2011/08/28

485言いにくいことを言って辞める菅さん

 政治家も、行政マンも、そして多分もっとも痛切に住民さえもが、そう、だれかれもがそう思っている、そう思うしかないのだが、どうにも言いにくいことがある。
 それは福島第1原発の周辺地域は、もう人間の場ではなくなったことである。
 しっかりと核毒が降り積もっていて、これを解毒もできないし、どこかに持っていくこともできないのだから、当然のことである。

 そしてまたもうひとつの言いにくいことだが、原発周辺地域を越えて広く薄く降り積もった核毒まじりの土砂や瓦礫などを持って行って置いておくのは、この人間の場でなくなったところしかない。核毒を振りまいた東電が引き取るのである。
 そう、これをわたしは「核毒の森」と言うのである。http://datey.blogspot.com/2011/08/47921.html

 ところが、ついにそれを公言してしまったのが、首相の菅さんである。
 昨日(201年8月27日)、管首相は福島県知事と会談して、原発周辺では長期間住めない地域が生じること、県内に放射能汚染の土壌や瓦礫を中間貯蔵する場所を作りたいと、伝えたと新聞の報道である。そして怒る福島県に謝ったそうだ。

 これは実は誰もがわかっていて、実に言いにくいことだが、誰かがいつか言わねばならないことだ。それもできるだけ早期に。
 菅さんの次の首相に言わせて、彼は逃げてもよさそうだが、あえて言ったのであろうか。
 もしかして次の候補者たちが原発にはあいまいな態度なので、ここで言っておかなければなるまいと奮起したのか。辞任の置き土産だろう。

 菅さんの言葉は、長期間住めないとか、中間貯蔵とか、時間と空間をあいまいにして言っているが、はっきり言って人間の場ではなくなるのは明白だろう。
 そんな汚れきったところで誰が働き、だれが暮らしたいと思うのだろうか。フクシマ「核毒の森」にならざるを得ないと、だれもが思っているに違いない。

 そもそも東京電力が発した毒物であるから、原因者の東電が回収するのが当然のことだろう。
 こういうときに首相の菅さんが登場して謝り、どうして東電の社長が出てきて謝罪と核毒回収を言わないのか不思議である。政府は東電の手先か。
 そりゃ東電だけでは解決できない政治的な問題となっていることは確かだが、それにしても不思議きわまることである。モラルハザードの典型のような気がする。

 受益圏と受苦圏という考え方が、環境社会学の世界であるそうだ。
 事故以前の福島は、原発受益権だったのか、それとも受苦圏だったのか?
 今まさに福島が受苦圏になったことの社会的な意味はどうなんだろうか?
 一般に原発の受益圏、受苦圏はどう考えるのだろうか?
 この受益圏と受苦圏について、もう少し考えてみたい。

2011/08/27

484女性マラソンの風景

 KOREAのテグで開催されている国際大会らしい、TV中継の女性マラソン競技を見た。
 スポーツ競技をTVで見ることはないが、マラソンだけが例外である。
 といっても競技には興味がなくて、その背景に映る町並みを見たのである。
 うるさい音を消して見ていると面白いのだが、突然に変な画面になる。邪魔な広告である。
 ふん、こちとらは邪魔が入ると、TV画面から新聞に目を移して読むのだ。
 はじめのうちは邪魔広告が多かったが、終わりのあたりから少なくなったのは、ちょっとは広告の入れ方を考えているらしい。
 邪魔といえば、しばしばあられもないアマゾネス群が画面を占めるのだが、まあ、これは仕方ない。
 
 テグの街は、メインストリートらしいから、並木が整い、広い歩道で、高層ビルが諸所に見える。
 見慣れた普通の現代風の姿で、はっきり言って、つまらない風景だった。建築デザインも普通だった。
 どの店舗にも壁面に大きな文字広告があるのが、目に付いたくらいのものであるが、読めないから分からない。
 ところどころに横に入る道が見えて、そちらの方が面白そうだが、もちろんカメラは曲がらない。
 
