2021/06/18

1574【コロナ大戦下五輪大会】顕彰記念碑となるか対抗記念碑となるか東京オリパラ開催の意義は?

パンデミック×オリパラの意義

●オリパラやるのにコロナ警戒緩和とはなぜ

 よくは知らないが、あと1カ月ほどで東京オリパラが開催されるらしくて、そのためかどうか知らないが、東京都の緊急事態措置区域の解除をするそうだ。これって間違っている気がする。だって、オリンピックで世界各地から十万人くらいがやって来るらしいから、当然それらの人間に乗って新型コロナウイルスの変種で強力な奴がやって来るはずだ。


 そのウィルスから国民を防衛するためには、緊急事態以上の強力な措置を講じるべきだろうに、真反対に東京を蔓延防止重点措置区域にするというのである。関東一都3県を緊急事態措置区域にするべきである。
 わざわざ記者会見して防衛力をダウンして緩和するというスカさんはボケたに違いない、そう、近頃は言動がおかしい。自民党が総裁にスカさんを選んだのはさすがだと思う。物事を考えないで決める人でないとコロナ下の首相は務まらない、安倍が逃げて他も考える能力ある人は逃げたのだな。それにボケが加わるともう無敵である。そのお方がわたしの住む街を選挙区にしているのだから、何ともはや。

●せっかくオリパラ延期したのに 

 ところで、見世物スポーツに興味ないわたしは、東京オリパラに興味がない。それに付随する周りのドタバタには興味がある
 オリパラ誘致騒動からはじまり、国立競技場建て替え騒動、IOCやJOCあるいは政府関係の人事騒動、新型コロナパンデミックによる延期騒動、そしていまや開催可否騒動ときて、面白い事件が次々と発生するから、おかげで頭のボケ進行遅延策になっている。

 もともと東京オリパラは去年の7月から開催の筈だった。ところが去年初めからコロナパンデミックが起きたために、何でもかんでもイベントはやらないことになった。
 そこで政府やらIOCとやらが考えて、予定から1年間ちょうどの延期開催としたらしい。1年もたてばパンデミックは収まるだろい、収まらなくてもワクチンが行き渡り感染の危険がなくなるだろう、と考えたらしい。

●人柱が立ってドタキャンか

 それなのに、もう延期開催予定の7月23日迄に残り40日を切ったが、いまだにパンデミックは収まらず、ワクチン接種も進まず、優先年寄りの一回目接種でさえ30%とか。
 もちろんもう収まらないとは半年くらい前からわかっていたはずだが、オリパラ返上しない(できない?)ままに日数は重なり、ついにあとは恥さらしのドタキャンしかない羽目に陥っている。いやムリヤリ開催するしかないらしい。
 この間、世間では再延期しろとか返上しろとかの声が大きくなり、世論調査のようなものでは半分以上が取りやめ意見らしい。

 それにも関わらず、なんだか知らないが、オリンピック屋さんにもいろいろしがらみがあって、今更の延期も返上もできない強烈な都合があるらしく、あれこれ都合を変えながらも着々と開会に向けて進んでいる様子である。
 先日首相はG7サミット会議で開催すると大見え切ったのは、もうやめられないのだよと日本向けアピールだったのだろう。なんだか賭け事で勝負に出たってとこらしい。
 奇妙なのは、主役たる競技参加者からは、一言のオリパラ懸念とか返上意見が出てこないことだ。まあ、開催反対なんて言ったら、上下関係厳しい世界のスポーツ界から村八分にされるだろうから、仕方ないって情けないことなんだな、でも卑怯だよな。

 パンデミックは続くし、ワクチン接種は進まないけど、一億火の玉総攻撃突撃ラッパでオリパラ戦場入りするしかないらしい。ここでドタキャンストップして返上するには、コロナが急激蔓延死者急増するか、オリパラ屋有名人がコロナで死ぬしかないだろう。そう、人柱が立つのである。日本では昔から、いったん決めた政治(オリパラも政治らしい)が変わるには、人柱が立つしかないのだ。恥さらしなドタキャンでも人柱で言いわけが立つ。

●記憶の記念碑を

 ところで、火事場で宴会をやるようなものなのに、それでも多大な人と巨額のカネをかけてオリパラ開催の意義は何だろうか。どうしてやるのだろうか、どうも分からない。オリンピックでコロナが拡大はしても、止むことがあるはずもない。
 一応は偉い人の言いぐさを聞こう。菅総理大臣は「人類が新型コロナに打ち勝った証し」と言っていたが、戦勝記念碑を建てるつもりらしい。だがあと1カ月で「打ち勝った」と過去形で言える状況とはとても思えない。

 先日のG7サミットで首相は「難局を乗り越え日本から世界に発信したい」と東京五輪への決意を語ったそうだが、今や「難局」の盛りであり、何を「発信する」のか分からない。まあ、この人に意義なんて高尚なことを無理なことは、日頃の言説からよくわかる。

