかにも宇宙衛星打ち上げ屋が沢山あるだろうあるから、競って打ち上げるのだろう。計画だけでもう10万個の人工衛星が飛ぶとのネット記事もある。
 そのうちには空一面にすき間なく埋まり、人工のお星さまがキラキラキラキラときらめくだろう。当然のことに昼は太陽光を遮るから、地上は薄暗くなるのだろう。

 前世紀の中頃までは、わたしたちは海水と空気は無限だからとて、無駄に使ったりごみを捨ててきたが、今頃になってやっとこれは大変だと慌てている。
 今の宇宙空間についても、かつての海水や空気を同じように、今は無限と考えているらしい。今にあちこちで空から知らぬものが落ちてきて人が死ぬ、そのうちに太陽光線が地上に来なくなる。地球は人工衛星という粒の群でできた中空球体のなかにすっぽりと入ったと、ある日気が付くのだろう。もうすでにこれまでに打ち上げたゴミが大小1億2000万個もあるとのネット記事があった。

本物の星の動きとスターリンクの動き

スターリンクの行列が行く
スターリンクすだれのすき間から宇宙の星を観測する

 次の世界戦争は情報戦争だから、この見上げる空を隙間なく覆うスターリンクなどの人工衛星群破壊戦争がおきるにちがいない。人工衛星群はゴミ衛星群となって地球を覆う。人間は宇宙人の攻撃ではなくて、自らが打ち上げたゴミで滅びるだろう。
 かなり近い将来でもその頃はわたしは地球上に存在しないから、どうでもよいことだけどね。これはSFか現実か、それとも現代の杞憂か
 
 宇宙の話なんてのは、わけもなく希望に満ちていた時代に育ったものとしては、希望が現実になったとたんに、宇宙もゴミにあふれた世界になって、実情はゴミ溢れる地上の地続きという、夢の無い話になってしまった。

 わたしは天文少年であったから、宇宙に横たわる銀河を見上げて大いに感激をしていたものだ。今、あの銀河はどこに行ったのか、もう何十年も見ない。
 その代わりにイーロンマスク提供のスタ―リンクのすだれを見て、今の天文少年たちは胸を躍らせているのだろうか。

(20231129記)

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