 テープを切ったアスリートは、アフリカ系のようだった。
 マラソン女性たちを見ていて、一様に乳房が小さいのに気がついた。これって、走るのに必要のない筋肉が、過酷なトレーニングでそぎ落とされていったのだろうか。
 参照→170はるかなるベルリンhttp://datey.blogspot.com/2009/08/170.html

2011/08/26

483言葉の酔時記よろしいですか

 え、強盗大国?、、よく読んだら強大国だった、北朝鮮人民共和国のスローガンである。う~む、最近目が悪くなったなあ。
 でも、耳はよいのだ。気になる言葉が多くて、困る。

 すし屋で昼飯メニューの特寿司、上寿司、並寿司の中から、並を注文をした。
「はい、並寿司でよろしいですか」
「あのなあ、安物の並でいいのかよって、客に失礼でしょ。確認したいなら、『並寿司でございますね』って言いなさいよ」

 本屋で1050円の本に5千円札を出した。
「はい、5000円でよろしいですか」
「あ、いや、よろしくありません、3950円お釣りをください」

 劇場公演チケット予約で聞かれた。
「では、お名前を伺ってもよろしいですか」
「あ、いや、よろしいかよろしくないかって聞かれてもわかりません。よろしくありませんって答えの選択もあるんでしょうか。あのね、単に名前を聞きたいだけなら質問形式じゃなくて、『お名前をお教えください』って言いなさいよ」

 ホテルのフロントで予約の確認をされた。
「お名前とお電話番号を頂戴してもよろしいですか」
「あ、いや、よろしくありません。名前も電話番号もあなたに差し上げるわけにはいきませんので、それだけは勘弁して泊めてくださいよ」

2011/08/25

482震災を食いものにする人たち

 震災に関しての悪稼ぎは、避難後の空き巣盗、放置被災自動車盗などがあるらしいが、それはコソコソとやるだろう。
 ところが、トラック野郎たちは昼も夜も堂々と盗人たけだけしいのだから、なんともいやはや、いくら犯罪にならないといってもなあ…。

 震災復興の支援策として、東北方面の高速道路利用のトラック通行料金を無料にしたら、これを悪用して関係ない方面にも無料通行するヤカラが続出、無料制度を取りやめにするそうだ。
 まあ、復興支援を急ぐためにチェックシステムがないままに、トラック屋のありもしない良心を信じたのが間違いのモトであった。
 悪貨が良貨を駆逐した、、か。

 今わたしが心配しているのは、被災地のどこかを公有地化する必要が必ず出てくるが、そこを国や自治体より先駆けて買い占めるヤカラがいるだろうことである。
 かつて、「ダム屋」といわれる人たちがいた(今もいるか)。河川のダムによる水没予定地の土地を買って小屋を建てて暮らしているように見せて、ダム事業者が買収にくるとなんだかんだとゴネて値を吊り上げて不当利得をせしめるのである。
 こんどは「震災屋」とでも言おうか。

 特に、福島第1原発の周辺地域は、核毒汚染で使えなくなったのだから、東電の金で公有化して、人間の場所でなくしてしまうしかない。
 ここの土地にダム屋のようなヤカラが目をつけないはずがない。
 いますぐにでも地価凍結、権利凍結の手を打つべきだが、政治のごたごたでモタモタしてると、利に敏い「震災屋」さんたちに食いものにされるぞ。
●参照→「核毒の森

2011/08/24

481あの品のない顔と口のアンチャンか

 島田紳助なる芸人がいて、暴力団の人と付き合いがあるのがばれて、引退するというニューズ。
 TV番組をめったに見ないから知らなかったが、新聞の写真を見て、いつだったか骨董品の鑑定の番組に出ていた人だと気がついた。
 そのときは、なんとまあ品のない口ぶり、ついでにお顔のほうもお品のない方、何者だろうって思ったものだ。

