2021/01/31

1516 【コロナ戦記2021年1月号】緊急事態慣れの世に勃発するかワクチン争奪戦争の予感

 【コロナ戦記2021年1月号】


●コロナ緊急事態に慣れてきた

 もう飽きてきた。コロナコロナとこうも続くといくら命にかかわると言っても、なにしろ目に見えないのだから、緊張感が持続しない。謹慎から患者が出るとそんなこと言ってられないが、幸いにして今のところ影もない。 

 今月8日から、わたしの住む神奈川県は、東京都や愛知県などともに、またもや緊急事態地域に指定されてしまった。直接関係ないからよく分からないが、その地域指定されると、飲食店などいろいろな店舗は、その営業を午後8時でストップ要請が政府からかかるらしい。要請に応じて休店すれば、協力金がいくばくか出るらしい。

 それがどうもよく分からない。言葉からして協力したほうが出すのかと思ったら、中央あるいは地方政府のほうが出すのだそうだ。禁止ではないから補償金とは言わないで協力金というらしい。要請だから休店しなくてもよいそうだ。

 要するに午後8時以降に外で飲み食いするなってことである。そして飲み食いさせるほうの店舗には協力金を出すらしいけど、飲み食いする客のほうにも協力金が出るという話を聞かない。どっちも我慢してるのは同じだろうに、これって不公平のように思う。

 わたしはもう去年の3月以来、夜8時以降に外で飲み食いしたことがぜんぜんないという、大いなる協力者だから、協力金をくださってもよさそうなものである。

●不要不急とはなにか

 不用不急という言葉がはやっている。コロナは人と人が出会うことで感染が広がる、だから不要不急の外出をしないでじっとしてろと言うのである。
 ところが、この不要不急の判断が実に困難である。上に書いた午後8時以降のそとでの飲食は、不要不急の最たることとして政府がやり玉に挙げたのだろう。ということは不要不急の産業の休業に税金を原資とする協力金を出しているのである。なんとなくしっくりこない。 

 ならば個人の不要不急の活動、つまり外飲み会とか演劇や音楽鑑賞とかスポーツ見物なんてのもそうだろうが、それらの供給者側には協力金のようなものが支給されているらしい。では、それらの客のほうはどうなんだろう。客のほうだって鑑賞を我慢してるんだから、その協力金を呉れと言ってはいけないのだろうか。

 このあたりは不要普及活動ごっこの度合いに寄るのだろうか。不用不急活動で金を稼いでいたほうと、カネを出していたほうという、この非対称の関係が協力金受給有り無し非対称になっているのか。

 だが、もともと不要不急の活動に、なぜ税金をつぎ込むのかという疑問はある。もちろん豊かな財政ならそれもありうるだろうが、今のようなコロナ医療に際限なくつぎ込まねばならぬときに、不用不急ごときにつぎ込む金があるのかしら。

●始まるかワクチン争奪戦争

 などと考える月末だが、世界のコロナは大変であることは続くが、新たな展開は主要国でワクチンが開発されて接種が始まったことだ。そして案の定だが、開発国などの間でワクチン囲い込み騒動が起きようとしている。

 日本でもワクチン開発を当然しているのだろうと思っていたら、どうやらそれは無くて他の国で開発したワクチンを買い取るしかないのだそうだ。日本は科学先進国ではないのであったか。何時からそうなったのだろうか。それとも昔から医療後進国なのかしら。後進国日本では惑地位接種はまだだが、先進国ではすでに始まっている。

 日本でいつからワクチン接種が始まるか知らないが、先が短い老人たちは後回しでいいから、医療従事者から、そして若い人々から摂取してほしい。老人のわたしが言うのだからいいだろう。
 USAカリフォルニアに住むわたしの同年の知人は、すでにワクチン接種を受けたそうである。老人優先枠だそうだ。感染者は世界一に多いけど日本より治療は早いのかしら。

 接種は税金で負担するらしいから、昔の結核治療薬のストレプトマイシンのような、金持ち優先なんてことはないのがうれしいが、いずれにしても先を争ういろいろ事件が起きるだろうなあ。ワクチン接種階級と非接種階級差が社会問題になるだろうか。
 もしかして現在の宗教戦争に加えて、新たなコロナ医療戦争が起きるかしら、怖い怖い、コロナより怖い。

●2021年1月コロナ日録

2021年1月1日 今年の正月は息子たちがやって来ない。こちらから出さなかったけど、あちこちから年賀状はきた。

1月3日 午後2時ころ長男が近くに来て電話、コロナ感染を恐れて共同住宅ビルの外で待つというので、そこに停めた乗用車の中でしばらく話、手土産を貰い、いつか一杯飲みたいねと言って別れた。

1月4日 いよいよまた緊急事態宣言か、関東4都県知事が政府に発出検討を要請し、政府は慎重に検討するとお言う。緊急とは緊急であって慎重にしてる暇があるのかしら。つまり緊急事態宣言を避ける方法は、時間をかけて慎重に検討しているうちに、コロナ過が緩んで発出状態でなくなることか。でも、考えようによれば、政府が検討しているというアナウンス効果は大きいと思う。むしろ、どさくさ紛れに国家緊急事態法への足掛かりにされるほうが心配。
 狂歌<コロナ急増大流行>
  この今は緊急事態か慎重に日時をかけて俯瞰的検討
  この際に乗じ国家緊急事態にも使えるようにしておこうかな

1月5日 全国のコロナ感染者急増、特に首都圏にて顕著、ついにまた緊急事態地域指定を政府がするという。飲食店は午後8時に閉店するとか。つまり、コロナウィルスってのは夜行性らしく、この前の緊急事態の時は午後10時閉店だったから、その後に変異して強くなって、夜遊びに出てくるのが次第に早くなるらしい。
 狂歌<夜間営業時間短縮>
  変異して夜遊び上手になるコロナ午後八時にはもう待ちかまえ

1月6日 毎日のように「昨日のコロナ感染数はこれまでで最多」とニュースは言う。昨日は1日で5,000人新規感染者とのこと。この前の緊急事態の時をはるかに超える。日本におけるコロナの状態(2021年1月5日午前0時現在)を書いておく。
 ブログ1513 【コロナますます繁盛】また明日からコロナ緊急事態の世とは長生きしたくないもんだhttps://datey.blogspot.com/2021/01/1513.html

1月7日 USAトランプ大統領が支持者たちのデモを煽って、議会議事堂に討ち入りをさせる事件がおきた。地に落ちたトランプ、地に落ちたUSA共和党支持者。USAには[COrona-VIrus Disease-2019]=[COVID-19]とともに[TRUMP-VIrus Disease-2020]=[TRUVID-20]が大流行中。あれあれ、トランプがツイッターとフェイスブック停止をくらったよ、、。だがたしかにトランプはけしからんけれど、ソーシャルネットワークとして社会基盤施設的に扱われながら、いくらバカ記事書き込みとはいえ一方的停止措置って、これっていいのかなあ、怖いなアUSAは。

1月8日 緊急事態に神奈川県が指定された。
 狂歌<休業に協力金>
  またコロナ緊急事態で金窮し税の金求辞退したい

1月13日 緊急事態下の平日の横浜都心繁華街は、去年の時ほどの閑古鳥は鳴かないが、少ないけどそれなりに人出がある。観光飲食街の横浜中華街さえ客がいる。

1月14日 スカ首相はいつも「仮定のことにはコメントを差し控えさせていただく」って言う。
 狂歌(緊急事態首相記者会見)
  「ひと月で感染拡大絶対に停止する」って仮定そのもの
 狂歌(半藤一利氏逝く)
  後世にこれもノモンハンかインパールなんて言われそうなGOTOキャンペン

1月18日 ブログ新記事【1515【コロナ寒中見舞い】厳寒の古老難汎天密苦の世にてお見舞申し上げます】こちらからははもう出さないけど、いただく年賀状への礼状として、寒中見舞いを書く。今年は寒中の見舞いだけでなく、古老難汎天密苦の見舞いも書いた。https://datey.blogspot.com/2021/01/1515.html

1月22日 今朝の朝日新聞に見開き全面2面のUSA大統領就任演説掲載。もう忘れたけど、日本の新聞は去年の日本総理大臣就任のときに、その演説も見開き全面、しかも2か国語で載せたんだろうなあ、それもきっと貧富分断社会を憂え、あるべき社会を示す格調高い内容だったんだろうなア、忘れたけど。それにしても、トランプの自国第1主義は大成功、なにしろ世界一コロナ国を勝ち取って引退だからなあ、そういえば都民ファーストと言ってるコイケ知事さん、この方も実に見事に日本一コロナ自治体を実現しているなア。

1月23日 コロナ禍でイベント取りやめ流行の中、横浜能楽堂で宝生流金井雄資:能「船橋」公演、一か月ぶりに能を見に行った。コロナだし、雨が降ってるし、寒中だし、観客は4分の一くらいのガラガラ、地謡5人はプラ製透過型覆面。能を見てちょっとはコロナうちが晴れたような。

11月24日 感染症特措法をコロナ対策で違反者に刑罰可能なように改正するとか国会で審議するとか。
  狂歌 GOTOをやらせた人もやった人も強盗とみなし懲役に処す

