放火して36人も殺しておいて、「申し訳ございませんでしたと言う言葉しか出てきません」と言ったらしいだが、これが「謝罪の言葉」であるものか。
もう45歳の中年男、しかも何やら漫画原作を作っていたというのだから、もっと物の言い方を心得ているだろう、これが謝罪の言葉であるはずがない。
これを聞いて、「謝罪の言葉を初めて口にした」と記事を書いた新聞記者の方は若者だったのかしら、言葉理解が変である。詫びになっていないと分からないのか。
これは単に「申すべき言い訳がない」 と事実を言っているだけで、どこにも「お詫び」の言葉はない。「深くお詫び申し上げます」とか、「心より謝罪いたします」とか言ってこそ、始めてお詫びの言葉である。
朝日新聞朝刊記事より引用 20231207 |
「すみません」で謝ったつもりの人も多い。この意味は、ちょっとやそっとの謝罪とか弁償では済まないほどの罪を背負っていますと言うが元だろうが、ここで終っては単に事実を述べただけである。謝る言葉を省略してはいけない。
「失礼しました」でお詫びのつもりの例も多い。「礼を失することをした」のだろうが、それではその事実を言っただけで、なにも詫びていない。失したと分っていながら謝らないのだから、いっそう始末が悪い。
「ご迷惑をおかけしております」でおしまいにして、お詫びしているつもりの例も多い。これも「迷惑をかける」という事実を述べただけで、どこにも詫びるとか謝罪とかの言葉はないから、全くお詫びしていないのだ。
迷惑をかけたことを、わたしはわかっているが謝らないよと、相手に言っていると同じである。かなり酷い言い方と思うのだが、これも謝罪言葉で通用しているのが不思議である。
世の中にあまりにお詫び事件が多くなり、次第にお詫び言葉の簡略化が進んでいるらしい。それでよいのだろうか。
(20231207記)
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伊達美徳=まちもり散人
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