 新聞によれば、そんな人がいくつものTV番組を司会する人気芸人だそうである。
 まあ、どうでもよろしいが、全国紙の読売新聞は第1面の記事なんですね、しかも「さん」付けですよ。
 朝日新聞も社会面の半分も占めているんだからなあ、よくわからん。

 記事の中身が奇妙だと思ったのは、ひとつは、暴力団がいけないのではなくて島田なにがしが付き合ったのがいけないというニュアンスであることだ。片一方にずれているような気がする。
 もうひとつは、芸人当人は悪いこととの自覚はまったくないらしいことだ。上から言われたので悪いことらしいと気がついたので、いさぎよく引退するって、なんだか粋がっているらしい。

 引退といえば菅さんを連想するが、彼はなんで首相引退するのだろうか。
 暴力団と付き合ったのかしら、なにか失言でもしたのだろうか、それとも大失政でもあったのだろうか、相撲取りみたいに八百長したのかしら、内や外からの政治屋・新聞屋にたたかれて、もういやになったのだろうか。どうもよくわからん。
 あ、そうか、日本の首相は1年で引退ってルールがあるんだっけな。

 で、次は誰なんだろうか。
 芸人島田の引退した後の番組の司会業を引き継ぐ人は、今度は顔と口に品のあるゴ清潔なお方なんでしょうね。
 でもなあ、芸人が清潔でイケメンじゃあ人気でないよなあ、昔から無頼と芸人とは紙一重でしょ。
 首相のほうの後継も、なにとぞ品のある口とお顔の方になっていただきたいものである。
 アンチャン顔のお方では困るのである。こちらは芸人じゃないんだからね。
 ま、どうでもいいけど、どうぞご勝手に。

引退の話の追加(110826)
 アップル社のスティーブ・ジョブズが、病気療養のためにCEOを退くのだそうだ。天才経営者と言われる人も、病には勝てない。その年齢が56歳、まだ若い。
 で、あの島田某の年齢が55歳である。まだ若い。
 お粗末引退芸人と比較しては、ジョブズが怒るだろうが、たまたま同時期に起きたので、ついその顔つきとか言動とか評判とか比較してしまった。

2011/08/23

480ネパールからモティさんがやってきた

 ネパールからモティ・マハジャンさんがやってきた。
 モティさんは、カトマンヅ日本語学院の教員である。今年3月末から4月にかけてわたしが遊び仲間とネパール旅行に行ったときに、通訳兼ガイドをしてくださった。
 国際交流基金による日本語研修を受けるために来た。埼玉県に研修宿泊施設があり、50カ国程度から90人ほどの研修生が、遠くは南米コロンビアからもいるそうだ。

 モティさんはもう4回目の来日、横浜はまだというので、研修が休みの土・日曜日に、関東南部から行ったF、Y、Dの3人が横浜の港の街を案内、Fが自宅に宿泊招待した。
 元町を歩いていて、モティさんが突然立ち止まって店の看板を見ながら、このパン屋さんのご夫婦をネパールで案内したことがあるといい出した。
 閉店直前の店に入り、確かめたらまさにそうであった。そこを訪ねる予定はなくて適当に歩いていたのだから、まったくもって国際的偶然であった。
 数日前の休みには、研修生仲間の数人で富士山にも登ったという。モティさんはヒマラヤのある地の人だから、富士山の登りははたいしたことはなかったが、下りの須走りには困ったそうだ。

 翌日の弘明寺観音で、ネパールから来たと聞いた僧侶が、近くにネパール料理店があると教えてくれて、早速にたずねたら店中をあげて大いに盛り上がる。
「ゴルカキッチン」の名のごとく、カトマンヅからきたゴルカ出身者の経営である。
 経営者の弟の若者が給仕をしてくれて、横浜国大のドクターコースでバイオテクノロジーの研究をしているとのこと。さすがに日本語がうまい。
 久しぶりにネパールの味に再会した。評判の品はなんですかと聞くと、それはナンです、と答えるので、食ってみたがたしかに美味かった。ただし年寄りには1枚でも多すぎるのが、ナンである。