1月26日 こんな状況でもオリンピック業界は強気で、予定どおりに7月には開催するとの言葉ばかり。
 狂歌【コロナ禍五輪】
  開催へ無敵の秘策は無観客無選手無競技あゝ無理ンピック
 
狂歌<コロナ高齢重症者多発>
  願望のピンピンコロリへの思い大きくはずれて頻々古老難

1月30日 コロナ緊急事態下にある休日の横浜都心繁華街を徘徊して定点観測。昨年の緊急事態下の時と比べると、ずいぶん人出が多い。コロナ以前と比べると少ないが、その7割くらいだろうか。商店街により色々違う。観光街の横浜中華街は、客はかなり少ないがそれなりまんべんなくいることはいる。休店が2割くらいだろうか。去年の緊急事態下の閑古鳥は、今回は全然鳴いていない。元町商店街は、意外に多くの4割くらいの店舗が休んでいる。人通りは少ないながら途切れない。伊勢佐木モールは、休日らしい人出であるが、少なめではある。休業店舗が次第に目立つようになってきた。休業というより廃業店舗が目立つ。横浜橋商店街は、コロナどこ吹く風のいつもと変りなく人出がある。繁華街を普通に歩いているとコロナであることを忘れそうになるが、風景で大きく特徴があるのは誰も彼もがマスクをつけていることだ。この風景がコロナを想起する。 
 狂歌<コロナ時代風景>
  銀行の扉を入りてたじろぎぬ覆面集団全面占拠

(2021/01/31)


2021/01/18

1515【コロナ寒中見舞い】厳寒の古老難汎天密苦の世にてお見舞申し上げます

 年賀状を出さなくなって、もう10年くらいになるだろうか。それでもいただく年賀状はなくならない。きちんとくださる方が多くて恐縮する。
 そこで礼状の寒中見舞いを出すことにしているが、全部にではないし、それも隔年になったりする。段々と枚数が少なくなるが、その厳選過程を楽しむ。

 今年はいつもの寒さに加えてコロナ見舞いを出すことにして20枚、つまりいただいたのは50人くらいだが、これをたった20人のお方に絞り込んだ。
 葉書に小さな字であれこれ書くのは昔からおなじであり、各お方に一定の内容のほかに、その方だからこそお読みいただきたい事柄をかく。文面印刷はするが、内容は一人ひとり別である。あて名と自分の名は、筆で書くのだ。

 今年の文面の例を載せておく。

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厳寒に加えて古老難の世にてお見舞申し上げます

お元気にお過ごしと拝察いたします。年賀状を賜りありがとうございます。相変わらぬご活躍を羨ましくぞんじます。

わたしは7回目の年男で、それなりに元気です。建築家山口文象追っかけも、北鎌倉宝庵で種が尽きました。半世紀前の町田市博物館は取り壊し決定とて、保存運動がおきていますが…。

いやはや長く生きていると汎天密苦なんて、全くもってしょうもないことに出くわすものです。これが世の中をどう変える変えないのか、大いに興味が涌きますが、もういいかげんに飽きてきました。

横浜都心空中陋屋隠居の身を、健康のために足腰鍛えようとご近所徘徊し、古老難の街を定点観測する日々です。ところが外出が自他ともに不健康とその筋からお達しにて、やむをえず覆面で息とめて自転車疾走、むしろ危険か。

緊急事態再来の街ですが、古老難慣れして普通に人出の状態です。近所の伊勢佐木モールにはこの一年で安売屋、古物屋、居酒屋が増えてくる様子、貧乏隠居には好ましいことではありますが、なんだかねえ。街の風景で大変化は、行き交うだれもが覆面姿であること、夜目遠目傘に覆面も加えて美しい人が増えたのは古老難のおかげです。

それにしてもこの古老難はいつ消えるのか、その先に待つ大変化の世界を見たいけれど、とても待てません。とりあえずは春の花を待ちますが、これとても宴会自粛の孤独花見になるのでしょう、正月に来た息子が玄関の外で帰っていくのが親思いだなんて、もう嫌になっておりピンピンコロナ待望です。

どうぞお健やかにお過ごしくださいませ。  草々 

2021年1月厳寒

●● ●● 様

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参照:コロナ大戦おろおろ日録

2021/01/15

1514 【コロナ津波第3波襲来中】もう嫌になってしまったできるならピンピンコロナで逝きたいものよ

 また緊急事態に陥る日々、とにもかくにもコロナ大戦争の今を記録しておく。

●中国もコロナ再来

 コロナパンデミック発祥の地であるチャイナ(わたしは中国とか米国とかって国が付く言い方を嫌いなので、チャイナ、USA、コリア、UKとか言う)では、9カ月ぶりに死者が出たとのニュースである。コロナ死者は2020年4月以来とて、強権的な抑え込み政策もほころびてきたのだろうか。東アジアでは、日本に次ぐ4番目の感染国である。


 そのニュースに今回の死者が出た地名が「河北省石家荘市」とあるのを見て、全く個人的なある感情に襲われた。その地にはわたしの父が、1939年11月から41年の5月まで滞在していたのだ。支那事変と言われる戦日中戦争における、日本軍の兵員としてである。通信兵であり、諸儀式の神官をやっていたので、前線に出ることはなかったらしい。

 思えば、当時の中華民国にとっては、日本軍こそは現在のコロナ災害並みかそれ以上の大災厄であり、父もコロナウィルスの一つであった。あの戦争パンデミックと今のコロナパンデミックとを比べると、戦争と言う人災でないだけに今のほうがまだ幸いかもしれない。

●USAでは人災パンデミック

 チャイナはコロナを何とか抑えつつあるようだが、世界コロナ蔓延の最大感染国はUSAであり、そこには人災的要素が多分にありそうだ。
 大統領の改選騒動が続いており、これによる諸活動がコロナ蔓延に手を貸しているらしい。なにしろマスクを着けないのがトランプ支持者のあるべき姿とかいわれているそうだ。今日のニュースによると、USA連邦議会議員のコロナ感染者は、共和党が民主党よりもはるかに多いとのこと。
 トランプはコロナ騒ぎという社会不安を、自分の政権延長のための陰謀に利用しているのかもしれない。

 1月6日にトランプ支持者たちが、トランプに扇動されてUSA連邦議会議事堂に討ち入りした。よくもそんなばかばかしいことが起こるものだ。当然にことに14日にトランプは弾劾訴追されたが、トランプは決して謝らない奴だ。支持者がUSAの半分はいるという選挙結果を背景にしている。本物のコロナ感染者が2300万人、トランプに票を入れたトランプコロナ感染者が7200万人らしい。まるでトランプコロナパンデミック、COVID-19ならぬTRUVID-20である。

 そのようなコロナによる社会不安に乗じるトランプクーデタ騒ぎの中から、1月20日に大統領がバイデンに替わるが、それで何かが起きるのだろうか、コロナに並ぶ興味津々である、哀しいいことながら。 

●日本ではリーダが替わったけど

 USAでリーダ交代で何が起きるか楽しみだが、日本でも昨年秋に首相が一足先に交代した。いつも交代時期にはしばらくは期待されるものであり、新首相のスカさんもそうだったが、ここにきてコロナ対応政策の後手後手があって、支持率は急落した。

 まあ、コロナってのは何がどうなるのかだれも分からないのだから、疫学専門家でもないリーダが座ったとて、右往左往は仕方ないとも思う。こんな大変なときに、よくもまあ首相を引き受けたものだとも思う。前首相アへさんに逃げっぷりの汚さを非難したい。

 とはいても、新首相スカさんのあまりの凡庸ぶりに、これで大丈夫かと気になってくる。あの話しぶりの知性の無さ、いい加減さと言ったら、小学生のほうがましな感じがしてくる。もしかして当人もそう思っているかもしれないとさえ思わせる。
 これからのことを聞かれると、仮定のことには答えないと答えるなんて、それじゃあ行政の長を務めること不可能と分かってるのか。頭が悪いにちがいない。陰にいる優秀な官僚に操られるしかないのだろう、情けない。
 まあ、トランプよりははるかに良いとしておこう。アへさんのように右寄りの余計なことをやらないらしい雰囲気だから、良しとしよう。

 でも、スカさんの眼玉政策はGOTOキャンペーンだそうだが、酷いものだ。やり始めるとコロナに襲われて引っ込める、その繰り返しである。何よりひどいのは、その政策の及ぶ先が限られていることだ。おかげで私などは納めた税金を誰かにやっているばかりだ。

●コロナ1周年記念振り返り

 20019年1月15日に武漢から返ってきた神奈川県の30代の男が日本最初のコロナ感染者だったから、それから1周年でいまや累計感染者数31万人、死者数4400人である。

 去年4月11日の720人の新規感染者が第1波ピーク、5月半ばにちょ緊急事態っと落ち着いたが、8月上旬には第2波が来てピークに8月7日は1600人もの新感染者数、9月頃にちょっと落ち着く方向かと見えたが、また著しくぶり返してきて第3波襲来とて、2021年1月日には7882人と言う食いかすの新規感染者、これが果たしてピークなのかどうか予想がつかない。これがコロナ1周年の日本である。