 と。グダグダ書いていてもしょうがない。そこで自ら東京オリパラ開催の意義を考えることにした。直接何にも関係ないものが、いったい何のために、大金使って開催するんだろうと、考えるのだ。
 で、結論から簡単に言うと、「パンデミック国際追悼記念碑建立するため」としよう。ここに東京オリパラの意義は意義を見出そう。
 記念碑というと石柱やら銅像のような、時間を越えて保つ物体を考えやすいが、わたしの考える記念碑は、時間を越えて記憶される事件(イベント)としての「記憶の記念碑」である。

●パンデミックとオリンピック

 東京オリパラがコロナパンデミックと対峙して、大勝利か大敗北か引き分けか、その勝負はまだ分からない。いずれにしても、世界の人々がその点で注目し記憶する記念碑的なイベントであることは間違いなさそうだ。
 イベント記念碑の実例は、巨大核事故で世界を震撼させた2011年フクシマや1986年チェルノブイリもそうである。1945年第2次大戦終結もそうであったし、スペイン風邪パンデミックに絡む1918年第1次大戦終結もそうである。

 1920年アントワープオリンピックは東京オリパラに似ているかもしれない。その開催は、スペイン風邪パンデミックが1920年前半で収まった直後だった。ただし収まったのはヨーロッパだけで、東洋の日本では1921年まで流行した。
 当時は今ほどオリンピックの国際的規模が大きくなかったことと、なによりヨーロッパ中心主義の時代だったことが開催を可能にした。アントワープオリンピックはヨーロッパ第1次大戦からの復興記念碑となりえたのだ。
 今もオリンピックはヨーロッパ中心主義の根本思想があるようだから、パンデミック最中でも極東で開催することにIOCは無頓着なのだろう。これがヨーロッパのどこかだったら、さっさと返上していただろうと思う。

 さて今回の東京オリパラは、コロナパンデミック中オリンピック快挙(怪挙)記念碑になるに違いない様相を呈しつつある。
 その大幅な規模縮小といい、選手も関係者も競技場とホテルとバスに缶詰状況ロックダウン形式でやるそうだし、観客は競技場現場ではないTV中心らしいし、それでも一応は世界各国代表がやってきて競技だけはするらしいから、それでもやるという異様さだ。
 見世物スポーツ嫌いなわたしでも、その異様さに興味が湧くオリンピック大会である。そして異様であればあるほど、わたしのいう記憶記念碑としての意義が出て来るのだ。

 開催してからもコロナは多かれ少なかれ蔓延しているだろうから、コロナ関連事件がいくつも起きるに違いない。今や世界のどこでも国自体をロックダウンしているから、コロナに関しては世界どこでも国内事件だが、ことが国際競技のオリンピック最中となると、否応なしに国際コロナ事件になるだろう。そう、だから世界の人々が記憶する記念碑としての東京オリパラとなるのだ。

●さて顕彰記念碑となるか対抗記念碑となるか

 すくなくとも、これまでの新型コロナパンデミックによる死者への哀悼行事オリンピックになることは間違いないだろう。まさかこの国際的行事でコロナという国際的遭難について知らぬ顔をすることはあるまい。それだけでも記念碑であるが、更にコロナ関連の運営形式やら、発生するコロナ関連事件やらで、いろいろ大変だろう。それを乗り越えて大成功することも、オリパラクラスターで大失敗も、そこそこ何とかなったなんてこともありうるが、いずれも記念碑として有意義である。

 終わってからもオリパラ・コロナ関連事件が起きるに違いない。それら全部を合わせて、火事場宴会がもたらすよかったことも悪かったことも、後世に伝える役目をするのが東京オリパライベント記念碑である。
 ここまでに起きてきたドタバタがまさに記念碑に刻み込まれつつある碑銘になり、これからのコロナ関連オリパラドタバタもそうなる。

 ところで、一般に国家的あるいは国際的な記念碑は、何かの賞賛すべき事件を称える性格のものと、悲劇として糾弾する性格のものがある。
 コロナパンデミックが終わったころに、地球上のどこかにその罹患死者への哀悼記念碑を建てる人たちがあるまもしれない。あるいはコロナパンデミックを克服した偉業を成し遂げた人々を讃える顕彰記念碑をなるかもしれない。大失敗して抗議のシンボルとしての対抗記念碑になるかもしれない。

 さて、東京オリパラという記憶の記念碑はいずれになるだろうか。いずれであっても、後世にかなり大きな伝えることがあるにちがいない。これこそが東京オリパラの意義なのである。
 どうやらコロナパンデミック下の東京オリパラは、とにもかくにも無鉄砲にも開催することに意義がある、ということのような気がしてきた、
 あ、そうか、参加することに意義があるって、オリンピックのお経だったな。まあ、ドタキャンしても、それなりの記念碑にはなるだろう。(2021/06/18記)

参照:コロナ大戦おろおろ日録

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