 つい先日、ネパールでは肝心の憲法はいまだにできないままに、首相が3ヶ月でまたもや辞任するというニュースがあった。
 その裏をちょっと聞いてみたが、南北にインドと中国という大国にはさまれた多民族国家の深い悩みは、政治素人外国人にはよくわからない。
 ネパールで案内してもらっているときは、忙しくてじっくりと話が聞けなかったが、こちらでは飯を食いながらあれこれと日本とネパールの違いやら同じところやらを聞いて、実に面白かった。
 長い昼飯となったその店を出て、「今度はヒマラヤでまた会いたいね」と、わたしはそこで別れた。東京に用事あるFが、銀座に案内して行った。

参照→●ネパールの旅      ●ネパール逍遥  ●草の根校舎の会

2011/08/22

479●21世紀の「谷中村」は「核毒の森」

 その地の人々には気の毒ではあるが、福島第1原発から出る核物質で強度に汚染された地域は、21世紀の谷中村にならざるを得ないと、わたしは思っている。
 昨日、政府がそれをこわごわながらも言い出したのは、近日中に代わることになっているらしい首相の菅さんが、最後の一手として火中の栗を掴んだのであろうか。
 それは多分、後継の人が言い出しにくい種のひとつであるこの栗を、辞める菅さんに言いだしっぺとして掴ませたのであろう。

「平野復興相は21日、東京電力福島第一原子力発電所事故で高濃度の放射性物質に汚染された周辺地域への立ち入り禁止措置が長期化した場合の対策として、他地域に避難している住民が長期間住むことができる住宅を新たに整備する意向を明らかにした。(
読売新聞 8月21日(日)18時16分)」


「政府は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射線量が極めて高いなどの理由で、相当長期にわたって帰宅が困難な、原発周辺の一部区域については、当面、警戒区域のまま解除しない方向で、こうした区域の土地については、国が買い取るなどの対策も検討していくことになりました。(NHKニュース8月21日 18時39分)」


「菅政権は、東京電力福島第一原発の周辺で放射線量が高い地域の住民に対し、居住を長期間禁止するとともに、その地域の土地を借り上げる方向で検討に入った。(朝日新聞8月21日朝刊)」

 わたしでさえ予想していたのだから、その筋の業界のかたがたは、現地地権者との折衝に、すでに動いていらっしゃるかもしれない。
 こうなったら、政府は土地建物立木等権利移動凍結・価格凍結の施策を今すぐにでも打つべきである。
 もたもた遅れている間に、妙なことをする人々が介入してきて権利移動・価格高騰が起きると、結局は住民にも国民にも迷惑がかかることになる。

 足尾鉱毒事件は19世紀末からのながながい公害事件で、古河鉱山と手を結んだ政府が、渡良瀬川下流域の村々を強制収用して農民を追い払ったのであった。
 その跡には、銅山から出た重金属に汚染された広大な土地が広がる。これを渡良瀬遊水地という。鉱毒の言葉がないのは、鉱毒のためではなく治水のためと詐称して作った巨大空地だからだ。

 福島核毒事件は、今年3月から始まったが、やはりこれもながいながい公害事件にさしかかっていて、東京電力と手を組んだ政府が、福島第1原子力発電所を取り巻く広範な地域から、住民を追い出すのである。
 その跡には、原発から出たセシウムなどの核物質に汚染された広大な土地が広がる。さてこの地をなんと名づけるか。
 