 この間、感染予防のためには人々ができるだけ会わない、コロつしているのが一番の方策とされている。でもそれでは仕事ができない、稼げない、生きてゆけないとて、政府は防疫策と合わせて経済再生策をすすすめる。経済再生策とは要するに人々が動き回ることに税金を投入するのである。つまり人々を動き回らせるのである。当然のことにコロナ感染の方向になる。ブレーキとアクセルを同時に踏めと言うに等しいと言われたものだ。

 去年7月からのGOTOトラベルキャンペーンは、それなりに観光旅行を促進し、観光業界はちょっと息をついたらしい。だがやはり同時にコロナ蔓延が進んできて、GOTOが世間のやり玉にあがるばかりで、ついに年末になって取りやめになった。とうぜんそのことによる混乱があちこちで生じて、政度設計のずさんさがバレてしまった。どこかおかしいのは、大きな基本的な枠組みを書いて入り、細部だけで制度を動かしている感じである。スカ政権の動きを象徴しているようだ。

●再度の緊急事態もコロナ慣れ

 政府は去年第1波の4月7日から1カ月間の緊急事態指定にしたのだが、今年になって第3波の1月7日から再度の緊急事態指定を11都道府県に指定をした。その決め方もとても緊急と言う言葉の意味からは遠く、そろそろこわごわと検討した結果であるから、もうコロナはしっかりと蔓延していて、シテのとたんにズドンと感染者数の山が突出した。ということは、実際の感染はその1、1週間前におおきくあったということだから、後追いである。1年間コロナと付き合っても、いまだになんだ分からないのである。この前のように学校を休ませることにしなかったのは、それなりに勉強したからだろう。

 しかし、人々はコロナ慣れと言うかコロナ疲れと言うか、去年の緊急事態下のような真面目な外出自粛を、今回はしていないのだ。横浜繁華街を観察しても、例えば中華街では普通よりは少ないが、この前のように休業店も多くて閑古鳥が鳴くようなことはなく、ちらほら休業店もあるが、それなりに人出がある。これがコロナの蔓延を減じているのか促進しているのかさっぱり分からない。

緊急事態下の横浜中華街メインストリート風景

 緊急事態で諸般の社会経済文化活動がストップ、これに対して政策的支援が大きな課題となっている。営業補償、休業協力金支給、休業補償など、実のところよくわからないのだが、個人や企業に税金からの金がわたる仕掛けがいろいろできているらしい。わたしのような隠居には、去年一回だけ国民一律の10万円が来たが、そのほかにはまったく何にも来ない。これって不公平のような気がする。

●もう嫌だ、ピンピンコロナ待望

 コロナ過で世の中が一色になっているようで、年取って面白くないことで、もううんざりだ。コロナの騒ぎで何か面白いかと好奇心があったのだが、この日常ではそれを満たすものはない。

 好奇心の対象は、今の状況よりも、コロナ後の社会に向かう。コロナ後にはコロナ前と比べて、どう社会が変わるのだろうか、そこに興味がある。日本社会はもちろんだが、コロナ一番のUSAや西ヨーロッパの国々ではどうなるのか、EUはどう変化するのかしないのか、興味がある。

 しかし、どうも1年やそこらでは変わりそうもない。もしもワクチンが劇的に効いて、コロナが消滅したなら、世界はまた元のように戻るだろう。
 だらだらとコロナ災禍が続くと、社会経済文化の側が変わらざるを得なくなる。それを見たいと思えど、見極めるにはわたしの命が足りない。

 わたしがコロナに感染したら、治療の必要ないから、願わくはあっという間に死なせてもらいたい。ピンピンコロナである。もう十分に生きてきた、これ以上生きるのは飽きた。  (2021/01/15)

参考:ロナ大戦おろおろ日録 

2021/01/06

1513 【コロナますます繁盛】また明日からコロナ緊急事態の世とは長生きしたくないもんだ

●日本のコロナ

 毎日のように「昨日のコロナ感染数はこれまでで最多」とニュースは言う。昨日は1日で5,000人新規感染者とのこと。この前の緊急事態の時をはるかに超える。
 日本にけるコロナの状態(2021年1月5日午前0時現在)を書いておく。



 感染者累計総数254,309人(うち新規4,917人)、入院・療養中40,052人(うち重症771人)、死者計3,769人(うち新規76人)。この数字は病気として、たとえば毎年のインフルエンザと比べて、特別に多い数なのだろうか。

 地域別感染者ランキングだが、ベスト3は秋田県157人、鳥取県138人、徳島県209人で、ながらくトップだった岩手県は400人にもなって6位に転落した。

 ワーストの方は、東京都64,752人で大差でトップ、大阪府31,518人、神奈川県23,511人、愛知県、北海道、千葉県と続く。これらは基本的には行政人口順であろうか。
 東京では入院患者が3,000人を超えて、医療危機状態が間近いとニュース。

●緊急事態要請から制度の強化へ

 関東の4都県の知事たちが、こうも流行が著しいならとて、そろって政府に赴いて、緊急事態宣言を検討せよと提案したのが、正月3日だった。
 それに対して政府は、慎重に検討すると言う。緊急とは緊迫する急を要することであるはずだが、慎重に検討している暇があるのだろうか。

 もしかして政府は、緊急事態宣言を避けたくて、時間をかけて慎重に検討しているうちに、コロナ禍が緩んでしまい、発出状態でなくなるのを待ってるのかもしれない。
 でも、考えようによれば、政府がまだまだ検討しているということでの、感染予防アナウンス効果は大きいと思う。むしろ怖いのは、どさくさ紛れに自民党憲法案の国家緊急事態法への足掛かりにされるほうが心配である。

 狂歌<コロナ急増大流行>
  この今は緊急事態か慎重に日時をかけて俯瞰的検討
  この際に乗じ国家緊急事態にも使えるようにしておこうかな

 世間でも、緊急事態の閉店要請に従わぬものを罰しろと言う声が大きいらしい。国会では自民とにその声が大きいらしい。
 不安な世情で将来のことを忘れていまへの対応に追われると、禍根を残す対応になる危険性がある。これこそ慎重にやってもらいたい。

 ちょっと気になるのは、国会の野党の側はコロナ閉店に対する協力金を、休業補償の世に充実せよというようだが、どうも世間に迎合する感つまりポピュリズムの感がある。
 それはまあ、ある程度は必要だろうが、わたしのようなまったく関係ない者にとっては、他人の遊び場のために税金を投入するのは納得しがたい。

●またもや緊急事態の世に

 検討の結果は、明日(2021年1月7日)から、またもや緊急事態になるそうだ。ただし、日本全部にじゃなくて関東の4都県に限るらしい。
 飲食店は午後8時に閉店を要請するとか。どうやらコロナウィルスってのは夜行性らしく、この前の緊急事態の時は午後10時閉店だったから、その後に変異して強くなって、夜遊びに出てくるのが次第に早くなるらしい。

 狂歌<夜間営業時間短縮>
  変異して夜遊び上手になるコロナ午後八時にはもう待ちかまえ

 去年4月以来のことで、あれから人間がいくら努力しても、新型コロナウィルスのほうが上手で、人間の癖をついて感染してくるし、自分自身を強く変異させているとかで、人間は努力してはいるが勝てないままである。

 緊急事態宣言が出ようと出まいと、わたしのような隠居の身には直接関係ない。
 だが、だれも彼もが加害者になり被害者になり得る状況は、地球規模の社会不安そのもの、奇妙な時代に最晩年が行き合ったものだ。
 コロナがどう人間に影響を及ぼすのか、見届けたい好奇心はあるが、さていつのことかわからぬから、こちらの命の方が先になくなるだろう。

●世界のコロナ禍

 地球上でのコロナは、世界各国の統計を集めると2021年1月5日17時現在で、累計感染者数は約8600万人で死者は約19万人、トップはUSAで感染者約2,100万人で死者約35万人、次いでインド感染者約1000万人で死者約15万人、ブラジルロシアUKフランスと続く。これらはその国の人口に比例するであろうか。


 地理的には日本に似ているUKが意外に深刻である。ロンドンを含むイングランド全域でロックダウンという、超厳しい緊急事態規制が出て、しかもこれが3度目だそうである。
 なにしろ7日間連続感染者が5万人超えというのだからすごい。それは日本の昨日の10倍もだが、その差はいったい何故だろうか。

 そのイングランドの規制がものすごい。生活必需品店のほかは原則閉店、市民の外出も原則禁止、違反には最高90万円の罰金だそうだ。もちろん学校も閉鎖というから、これはもう戦時戒厳令である。
 去年の流行最初の頃は楽観的な政策だったのに、大きな変化である。ただし、日本と違うのはワクチン接種が始まっていることだ。

 さて、世界中の国々で、コロナを故として資源の自国囲い込み主義が進むに違いない。
 世界中で世情政情不安が積み重なると、どこかの国でナチスのヒトラーのような人物が出てくるかもしれない。USAのトランプを支持する熱狂ぶりを見ると、コロナをテコにして独裁政権が今に登場するだろうと、実際に不安になってくる。杞憂であるとよいが、。

参考:コロナ大戦おろおろ日録

20210107追記
 今日のビッグニュースに、USA連邦議会議事堂にトランプ支持者たちが討ち入りして、死者が出たとのこと。ちょうど次期大統領を決定する会議中だったのを、トランプがデモ群衆を煽りたてて阻止しようとしたらしい。ナチスが大衆を煽って政権掌握に進んだのをまねしてるのか、USA市民の知的レベルをを示すものか?

