●青森名産はいまにリンゴからモモに
暑い暑いと思っていた夏から急に秋になった。この数年、ある日からガタンと急に季節が変わるような気がする。四季が徐々に移り変わる情緒がなくなってきた。そして全体に暖かくなってきている気がする。
2024年10月20日の東京新聞日曜版に、温暖化で日本農業が変化してきた話が載っている。
リンゴと言えば青森県が中心だと思い込んでいたら、なんとまあ、リンゴ栽培に適した地域が次第に北へと押し上げられて行き、そのうちに中心は北海道に移るそうだ。
青森の南部では、リンゴ「つがる」の果樹園を、桃「川中島白桃」に作り替えているそうだ。そのうちに、青森名産は桃と言われるようになるのだろうか。
では主食のコメはどうなんだろうか。もともとは熱帯の植物を、日本の地の環境に合うように有史以来営々と改良してきて、今では北海道でも普通に栽培できるようになっている。そのコメも近年になって温暖化によって水稲栽培に影響が出てきて、一等米の収量が減少しているそうだ。そこで暑さに強い水稲栽培へと品種転換が進む。
新潟の米といえば「コシヒカリ」と思い込んでいた。わたしが中越震災復興の手伝いで香っていた長岡市の山村でやっていた棚田米つくりも、コシヒカリ一本鎗だった。今年もその新米が現地からやってきたので早速食べたが、実にうまかった。ちょうど今、コメ不足でやむを得ず買った茨城県産コシヒカリがうちにあるのだが、これが実にまずいので、閉口していたところだった。
ところが東京新聞によれば、2023年も新潟県ではコシヒカリ生産量は一番だが、その一等米比率は生産量のわずか5パーセントしかないそうだ。これに対して同県産の高温耐性品種米の「新之助」では一等米比率94.7パーセント、つまりほとんど一等米である。
わたしはまだ「新之助」を買って食べたことがないが、次にこれにしてみよう。一等米比率が高いことと味が良いこととは、比例するのだろうか。
こうして、今に北国のコメやモモは当たり前、そのうちに北海道名産バナナやパイナップルが出てくるに違いない。そのころは沖縄や鹿児島では、何が名産になっているのだろうか。いや、寝体になってしまった列島の南方に人が住んでいるだろうか。そのころは私はこの世にいないからどうでもよいことだが。
●人間が壊してしまう農業
こうして地球の気候変動に対応して生産物も替えつつ生きていく人間はなかなかにしぶとい生き物である。ところがその反対に、その生きる努力を阻んでしまうのも人間である。
同じく2024年10月21日の東京新聞の記事である。東京新聞では「3・11後を生きる こちら原発取材班」という記事を定期的にだしている。
「野生の食用キノコ セシウム汚染は今 2024年秋 福島県飯館村」 |
0 件のコメント:
コメントを投稿