◆安物時計はまた遅れている
あ、またサボったな、うちの時計のヤツは、、。これはわたしの書斎の時計である。
時計の文字盤の針は8時8分、写真の右下のカメラ時計の表示は8時37分、そして卓上にある置時計の針も8時37分、居間の時計もそのあたり、PCの時計表示も8時37分。
では多数決でもって、ただいま8時37分と決定するぞ。
この時計が、わたしの書斎にやってきたのは、3年ほど前だったろうか。どれでもなんでも105円の店をぶらぶらしていたら、これと眼があったので、つい買ってしまった。
百円時計なんて、おもちゃかと思ったら、これがチャンと動くのである。なにしろクォーツである、ハイテクである。
う~む、百円やるから、いや千円やるから時計をつくれと言われても不可能である。よくまあできるもんだ。原価はいくらか知らないけれど、低賃金で大量生産すれば可能なのかしら。
◆ゴミ供給源としての安物屋
百円屋にはときどき散歩の途上で寄る。めったに買う物はないが、見物すると面白いのである。
まったく貧乏人にはたまらないよなあ、あんなにたくさん、時計のようなとても百円と思えない代物から、誰が買うのかゴミのような装飾品まで、よくまあ百円以下で作れるもんだ。
どこかで賃金搾取があるのだろうか、どんな手抜き部品だろうか、なんて、さもしい考えが浮かぶのだが、目先の安さで手を出してしまうよなあ。
世の中が貧乏になってきて、こんな雑貨ばかりか衣料でも食い物でも、あちこちに安物屋がはびこっている。安物屋は店のデザインまで安っぽい。
まあ、どうせ安物だからなあ、すぐ故障しても、すぐ破れても、捨てりゃいいよ。安物レストランで不味くても、まあ安いのだからしょうがないって、喰い残す。
こうやって安物屋がゴミの供給源となっているに違いない。
◆不思議な百円時計
で、この百円時計である。うちにやってきた初めの1年半くらいは、普通に働いていたので、百円ですごいもんだと感心していた。
ところが2年目くらいから、5分ほど、10分ほどと、たびたび遅れるようになった。電池を入れ替えてやって普通になるかと思ったら、また、しばしば10分、30分、1時間と遅れる。
それが不思議なのは、じわじわと遅れるのではなくて、ぽ~んと飛ぶのである。どうも針の運行を一時休止してはまた再開することを繰り返しているらしい。ただ単に遅れ気味とか進みすぎとかじゃなくて、間歇的に止まったり動いたりしているらしい。
でも、わたしは一度として針が止まっている状態を見たことがないのだ。いつみてもチクタク動いているのに、ある時ぽ~んと遅れている。
◆ボケたか百円時計
まさか、瞬間的にパッと針を後退させているのではあるまいな。どうも、御主人様のわたしの目を盗んでサボり、ちょくちょく居眠りしているらしい。
百円時計のやつボケたな、いや、今どきの言葉では認知症だな。
made in chinaとあるから、大陸奥地のホコリの舞う町工場で組立てられ、はるばる日本にやってきて、この安物屋の店先にどれほどいたのか知らないが、縁あってここ空中陋屋におちついて2年余、もう認知症になったのか、おお、可哀そうになあ。
考えてみると、この時計はわたしかもしれない。気が付かないうちにときどき居眠りして、その間は心臓だって止まっているんだろう。それがだんだん頻繁、顕著になって、他人でもわかるようになる時に、ボケたってことになるのだろう。
しょうがないから、オレが老々介護してやるよ、ゴミにもせず時計にもせず、室内装飾としてね。
◆この時計のほうが正しいのかも
ところで、時間というものは、地球の回転がもとになっているらしいから、もしも地球がボケてときどき居眠りするようになったら、時の流れもこの時計のように、時々休止するに違いない。
地球が回転をときどき休止すると、いったい何が起きるのだろうか。近ごろ暑すぎる日が続いたり、突然に大雪が降ったり、大地震大津波があちこちで起きているのは、これは地球がボケてきているせいかも、、。
そうか、わたしの書斎の時計は、その地球のボケ回転に合わせて、時を刻んでいるんだな。こいつを眺めていると、大災害を予知できるかもしれない。うん、これを捨ててはいけないな、大切にしようっと。
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