 緊急事態は、明日8日から1か月間の適用だそうだ。


2020/12/31

1512【コロナ日録2020年12月】珍名官庁、はやぶさ、コロナ騒動、桜騒動、今年のコロナ総まとめ

 今日は大晦日(2020/12/31)である。今月のあれこれと、最後にパンデミックの記憶のためにこの1年のコロナ事件項目を記しておく。

◆コロナ日録2020年12月

12月3日【珍名官庁】
 もしかして官邸あたりの官僚に、ヘンに語感の鋭いお方がいて、おもしろがって珍語感用語をわざと使ってるのかなあ。デジタル庁って珍名だ、出痔腸ってか、きたな。
【はやぶさ2】
 地球に帰還するってちょっと待ったほうがいいよ、ウイルスひとつない星から、ウイルス大繁盛のこの星に、急いで帰還なんてしなくていいよ

12月3日【伊達の眼鏡ブログ新記事:言葉の酔時記:流行語】
 どういう基準で選ぶのか知らないが、今年はわたしは10点の言葉のうち5点を知っていいた。10点の言葉の内で6点までが新型コロナウィルス関係であるのが、他の年のそれと比べての今年の特徴だろう。さすがパンデミック年である。わたしなら「総合的・俯瞰的」とか、「お答えは差し控えます」ってのを選ぶんだけどなあ。https://datey.blogspot.com/2020/12/1506.htm

12月5日【伊達の眼鏡ブログ新記事長屋政談:学術会議問題】
 首相が行うべき日本学術会議会員の任命を、会議からの推薦名簿の内から6人を拒否した事件発生、的には違法状態発生だが、首相は実際にわかってやった確信犯だろうか。野党や学会からの追及を受けての言動を見ると、実は官僚が勝手にやったような気配がある。もしかして政治的大陰謀だろうか、菅さんの知性のない能力のほどが見えた。https://datey.blogspot.com/2020/12/1507.html

12月6日【はやぶさ2】
 星間宅急便屋さんが何か届けにきたけど、コロナ地球接触が嫌で、空中で放り投げていったらしい。

12月11日【伊達の眼鏡新記事:言葉の酔時記:疎開から開疎へ】
 コロナで人間相互と空間に密を避けることを表す言葉は、social distancingである。この意味の日本語には、本来の意味での「疎開」がいちばん適切である。しかし、戦時中の学童疎開での使われ方で、地域間避難移転という、本来の意味から派生したひとつにすぎない意味にのっとられてしまっている。さて、ではsocial distancingを日本語でどう言うのがよいかと、ブログにも書き考え込んでいた。ところが今日、都市計画家協会のネットシンポで、安宅和人氏のスピーチに「開疎」という言葉を使っておられることに気が付いた。たぶん安宅氏の造語だろう。その意味は広い意味でのsocial distancingであるようだ。そうか、よし、これからは「疎開」social distancingを、「開疎」ということにしようhttps://datey.blogspot.com/2020/12/1508.html

12月12日【こんな時に医療費値上げ】
 医療費の支払い負担を1割から2割に増額する政策、さいわいにして夫婦二人で年350万円以上を対象とするとて、それに届かぬ私は対象外。
 狂歌<超高齢者福祉政策>医療費の値上げ対象からはずれ幸せなのか不幸なのか
 狂歌<総合的俯瞰的実情>GOTOに行くカネ体力気力なく自粛お籠り続けてるフリ

12月18日【伊達の眼鏡新記事:怪しいハイテク:PC初期化】https://datey.blogspot.com/2020/12/1509.html

12月20日【能:蝉丸】
 
能楽鑑賞でコロナ禍の世間をしばし忘却、流派で異なる?コロナ対策https://datey.blogspot.com/2020/12/1510.html

12月20日【コロナ繁華街】
 1400ころから自転車で休日の横浜定番コース観察、ずいぶん人出が多い、コロナ禍は日々新記録更新中にて、再度の緊急事態は連れが起きるかと、駆け込みレジャーか。

12月21日【日本流のワクチン】
 狂歌<japanワクチン>GOTOで感染拡大副作用 停めたら経営打撃副作用

12月24日【桜騒動】
 安倍前首相が桜を見る会に乗じて地元後援会にサービス提供したとされる件につき、その公設第1秘書が生資金規正法違反で100万円の罰金刑になって、安倍氏が国会での追及に言い逃れしたことが虚言であったと暴露されてしまった。
狂歌<桜と学術>恥ずかしやウソツキ秘書にしゃべらされヘリクツ官僚に読まされる宰相
狂歌<嘘言弁明>「答弁はこうなさいませオボッチャマ」言われたとおりにしただけでした

12月25日【アベ虚言弁明国会】
 
安倍氏は虚言を謝るも議員辞職せずに初心に立ち返って今後も務めるとのこと
狂歌<ウソ連鎖>ウソつきがウソつきましたと詫びたとてこれまたウソであるもしれぬ
狂歌<まだまし>また憲法いじくる初心に返らずにそのまま「桜」で遊んでいてくれ

12月26日【伊達の眼鏡ブログ新記事:国会議員秘書】
 国会法によれば、国会議員の公設秘書は、その個人給与を国費で負担する国家公務員特別職である。配川博之氏は懲戒免職ではないから退職手当もたっぷりであろう。罰金百万円の原資もとうぜん税金だな。
 安倍氏の預金が「桜」補填の原資なら、国会議員歳費とか政治活動費などの税金がその原資になるのだろう、税金だよなあ。
 国会法によれば、国会議員の公設秘書は、その個人給与を国費で負担する国家公務員特別職である。配川博之氏は懲戒免職ではないから退職手当もたっぷりであろう。罰金百万円の原資もとうぜん税金だな。安倍氏の預金が「桜」補填の原資なら、国会議員歳費とか政治活動費などの税金がその原資になるのだろう、税金だよなあ。
 なんだか納税をイヤになってきた。
https://datey.blogspot.com/2020/12/1511.html

12月27日【気の毒な人か】
 安倍さんは実は気の毒な人かもしれない。名門に生まれたばかりに、能力もないのに首相まで上りつめ、ここにきて秘書にバカにされても、国会議員を辞めることができない。
 狂歌<気の毒かも>
 「この度はこうしゃべりなさいオボッチャマ」指示のとおりにまたやっています
 ボッチャマの裏の裏まで知る番頭ぜったい敵にまわせぬ恐怖

12月31日【大晦日】
 ささやかに大掃除をした。コロナのせいでこの暮れ正月は二人の息子たちもやってこない。わたしは平気だが妻は断れと言うので仕方ない。
 日本の新型コロナの感染者数は4515人でこれまでで最多、日本国内感染者数累計は19万2110人。
 今日は大みそか、大つごもりとも言う。ふと思い出した、少年時には「おおつもごり」と言っていたような、、。はて、これは少年の舌足らず現象か、それとも方言だったのか。さっそく貧者の百科事典をググると、おお、あるある、どうどうと「おおつもごり」と書くページがいくつも登場する。「樋口一葉のおおつつもごり」との文さえあるが、そりゃ違うだろ。俳句に「吹き晴れし大つもごりの空の紺」(星野立子)があるそうだ。一部の辞書には「大つごもりの訛」と載っているとのこと。そうかそうか、それほど珍しくはないらしい。