 鉱毒の重金属は今も遊水地にあるが、核の毒もこれから百年以上も地に残るらしい。人間はそこに住むことも、そこから産物を得ることもできない。
 人間ばかりか生物はみなそうであろう。
 人間の手が全く加わらなくなったら、日本の気候は多雨だから、ここにはかつての太古にあったような森林が復活してくる。これを自然遷移という。
 福島県の太平洋沿岸地域は、植生学上の潜在自然植生分類ではヤブツバキクラス域だから、タブを中心にしてシイやカシの類の常緑広葉樹の森になり、内陸部はブナクラス域だからブナ、ミズナラ、ツガなどの森になるであろう。
 
 この森を「鎮魂の森」とか「望郷の森」とか言いたい人もいるだろうが、わたしは「核毒の森」と名づけたい。当然ながら人々の進入を規制する禁断の森である。
 この禁断の森を後世の人々が忘れないように、その所以を伝えていくべきであると思うからこそ、渡良瀬遊水地のような欺瞞の名称ではなく核毒をもって名づけたい。

 この「核毒の森」のイニシャルコストとランニングコストは、巨大公害を起こした原因者の東京電力の企業および株主が負担して、国有の公園とする。
 それらの費用の一部は、多分、わたしにもいろいろな形で負担を強いてくるだろうが、それは原発の発した電力を享受した罰として、負担可能な相応額は引き受けざるを得ない。
 だが一儀的には、東京電力という企業とこれを支えた株主たちであることを、忘れないようにしたい。

 もちろん森の中心地には福島第1原発の廃炉群が無残な姿を見せている。
 廃炉の管理のための投資は長く長く続くだろうが、できるだけ無残な姿を露出して保存してもらいたい。
 放射線を出し続ける炉などはカバーするとしても、あの無残な建屋鉄骨はどこかにそばに移してでも、必ず保存してもらいたいのは、この大事故を後世伝えるには、目に見える姿が最も訴求力があるからだ。原爆ドームのように。
 そしてこの地を今すぐに世界文化遺産に登録するのだ。
 この深い禁断の森と発熱する廃炉群を、そしてそこに至る道程のすべてを、現世と後世の地球上の人々にしっかりと伝える役割を持たせるべきである。

 それがこの土地を追われた現代の谷中村民に対する、わたしたちの基本的な礼儀であると思う。
 悲惨であった足尾鉱毒時代とは違うから、十分な金銭補償等はなされるであろうが、それで済む問題ではない。
 だから登録は今すぐ行うべきである。3.11以来起きている物事のすべてを文化遺産として、後々まで伝えるべき重要なる人類の資産であるからである。

 世界遺産登録の基準に適合しないからできないなどという、手続きで反論があるだろう。
 だが、今の基準に適合しないような世界文化遺産に相当する事件が起きてしまったのだから、今の基準に拘泥する理由はまったくないのだ。
 もちろん世界遺産が観光資源と思われている世の中だから、その視点から登録の是非が議論されるかもしれない。だがこれは、論外の誤解曲解そのものである。

 できればチェルノブイリとスリーマイルも合わせて世界遺産に登録したいものである。
 そうすれば、すでに世界遺産登録となっている広島原爆ドームとビキニ環礁を合わせて、一連の人類愚行の核毒遺産として認識されるであろう。

●地震津波核毒事件コラム
http://datey.blogspot.jp/p/blog-page_26.html

2011/08/19

478本日の広告イチャモン

 ときどき新聞広告にいちゃモンをつけている。今日は朝日新聞の全面広告3つ。

●罰当たりな時代になったもんだ
満足に食っても半分しかカロリーがない、そんなことが売り文句になる時代である。
 66年前のあの日から、毎日が腹の減る日々で、少なくてもカロリーあるものをと、必死に食料をあさった時代があった。
 それは今でも、地球上のどこかで同じことがおきている。
 罰あたりな宣伝文句が通用する時代は、平和なのか、ちょっと不気味でもある。

●汚い魔法のパンツ
この広告にはずっと前にもお目にかかって、そのときは「魔法のパンツ 一度はいたらやめられない」と書いてあったので、そんな脱げないパンツなんて、ウンコでキタナイよとイチャモンつけたことがある。
 参照→怪パンhttp://datey.blogspot.com/2010/08/307.html
 今日は「魔法のパンツが手放せない」とある。ちょっと変えてるなあ。

