誘われて上野の国立博物館に平山郁夫展を見に行った。
平日というのにかなりの人が入っている。それで絵の前を行列移動である。
見渡すと7割くらいが中年以上の女性、男は高齢者ばかり、若者がちらほら。
他人のことをあげつらって言えないことと承知で書くが、いまは年度末近くで超忙しい世の中なのに、実はまったくもって閑な人が多いのだ。平和で文化的な日本である。
平山郁夫の絵になぜこれほど人が寄ってくるのだろうか。
はっきり言えば分りやすいってことだろうなあ。
画像処理でちょっとだけ朦朧調子にすれば、こんな絵になりそうだとも思う。もちろんそんなことはなくて、平山のデッサンの画帳や下書きまで展示されている。
絵を見るのは評判によることが多いのは、大昔、モナリザが来たときに大騒ぎであった。わたしはその前にルーブルで見ていたから、行かなかった。
長谷川等伯展も行かなかったが、大行列が博物館の前にできたそうだ。
等伯は七尾の出身で、だいぶ前のことだが、わたしは仕事ついでにたまたま立ち寄った七尾美術館で、等伯描く松林図に出会った。
わたしがいた間にほかに誰も入館者はなくて、たったひとりで隅から隅まで鑑賞したことがある。至福のときであった。
地方都市の美術館行くとそういうことがよくある。もったいないが、そういうときの自分は幸福者の感がする。
もっとも、世の中には行列するのが好きという変な人のほうが多いらしい。
わたしの家の近くにラーメン屋があって、いつも行列している。ラーメンごとき下司な食い物を何で行列までして食いたいのか。
体から出すほうの行列は時にやむをえないが、入れるほうは替わりがいっぱいあるのに変なやつが多い。わたしは食い物で行列は大嫌いである。
とにかく、世の中に、とくにネットとかTVで評判になると、とたんにそっちに流れて行列も辞さないやつが多いのは、文化も食い物も同じであるらしい。
自分の目と舌で価値を判断しろよ。
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