◆2020年コロナの年の事件簿

1月7日 新型コロナウィルスをチャイナの専門家グループが検出、9日にチャイナ政府が公表。23日から武漢市は都市封鎖。
1月16日 日本初の新型コロナ患者を確認と厚生労働省が発表、神奈川県内の30代男、武漢から帰国後に肺炎症状。
1月29日 コロナ感染拡大の武漢から日本人206人を載せたチャーター機羽田到着。
2月5日 クルーズ船でコロナ集団感染、横浜港に停泊のダイアモンドプリンセス。
2月13日 コロナで日本初の死者、神奈川県の80歳代日本人女性で、渡航歴はなく死亡後に感染確認。
2月24日 政府の専門家会議が「この1、2週間が瀬戸際」との見解で、コロナ感染急拡大か収束の分れ目とした。
2月25日 サッカーJリーグ競技中止、スポーツイベントが次々と開催断念
2月26日 各種イベントを2週間自粛を政府が要請
2月28日 文科省が全国の小中高などに臨時休校を求める通知を出した
3月11日 新型コロナの「パンデミック」をWHOが認定、2009年のインフルエンザ以来。
3月24日 東京オリパラの1年延期決定
3月25日 コロナ感染拡大によりすべての海外渡航の自粛を政府が要請
4月1日  政府が日本の全世帯に布マスク2枚づつ配布を表明、アベノミクスをもじってアベノマスクと揶揄
4月7日  コロナ拡大で政府が緊急事態を、東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡の各都道府県に宣言
4月16日 緊急事態宣言を全国に拡大適用。国民一人当たり10万円の支給を決定
4月23日 商店街・大型店に入店制限を政府から知事に要請
4月24日 日本中の幼稚園・小学校・中学校・高校など94%が旧交を決定
4月30日 国会でコロナ対策など盛り込んだ補正予算総額25兆6914億円成立、目玉は一律10万円給付
5月20日 4月の外来観光客が99.9%減で2900人だったと観光庁が発表
5月25日 全国の都道府県での緊急事態宣言を解除
5月29日 USAトランプがコロナをめぐってチャイナ寄りと批判してWHO脱退表明
6月12日 コロナ追加対策の第2次補正予算31兆9114億円が国会で成立
7月22日 政府の観光支援策の目玉「GoToトラベル」開始、ただし東京都内への旅行は対象外
8月1日 歌舞伎座で客席を半分にして5カ月ぶりに公演再開
8月17日 政府発表の4-6月GDP速報で年率換で27.8%の減少で戦後最悪
8月28日 安倍首相が病気を理由に辞任表明、史上最長の8年半の在任期間
9月16日 新首相に菅氏が就任、安倍政治の継承
10月1日 首相が日本学術会議会員任命を会議からの推薦者のうち6人拒否して違法状態がはじまった。GoToトラベルに東京発着を追加
11月7日 USA大統領選挙でバイデン当選確実なるもトランプは敗北認めず
11月9日 コロナの世界感染者数が5千万にを超え、死者は125万人超えて増加ペース加速
12月8日 UKでコロナワクチンの接種開始
12月14日 GoToトラベルを全国で停止(12月28日から1月11日)
12月24日 安倍前首相の公設第1秘書が桜を見る会前夜祭費用の政治資金報告書不掲載で罰金100万円の刑。不起訴になった安倍氏の今回答弁の虚偽が暴露
12月25日 新型コロナウィルス変異型をUKから帰国の男女5人の空港検疫により日本で初確認
12月31日 日本の新型コロナの感染者数は4515人でこれまでで最多、日本国内感染者数累計は19万2110人

2020/12/26

1511【お騒がせ前首相】嫌になるコレラ厳冬の退屈しのぎは永田町あたり「バカ桜」狂い咲き

 このブログに政治のことを正面から書く気はないのだが、コロナ中で鬱屈する中の政治バカ話題狂歌タネとしてこれを記録しておく。

 つい先日(2020/12/24/)のこと、前総理大臣の安倍晋三氏の公設第一秘書である配川博之氏が、略式起訴により罰金刑を受けた。いわゆる「桜を見る会前夜祭」事件である。
 首相在任中に後援会への接待で、政治資金規制法に抵触したとして罰金百万円である。その雇用主である安倍氏も捜査対象となったが不起訴である。

 安倍氏はその首相在任中に国会でいくたびも、その件で執拗に野党から不正疑惑があると質疑を受けたが、その場はその秘書からの指示による答弁をして逃れたのであった。
 ところが、その件が検察の捜査により、その秘書が起訴されて罰金刑確定したことで、国会での安部氏の答弁が虚偽であったことを世に知られてしまった。

 安倍氏は秘書に事情を確かめところ、収支は適正で安倍側から補填はない、政治資金規正法違反はないと、その言い逃れ虚言を信じて、教えてもらったとおりに答弁したというのだ。結果は補填ああるし、法違反もあった。野党の疑惑指摘の通りだった。

 狂歌<嘘言弁明会見>
   「答弁はこうなさいませオボッチャマ」
         言われたとおりにしただけでした

 そこで昨日(2020/12/25)、安倍氏は国会において事情説明して、自分は知らなかったが、結果としてそれが虚言であったとして、道義的に陳謝するといった。
 その様子をネット実況中継で観た。陳謝の弁はあったが事情説明の口調が、あの虚言をとうとうと述べた予算委員会と同じなので、眉に唾つけたくなった。うそでも恐縮する態度をできないのかしら。

 野党の質疑への対応は、在任中の委員会での対応とほとんど変わらぬ態度であった。検察の捜査と判断でこうなったというだけで、自分から調査をした形跡はないのだった。
 しだいにあの在任中の予算員会での答弁再現になってくるのがおかしい。検察が自分を起訴しなかったから潔白の証拠だと言わんばかりである。真摯さを感じられない。

 狂歌<嘘つき連鎖>
   ウソつきが「ウソつきました」と詫びたとて
        これまたウソであるもしれぬ

 委員から、国会議員の不祥事の前例に倣って議員辞職をせよと言われて、「反省」「信頼」「回復」などの言葉を並べて、議員辞職を否定し、「研鑽」し「初心に立ち返り努力をしていきたい」と述べた。うーん、何の努力するのか心配になる。

 狂歌<まだまし>
   また憲法いじくる初心に返らずに
        そのまま「桜」で遊んでいてくれ

 ご当人の心のうちを知り様がないが、こんな赤っ恥かいても国会議員にとどまるとは、よほどの事情があるに違いない。
 政治の名門に生れたために、ご自分では進退を決定できないのだろう。お家大事にやってきた番頭のドジくらいのことで辞職しては、お家をつぶすことになるぞとの声が渦を巻いているのだろう、たぶん、気の毒になってくる。

 ところで渦中の人の公設第一秘書の配川博之氏は、この件で安倍議員の公設秘書を退職したそうだ。懲戒免職ではないらしい。
 さらに安倍氏の預金から無断補填したので、業務上横領の罪に問われるかと聞けば、それもないと答えた。安倍氏の預金が補填の原資なら、国会議員歳費とか政治活動費などの税金がその原資になるのだろう、税金だよなあ。

 さらに国会法によれば、国会議員の公設秘書は、その個人給与を国費で負担する国家公務員特別職である。配川博之氏は懲戒免職ではないから退職手当もたっぷりであろう。
 配川氏は税金をつかって犯罪をやり、総理大臣に嘘つき指南をして、あんなに国会空転させていたんだね、そうか、罰金百万円の原資もとうぜん税金だな。
 なんだか納税をイヤになってきた。 

  狂歌<気の毒なお方かも>
   「この度はこうしゃべりなさいオボッチャマ」
         言われたとおりにまたやりました

    ボッチャマの裏の裏まで知る番頭
         ぜったい敵にまわせぬ恐怖

(2020/12/26)

2020/12/20

1510 【能:蝉丸】能楽鑑賞でコロナ禍の世間をしばし忘却、流派で異なる?コロナ対策

 コロナ過はますます深刻だが、休演となるかと怖れていた12月19日の横浜能楽堂の企画公演は、幸いにも実行だった。大槻文蔵と浅見真洲という大ベテランによる観世流の能「蝉丸」鑑賞、鬱屈する日々の中で伝統芸能堪能でしばしコロナ世間を忘れた。


横浜能楽堂本舞台見所1階中正面5列14番より

 先月の横浜能楽堂公演「木賊」では、舞台上のコロナ対策らしく、地謡5人が顔から白布マスクふんどしを垂らして横並びの姿は、なんとも異常な舞台風景だった。それが気になるし、そのせいか謡も聞こえにくくて、能に浸れなかった。

 今回は、通常は8人の地謡が5人横並びのコロナ仕様は仕方ないとしても、顔にふんどしを垂らしていなくて安心した。だから見所から舞台を眺めている分にはコロナを忘れることができた。流派によってコロナ対策が異なるってのはヘンだ。
 だが、出演者たちの舞台から見る見所は、だれもかれもがマスク姿でコロナ風景そのものだったろう。

 見所は座席を一人おきの指定席である。入り口で検温、手指消毒、マスク着用要請され、チケットもぎりを自分でやる。チケット介して感染もあり得るのか。

 能「蝉丸」は能特有の舞うことは少なく、物語演劇的である。美しい詞章が多い。
 主役二人は姉弟であり、兄は盲目の乞食で妹は異形物狂い放浪者、その出自は皇族であるという設定が奇抜である。その故に戦前戦中は不敬にあたるとて、上演禁止であったのだから、まぐさい風が吹いていたらしい。今も吹いていそうだ。

 その設定はともかくとして、この能も本質的にはよくある仏道もののひとつであろう。二人の不幸な運命は、前世現世来世のためであり、諦念せよとの教えである。
 今がもし中世ならば、庶民であろうが皇族であろうが、コロナから逃れられない、諦めよというのであろう。

 だが、能によくあるように、最後に仏道に救済されるハッピーエンドではない。シテの蝉丸は仏道に入るのだが、最後まで救われることはない。妹の逆髪に出会った喜びもつかの間、逆髪は狂気のままに去っていく。盲目の蝉丸はあばら家にひとりただ嘆くのみ。

 謡には仏道による救済の言葉はいくつも登場するのだが、それらが姉弟を救うことないし、それらしいほのめかしもなく舞台は終了する。考えようによっては、それだからこそ近代的な解釈を可能にする能であると言えるかもしれない。

 今回の能の面白さの中心に、その場所の設定があることを、講演の馬場あき子さんが強調していた。「逢坂の関」は古来から歌われた所ある。関所と言う人々の出会い別れによる多くの情感を込められたところである。文化人類学や民俗学でいう「境界」である。異なる世界相互を行き来する場所である。

 だからこそこの能の作者は、登場する姉弟も皇族から放浪者あるいは乞食という両極端な世界を行き来した者として創作した。作者は不詳だが、世阿弥の頃はすでにあった能であるという。

