2013/12/10

873【五輪騒動】都市計画談議(その7)外苑は特許公園で再開発するのだろうか

これまで「神宮外苑地区地区計画」の話とは言いながら、実は外苑区域の外の国立競技場がらみの話ばかりしてきた。ここら辺で外苑の中の話にしたい。
それにしてもこの地区計画は、国立競技場の建て直しのために造った感じが濃厚だから、名称からして本当は「国立競技場等地区地区計画」とすべきであったとおもう。
それにもかかわらず、国立競技場の建て直しには直接には関係のない外苑をも地区計画の範囲にして、神宮外苑とわざわざ名付けたのは、なにか魂胆あるに違いない、と、わたしだけではなく誰もが思うはずだ。え、思わない?、わたしだけかなあ、まあ、いいや。

というのは、再開発等促進区の地区計画は、その区域の環境を守るためではなくて、土地利用を大きく変化させることを目的にして定めるものである。とすれば、「計画」なのだからどちらに向かうのか計ることができないようなことを決めることはできない。
そこには将来構想を言葉と範囲だけではなくて、ある程度は具体的な絵もなければ、都市計画を決めることはできないはずである。
ところが、少なくともウェブサイトから見つかる絵は、この1枚だけである。再開発促進区の地区整備計画のある範囲だけで、JSCの地元説明会用資料の一部らしい。ここはこの地区計画の震源地の新国立競技場計画という、極めて具体的な事件が進行中だからあって当たり前である。もっと詳しい図があるはずだが、見つからない。

●地区整備計画区域の構想図

地区整備計画の区域でさえものこの程度だから、他の区域についてはさっぱりわからない。どうにでも解釈できる方針の言葉と、区域を示す図しか見当たらない。都庁の資料室にはおいてあるかもしれないから、いつか行ってみよう。
地区計画図を睨む。団扇というかラケット形のところ(B地区)だけ除いて、ほか全部が再開発促進区である。つまり、ラケットの中は現在の条件を保全するところ、その外の全部のエリアは再開発を促進するところである。

 ●地区計画区域の空中写真

ラケットといっても、グリップ部は道路だから、実態はラケットのフェイス部分の絵画館と軟式野球場についての地区計画である。
絵画館とその周りは外苑発祥の根源的な場所だから、いわゆる歴史的な文脈を受けての保全については、もう誰もが納得せざるを得ない。
では、絵画館前庭の軟式野球場となっているあたりはどうするのか。ごたごた建っている建物を含めて、軟式野球場として保全を続けるのか、それとも当初の設計の形に復元するのか、今後に出てくる地区整備計画と詳細計画図が楽しみである、としか言いようがない。

再開発等促進区の地区整備計画外のエリア(A地区)について、各論的基本方針にはこう書いてある。
「既存スポーツ施設及び関連施設等の更新・再編により、あらたな時代のスポーツに対応した施設の整備を図るとともに、神宮外苑の緑豊かな風格ある都市景観と調和しながら、地区に魅力的なにぎわいを与える商業、文化、交流、業務等機能の集積を図る」
 これって、要するに「何でもあり」ということである。青山通り沿いの民有地もあれば、外苑の宗教法人所有地もあり、TEPIA財団用地もあるから、ひろくめくばりせざるを得ない。
青山通り沿いあたり民有地はそれで良しとして、問題は外苑地区(B地区外)で文字通りに再開発等をどのようにするつもりなのだろうか。

地区計画を制定するときは、一般的にはある程度の将来構想をもって内容を定める必要がある。保全型地区計画は分かりやすい将来構想が書きやすいのだが、再開発促進区は簡単ではない。再開発であるから、その将来像は今よりもかなり変化することになる。
その変化することを容認する都市計画だから、少なくともどの方向に変化するかくらいは分かっていないと、都市計画にはならない。

外苑の中は都市計画公園指定区域だから、用途や建蔽率が厳しく制限される。再開発なんてできるものだろうか。それができるのである。
実は東京には、都市計画公園指定区域内の有名な開発事例がある。特許事業として整備した後楽園と芝公園である。
後楽園は、昔からの庭園の小石川後楽園と、東京ドームや遊園地やホテルのある後楽園も、両方とも併せて都市公園であり、小石川後楽園の他が民間による特許事業である。
芝公園も東京タワーなどがある公園だが、超高層建築のプリンスパークタワーのあるあたりは民間特許事業によって開園している。
もしかしてこの特許事業方式で外苑再開発事業をしようともくろんでいるのなら、先例に見るように、神宮球場に屋根をかけた外苑ドームや、外苑遊園地、超高層外苑ホテルができるかもしれない。

●特許公園の後楽園の開発状況(東京ドームもホテルも都市公園) 
ついでにこちらも参照されたしhttps://sites.google.com/site/machimorig0/keikangizo#koraku

●特許公園の芝公園の開発状況(ホテルも東京タワーも増上寺も都市公園)
 
●今後どのように再開発されるのか、明治ドームができるのか、
タワーホテルができるのか、楽しみで気になる明治公園

国立競技場が新国立競技場に替わり、テニス場が巨大JSCビルに変るのは、かなりその方向が詳しくわかっているから、地区整備計画を定めることができた。
そのほかのエリアはまだ詳しいことがわからないから、再開発促進区ではあるが、地区整備計画は定めないということは、分る。
それにしても、外苑地区は特許事業で整備を進めるとしても、どのような将来構想をもっているのか気になるのだが、その構想はどこにあるのだろうか、ないのだろうか。
とにかく、再開発等促進区の地区計画にしては、いくら地区整備計画がないといっても、ある程度の将来構想図くらいはないと、都市環境の将来を決める都市計画として、ほとんど判定できないだろうに、これはいったいどうしたことなのだろうか。
地元の新宿区の都市計画審議会にさえも出していないらしいから、都の審議会にも出していないのだろう。将来構想が分らないままに都市計画決定したとすれば、やっぱり都市計画審議会は、いいかげんなものである(わたしが横浜市都市計画審議会で経験したように)。
今後に出てくる地区整備計画と詳細計画図が楽しみである、としか言いようがない。(つづく
参照◆新国立競技場に関する瓢論と弧乱夢と似非言い
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html

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