2013/12/04

867【五輪騒動】都市計画談議(その2)なぜ隣近所を巻き込むのか

  <(その1)からの続き>
2020年東京オリピック用の国立競技場を建て替えるために、このあたりの都有地、国有地、神宮外苑用地、それに民有地など、64.3ヘクタールの広い地区に、地区計画をかけたのである。
かけたのは、東京都知事である。地区計画は3ヘクタール以上になると都が決定する。
だから東京都都市計画審議会がチェックをしている。もっとも、審議会議事録を読んだ限りでは、ほとんど実質的な審議をしていない。

一般地区計画(これは規制型)と再開発等促進区地区計画(これは緩和型)の2種類の地区計画をかけている。
どうしてこの新たな都市計画を必要としたかと言えば、その目的は実に明白で、オリンピック主会場となる新国立競技場がデカすぎて、今の敷地に入らないので、敷地を広げるためである。
もちろん、地区計画の文章にはそうは直接には書いていなくて、このあたりをもっと良い環境にしたいから、なんて意味が書いてるのだが、計画図を見れば明らかに国立競技場対策である。

つまりたったひとつの建物の建て替えが、都市レベルに大きな影響をもたらすほどの大規模な建築であるということだ。
新競技場を入れるには、今の競技場敷地をまわりにふくらませる必要がある。ふくらむ先には道路、公園があり、建物が建っている。しょうがないから道路の上を公園にしたり、テニスコートに建物を移転させたり、都営住宅をどかせたりするのである。まあ、玉突き状に周りを変えていくのだ。

となると、都市計画で決まっている道路や公園を廃止したり、新設したりする必要があるので、それは都市計画で対応するしかない。
ついでに、建て直す競技場やJSCビルの建築のために、高さ制限や容積率の緩和もしてもらおうって、JSCは考えたに違いない。当然それには知恵を授ける専門家がいる。それは都市計画プランナー事務所の名門㈱都市計画設計研究所が、JSCから受託したらしい。
そこで都市計画提案制度なるものを使って、一気にやってしまおう。で、それに適する制度として考え付いたのが、容積率や高さ限度を緩和できる「再開発等促進区地区計画」である。なるほど、そうなのだろうと、わたしはちょっと感心した。

というのは、再開発等促進区は、密集市街地での再開発事業とか、工場地帯の市街地への転換、大規模埋立地の市街地への誘導などの、土地の利用の仕方が用途や規模が大きく変わり、道路や公園を新たにつくる時に使う制度とばかりに思っていたからだ。
まさか道路も公園も整っていて、しかも都市計画公園の中で、既存の施設を同じ機能で建て替えるだけのために、これを使うとは、ほう、頭がいいなあ、こういうのもありなのかと思った。

だったら、その関係する範囲だけでやればよさそうなものを、隣の明治神宮外苑の中まで広げた地区計画になっているのは、なぜなんだろう。
つまり今度の競技場敷地拡大に関係する土地は、国有地と都有地の範囲だけで、私有地の明治神宮外苑にはまったく及んでいないのである。それなのに明治神宮も地区計画当事者に引きこむ理由はどこにあるのだろうか。

この全くどうでもよい都市計画趣味人の疑問解決のためには、地区計画の図面をしばらく睨んで妄想を働かせるしかないのだ。その妄想をおいおい書いていく。
地区計画の全体の範囲は、明治神宮の土地である外苑の明治記念館を除く全区域、国有地(国立競技場、秩父宮ラグビー場、西テニスコート、日本青年館)、都有地(東京都体育館、明治公園、明治公園、都営住宅)、民有地(外苑ハウス、青山通り沿い)等である。

これらのうちで、新国立競技場の敷地に関わる土地は、地区計画図のA-2地区で、巨大競技場のために敷地拡大し、高さや容積率の緩和をする必要がある。
だからこの範囲を緩和型の地区計画である再開発等促進区として、その整備の詳細である地区整備計画を定めている。
普通に考えるとこのA-2地区だけに再開発促進区の地区整備計画をかければよさそうなものだが、どういうわけか、隣近所のA-1、A-3,A-4地区までも定めてある。そちらにもなにか大きなものを建てるのか。