 文蔵と真州という両シテ組み合わせに加えて、アイ狂言に野村万作が源博雅として登場したのも豪華配役であった。アイ語りもないこんな簡単な役に万作とはもったいない。
 だが実はこの源三位博雅は、この物語では重要な役のはずである。なぜここに彼が登場するのか、蝉丸と同のような関係なのか、それは重要なことなのだが、能の中では一向に出てこない。今昔物語にあるこの話をアイ語りさせるとよいのにと思う。

 考えてみれば、能役者たちも今は仕事がなくて大変であろう。このような演能機会はめったにないことだろう。現在は能楽が大衆化して、演能の機会が多くなっていたのに、どうなるのだろうか。コロナ騒動をもとに能や狂言の新作演目が登場するだろうか。

●2020年12月19日14:00~16:30 横浜能楽堂
企画公演「馬場あき子と行く 歌枕の旅」第3回 近江国・逢坂

講演:馬場あき子

能「蝉丸」(観世流)
 シテ(逆髪)大槻文藏  シテ(蝉丸)浅見真州
 ワキ(清貫)森 常好  
 ワキツレ(輿舁)舘田善博 ワキツレ(輿舁)梅村昌功
 アイ(博雅三位)野村万作
 笛 :松田弘之  小鼓:曽和正博  大鼓:白坂信行
 後見:赤松禎友 武富康之 大槻 裕一
 地謡:浅井文義 小早川修 浅見慈一 武田友志 武田文志

(2020/12/20)

2020/12/18

1509【怪しいハイテク】どじコンピューターを初期状態の処女にしてやったのに恩を仇で返しすとは、

  来る日も来る日もコロナコロナとて、とにかく世間との付き合い絶てという。
 そうでなくても年寄りは世間が狭ばまるので、せいぜいネット社会に世間を見いだしている日々なのに、そのコンピュータが故障を起こすと、孤立するばかりとなる。

 大学同期生たちのうちで40人くらいが、ML仲間である。若い奴らならフェイスブックとかツイッターなどのSNSだろうが、老人は今だに電子メールである。
 あれこれと情報が行き交うが、先日は仲間のMがコンピューターが遅いとの故障相談、それに応じたのがK、Mとの間にあれこれとメールが行き交うの仲間たち誰もが見物していた。やがて復旧に成功したとのメールが流れた。

 これの一部始終を横から読んでいたわたしも、ダイナブックノートPCの不調が気にかかる日々であったので、これを何とかするかな、と思いついた。


白がダイナブック、黒がフロンティア

 このノートPCは、2012年に購入したWindows7を、この正月に10にバージョンアップしたものである。それからは最初の立ちあがりが遅い、途中の反応が遅い、画面がなんだか白っぽい。ディスククリーンアップしても治らない。
 Mの故障は初期化したのが原因とのこと、そしてそれによる障害は治ったらしいので、わたしもその初期化なることをやってやろうと考え、ネットでその方法を読んだ。

 Mにできたのだから俺だってできるはずと勝手に思い、エイやっと初期化の作業を開始した。初期化作業ってのはなんと時間がかかることよ、寝る前に開始してコンピュータ君はひとりで深夜作業をやっていた。

 朝起きて期待しつつ立ちあげたら、幾分早くなったような、画面もちょっとはきれいになったようなと、ちょっと喜んでいた。
 だが、しげしげと観察すると、ぎゃあーッ、大変だあ、ワードがなくなってる。これないと本作り趣味が不可能だ。ぎゃっ、プリンタードライバーがないっ、いよいよ本づくり絶望。なんだよー、そんな副作用があるのかあ、書いてなかったぞ。

 他となるとに消去されたアプリケーションだってたくさんあるに違いないと調べると、あるある、ひどいひどい。
 初期化するとは最初の姿に戻すことだろうから、購入後にこちらで入れたアプリケーションは消えてしょうがないとしても、購入した時から入っていたオフィスが消えるとは、実にけしからん、マイクロソフトのバカヤロ。

 しょうがないので買ったときについていたオフィス復旧用DVDをつかい、インストールにとりかかった。ついている指示書に従い、指定のプロダクトキーを入れると、DVDは動き出したので、うれしや、、、ところがすぐに停止、このDVDは違うと言ってくる。
 そんなことないよ、買った時についていた純正品だよ、再度やるけど動かない、再々度やれど動かない。

 しょうがないから上記の同期生仲間にメールして、SOSを訴えた。先ほどMの相談に乗っていたKから親切にアドバイスメールが来た。しかし動かない、更に質疑応答メール、動かない、この繰り返しが5回くらいあった。

 そしてどうやら効いたらしいアドバイスは、「PCの中にあるオフィスに関連するらしいところを徹底的に削除しろ」ということだった。
 さて、それがどこにあるやら、あちこちクリックしてひっくり返して捜索したら、それらしい物を「設定」の中にいくつか発見、それらをアンインストールした。

 そうやってさてまたDVDを動かす。おお、動き出したぞ、インストールしているよって横棒が出てきて、それが次第に長くなっていく。どんどんやってくれー、よかったよかった、、、えっ、いや、あーっ、また停止したぞ、こらっ。

 いやいや、ここで諦めないこと、再々再々度の挑戦で動かせば、おお、さっきよりは長く動くぞ、ふふふ、イケイケー、あーっ、なんだよー、またかよー、ガックリ。
 でも諦めないぞ、出直して開始すれば、おお、動く動く、いつ停止するか、ハラハラ、がんばれー、、40分くらいか、。

 と、画面が突然に変わった、おお、インストールできたと言ってるぞっ、やればできるじゃん、はあー疲れた、身体は指を動かしただけだけどね。

 さっそくワード、エクセルとアイコンクリック、おお、出て来るじゃん、消失からこの再現に至るまでには48時間、その間には遊びに出たりしてたが、デスクにいるときはずっとあれやこれやとつついては、がっかりしていた。とにかく諦めずにここまで来たのは、ネットで励まし続けてくれた同期生Kのおかげである。

 しかし考えてみると、もとはわたしが金だして買った物がドジになったので、それを治してやろうとの善意の行為あり、しかもそっちが推奨してる方法なのに、こんな意地悪するとは、マイクロソフトのドジである。実にけしからん。
 当分は消失アプリの再インストール作業に手がかかるな。こちらが喜ぶことではないく、余計な手間取らせやがって、と怒っている。
 新規購入した時の綺麗な処女の身体にしてやったのに、その恩を仇で返すとは、恥知らずな奴だ。

 でもまあ、ここはしょうがないから、このドタバタによって、わが頭の老化進行をいくぶんかは遅らせることができただろうと、それがよかったと思うしかない。(20201218)


2020/12/11

1508 【言葉の酔時記:疎開】長いカタカナ語ソーシャルディスタンシングの短縮語や日本語はあるのか

■コロナいよいよ盛況

 コロナはますます大繁盛であるが、ロシアとアメリカとイギリスでワクチン開発できたらしい。それでなんとかなるのかしら、それはいつのことかしら。
 昨日の全日本感染者数は過去最多記録更新で約3000人、全国で昨日までの累計17万人余、死者2500人余

 世界では感染者累計6900万人、死者累計167万人、アメリカがトップを今も維持しており1540万人感染累計・死者累計29万人、インド、ブラジル、ロシアと続く。

 そんな日に、故郷の高梁盆地の旧友から地元新聞切り抜き画像メール、昨日の高梁市で2人新規感染発生、これで累計5人のコロナ感染者発生とて、市長が特別記者会見している。人口3.2万人だから1万人当たり1.56人感染。

 そしてこちら、わたしの住む横浜市では昨日の新規感染者数が112人、累計6801人、そのうちでわたしの住家がある中区では累計感染者415人、人口15万人だから、1万に当たり28人感染となる。 

 ということは、故郷とこちらとで感染度合に18倍の差がある。これじゃあ故郷に移転するコロナ疎開をしたくなる。だが、移転者がコロナ運搬者になるおそれがあるから、あの戦時疎開とは大いに違う時代状況である。戦争や天災による避難の疎開よりも、病魔から避難する疎開のほうが条件が厳しいと気が付いた。

■ソーシャルディスタンスの日本語訳

 このコロナ流行激化地から避難するというコロナ疎開は、ソーシャルディスタンス行為のひとつであるが、そのソーシャルディスタンスという言葉そのものが、以前から気になっている。それは、パソコンとかスマホとかに言う様に、日本人は長たらしいカタカナ外来語を短縮して日常語にしてしまう才能があるはずだ。スクリーンショットをスクショと言うのに笑う。

 それなのにソーシャルディスタンスという言葉は、現在では1年近く流行しているのに、いまだに長いカタカナ語であるままとはなぜなのか。それとも私が知らないだけで、実は世間では縮めて「ソーデス」とか、あるいは「SD」とか言ってるんだろうか。だが聞いたことが無い。

 さらに不思議なのは、日本語訳の単語がいまだにないことである。そのまんま「社会的距離」と翻訳している例も見受ける。生物としての人間が相互の位置の物理的間隔をあけるのが、どうして社会的距離になるのだろうか。
 日本語で社会的と言うと、社会学とか社会運動とか社会主義とか情報社会とか車社会とかを連想して、距離とか間隔という物理的事象に対応しない気がする。違和感がある