●道で冒険するなよ
いつもの道で、忘れかけてた冒険を蘇らせる、なんて、ああた、いい加減にしなさいヨッ。
 自分の行為に「ご用意」と書くし、「乗れる」「試せる」なんてら抜き言葉も平気で書くしなあ
 このコピーライターはどんな頭してんだよ。

追記20140613)本日、コメント欄に匿名さんから投書が来た。曰く『「「乗る」も「試す」も五段活用の動詞ですけど?」』
 あ、そうか、ら抜きしてもOKなんだ、この場合は、。動詞が五段活用あるいはサ行変格活用のときは「れる」OK、分りましたありがとう。
 ゴメン、ゴメン、お詫びして当該部分の罵倒を取り消します。

2011/08/18

477 原発船で安心だあ~?

 あるブログで、なんと原子力発電船の建設が紹介されている。
 もっとも、造船所の倒産で頓挫したらしいけど。
「ロシア、世界初の洋上原発プロジェクト頓挫」
http://infrascape.exblog.jp/16126557/
http://www.reuters.com/article/2011/04/18/us-nuclear-industry-floating-idUSTRE73H3S020110418
 そのブログではロイターの記事を紹介して、要点をこう書かれています。
「2つの原子炉で構成されており、これにより35000世帯を賄う70mWの発電が行える。プラントはドックまたは沿岸に停泊しそこからケーブルで送電を行う」
「ロシアの国営原子力エネルギー企業のPosatomは、輸出目的で12の洋上発電所を建設する予定だ。」
「最初の原子炉の建設費用は5億500万ドルで、当初見積もりより4倍超も高額になっているが、それでも従来の大型原子炉に比べてればごく小額だ」
****** 
 驚きました、あるんですねえ、世の中に本当にそういう計画が、。
 実はわたしのブログ「伊達な世界」に、3年前に冗談に書いたことがあるのです。
 その要旨は、次のとおり。
「巨大な原子力空母は巨大な原子力発電所を抱えているのだろうが、波にゆれる洋上では地震の真上にいると同じだけど大丈夫なのか?
 そこで突然に思いついた、アッ、そうだっ、原子力発電船を作ればよいのだっ、いい考えだぞこれは、。
 海に浮かんでいても、アメリカ政府や日本政府の言うように絶対に事故がおきないのなら、電力需要の多い地域の港に停泊して発送電すれば、エネルギー効率が断然良くなる。大規模工場はたいてい海べりにあるから、原子力自家発電船を作ればよい。
 万が一、事故がおきたらすぐにはるか沖に出て行ってしまえば、害を及ぼす範囲は格段に小さくなる」
●全文は→「地震に強いかも原子力発電船」2008年9月29日
http://datey.blogspot.com/2008/09/nuclear-carrier.html.
*****
 どうです、思いがけずに福島第1原子力発電所の大事故です。
 あれがもし福島第1原子力発電だったら、津波が来るぞとわかったらすぐに沖合いに出ちまえば、こんなことにはならなかったでしょうに、、なんて、、う~む。
 冗談と現実の境目が取り外されると、困ってしまうよ。

476足尾鉱毒事件と福島核毒事件

 19世紀末から始まった足尾鉱毒事件という大公害があった。福島第1原発事件は、その21世紀版のような気がする。鉱毒ならぬ核毒である。
 栃木県足尾の山中にある銅山から発生した毒煙・毒水の鉱毒が、周辺や下流域の地域に大きな災害をもたらした。

 足銅山周辺地域は、山林は硫黄を含む毒煙で丸裸になり、田畑も汚染で作物もできす、いくつかの村が廃村となった。
 銅ややカドミウムの毒水は、銅山下流の渡良瀬川流域の田畑に流れ込んで、作物を汚染して、流域の農業を立ち往生させた。
 洪水のときは利根川をへて関東平野東部にも毒水が及んだ。