なぜそうなのか、推理小説でも読むような解読(ちょっと大げさか)が、この都市計画談議の面白いところである。(つづく

参照◆新国立競技場に関する瓢論と弧乱夢と似非言い
http://datey.blogspot.jp/p/866-httpdatey.html

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして 新宿区霞ヶ丘町5番地在住者です。忘れもしません。いいえ絶対割れる言葉できません。2012年7月16日突然「日付なし・都知事名なし」A4一枚が全戸に投函。「みなさん2019年ラグビ-Wでここにはいられなくなりました」その後同年8月住宅局・JSCをこさせ住民達の質問をしましたが「関連敷地」と説明でした。その日付なしを2016年11月同町内会にある集会所で住宅局課長に質問「本庁には原本ありません。町会が全戸配布したのでしょ」平然としらを切ったのです。では?知らないことと日付なし都知事名が無記名なのはこの強制移転は無効だと。でも 彼らは町会役員たちと話し合いを。建て替えで戻れば34万円東京都は出します。国策という名で追い出される住民達はたったの17万円です。建て替えで出せるのならと発言しました。答えは「都はお金がありません」ではJSCに行きあなたが頭を下げてもらってきてくださいと発言しました。変ですよ 国策・強制移転なのに「保証金・保証人」を支払わせられるのですから。その結果、保証人は60才以上の人でいない人は書類提出することになりました。これを一つとってもおかしいですよね。普通は「補償金」をだすのですが 逆ですよ。引越し処分代金は全部50万出ようが6万円で済もうが自分が支払うんですよ。その移転料金は家の中が空っぽになったと確認後1か月に・家電製品を新しく購入・箪笥など今までの家財童子が入らないので すべてと言ってよいほど 廃棄処分です。最近では精神的に引越しによる疲労が重なりたい超を悪くする人たちが多くなりました。しかし東京都住宅局課長たちはまったくミニも来ない・謝らない。早く出ていけと・・みなさんここにとどまりたいのです・どうしたらよいか 教えてください。追伸・・おいて言ってよいのは風呂釜・風呂桶・台所の湯沸かし器です。どうせ壊すのだから箪笥もおいていってよいはずでは?の質問に「すみません 壊すとき全部出さなければなりませんから箪笥はご自分で」と。私は問いましたよ。すぐにね。風呂釜・風呂桶はおいて言ってよいということは 国立競技場建設業者たちを宿泊させるために それで残してよいと許可をしたのでしょ?どうですか? 彼らは 答えなかったです。もし そうだとしたら 汚い奴らです。住民の方々は ここにいたい。どこにも行きたくはないのです。しかし都は冷たい仕打ちをしたのです。

匿名 さんのコメント...

霞ヶ丘住宅への東京都・JSCの行いは非道ですね。無知につけこみ不安をあおり、影響力・発言力のある住民から取り込みにかかった。今も、「嫌がらせ」のような「調査」が敷地内で行なわれていますね。
一方、隣接する民間マンション「外苑ハウス」でも、有力住民と政治家間の「あっせん、口利き」の挙句に建替えが決まり、建替え推進派理事らの悪辣な「借家人追い出し」が進行中。
長年住んだのに、「定借」に変更されて「立退き料ゼロ」が何十軒も。ひどい話です。
一番儲けるのは「三井不動産レジデンシャル」で、区分所有者といえども 余程の有力者かウラでリベートでももらって協力した人間でなければ 騙されるのではないかと思われます。
現に、神宮球場に隣接する駐車場部分が「換地」され、「岸記念体育会館(高さ60m)」(三菱地所)が建つという計画を「知らなかった」「広場になると聞いていた」といっている住民が続出。
「利権オリンピック」の金メダルは誰がとるのか?実に醜悪・・・。