 現今で一番の普及しているソーシャルと言えば、SNS(Social Networking Service)だろう。だが、これに対応する日本語がないらしい。内容から言うと、ここでのSocialの意味は「交流」であろう。あえて訳せば「人間交流電網方式提供」ということか。

 ソーシャルが交流の意味で使われてきたのはソーシャルダンス、すなわち人と人が互いに接触して踊ることを通じて交流する「社交ダンス」であろう。英語のsocialには社交の意味もあるのだ。
 ソーシャルディスタンスを「交流距離」あるいは「社交距離」と翻訳すれば、対人相互の間隔の意味に近くなる感がある。なのにそう翻訳しないのはなぜか。

◆フィジカルディスタンス

 ソーシャルディスタンスをネット検索してあれこれ読んだら、これは正確には「フィジカルディスタンス」と言うべきであると、コロナ防疫の大元締めの世界保健機関(WHO)が推奨しているそうだ。

 つまり、ソーシャルディスタンスは「人と人との社会的なつながりを断つという誤解を招きかねず、社会的孤立を生じさせる」おそれがあるので、「身体的、物理的距離の確保」を意味する「フィジカル・ディスタンス(phyical distance:物理的距離)」と言え、とのことである。

 やっぱりそうか、わたしの違和感は正しかったようだ。「物理的距離」ならばわかりやすい。しかし、実際に「フィジカルでスタンス」という掲示やニュース記事などに出会ったことがない。世間に違和感あるままに受け入れられている言葉なのだろうか。だれも違和感がないのだろうか。

 なお、英語解説的ネットページにこんなことが書いてある。要約すると「英語圏の人々はSocial distancingという。Social Distance は、もともと「社会的な階級(地位や人種、性別、性的志向)の違う人達の心理的な距離」を表す言葉だから、英語ニュース新聞には Social Distancing という。distancing とすることで、「距離」ではなく「距離をとるという行為」を表す」(http://www.nagareyama.ed.jp/ootakatyuu/kyounoootakachu/R2.5.15%E3%80%80%E3%80%80%E8%8B%B1%E3%83%BB%E2%91%A3.pdf)

 これが正しいならば、更に進んでWHOが言うように「phyical distancing」と言うべきことになる。「物理的間隔を開けること」である。それは「3密を避ける」と同義になる。
 さて日本では今後もソーシャルディスタンスといい、社会的距離と言い続けるのだろうか。これを正しく「フィジカルディスタンシング」と言い換えるならば今のうちだが、アンリにも長すぎる。さて、日本語にどう言い換えたものか。

◆フィジカルディスタンシングと疎開

 以前からわたし思っていて、そのことをこのブログに書いたこともあるが、さらに考えてみたい。https://datey.blogspot.com/2020/04/1457.html
 とりあえずここではソーシャルデシスタンスを、フィジカルディスタンシングと言い換えることにする。日本語にこのphysical distancingに相当する単語は無いのであろうか。いつまでも長たらしく、しかも違和感あるカタカナ語のままコロナ時代を過ごすのだろうか。

 日本語では、この相互間隔を確保するということを、どのように言うべきか。実は、日本語にはそれにぴったりの言葉が昔からあるのだ。それは「疎開」である。
 ただし、疎開という言葉は学童疎開や建物疎開とか強制疎開とか、太平洋戦争末期によく使われたので、その時の災害的印象が日本人の強烈な負の記憶になっている。
 いまでは災害避難のために居住地を他に移るという意味だけ残って、本来的意味を忘れられている。

 しかし実は疎開の本来の意味こそ、social distancingなのであった。ここで「疎開」という日本語を、時代をさかのぼっての使い方を含んで日本語辞典類で調べよう。

・『増補字源』(1955年、初版1923年)における疎開
 この辞典には疎開と言う言葉が載っていない。疎も開も熟語が多くあるが、疎開はない。その理由を推測すると、この辞書は中国古来の漢文にある用例に限って掲載してるからであろう。つまり疎開は日本で組合せて作った言葉であるらしい。

・『辞海』(1952年)における疎開
 ①まばらになるように開くこと。
 ②密集隊形の距離間隔を開くこと。
 ③空襲の被害を少なくするため建物の一部を取り払う(住民の一部を他に移す)こと。「建物(強制・学童・集団ー)

・『広辞苑』(第3版1982年)における疎開
 ①とどこおりなく通じるこ。開き通じること。
 ②戦況に応じて隊形の距離・間隔を開くこと。
 ③空襲・火災などによる損害を少なくするため、都市などに集中している住民や建物を地方に分散すること。疎散、「学童ー」「強制ー」

・『日本国語大辞典』(第2版 小学館 2002年)における疎開
 ①とどこおりなく通じること。開き通じること。また、木の枝を刈り込んでまばらにすること・疎通。(明治時代から見える語だが、挙例の「漢英対照いろは辞典」「新編漢語辞林」にあるように、当初はもっぱら①の意で用いられていた)。
 ②軍隊で、敵の砲弾からの危害を少なくするため、分隊、小隊、中隊などが相互の距離間隔を開くこと。(大正から昭和初期にかけて(2)の軍隊用語として定着するが、第二次世界大戦が始まると、③の意で一般社会でも用いられるようになった)。
 ③空襲・火災などの被害を少なくするため、都市などに密集している建造物や住民を分散すること。(「生産疎開」「建物疎開」「人員疎開」の三種類があるが、これは第二次世界大戦下のソ連における工業施設疎開や、ドイツのベルリンで行なわれた人口疎開に学んで実施されたもの)。

◆疎開こそフィジカルディスタンシングの正しい日本語訳

 これらの事典で分かるように、要約すれば「木の枝を刈り込んでまばらにすること」が元の意味であった。それが軍隊用語として「戦場で敵からの砲撃を避けるために兵や隊相互間隔をあけること」なり、次に「戦時の強制移転」という意味になった。

 この意味①から③への広がりを全体像として見ると、まさに現今のsocial distancingそのものである。戦後に使われることはほとんどなかったが、近年では「原発疎開」で避難の意味で使われ、現今では「コロナ疎開」なる言葉が出てきているから、③の意味は継続している。だが①および②の意味では日常は使うことはない。

 なお、戦中末期に使われた疎開と言う言葉は、実際は戦災事前避難行為だったのだが、避難という戦争から逃げる意味を当時の政府が嫌って、疎開を宛てたという。福島原発疎開からコロナ疎開へと変わろうとも、避難であることは間違いない。

 このような状況では再び当初からの①および②の意味を復活して、「ソーシャルディスタンシング」を「疎開」と翻訳してはいかがであろう。これがいちばん適切な日本語である。
 しかし、現代人からすると古語を引っ張りだして来た感がして、定着しない恐れがある。

◆新造語「開疎」そして「開間」

 先般、日本都市計画家協会が主催するシンポジウムを年と視聴していたら、安宅和人さん(ヤフーCSO、慶大教授)がキーノートスピーチをしていた。要するにディスタンシング社会がどのような状況であり、どのような社会になるか、そして都市はどうなるかとの話であった。

 その中で安宅さんは疎開ならぬ「開疎」という言葉を使っておられるのだった。その意味は、ここまで書いてきた「疎開」であると、わたしには聞こえた。フィジカルディスタンシングとほぼ同じであるらしく、「開疎する」を「開疎化」というのである。

 そのような日本語が現実にあるかと辞典類を探したが、見つからないからこれは安宅さんの造語らしい。彼は疎開の本来的意味を承知の上で、現在の社会的受け入れ状況を考慮して「開疎」なる言葉を発明されたのだろうか。

 しかし疎開よりは現代用語として受け入れられる可能性があるし、疎開と文字の入れ替えだけだから通じる感があり、これはよい言葉のように思えてきた。
 安宅さんの開疎論は「withコロナ時代のトレンドー、“開疎”な未来を考える」(2020.06.1)https://globis.jp/article/7662を参照のこと。わたしはここでその内容には触れないが、興味深い言説である。

 再び辞書を引く。字源には、開と疎について次のような記述がある。
・疎(疏):疎い・遠ざかる(近・親の対語)、希少・まばら(密の対語)、通す
・開:開く・あける・ひろげる(閉の対語)
・密:しげし、稠(疎の対語)

 どちらを前にするとしても、疏と開を組合せると、「3密」の正反対の意味としての、「遠ざける、まばら、開く、あける」になることは確かだろう。だが「密」には、近寄り過ぎるの感があり、「疎」には空疎とか疎遠とかいうように、離れすぎるの感がある。そして疎開には、歴史的に忌避感を伴う。そして近年に復活した原発疎開にもコロナ疎開にも、もろに負の荷を背負っている。

 だが、ここで考えたいのは、コロナが急には消滅しないということである。その長期化とともにコロナとともに生きる時代を迎えざるを得ないとすれば、ソーシャルディスタンシングも長期化する。
 それならば人間は、それに対応する新たな社会とか都市を、積極的に生み出さなければならない。コロナから逃げる自粛逼塞して逃げるだけではあるまい。そのために新たな意味を付託できる日本語を、ソーシャルディスタンシングに与えたいものだ。