 どんな公害があろうとも、どんな抗議があろうとも、銅山経営者の古河鉱業は、責任をとろうとしない。
 流域被災農民からの鉱業停止運動は、官憲の弾圧を受ける。ついにリーダーの田中正三の天皇直訴事件が功を奏して、マスコミが取り上げて社会問題となる。
 窮した明治政府は、富国強兵殖産興業のために銅山に対する公害対策を後回しとし、たびたび起こる渡良瀬川の洪水の調整池づくりを理由として、その毒水の沈殿地としで渡良瀬遊水池を計画する。

 遊水地の場所は、鉱業停止運動の根拠地である。その村と住民を根こそぎ取り除いてしまう作戦であった。
 それは20世紀末まで工事が続けられて、今、栃木・茨城・群馬・埼玉の諸県境にひろがる広大な湿地草原と谷中湖となっている。
 その広大な遊水地のためにために、田中正造の反対運動で有名な谷中村をはじめとしていくつかの村が強制廃村、強制移転させられた。

 今、強制避難させられている福島第1原発の周辺の市町村のことを、わたしはいやおうなく連想してしまうのである。
 毒煙・毒水を核汚染物質に置き換えると、その発生も、その毒を取り除くことができなくて、人間のほうを強制的に動かすのもそっくりである。
 21世紀の谷中村が福島に出現するに違いない、と、わたしは思う。

 19世紀末に発生したこの大公害は、原因者の古河鉱山が認めて賠償金を支払ったのは、20世紀末のことであった。被害者にとっては、大企業と政府を相手とする100年かかった争いであった。
 廃止となった銅山は、その後も毒水を出し続けるために、その処理を延々と続けなければならない。これも核汚染物質の処理と同じである。
 鉱毒もものすごい毒であるが、それよりも核毒のほうがもっと強烈である。ここが科学が人間の毒の方向に進歩した証拠である。

 わたしは1958年だったか、その廃村のひとつである松木村の跡にある松木沢に入ったことがある。
 谷の両側に赤茶けた荒涼たる岩山が続いていて、草木はほとんど見えない。ここは日本だろうかと思わせる、凄絶な景観であった。
 渡良瀬川にたびたび洪水が起きたのは、この禿山のせいであったに違いない。洪水被害も公害であったのだ。
 そこに行った目的は、所属していた大学山岳部の合宿で、その日本的でない岩肌が屹立する岸壁を利用して、ロッククライミング登山の訓練をしたのであった。
 その後、緑は回復しているのだろうか。

 20年くらい前に、愛媛県新居浜の別子銅山跡地に行ったこともある。ここも谷だが両側の切り立つような山には、濃い緑が繁っていた。
 別子銅山でも19世紀末に煙害や銅山川の洪水による毒水公害が起きている。
 しかし、別子銅山経営の住友はここが本拠地であり、地域全部が住友銅山の町であったので、かなり早期から公害対策をしてきた歴史があるようだ。
 植林も住友の産業のひとつとなっているくらいだから、足尾の古河鉱業とはかなり態度が異なる企業である。

 この廃鉱跡地を産業遺産を生かした観光施設に転換しようというプロジェクトがあり、わたしはそのマスタープランづくりメンバーのひとりとして、現地を視察に行ったのであった。
 その計画は実現して、「マインとピア別子」として営業をしている。
 廃鉱となって40年ほど、いまだに発生する鉱毒水の処理を続けている。原発廃炉後も、長期にわたる核燃料や汚染物質の処理が必要なことと似ている。

 足尾鉱毒事件とその対策のあり方が、今の福島核毒事件になんらかの示唆を与えてくれそうだ。資料を読みこんで考えてみたい。

参照:ついに始まった東電核毒事件の福島貯蔵地は百年前の足尾鉱毒事件の渡良瀬遊水地そっくり