 上で述べた安宅さんは開疎という造語で、そのことを模索しておいでなのであるが、だとすればなおさら「疎」ではない積極的な語でありたい。
 ということで、わたしも新造語を案出した。
それは開間」(かいかん)
 読んで字のごとし、説明はいらないだろう。語感もよろしい。
 ここまで我慢して読んでくださった貴方は、どのようにお思いですか?、さて、ここまで何人がおいでなったかしら、、、、。

 ここでは言葉だけについて考えたが、この疎開開疎あるいは開間という人間の行為が、コロナ後(あるいはコロナ中)にどのような次の社会をもたらし、どのような姿の都市を作るのか、それが問われているのである。        (20201211)

参照コロナ大戦おろおろ日録

2020/12/05

1507【長屋政談】素人が閑つぶしながら法律の勉強をできたのは学術会議法に首相が違法行為のおかげ

熊五郎:こんちわー、ご隠居、生きてますかい。

ご隠居:おお、熊さん、ああ、残念ながら生きてるよ。おあがりよ。

:昨日の首相記者会見のネット実況中継を見てね、ちょいと腹が立ったので、ご隠居に聞いてもらいたいと思ってね。

:そうだったね、菅さんて首相になってから、正式記者会見はたったの2回目、しかも2か月半ぶりなんだってね、よほど話が嫌いなんだろうが、それで政治家を務まるのかね。

:いろいろ質疑ありましたが、例の日本学術会議会員の任命拒否問題の件、質問に急に笑顔になって答えたのにびっくりしましたよ。

:あの110人任命するところを推薦から6人外して、99人任命した事件だね。ほう、そうかい、あの仏頂面の人が笑顔ねえ、首相としてようやく自信が出てきたんだろうね。それはどんな質疑だったんだい。

:記者の質問は、この任命拒否によって学者学会からの大きな反発抗議が起きて問題になっているが、それを予想していたか、どう考えるか、というものでした。

:そうか、首相は笑ってどう答えたんだい。

:首相は例によって質問に直接答える前に、あれこれと任命拒否の合法性を話し、会議の改革をしなければならないと考えて行ったと、質問してないことをだらだら述べて、最後にニヤッと笑って回答で「予想していた」といいましたよ。

:おお、予想してたのかい、それなら確信的な任命拒否だったんだね。それなら初めのころの国会での答弁が、どうしてあんなにゆらゆら矛盾して揺れたのかね。

:あ、そうだ、今ご隠居と一緒に、その記者会見の状況を、ネットで見ましょうよ。(https://youtu.be/URdy0NK95TA

:こりゃ首相演説会かねえ、記者たちの質問が鋭くないねえ、今回も事前に質問を募集してたのかねえ、やっぱり原稿を読んでるねえ。でも、その学術会議に関する回答の最後でニヤリと笑って「かなりなるんではないかとわたし思っていました」と言うときは、原稿を読んでなかったね。あの笑いはどういう意味かねえ。

:あの笑いってね、わたしにはレイプ犯人が現場を思い出して笑ってるように見えましたよ、レイプされるほうに油断があったからだってね。

:そりゃどういうことなんだい。

:あの答えにもあったように、首相は学術会議の改革が必要と思っていたから、任命拒否したと言ったでしょ、つまり相手のほうが悪いと言ったんですよ。

:そうか、そりゃ酷いねえ、でも、レイプは明らかに犯罪だよ、首相は犯罪者じゃないだろ。

:いやいや、首相は犯罪者というか、実は違法者なんですよ。

:どうしてそう言えるんだい。

:実はその会見を見た後でね、ネットで法律の専門家たちが、この学術会議任命拒否問題で意見を交わす会議のオンライン実況を見たんですよ。そうしたら実に明快に首相が違法だと分ったんです。(https://youtu.be/0pSk7bKYiqM

:おお、法律の勉強したのかい、えらいもんだ。それは菅首相のおかげだな。

:へへ、憲法学の木村草太先生が、小学生でもわかるように教えてくれましたよ、違法だよって。

:じゃそれを簡単に教えておくれよ。

:エヘン、首相はね、公務員となる会員の任命だから、憲法15条によって俺が公務員を任命する権利があるから、拒否権だってあるんだよといってますが、その条文には、首相ができるとはどこにも書いてないいんですね。首相って言葉が出てこない。

:おお、そうかい、じゃあ誰ができるんだい。

:憲法15条には、その権利は国民にあると書いてあるんですよ。

:ということは、国民の選挙で選ばれた国会議員から選ばれた首相にあるってことかい。首相は国民からそれを委任されてるってことだね。

:そうなんですよ、だからね、任命しても任命拒否しても、委任された国民に聞かれたら、その理由を説明する義務があるんだそうです。

:しかし、首相は人事に関することは言わなくていいんだと言い続けてるよ、それって憲法違反かい。

:さらにね、憲法73条ってのがあって、そこには官吏の任免は法律の定める基準に従えと書いてあるんです。首相が好き勝手にやっていいのではないのです。

:ほお、で、それはどんな法律なんだい。

:それがまさにずばり「日本学術会議法」なんです。

:ズバリそこに違法って書いてあるんだな。

:そう、今回の問題は105人の推薦が会議から出されたのに、99人しか任命しなかったことにあるのですが、そこが違法なんです。

:多すぎた困るだろうけど、少ないのも違法なのかい。

:そう、学術会議法には会員は「210人とする」と書いてあり、それを超えても未満でも違法なんです。3年ごとに会員の半分を改選せよと決まっていて、だから今回は105人でなけりゃいけないのです。

:ほお、それじゃあ6人欠員の今の状況は、違法ってことになるのかい。

:そうなんです。この違法状態を作り出したのが首相です。首相は算数ができなくて、210の半分は99と数えたのだろうと、木村先生は皮肉言っています。

:それじゃあ、会議がまた6人を推薦をして、首相に任命してもらえばいいだろう。

:ところが、そうはいかないのです。任命拒否なんてことが起きるのを法律が予想していないので、そういう時に対応する条文がないのです。

:ほお、面白いねえ。

:会員の誰かが死んだとかやむを得ない事情で退職した場合には、欠員補充するけれど、その後釜の会員はその前任者の残った期間だけ就任できると、法の条文にあるのです。でも、今の6人欠員には前任者がいないので、この条文を使えないんですね。

:おお、そうなのか、こんなことが起きた場合どうするか、法律を作る時に考えなかったのかね。

:そうそう、そう思いますよね、ところがね、それはそれでその当時にちゃんと考えていたのだそうです。この学術会議法を作るときの1983年のに国会で、そのことを心配した討議が行われている議事録があるのです。

:ほうほう、さすがにちゃんと考えてはいたんだね。

:それがねえ、今回の様なことが起きるのではないかと、野党議員が質問してるんです。それに対して政府委員も時の中曽根首相も、「総理大臣の任命はまったくの形式的なことであり、学術会議からの推薦人事を左右することは考えられない、それは学問の自由からそう言えるのであり、これは内閣法制局とも詰めた」と答弁しているそうです。

:うーん、立派なもんだねえ、よく考えて記録を残してるんだ。ありゃッ、しかしね、菅首相は今回の任命拒否をしたのは、それができると内閣法制局と詰めたからだと、記者会見でも言ってるよ。ってことは、立法当時の法解釈を変更したんだね。例の集団的自衛権とおなじかい。

:いや、それがね、菅首相は立法当時の法解釈を変えていない、当時と考えは一貫していると言ってるそうです。そのいっぽうでは、あの当時のことはよくわからないともいうので、さすがの木村先生は呆れていますね。

:それなら私だって呆れるよ。ってことは違法者の首相が会見でニヤッと笑って、「学術会議が問題だらけだからだ」と言うのは、犯罪者の泥棒が「あの家の戸締りが悪いのがいけない」と言うのとおなじだな、変だね。

:要するに法律には、学術会議から105人推薦が来ればそのまま105人任命せよと書いてあるのに、99人しかしなかったので違法、これって小学生でもわかる。拍子抜けと同時に、首相が違法行為なんて呆れるしかないですね。

:会議側からまた推薦だし直すしかないのかな。

:いや、それじゃあ天下の学術権威者たちが、違法行為をを認めることになるのですね。だからできない。

:ではどうすりゃいいのか先生は言ってるかな。

:違法を解消するには、はじめにもどって105人の推薦どおりに任命するしかないようです。だから、この違法状態に関して、国会議員たちが内閣にも官僚にも根気よく聞きただすしかないし、国民も理由を説明をせよと根気よく声を上げるしかない、とのことです。

:ヤレヤレ、違法状態学術会議が何かやってもいいのかねえ、無効なことなのかねえ、コロナ問題に学術会議の活躍がいるだろうに、わざわざ違法状態にするなんて、何を好んでこんなことを首相はやるのかねえ。

:首相はほんとにわかってやった確信犯なんですかねえ、あの言動を見ると、違法になるって知らないでうっかりやっちゃった、いや、官邸官僚に踊らされてる感じがするなあ。

:もしかして、政治的大陰謀なのかなあ、わからんなア、こんな国民に分からんことやる人って、首相にしておいてもいいのかなあ。(20201205)